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本会議 代表質問 二〇〇五年一二月七日

曽根はじめ(北区選出)

都民の貧困の増大と格差の拡大が広がっているいまこそ、都民のくらしをまもるために全力を

横田基地機能強化・永久化につながる軍軍民共用化にキッパリ反対を

都民の貧困と格差が拡大

 日本共産党を代表して質問します。
 今、都民の中に貧困と格差が増大しています。
 東京の生活保護は、九五年の九万六千人から十九万人へと増大しています。就学援助は、この六年間に一・三倍にふえて、小中学生の二四%に達し、都立高校の授業料減免も、九九年の四・九%から、昨年度は一二・四%に激増しています。無職高齢者世帯の実収入は、二〇〇〇年からの四年間で月四万八千円も減り、さらに減り続けています。九七年に約一割だった貯金ゼロの人が、今では二四%、三十代の四人に一人、二十代では四割近くが貯蓄ゼロです。
 国民生活白書は、九七年を境にすべての年齢で所得格差が開いており、パート、アルバイトが増加している若年層で顕著だと指摘しています。
 こうした貧困層と社会的格差の広がりは、小泉構造改革による新自由主義経済路線で大企業の利潤追求を最優先し、規制緩和万能、市場原理主義、弱肉強食を進める政策をとってきたことにその原因があります。
 しかも、暮らしを支えるべき社会保障は、連続改悪によって、人間らしく暮らす権利すら奪われつつあります。勝ち組、負け組を当然視し、子どもや高齢者の虐待、犯罪の増加など社会の病理現象が広がっています。知事は、貧困と格差が広がっている現状をどう認識しているのですか。

職場の無法状態を一掃し若者の雇用のルール確立を

 石原知事は、いたずらに結果の平等を追求するのではなく、自由な競争を保障する、すなわち機会の平等を重視することが必要といって都政を進めてきました。その結果、富める者はますます富を拡大する一方、圧倒的多数の都民は所得を減らし、貧困が拡大する格差社会が進行しています。貧困層は機会の平等すら奪われ、階級社会が固定化してきているという指摘も行われています。
 知事、自立自助や競争原理などを殊さら強調し、都民への支援を縮小、廃止することはやめて、都政が都民の貧困と格差の是正に全力を尽くすことが求められています。所見を伺います。
 例えば、来年四月には介護保険料の大幅値上げが予定されており、島しょでは月額七千円にはね上がるところさえあります。わずかな年金収入のお年寄りにとって耐えがたい負担です。今こそ介護保険料の減免に踏み出すこと、島しょを初め介護保険料が特に高くなってしまう自治体に個別支援も必要だと考えますが、答弁を求めます。
 若者の失業率は他の世代の二倍と高く、東京の二十歳代前半の非正社員は、九七年の三七%から、二〇〇二年には四六%と急増しました。見過ごせないことは、月収十万円程度の低賃金や平均十一時間を超えるような長時間労働、さらに一方的な解雇や雇いどめ、短期契約の雇用を反復するなど、無法状態が広がっていることです。
 職場における無法状態を一掃し、若者の生活と雇用を守るために、都として、サービス残業の一掃はもちろん、若者の正規雇用の拡大や、まともな雇用のルール確立などを経済団体にも求めるべきと考えますが、所見を伺います。

知事は消費税は「一番公平な税」と言うが、もっとも不公平な税制

 さらに、今、政府税調が定率減税の廃止などサラリーマン大増税を打ち出し、政府・自民党と民主党によって、消費税の二けた増税の方向が強まっています。強行されれば、合わせて二十四兆円という空前の庶民増税となり、年収五百万円の世帯では一カ月分の給与が吹き飛びます。
 知事は、サラリーマン増税など庶民増税が都民の暮らしや経済に与える影響についてどう認識していますか。私は、知事が国に対して定率減税を継続するよう求めるべきと考えますが、見解を伺います。
 私がとりわけ重大だと思うのは、石原知事が十月二十八日の記者会見で、消費税の増税について、やっぱり消費税をやる以外にないと思いますね、これは一番公平な税じゃないですかなどと、増税を後押しする発言を行ったことです。消費税が一番公平な税どころか、庶民にとって最も不公平な税制であり、逆累進性が強いということは政府でさえ認めざるを得ない事実じゃありませんか。ましてや、買いたくなきゃ買わなければいいなどとよくいえたものです。
 知事、記者会見での消費税に関するこの発言を撤回し、庶民の暮らしを守る立場にきっぱりと立つことを求めるものですが、答弁願います。

