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本会議 「ナーシングホーム条例」反対討論 二〇〇五年九月二八日

かち佳代子(大田区選出)

 日本共産党都議団を代表して、第百七十四号議案「東京都ナーシングホーム条例の一部を改正する条例」について、反対の立場から討論を行います。
 介護保険法改悪にともない、十月から特別養護老人ホームなど施設利用者の居住費と食費が全額自己負担になることは、都民生活をおびやかす深刻な問題です。ところが石原知事は、わが党への答弁で、「在宅サービスとの負担の公平」や「年金給付との調整」のための見直しだ、などとという国の言いわけをそのままくり返すだけでした。
「在宅サービスとの負担の公平」と言いますが、今回の見直しで、在宅介護になくてはならないショートステイやデイサービスも、大幅な負担増になります。また、「年金給付との調整」とは、居住費や食費は年金から払えるはずだということですが、国民年金の水準が低すぎる現実を無視した、とんでもない話です。
 低所得者に配慮されているというのも通りません。年金月額六万七千円の高齢者が、相部屋の場合でも、年間十八万円もの負担増になるのです。「もう、これ以上の負担はできない」「払えない人は出て行けと言うのか」という声がひろがっているのは当然のことです。
 千代田区、荒川区、港区は、国の低所得者対策では不十分だとして、デイサービスの食費について区独自助成の実施を表明しています。これが、自治体として当然の姿勢ではありませんか。
 ところが石原知事がやったことは、板橋と東村山の都立ナーシングホーム利用者に、国が決めたとおり居住費、食費負担を求める条例提案でした。しかも、六月末に法改定が成立し、十月に大幅負担増を強行する国のやり方もひどいものですが、今日の都議会本会議に条例案を提出し、委員会付託を省略して即日議決、三日後の十月一日から実施という都のやり方もあまりにも無理があります。
 ナーシングホーム利用者のうち、来月いくらの負担になるかわからない人が、いまだ多数残されているのです。老人保健施設の利用者については、フタをあけてみなければ、まったくわからないという実態です。
 よって、中身もやり方も重大な本条例改定案に、反対するものです。
 今回の国の制度改定で、特別養護老人ホームなどの施設はのきなみ大幅減収となり、都立ナーシングホームも年間七千万円の減収になります。利用者サービスの低下をまねくことがないよう、都としてあらゆる努力をつくすことを求め、討論を終わります。

以上