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第4回定例会 文書質問趣意書

村松みえ子(日野市選出)

一、都立日野高校への冷房設置を

 先日、都立日野高校の保護者から「子どもが学校で異臭がすると言っている」とお聞きしました。他の生徒や卒業生に聞くと、やはり友達と「今日はくさいね」と言いあっているとのことです。
 都立日野高校は、隣接した敷地に、日野市で収集したごみや下水道未整備地域のし尿の処理をする「浅川クリーンセンター」と、下水処理をする「東京都下水道局浅川水再生センター」があります。
 校長先生は、「浅川クリーンセンターからの臭いか都の下水処理施設の臭いかわからないが、臭いがする。梅雨時のようにじめじめと蒸し暑い時や、風のないどんよりした日が多い。特に北校舎の4階の普通教室で臭いがするという声が多い」と言い、「すぐに浅川クリーンセンターと浅川水再生センターに連絡して来てもらい、どんな作業が行われていたのかを聞く」とのことでした。
 そして、「日野高校は、前に浅川が流れとてもよい教育環境だと思っているが、この臭気の問題では、毎年、東京都教育委員会に教室への冷房化をお願いしている」とのことでした。

 東京都下水道局浅川水再生センターの担当者によれば、「1年に10回ぐらい都立日野高校を含む近隣からの苦情が寄せられる」とのことです。下水処理施設を見学させていただきましたが、説明では、汚水と一緒に出る汚物を焼却する焼却炉がとまっているときに臭いが発生しやすいとのことです。そして、この焼却炉からの臭いをなくすために、汚泥焼却脱臭設備改良工事を行う予定で、現在設備を発注しているとのことでした。
先ほどの校長先生も、「都の浅川水再生センターでは、臭いがしないように予算を組んで手を打ってくれていると聞いているので、それに期待したい」と言っておられました。

 都の下水処理施設での汚泥焼却脱臭設備の改良工事は、近隣住民への臭気を除去する意味からも重要な措置と考えます。しかし、日野市の家庭ごみと下水未整備地域の家庭のし尿処理を扱っている浅川クリーンセンターの臭いは、解決がむずかしい状況です。毎年の日野高校から都教委への要望のなかでも、「風のない日に下流のし尿処理場の臭気が蔓延し、河川際の高温多湿な状態に加えて耐えがたい状態にある」とあり、この問題も深刻です。
 日野高校近隣の30件の家からお話を伺うと、トイレの臭いがすると言う人と、残飯のにおいがすると言う人がいました。要するに2つの施設の臭いがするというのです。中には、家のトイレが古くて臭うのかと便器一式取り替えたが、2,3日前にまた臭いがしておかしいと言う人もいました。自分たちは窓を閉めて冷房をするが、生徒は暑いなか勉強するので窓を閉めるわけにもいかず気の毒だと言う方もいらっしゃいました。

 八王子市の気象台の調査によると、日中の最高気温が30度を超える真夏日が、昨年は68日と、23区の70日と並ぶ暑さを記録しています。都公立高校PTA連合会をはじめ、都内各地の高校のPTAなどが、暑くて勉強に集中できないうえ、気分が悪くなる生徒も出るなど健康面からも普通教室の冷房化を要望していますが、日野高校の場合、それに加え臭気も深刻なのですから、早急に対応する必要があります。

 昨年1月に文部科学省が発表した「高等学校施設整備指針」は、学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために、計画および設計にあたっての留意事項を示したものとして、「既存施設の改修を含めた学校施設の今後の整備にさいし、『高等学校施設整備指針』が活用され、設置者の創意工夫の下に、教育の場にふさわしい豊かな環境が全国で形成されていくことを願う次第である」としています。
 そして、「周辺環境が騒音、振動、臭気等を発生する工場その他施設が立地していないことが重要である」としています。この点からも、臭気がある環境をこのまま放置してよいはずがありません。

Q1、「学校整備指針」で求めている生徒の教育の場にふさわしい豊かな環境を保障するためにも、周辺環境からくる臭気を防ぐために、都立日野高校への冷房設置を求めるものですが、答弁を求めます。

