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文書質問趣意書
一、プールの安全対策について
2006年10月3日
大山とも子(新宿区選出)
埼玉県ふじみ野市の市営プールで、小学校2年生の女児が流水プールの吸水口に吸い込まれ死亡した事故は、大きな衝撃と悲しみを日本中に広げました。
この事故に関しては、市が指定管理者制度のもとで業者に管理を委託し、その業者が下請けに丸投げするという、やってはならないことをしていたこと。またそのようなずさんな実態を市や埼玉県もチェックできなかったことなど、効率化を優先する「官から民」への民営化路線の誤りが背景にあると指摘せざるをえませんが、いかなる状況の下でも、このような事故は決して起こしてはなりません。
報道では、国は関係省庁が内閣官房を中心に、新たにプールの安全基準を作成し年内にまとめるとしていますが、都としても今回の事故を教訓として、プールの安全対策についてより積極的な対応をとるべきではないでしょうか。
そこで、プールの安全対策について、主に三点にわたって指摘し、随時質問します。
第一は、プールの構造と設備の問題です。
今回のふじみ野市の流れるプールの事故は、本来ボルトで固定されているべき吸水口の蓋が、針金でとめてあるだけで、その針金が腐食し切れてしまい蓋がはずれ、その部分から一気に吸水口に吸い込まれたというものです。
Q1、蓋のボルト固定化や二重蓋は構造上最低限すべきことではないでしょうか。
Q2、また流れるプールは、とりわけ強い力で吸水口に水が吸い込まれていきます。よって遊泳区域と吸い込み口の間の緩衝部分を充分にとるなど、遊泳者が吸い付けられないような構造をもうけるなど安全基準を検討すべきです。
またプールの事故は、流れるプールに限りません。水を循環浄化するための吸水口がありますが、かつて青梅市立の小学校でプールの授業中に、その吸水口に吸い込まれ溺死するという事故がありました。実際、日本体育協会によると、65年から04年の間にプールの吸排水口事故は少なくとも59件発生し、54人が死亡しています。
Q3、吸い込み口は水流が緩やかになるように広くとるとか、蓋の構造をフラットではなく、半球状にするなどして水の通り道を作り吸水圧が身体全体にかからないようにし、吸い寄せられても貼りつかないような構造にすることを義務付けるべきではないでしょうか。
第二は、設備の点検体制の強化についてです。
ふじみ野市の事故では、吸水口の蓋がボルトで固定化されているべきものがおろそかにされていました。まさにずさんな管理による「人災」と言わざるをえません。また今回の事故を受けて、都でもいっせい点検がおこなわれましたが、きちんと調査されず、あらためて点検しなおしたという経過もありました。
Q4、プールの吸水・排水口及び循環水取入口の蓋や金網が常に正常であるかどうか点検すること、とくに使用している期間は連日実施や、メンテナンスも最優先で行うことなどを義務づけることを明確にすべきではないでしょうか。
第三は、監視員や救護員態勢の強化についてです。
ふじみ野市の事故では、危険と隣り合わせのプールであるにもかかわらず、監視員等の位置づけや教育などが、まったく軽視されていたことが明らかになりました。監視員は吸水口の蓋の脱落に気づいていても、起流ポンプを停止させたり、遊泳を中止させることはしませんでした。実際に、監視業務にあたっていたアルバイトの監視員は、蓋の外れていることの重大さについて理解できなかったからです。ポンプを停止できる現場責任者は、監視員からの報告を受けたあとも、客に注意を呼びかけることもしませんでした。
Q5、プールの安全管理についても、現場責任者やスタッフ、監視員の教育研修と、監視員や応急救護の訓練を受けた救護員の相当数の配置を義務付けること。また関係団体などとも協議し、監視員や救護員の資格などについても検討することを求めます。
Q6、救護員、監視員の名簿、資格の有無について、定期的に報告を義務付けるようにすべきです。
現在東京都内には、学校のプールをはじめ、都立や区市町村立の社会教育でのプール、民間でも遊園地やフィットネスクラブ内のプール、スイミングクラブのプール、ホテルのプール、個人宅や集合住宅のプールなどさまざまなところにプールがあり、夏だけに限らず1年中利用されているところも増えています。形態も競技用プール、流水プールだけでなくさまざまな形態のプールがあります。これらのプールの構造及び維持管理については、「公衆衛生上の向上と安全の確保」として「プール取り締まり条例」が適用されています。
しかし条例は、福祉保健局の所管で、環境衛生面が強く、プール事故からの安全確保については「排水口および循環水取入口には堅固な金網、鉄格子を設けること」とだけなっており、規則においても「貯水槽内排水口及び循環水入口の金網、鉄格子等は容易に移動できないようにするとともに、これらが常に正常な位置にあることを確認する」となっているだけです。
Q7、 前述のような、構造・設備面、安全点検体制、人員の質的向上と配置などの対応について、都条例を改正し、補強することが必要と考えますが答弁いただきたい。
Q8、指定管理者制度になり、公営プールへの自治体の管理・安全対策への責任があいまいになり、事故の要因を発見し改善するうえでの障害になりかねません。プールについては直営に戻すことを検討すべきです。