大きな利益を上げている大企業に適正課税できる制度の検討を

 今、日本の税収をゆがめている最大の問題は、大企業法人税に対する恒久的減税に手がつけられていないことです。大企業は、バブルの時期を上回る史上最高の利益を享受しており、都政が行うべきは、これらの大企業に適正な負担を求めることではありませんか。多くのマスコミも、今、好景気に沸く大企業は優遇され続け、サラリーマンにはひとしく大増税が待っている、増税するというなら、むしろ法人税だと書いています。
 東京都は、大企業への恒久減税などで三千億円もの減収を強いられています。知事は、こうしたゆがんだ現状をどう認識していますか。大企業への恒久減税をやめ、適正な課税を国に求めるべきです。
 また、都として、一千五百億円の増収が可能となる大企業への法人事業税の法定限度額までの引き上げを初め、大きな利益を上げながらわずかな税金しか納めていない大企業に対し適正に課税できる制度を検討し、都民施策を充実すべきです。あわせてお答え願います。

高齢者に対する新たな支援策検討を

 私は、貧困と格差が広がっている今こそ、都政が都民の暮らしを守るために力を尽くすべきとの立場から、以下、問題を絞って質問します。
 政府・与党は、先日、七十歳以上の高齢者の医療費負担を現行の二倍に引き上げるなど、患者負担を大幅にふやす方針を決定しました。本当にひどいことです。医療関係の三十八団体でつくる国民医療推進協議会は、国民集会を開き、患者負担増に反対する決議を採択しています。ここで日本医師会の会長は、高齢者の負担増について、長生きが申しわけないという声が聞かれる社会にしてはならないと厳しく批判しました。
 東京の高齢者が受け取る国民年金の平均額は、年にわずか六十三万七千円余りです。二割負担になれば、七十歳以上の人の年間医療費の平均は七万円から十四万円にはね上がります。知事、医療制度改革の名で高齢者を初め患者負担をふやす方針には断固反対すべきであります。
 また、今こそ都は、マル福の存続を初め、七十歳以上の高齢者の医療費助成に踏み出すなど、高齢者に対する新たな支援策を検討すべき時期に来ていると考えますが、それぞれ答弁を求めます。

この二年間に都立病院で看護師が八百人も退職 打開は急務

 医療については、深刻な看護師不足の打開も急務です。
 政府は、患者負担をふやす一方、医療機関に支払う診療報酬の削減を進めており、そのため病院は看護師をふやすことができないのです。その一方で、医療の高度化や、入院から退院までの日数が短くなっているため、医療、看護の現場では、看護師が余りにも忙しくて疲れ切っている、いつだれが事故を起こしても不思議ではないという深刻な状況が広がっています。
 医療従事者の団体が全国一万七千人の看護職員に行ったアンケート調査によると、十分に看護を提供できていると答えた人は八・六%にすぎず、できない理由として、人員が少な過ぎる、業務が過密になっていると答えています。医療ミスを起こしたり、起こしそうになったことがあるのは八六%に及んでいます。
 もともと、病床百床当たりの看護師の数は、アメリカ二百三十人、イギリス百二十九人、ドイツが百二人、フランス七十人に対し、日本はわずか四十三人と、欧米の水準から大きく立ちおくれています。医療法の基準では、看護師一人が受け持つ患者数は、昼間が十人、夜間は二十人というのが実態で、患者さんの話を十分に聞く時間がない、ナースコールに対応し切れないという声が現場から上がっているのは当然のことです。看護協会は、医療の質と安全を確保するため、看護師一人が受け持つ患者を、昼間は五人、夜間は十人へと配置基準の改正を求めています。
 こうした医療現場の実態をご存じでしょうか。医療の質と安全の確保のため、看護師の配置基準の改善と診療報酬の引き上げを国に強く要請すべきです。答弁願います。
 病床百床当たりの東京の看護師数は、全国で三十二位と低い水準です。ところが、都の看護師確保対策予算は毎年減らされています。都立看護専門学校は四校が廃止され、定員数は、六年前の千三百六十人から、わずか六百四十人へと激減しています。現場は看護師不足にあえいでいるのに、都立の看護師養成校を次々廃止というのはとんでもない話ではありませんか。都立看護専門学校の統廃合計画は再検討し、拡充こそ必要です。
 また、都として、東京における看護師不足、多忙化の実態調査を行い、看護師を本格的にふやす計画を策定することを求めるものです。所見を伺います。
 都立病院の現状も深刻です。この二年間に退職した看護師は八百人に及びます。定年退職はわずかで、二十代、三十代のこれからという人が次々やめているのです。職員団体の調査による退職理由の一位は、とにかく疲れた、二位は、サービス残業が多過ぎるという回答です。職員定数がいつも確保できない状態となっており、夜勤が月十回を超える、妊婦の夜勤免除ができないという状況が広がっています。こんなことを放置していていいのでしょうか。
 都立病院の看護師が希望を持って働き続けることができ、質の高い看護ができるよう、看護師をふやすことは急務です。答弁を求めます。
 また、サービス残業などは、都立病院のみならず、都の職場から根絶することが必要です。お答えください。

