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第三回定例会 意見書案についての討論  二〇〇六年一〇月五日

大山とも子(新宿区選出)

自民・民主・公明による「認定こども園に対する財政支援に関する意見書案」ほか一件に反対、わが党提案の二つの意見書案に賛成

 日本共産党都議団を代表して、自民・民主・公明による「認定こども園に対する財政支援に関する意見書案」ほか一件に反対し、わが党提案の二つの意見書案に賛成の立場から討論します。
 そもそも都議会では、意見書案は各常任委員会に諮り、全会一致したものにかぎり本会議に付議するということが、長年にわたり確認されてきました。都議会として意見書を提出するのであれば、少数意見も尊重し、都議会の総意によることこそふさわしいからにほかなりません。ところが、自民、民主、公明は、常任委員会で不調に終わった意見書案を本会議に提出し、多数の力で強引に採択しようとしています。議会人としての良識にもとづき歴史的にきずきあげてきた都議会の誇るべき民主的ルールを守るよう、つよく主張するものです。
 そこでまず、認定こども園の意見書案についてです。
 認定こども園は、保育所と幼稚園双方の現行基準を下回ることが容認されていることや、認可保育所が認定こども園の認定を受けると区市町村が責任をもつ公的保育制度の特例扱いとなり、施設と利用者の「直接契約」で、保育料も「自由料金」になることなど、大きな問題点が指摘されています。
 このため、日本保育協会東京区支部、多摩支部、東京都三多摩地区保育連合会、東京都私立保育園連盟の保育四団体は、知事宛の要望書を提出し、認可保育所と認可幼稚園の組み合わせしか認めないこと、児童福祉法にもとづく認可保育所の最低基準を基本にすること、さらに直接契約方式の弊害への配慮や保育料の価格競争が起きないようにすることなどを、求めています。わが党の意見書案は、これらの要望と合致したものです。
 ところが自民、民主、公明の意見書案は、認可外の保育所機能と認可外の幼稚園機能を組み合わせる「地方裁量型」にまで国の財政支援を求めるものであり、保育四団体の一致した要望を一顧だにしないものです。この「地方裁量型」は、どこからどう見ても認可外施設なのに、法内施設として公認するという矛盾にみちたものであり、三会派提出の意見書案はとうてい理解がえられるものではありません。
 なお、認定こども園の設置運営基準は都道府県が条例で定めることになっていますが、東京都は、関係者が入った検討会も設置せず、パブリックコメントさえ実施しないとしています。こんな姿勢は許されません。検討会の設置とパブリックコメントの実施をつよく求めておくものです。
 次に、道路特定財源に関する意見書案ですが、道路特定財源を一般財源化することは時代の流れです。民主党のマニュフェストにも「道路特定財源制度の廃止」とはっきり書いてあります。ところが、東京の道路整備に重点投資させるために特定財源の維持を求めるという自民、民主、公明の意見書案は、この流れを元にもどそうとする守旧派ともいうべきものです。わが党が提案した意見書案は、社会保障の充実などに活用することを求めるもので、都民要望にこたえるものであることを強調し、討論を終わります。