二、多摩都市モノレールへのシルバーパスの適用について

「多摩都市モノレールにシルバーパスの適用を」の願いは、ますます大きく広がってきました。
 私は、これまで日野市民の皆さんから「シルバーパスをモノレールに使えるようにして欲しい」と言う要望を幾度となく受け、都議会の場でもたびたび取り上げてきました。
 京王線高幡不動駅から多摩動物園まで1日37往復していたバスが、モノレールの開通と同時に平日廃止されたことや、高幡不動駅からJR立川駅までのバス路線も大幅に削減された問題など、市民の皆さんの暮らしの実態から東京都に実現を迫ってきました。また、23区には、4本の都営地下鉄と都電、都バスがあり、シルバーパスが当然使えていることを示し、多摩格差解消の立場からも、多摩都市モノレールへのシルバーパス適用の問題を取り上げてきました。
しかし、東京都は「東京都シルバーパス条例により、パスの利用交通機関は都営交通と路線バスとなっており、新たな対象の拡大は考えていない」と答えるのみでした。当然この答弁で納得できるはずがありません。

 全日本年金者組合の多摩・稲城支部ニュースには「多摩地域の高齢者の長年の念願であった『多摩モノレールにもシルバーパスが使えるようにして欲しい』の思いがようやく市長会にも届き、市長会としても東京都に適用実現の要望書を出すことになりました。高齢期運動連絡会と多摩市との交渉・懇談の中で、市の担当者が明らかにしたものです」とあります。これは、多摩市の高齢者と多摩市との交渉で明らかになったものですが、同じように八王子市でも「シルバーパスの多摩モノレールへの使用については、機会をとらえて都へ伝えていきます」と高齢者支援課が答えています。
 また、東京都へは今年だけでも都民生活要求大行動実行委員会、全日本年金者組合東京都本部、などの団体からも要望が出されているところです。

 こうした背景もあり、東京都市長会から平成18年度東京都予算編成にかかる重点要望事項では、「シルバーパスの利用区域について、隣接県バス路線及び多摩都市モノレールへの拡大を図ること」と取り上げられています。

Q2、この東京都市長会の重点要望をどのように受け止めますか。

Q3、 東京都は、高齢者の自立と介護予防につながる役割を大いに果たしているシルバーパスを多摩都市モノレールに使えるようにすべきと考えるがどうですか。

回答

回答1
 特定の発生源からの臭気対策は、本来その発生源である施設の管理者が適切に対応すべきものです。
市のクリーンセンターについては、定期的に行っている環境測定の結果、敷地境界の臭気についても法規制値内であると聞いています。
 浅川水再生センターにおいても、従来から汚泥焼却炉による燃焼脱臭を行ってきており、定期的な環境測定の結果、法規制値以内となっていますが、平成17年度は、汚泥焼却炉停止時の臭気についてもさらに改善するため、新たに生物脱臭設備と活性炭脱臭設備を増設しているところであると聞いています。
 なお、都立高校では、音楽室やパソコン教室など一部の特別教室に全校で冷房装置を設置しています。
また、騒音対策として、一部の学校の普通教室へも冷房装置を整備していますが、その他の学校の普通教室の冷房化については、財政負担の問題のみならず、環境への配慮など様々な課題があり、これらの課題について総合的な検討が必要と考えています。

回答2
 シルバーパスは、高齢者の社会参加活動を促進するために、利用を希望する方に社団法人東京バス協会がパスを発行し、都が補助を行っている事業です。
 東京都シルバーパス条例及び同条例施行規則により、シルバーパスの利用交通機関は都営交通及び路線バスとなっており、また、路線バスの利用区域は東京都の区域内となっています。
  東京都市長会からの要望については、高齢者福祉に係る各種施策の充実に関する様々な要望の一つとして受け止めています。

回答3
 シルバーパスの利用交通機関については、新たな対象の拡大は考えていません。

以 上