認可保育所および学童クラブの都加算補助は維持を

 次に、保育所などの都加算補助の問題です。
 東京都は、第二次財政再建推進プランに基づき、認可保育所及び学童クラブ運営費の都加算補助に加え、三歳児健診などの十三の事業を来年度廃止し、子育て推進交付金に再構築することを提案しています。
 認可保育所に対する都加算補助は、ゼロ歳児保育の看護師の配置や、離乳食を初め質の高い給食をつくるための調理員の増配置、給食で温かいご飯を出せるようにする主食費の補助、延長保育や障害児保育の質を充実する保育士の増配置など、いずれも根拠が明確で、保育内容の充実に直結しており、子どもたちの豊かな成長、発達を保障するためになくてはならないものばかりです。これらの都加算補助は、余りにも不十分な国の基準を補い、望ましい保育水準を確保するため、現場の要望に基づき、長年にわたり一歩一歩積み上げてきたものです。
 だからこそ、保育団体はこぞって、都加算補助は現行どおり維持してほしい、都加算補助を廃止したら、東京都において独自に積み上げてきた保育水準を破棄してしまうことにつながりかねないと訴えています。
 都加算補助によってつくり上げてきた東京の保育水準を維持するのは東京都の責務です。これを廃止して包括的な交付金に変えることは、都の責務を放棄するものであり、自治体間格差は拡大し、保育の現場に大きな混乱を招くことは明らかです。
 また、都の提案では、新たに創設する交付金の総額は、十三事業の現在の総額に据え置くとされており、経費のかかるゼロ歳児保育や延長保育、障害児保育などを伸ばせば伸ばすほど市町村は財源不足に陥ることになります。その上、積算の根拠も目的も不明確な交付金では、今後は、都の財政事情や政策判断により、いかようにも削減可能なものとなります。
 我が党は、都内の私立保育園及び全市町村に対する緊急アンケートを行いました。保育園から寄せられた回答には、都加算補助がいかに保育の質の向上のために役立っているかが切々と書かれています。例えば乳児保育では、専門的知識に基づいて子どもの小さな変化にも判断がつく看護師がいることは必要不可欠、また、調理員加配があるからこそ、アレルギー食のきめ細かい対応ができる、こういう声が寄せられているのです。市町村も、ゼロ歳児保育や延長保育を広げるためには、都加算補助の維持、拡充こそ必要との声が多数を占めています。都の、都加算補助が必ずしもサービスの向上を促すものになっていないなどといういいわけが成り立たないことは、これらの回答を見ても明らかです。
 認可保育所及び学童クラブの都加算補助を維持し、都加算の対象経費及び単価の基準を堅持することを強く求めるものですが、見解を伺います。
 全国一深刻な東京の少子化を打開するためには、子育て支援の予算全体をふやすことが必要ではありませんか。保育の都加算補助を削って子育て支援に回すというやり方では、問題は打開できません。答弁を求めます。

財政再建プランの見込額より二兆円も多い都税収入

 都民の暮らし、福祉を守ることは、予算の使い方を変えれば十分可能です。ところが、石原都政は、福祉、教育、中小企業、住宅、消費者行政、文化・スポーツ、環境など、都民生活のあらゆる分野を切り捨ててきました。とりわけ福祉については、医療費助成や各種手当の施策や都立施設などの廃止縮小を行った結果、福祉費の一般会計に占める比率は、この六年間で八・四%から七・九%へと後退させられました。東京より厳しい財政の首都圏の各県が皆、福祉費の比率をふやしていることと比べて、本当に異常です。知事、この福祉費の削減という事実を率直に認め、福祉の拡充に踏み出すべきだと考えますが、答弁を求めます。
 石原知事は、暮らし、福祉の切り捨てを、専ら財政危機を強調することで進めてきました。しかし、財政の実際はどうだったのでしょうか。財政再建推進プランが策定された二〇〇〇年以降、来年度までの期間、財源不足がさんざん強調されましたが、実際の都税収入は、この二次にわたるプランの見込み額より二兆円も多いのです。
 一体、この税収増は何に使われたのか。毎年の補正予算を見れば一目瞭然です。ふえた税金は専ら知事の進める都市再生のための幹線道路や都市再開発や臨海副都心開発の支援などにつぎ込まれました。二〇〇四年度最終補正予算では、福祉や教育、中小企業には一円も使われなかったではありませんか。

