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第三回定例会 中途議決討論 二〇〇六年九月二七日

村松みえ子(日野市選出)

第百八十二号議案心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例ほか二議案に反対
増税、負担増のなか、都民の痛みを軽減するためにがんばることこそ、自治体の役割

 日本共産党都議団を代表して、第百八十二号議案心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例ほか二議案に反対の立場から、討論を行います。
 第百八十二号議案は、健康保険法改悪に連動させて、療養病床に入院している七十歳以上の高齢者にたいし、居住費と食材費・調理費などの自己負担を求めるものです。
 これにより、住民税課税者の場合、居住費等の負担は、これまでの月二万四千円が五万二千円に、二倍以上にはねあがります。住民税非課税世帯でも今までの二万円が、三万円の負担になります。しかも十月から高額療養費の引き上げで、さらに負担増となるのです。
 長期入院が多い療養病床だけに、負担増の影響は重いものです。療養病床への居住費、食費などの利用者負担導入は、法改定で決まったことですが、都独自に障害者医療費助成の対象とし、負担増にならないようにすべきです。
 よって、第百八十二号議案には反対です。
 なお、障害者医療費助成に関連して、国の税制改定により住民税が非課税から課税となり、一割負担の通知、あるいは老人保健法適用の高齢者の場合は障害者医療費助成の「消滅通知」が送られ、驚きと怒りの声があがっています。わが党の調査では、都内で「消滅通知」が送られた高齢者は千五百人をこえています。
 直接には国の税制改定により生じた問題ですが、石原知事が二〇〇〇年に障害者医療費助成制度を改悪し、住民税課税者について老人保健法に準拠した自己負担を導入するということをしなければ、こんなことにならなかったのです。税制改定により今年度から住民税課税になった人には、シルバーパスと同様、すえおき措置を実施し、医療費無料にすることを求めておきます。
 次に、第百八十八号議案東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例、および第百八十九号議案東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例です。これはいずれも、障害児施設にたいし十月から障害者自立支援法が施行されるにともない、食費と光熱水費の利用者負担を導入するものです。
対象施設は、重症心身障害児や肢体不自由児が利用している都立北療育医療センターと二か所の分園、および重度の知的障害児が入所している東京都七生福祉園、千葉福祉園、東村山福祉園です。以上の定員数はあわせて、入所が五百三十六人、通所が百二十人です。いずれも、重症、重度の障害児と家族の頼みの綱となっている、かけがえのない都立施設です。
 導入される負担額は、八月に国が示した基準どおりとされています。昨年示された当初案にくらべれば改善されていますが、それでもなお重い負担増となります。
 入所の場合の上限額でみると、住民税非課税の低所得の人で、今までおおむね月二千円だったのが八千五百円または一万三千円となり、四倍から六倍になります。住民税所得割の人でも、今までの三倍から四倍になります。
 通所の場合、低所得の人で月千円だったのが九千円で九倍、住民税所得割二万円以下の人で月二千円から三千円だったのが二万円となり、七倍から九倍にもはねあがります。通所の負担額について国は、保育料なみにしたと言いますが、都内自治体の保育料は、国基準の半額ていどですから、いっそうの負担軽減が必要です。
 しかも、今回の食費、光熱水費負担と別に、定率一割負担も導入されるのです。
 これらの障害児施設は、自立支援法施行にともない、契約制度に変わります。このため、親が利用料を払えなくなるような事態が生じたときに、退所を余儀なくされたり、通園日数をへらさざるをえないことも起きかねません。
 よって、第百八十八号議案、および第百八十九号議案に反対します。
 住民税増税と、それに連動した介護保険料などの負担増、さらに医療費値上げが高齢者におしよせています。障害者、障害児には、自立支援法による重い負担増がおしよせています。その中で提案された以上の三つの議案とも、相次ぐ負担増をそのまま都民にしいるものです。こういうときに、都民の痛みを軽減するためにがんばることこそ、自治体の役割ではありませんか。都独自の負担軽減を求め、討論をおわります。

以上