不要・不急の投資に大胆にメスを

 さらに重大なことは、今後、この方向が新たな規模とスピードで強められようとしていることです。例えば、首都高速道路中央環状品川線では、無利子貸付から、都の直接の道路街路事業として都の資金が千二百五十億円つぎ込まれます。本来、国の責任で行うべき羽田空港国際化にも一千億円、外かく環状道路は、圏央道と同じように国直轄で行われれば、それだけで数千億円、さらに地上部を都道として整備することになれば、さらなる莫大な資金が投入されることになります。
 都がこの十月に発表した総合物流ビジョンに基づき、物流拠点や橋のかけかえ、港湾機能の強化などが加われば、さらなる巨額の資金が必要となります。しかも、知事が突然表明したオリンピック招致の名で、毎年一千億円、十年で一兆円の基金が積み立てられると報道されていますが、これが事実とすれば、関連施設のリニューアルやインフラ整備などにこれまた膨大な資金が必要となることは明らかです。
 知事、このような開発一本やりのやり方は見直すべきときに来ていることは、世界の流れ、全国の自治体の流れを見れば明らかです。人口減少社会を迎え、東京都も二〇五〇年には人口が二割も減少する見込みです。経済活動や社会資本整備もそれに見合ったものに修正することは当然の流れです。
 国も今、国土総合開発法を見直して制定した国土形成計画法に基づく計画の見直しを進めていますが、その中で、第一次全国総合開発以来の五次にわたる全総計画が、開発を基調とした量的拡大を図る計画であったとして、今後は、人口減少下の成熟社会にふさわしい、国土の質的向上を図る国土計画への転換を図ることが必要として、今後は、新規投資から既存ストックの有効活用に重点をシフトしていくことが必要としています。至極当然の考え方ではありませんか。
 知事、高度成長型の都市改造はやめ、人口減少時代にふさわしい都市のあり方を目指して再検討する時期に来ているのではありませんか。
 とりわけ、不要不急の投資に大胆にメスを入れることが緊急の課題であると考えますが、知事の見解を求めます。

規制緩和で耐震設計偽造 再発防止、被害者の救済を

 都市再生のゆがみは、都財政だけにあらわれているわけではありません。国際的な都市間競争に勝つという財界や多国籍企業の要求によって知事が国と一体となって進めてきた都市再生、規制緩和、官から民への大合唱は、環境問題などを深刻化させただけでなく、今問題となっているマンションなどの耐震設計偽造問題のような重大な社会問題を引き起こしています。
 そもそも建築確認は、市場原理だけに任せれば、手抜きや欠陥建築物がまかり通る危険があることから、それを公的にチェックすることを目的につくられた制度です。その建築確認の仕事を市場原理に基づく民間企業に開放すればどうなるのかは自明の理ではありませんか。
 この問題について、青山元副知事は、建築確認は、行政が十分な体制を整備して、みずから行うべきだと表明しています。問題なのは、東京都が、法改正をよいことに、官から民へのかけ声のもとに、民間任せの姿勢を強めてきたことです。四年前には九対一であった公民の比率が、昨年には、民間など指定機関の検査確認数が東京都などの特定行政庁のものを上回るに至っています。
 知事、一定規模以上の建築確認は行政の責任で行うべきです。また、形骸化している工事の中間検査や完了時の検査を義務づけること、第三者によるチェックなどリスクマネジメントの導入、違反者の厳罰などの再発防止策を直ちに講じることは最低限の改善策であり、国に強く求めることが必要であると考えますが、見解を伺います。
 都としても、この立場から建築確認と検査に当たること、そのためにも、職員を減らし続けるのではなく、必要な職員を十分確保し、体制を抜本的に強化することを提案するものです。
 被害者救済については、当該企業のみならず行政の責任は重大であり、当該企業に責任をとらせるとともに、行政の責任で公的支援を行うべきです。マンションの建てかえやローンの負担軽減、返済の猶予などの支援については、金融機関や不動産や建設業者など関係業界の協力、負担も含めて、手だてを尽くすことが必要です。また、都として、都営、公社、都民住宅の入居者に対する家賃の減免に直ちに踏み出すこと、住宅、金融、生活、教育、心のケアなど、総合的な相談窓口を設置することを求めるものです。
 さらに、都民の不安にこたえ、マンションなどの耐震診断を促進するための助成を行うことが必要です。それぞれ答弁を求めます。

基地機能強化・永久化につながる軍軍民共用化にキッパリ反対を

 最後に、在日米軍再編計画について伺います。
 アメリカの世界戦略のもとで、地球的規模での米軍再編が進められています。その中でも異常な突出ぶりを示しているのが日米同盟であり、重大なことは、アーミテージ前米国務副長官が、九条は日米の邪魔者といってはばからなかった憲法九条の改悪の策動が、この米軍再編と密接に結びついて進行していることです。
 日米安全保障協議委員会、いわゆる2プラス2の共同文書では、日米同盟の地球的規模への拡大という内容が盛り込まれ、イラク戦争のようなアメリカの先制攻撃の戦争が行われた際、日米が共同で軍事行動を進めることが共通の戦略目標とされました。そして、米軍と自衛隊の司令部機能の統合、基地の共同使用など、米軍と自衛隊が一体となって海外での共同作戦を可能にする態勢づくりや、在日米軍基地の機能の強化、永久化が打ち出されたのであります。
 それは、沖縄の海兵隊のための新基地の建設、キャンプ座間への米陸軍の新しい司令部の移設、横須賀基地への原子力空母の配備、岩国基地への空母艦載機の移転、横田基地の在日米軍司令部に航空自衛隊の戦闘部隊を統括する司令部の併置など、日米安保締結以来の最も重大な内容を持つものとなっています。
 地域住民にこれ以上苦しみを強いることはできない、基地の恒久化は容認できないと、関係自治体首長は一斉に反対しています。相模原市長は、戦車にひかれたって、命をかけても反対するとまで表明しています。ところが、石原知事はただ一人、軍軍共用化はやむを得ないと、横田基地の再編計画を容認する態度を表明しました。驚くべき態度といわなければなりません。
 今回の米軍再編計画は、額賀防衛庁長官が、座間市長に対して百年の計画と明言したように、米軍基地の恒久化をねらったものであることは明らかではありませんか。知事、軍軍共用化を容認する発言を撤回し、横田基地の機能強化、永久化につながる米軍再編計画にきっぱり反対すべきであります。明確な答弁を求めます。
 石原知事が、軍軍共用化を容認した上で、平行して横田基地の滑走路を軍民が共用で利用することは当然と表明したことも極めて重大です。
 知事は、基地周辺住民の苦しみに思いをはせたことがありますか。横田基地では、飛行回数が年間約四万回に達し、騒音七〇デシベルを超えるものが、そのうち二万八千回近くにも及んでいます。
 去る十一月三十日に、東京高裁が新横田基地騒音公害訴訟の控訴審判決を下しました。判決は、国に三十二億円の賠償を命ずるとともに、違法な基地騒音の補償制度すらないのは怠慢のそしりを免れないと、国の姿勢を厳しく批判しました。また、改めて、うるささ指数七五以上の区域の住民の騒音被害は、受忍限度を超えて違法と断じました。
 周辺六市町が共同して掲げている基地の整理、縮小、返還は、こうした基地被害で苦しむ周辺住民の切実な願いです。瑞穂町長が、軍民共用化も軍軍共用化も基地の恒久化につながる、整理、縮小、全面返還を求めることに変わりはないとの態度を表明していることは極めて当然であります。知事、受忍限度を超えて違法との判決をどう受けとめているのですか。
 今回の再編計画によって、米軍機に加え自衛隊機がふえ、さらに民間機がふえたらどうなるのでしょうか。騒音被害が拡大することはだれでもわかる話ではありませんか。知事、なぜ共用化に固執するのですか。周辺住民と自治体の軍軍民共用化に反対する声にこたえるべきではありませんか。見解を求めます。
 首都圏の米軍再編計画には、関係知事、市町村長がこぞって反対を表明しています。石原知事は、八都県市との協力、共同などといっていますが、であるなら、神奈川県を初め関係自治体と足並みをそろえて基地強化に反対し、縮小、返還を求めて行動することこそとるべき態度だと思いますが、見解を伺い、再質問を留保して質問を終わります。

【再質問】

 知事答弁に絞って再質問いたします。
 知事は、日本は豊かで平等な社会だといいましたが、今やそうじゃなくなってきた、むしろ貧困と格差が広がっていることがなぜわからないんでしょうか。特に東京は格差が大きくなっており、一部の超高額所得の人がいる一方で、生活保護率は全国の一・三倍、就学援助を受けている児童の率も二倍にも及び、若者の多くも月十万円前後の収入しか得ていないんです。
 知事、こうした庶民の暮らしの実態を知らないのですか。知事も、たまには庶民の暮らしの現場に足を運んで、暮らしの実態をつかむべきではありませんか。改めて答弁を求めます。
 次に、米軍基地再編問題ですが、知事、アメリカが日本に求めていることは、アメリカの地球規模の戦争に日本を参戦させることなんです。アーミテージ氏も、先日ある新聞で述べているように、日本がアメリカの地球規模でのパートナーとして軍事的役割を果たせるかどうかが問題だといっているわけです。そのために基地機能を強化するのが今度の再編計画であって、基地の返還に向けて、前に進むどころか、恒久基地化を進めるものであることは明白です。だからこそ、自治体の長も、石原知事以外はすべて反対しています。
 今、長年紛争が絶えなかったアジアで、国連憲章に基づく平和の共同体を目指す動きが、中国を含めて大きく広がっているところです。この流れに日本が加わって、この流れを促進することこそ、日本の安全と国民の命を守るべき道ではないでしょうか。
 ですから、私は、八都県市の課題に加わらないというのではなく、八都県市と共同、協調の中で、この問題については、当然、石原知事も反対の立場に立つべきだということで、改めて答弁を求めたいと思います。
 以上です。(拍手)

【答弁】

〇知事(石原慎太郎君) 曽根はじめ議員の代表質問にお答えいたします。
 まず、貧困と格差の拡大についてでありますが、貧困だ、格差だということでありますけれども、都合のいい数字だけをピックアップして並べて、我が国があたかも貧困にあえいでいるかのように喧伝するのは、古めかしいプロパガンダとはいいながら、いかがなものでありましょうか。
 日本が、戦後六十年を経て世界第二位の経済規模を維持する中で、極めて公平な社会を築いてきたことはだれも否定できない事実であります。少子高齢化社会となり、成熟社会を迎えた現在、さまざまな価値観、生き方があることは当然でありますが、これも多様性を認める自由主義社会の一つのあらわれだと思います。ゆえにも、ご指摘は全く的外れだと思います。
 次いで、都民生活と都政運営についてでありますけれども、共産党が主張する結果の平等が何をもたらすかは、社会的なダイナミズムを欠いてしまったかつての共産主義国の幾つかの崩壊を見れば明らかなように、歴史が既に証明しております。
 私は、これまでの七年間と同様に、今後とも、自助、共助、公助の精神を基本に据えて、福祉改革、教育改革はもとより、治安の回復、都市の環境再生や中小企業振興、都市インフラの整備などに率先して取り組んでまいります。
 同時に、これまで以上に徹底した行財政改革を進め、スリムで効率的な都政を実現するとともに、多様な主体が公の役割を担う仕組みづくりに取り組んでまいります。
 こうした取り組みを徹底させることこそが、首都東京を預かる者の責務であり、都民福祉の向上を図るための最良の道であると確信しております。
 次いで、消費税についてでありますが、少子高齢化が進展する中で、国、地方の行政サービスに必要な財源をどのように確保していくかは極めて重要な問題であります。政府税制調査会の答申によれば、消費税はあらゆる世代が広く公平に負担を分かち合い、安定的な歳入構造を構築する上で重要な税であるとされておりますが、消費税のあり方については、我が国の歳入歳出の先行きを見通しつつ、国民的な議論を重ねていくべき課題であると思います。
 しかし、私は個人的に、これはやはり、課税をする品目についての差別というものを講じて、例えば日本人がやたらに好きな、しかも日本人向きの価格がついているというブランド製品などと、生活に必要な食品などの課税は当然違ってくると思いますし、そういったものを含めて、私たちはやっぱり税制そのものの立て直しをする時期に来ているのではないかと思います。
 平成十一年度に導入されました法人に対する恒久的な減税についてでありますが、この恒久的な減税は、我が国の企業が国際競争力を十分発揮できるようにするとの観点から実施されたものでありまして、法人課税の税率については、国際競争力の維持の観点から、当面、現在の水準を維持することが適当であるとされており、国に対処を求めるつもりはありません。
 法人事業税の超過税率の引き上げについてでありますが、法人事業税の超過課税は、大都市特有の財政需要に対応するため、一定の法人に対し、標準税率による通常の負担を超えた特別の負担を求めるものであります。
 超過税率の引き上げについては、法人負担の状況、国際競争力の維持等の観点にかんがみまして、現在のところ考えてはおりません。
 医療制度改革についてでありますが、現在我が国は、世界的に見ても豊かで平等な社会を実現し、高い生活水準を維持しております。これは、基本的に国民が、自助自立を前提として努力を積み上げた結果でありまして、また、国民皆保険、皆年金などの社会保障制度が有効に機能し、さまざまな社会的リスクに対応してきたからであります。
 しかしながら、人口減少社会の到来を目前にして、こうした社会保障制度全体を将来世代に安定的に引き継ぐためには制度の構造改革が急務であり、医療制度の改革についてもその一環として行われるものと認識しております。
 次いで、福祉の拡充についてでありますが、これまで繰り返し申し上げてきましたけれども、都が果たすべき役割は、福祉サービスの基盤整備など、福祉水準全体の向上を図ることであります。
 多様化する都民の福祉ニーズにこたえるため、都は、長期的、歴史的視野に立って、見直すべき事業は見直し、必要な施策には財源を集中投入して、利用者本位の福祉改革を推進してまいりました。
 平成十一年度以降、都独自の認証保育所制度の創設や認知症高齢者、知的障害者のグループホームの増設など、都民が真に求める福祉施策は大幅に拡充しております。また、こうした都の取り組みには、既に多くの都民から十分ご理解をいただいていると思っております。
 次いで、建築確認制度に係る改善策についてでありますが、今回の問題の背景は、国が指定した民間確認検査機関の審査に自治体が自主的に関与できない仕組みとなっていること、国による確認検査機関への指導監督が不十分であったこと、こうした中で起きた事件でありまして、国の責任は重大だと思います。
 国は、その責任において、徹底的な制度の検証と見直しを行うべきであり、国に早期の改正を求めてまいります。
 次いで、米軍再編計画についてでありますが、米軍再編の目的は、冷戦終結後の世界情勢の変化を踏まえ、核兵器拡散やテロなどの新たな脅威に対抗できるようにすることであると認識しております。
 我が国を取り巻く国際情勢の現状からすれば、日本の安全を確保するため、日米の連携と協力が依然として必要であると思います。
 我が国の安全保障を図る観点に立てば、国民の生命、財産をどのようにして守るかという展望を欠いたまま、単に米軍基地の必要性を否定するだけでは、極めて非現実的であり、無責任といわざるを得ないと思います。
 次いで、横田基地の軍民共用化についてでありますが、軍民共用化は、既存の施設の有効活用により首都圏の空港機能を補完し、多摩の振興はもとより、日本経済の再生を含めて、将来の国力の充実を図るものであります。現に、ほとんど使われていない日本最長の横田の滑走路を軍と民と共用して活用していくことは、国益を考えれば当然のことであります。
 また、この軍軍共用によって、国が軍用機をあそこにふやすということは全くありません。また、民間機の騒音は米軍機と比べ極めて小さいことから、騒音に配慮した軍民共用化は可能であります。
 今後とも、地元の理解と協力を得ながら、軍民共用化の早期実現を達成するよう、日米両政府に強く求めてまいります。
 その他の質問については、関係局長から答弁いたします。
 失礼、一つ抜けました。
 人口減少時代における都市のあり方についてでありますが、人口が減るから都市への投資をやめようというのは、都市の持つ文明工学的な意味合いを全く理解していない一つの証左だと思います。今後、我が国の人口が減少に転じても、東京を初めとする首都圏に、人口や都市の諸機能が総体的に集積し続けることは必至であります。
 今必要なのは、国の発展を牽引する大都市の役割を明確にし、全国一律の不要不急の投資を改めて大都市圏に集中的に投資することだと思います。話が全く逆であるといわざるを得ません。

〇福祉保健局長(平井健一君) 七点のご質問にお答えします。
 まず、介護保険料の減免についてでございますが、介護保険料は、所得に応じて五段階または六段階に設定されておりまして、制度上、低所得者に対する配慮がなされております。さらに、平成十八年四月からは、市町村民税世帯非課税者のうち、負担能力の低い層につきまして、より低い保険料率を設定することが予定されております。こうしたことから、都として独自に減免制度を創設する考えはございません。
 また、各区市町村の保険料は、給付費の見込み額と所得段階別の被保険者数などに基づき設定することとされているものでございます。
 次に、老人医療費助成制度についてでございますが、この制度は、社会保障制度の充実や介護保険制度の創設などを踏まえまして、七年間にわたる経過措置を設けて廃止することが、都議会における議論を経た上で、既に決定されております。また、現在、国で議論されている高齢者の医療費自己負担の見直しは、現役世代との負担の公平性などの観点から行われるものと理解しております。
 こうしたことから、老人医療費助成制度の存続や、七十歳以上の高齢者に対する新たな医療費助成を行うことは考えておりません。
 次に、看護師の配置基準と診療報酬についてですが、看護職員の配置につきましては、医療法に定める標準数に加え、例えばICUなど、集中的なケアを必要とする部門について、これに必要な診療体制が確保されるよう、診療報酬面において配慮がなされております。
 なお、不採算性の高い小児医療や救急医療の充実、患者中心の医療の促進に資するセカンドオピニオンやIT化の推進など、診療報酬の改善などが必要な事項につきましては、既に国に提案要求しているところでございます。
 次に、都立看護専門学校の再編整備計画についてでございますが、少子化が進行する中で、医療技術の高度化や看護ニーズの変化に対応できる質の高い看護職員を確保していくためには、養成対策に加えまして、定着対策や再就業対策などを総合的に実施していく必要がございます。
 都立看護専門学校の養成規模につきましては、こうした状況を踏まえて設定したものでございます。今後とも、教育機能の充実強化とあわせ、この再編整備計画を着実に推進してまいります。
 次に、看護職員に関する計画の策定についてでございますが、都は、これまでも医療機関等における看護職員の就業状況等について調査を行い、都における看護職員需給見通しを策定してまいりました。平成十九年から五カ年の第五次看護職員需給見通しにつきましても、今後、同様に策定することとしております。
 次に、認可保育所などへの都加算補助についてでございますが、安心して子どもを産み育てる環境を整備するためには、区市町村が地域の実情に応じて行う多様な取り組みを支援していくことが重要です。しかし、認可保育所や学童クラブ等への既存の補助制度は、対象者やその使い道が細かく限定されているなど、必ずしも区市町村の柔軟な対応を促す仕組みになっていない面もございます。
 こうしたことから、区市町村が地域の特性や創意工夫を生かした独自の取り組みが行われるよう、柔軟な財政支援の仕組みに再構築していくことが喫緊の課題と考えているものでございます。
 最後に、子育て支援予算についてでございますが、都は、これまでも、大都市特有の保育ニーズに対応した認証保育所制度の創設を初め、一時保育や病後児保育、子育てひろばなど、さまざまな在宅サービスの拡充、次世代育成緊急対策総合補助制度の創設など、積極的に地域の子育て環境の整備に努めてまいりました。
 今回の交付金は、子育て支援をさらに進めるため、市町村への財政支援の仕組みについても、先ほど申し上げましたとおり、地域の特性や創意工夫を生かした独自の取り組みを効果的に行うことのできるよう再構築を図るものでございます。

〇産業労働局長(成田浩君) 若年者雇用等に関する経済団体への働きかけについてでございますが、国では、各種法令や指針等に基づき、企業に対して、雇用の確保や勤務時間等、労働条件の整備等に向けた取り組みを求めております。
 都といたしましては、引き続き、雇用形態にかかわらず、これらの法令等の周知徹底を図ってまいります。

〇主税局長(菅原秀夫君) 定率減税につきましてお答え申し上げます。
 去る十一月二十五日に公表されました政府税制調査会の答申におきましては、定率減税は、著しく停滞した経済活動の回復に資する観点から緊急避難的に講じられた景気対策のための措置でございまして、経済状況を見きわめ、廃止すべきであるとされております。
 定率減税のあり方につきましては、景気の動向や個人所得課税の基幹税としての性格を踏まえ、国民的な議論を重ねることが重要であると考えております。

〇病院経営本部長(大塚孝一君) 都立病院における看護師確保についてお答えいたします。
 看護師の確保につきましては、計画的な教育指導体制を充実するなど、定着に努めているとともに、病棟等の医療機能や病床数、業務量などに応じまして、必要な体制を確保しております。

〇総務局長(高橋功君) 職員の超過勤務についてお答えいたします。
 都における職員の超過勤務時間は、超過勤務命令簿により適正に管理しております。超過勤務の縮減につきましても、さまざまな機会をとらえ、各局に対して通知、指導をしております。
 今後とも、管理職による事前命令、事後確認を徹底していくとともに、全庁一斉定時退庁日やノー超勤ウイークの効果的な実施など、超過勤務の縮減に取り組んでまいります。

〇都市整備局長(梶山修君) 構造計算書偽造問題に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、建築確認と検査に関する都の体制についてでございますが、確認と検査を適切に行うことは、建築物の安全確保の上で重要でございます。都は、建築法規や建築構造に関する知識のある職員を適正に配置し、確認等の業務を行っております。
 今後とも、職員の計画的な育成を図り、確認等の業務を適正に執行し、安全なまちづくりに努めてまいります。
 次に、居住者支援についてでございますが、今回の問題について、都は、都民の安全を確保するため、緊急措置として都民住宅等を確保いたしました。
 また、偽造の当事者である建築士や瑕疵担保責任を有する売り主などの関係者の責任追及と、制度の仕組みをつくった国がみずから責任を明らかにすることを求めてまいりました。
 昨日、国は公的な支援方策を発表いたしました。今後、都といたしましては、それらを踏まえながら、マンション居住者の速やかな退去と円滑な生活再建に向けて区市と連携し、必要な対策を講じてまいります。
 最後に、居住者に対する家賃の減免などについてでございますが、公的支援を行うに当たりましては、国に設置されました構造計算書偽造問題対策連絡協議会において、転居費用や家賃の助成について、関係自治体間での統一的な取り扱いを検討することとされており、都としては、その中で国や区市と十分協議し、適切に対応してまいります。
 また、都民の日常生活に伴う相談につきましては、第一義的には、居住者に身近な地元区市で行うことが効果的であると考えております。したがいまして、都としては、これまでと同様、区市と連携しながら、相談窓口を適切に紹介することなどによりまして、マンション居住者が速やかに必要とする相談を受けられるよう図ってまいります。
 また、マンションの耐震診断につきましては、都はこれまでも耐震改修工事を実施する場合には、マンション改良工事助成制度の対象としており、この制度により引き続き支援してまいります。

〇知事本局長(山口一久君) 横田基地に関する二つのご質問にお答えいたします。
 新横田基地騒音公害訴訟高裁判決についてでございますが、今回の判決は、基本的には、一定の騒音レベルを超える居住者に対し損害賠償を認めるという従来の判決と同趣旨の判決であります。
 基地に起因する騒音対策は、国が責任を持って対処するという法律的な枠組みに基づき、国が適切に対処すべきものであります。
 都としましても、国への提案要求や渉外知事会による基地対策に関する要望などにより、今後とも基地周辺の騒音被害の軽減を図るよう国に求めてまいります。
 次に、首都圏の米軍再編計画についてでありますが、八都県市首脳会議は、大気汚染など八都県市共通の課題を討議する場でありますので、米軍再編計画については八都県市首脳会議の対象にはならないと考えております。
 なお、軍民共用化につきましては、平成十六年五月の関東地方知事会議におきまして、横田飛行場の民間空港利用等の早期実現が、国への提案・要望事項として合意されております。

【再質問答弁】

   〔「答える必要ないよ」と呼ぶ者あり〕

〇知事(石原慎太郎君) 答える必要ない。――まず、第一点、貧困と格差の問題でありますけど、私は私なりに、多分あなた方よりいろんな部分の現場を見て、総体的に、私は決してこの東京、日本は貧困でもないし、著しい格差があるとは思っておりません。
 それから、基地の問題ですけど、私はあくまで横田の話をしているのでありまして、ここでいっていいかどうかわかりませんけど、この間、ワシントンの感触では、ある高官が、石原さん、結局横田は返りますよというぐらい、彼らはその利用性というものが軽減していることを知っている。
 ただ、これはやっぱりほかの基地と同列に扱っては違います。やはり、日本には幾つかの基地があります。その基地によって日米関係にとっての意味合いも価値も違うわけでありまして、これがほとんど価値がなくなった、ユーティリティーがないから私は返還を迫っている、それだけのことであります。