Q9、また、条例の整備とともに、これらのことが、常に遵守されているかどうか、東京都としても、常に点検、指導する体制を確立すべきですが、答弁いただきたい。
一、孤独死対策について
(基本認識)
団地の一室等で、だれにも看取られることなくひっそりと亡くなり、死後何日もたってから発見される孤独死が相次いでいます。
都監察医務院の資料によると、ひとり暮らし高齢者で死因がわからず検案(解剖)された件数は、23区で、1994年の1,049件から、2003年には1,959件に、10年間で倍増しています。東京の高齢化率は今後上昇し、大都市の特性として、ひとり暮らしや高齢者のみ世帯が、いっそう増えていきます。また、地域の結びつきが弱く、密室性の高い団地やマンションに住む人が多いことも東京の特性です。また、高齢者だけでなく中高年の孤独死も少なくないと、報告されています。
Q1 東京における孤独死対策の重要性を、都としてどう考えているのか伺います。
厚生労働省は、来年度予算概算要求で、「孤独死ゼロ・プロジェクト」(1.7億円)を新規事業として計上しました。また、新宿区は区独自に、全庁的な孤独死対策連絡会議の設置をはじめとした総合対策をスタートしています。
Q2 都としても、孤独死対策にふみだす必要があると思いますが、どうですか。
(実態把握)
孤独死対策にとりくむうえで、正確な実態把握が必要です。しかし、現状では「孤独死」の定義も明確となっていません。また、定義づけを明確にしていくための基礎的な研究の蓄積も十分なものとはいえません。
Q3 都の老人総合研究所と監察医務院が連携することなどにより、「孤独死」の定義や、実態把握の効果的な方法等に関する調査研究をおこなうことを提案するものです。答弁を求めます。
Q4 また政府に対し、全国統一の孤独死の実態調査を実施するよう要請することも必要だと考えますが、見解を伺います。
(全庁体制の整備)
Q5 総合的な孤独死対策にとりくむため、福祉・保健、地域づくり、住宅、あるいは水道使用状況による「みまもりサービス」実地試験を開始した水道局をはじめ、関係局が連携した全庁的体制を整備する必要があると思いますが、どうですか。
知事本部は今年度、地域力向上方策検討委員会を立ち上げ、企業、NPO、区市町村と、「地域力」のおもな担い手である自治会・町会などの連携を図る仕組みを検討し、来年度にモデル事業を実施するとしています。孤独死対策のうえでもカギをにぎるのが地域力であることは、ひろく指摘されているところです。
Q6「地域力向上」を目的とした検討委員会を立ち上げて仕組みづくりの検討をおこない、モデル事業を実施するのであれば、その中で、孤独死対策についても明確に位置づけることを提案するものですが、答弁を求めます。
(コミュニティ行政の推進)
孤独死の予防や早期発見のためにも、また、防災、防犯のためにも、地域コミュニティの再生・強化にとりくむことが重要です。ところが都は、01年4月に生活文化局のコミュニティ文化部を廃止し、それ以来、コミュニティ行政を所管する局がない状態がつづいています。
Q7 都は、コミュニティづくりへの支援はもっぱら区市町村の役割だとしていますが、都と区市町村が連携し、一体となって知恵と力をつくすことが必要です。大都市特有の困難さがあるもとでコミュニティづくりを進めるため、都としてのコミュニティ行政にあらためてとりくむことを提案するものですが、どうですか。
(見守りネットワークの整備)
Q8 都は、地域住民、団体等が協力員・協力機関として登録し、ひとり暮らし高齢者等の身近な相談窓口となり、見守りや声かけ等をおこなう高齢者地域自立支援ネットワーク緊急整備事業を、03〜05年度の3年間実施し、11区13市でネットワークが整備されました。また、このほか6区5市(04年3月調査)が、同事業によらず独自に地域での見守り等のネットワークづくりをおこなっています。今後さらに、全区市町村での見守り等のネットワーク整備に向け、都として支援をおこなうことを求めるものですが、見解を伺います。
(地域包括支援センターの活用)
03〜05年度に実施した高齢者地域自立支援ネットワーク緊急整備事業では、援助が必要な高齢者を早期に発見し、その情報を在宅介護支援センターに提供し、在宅介護支援センターは、その情報をもとに生活状況や保健・福祉サービスのニーズ等実態把握をおこない、自立生活に必要なサービス提供につなげることとされていました。その後、今年の介護保険法改定により、在宅介護支援センターは、地域包括支援センターに移行しています。
Q9 身近な地域における孤独死対策を進めるうえで、地域包括支援センターの役割は大きなものがあると思いますが、都の認識を伺います。
Q10 地域包括支援センターの従事者に対し、孤独死対策に関する研修や、先進的な取り組み事例の交流をはじめとした支援を、都としておこなうことを提案するものです。答弁を求めます。
(マニュアルづくり)
Q11 区市町村の見守りネットワーク等における孤独死対策の先進的なとりくみの事例集を作成することや、先進的とりくみの検証・評価にもとづき都として孤独死対策マニュアルの作成にとりくむことを提案するものですが、見解を伺います。
(人材育成)
Q12 大阪府は、おおむね中学校区単位の身近な地域において、要援護者にたいする「見守り・発見・相談・サービスへのつなぎ」などの機能を担うコミュニティソーシャルワーカーの養成研修事業、およびコミュニティソーシャルワーカーを配置する市町村を支援する配置促進事業を実施しており、注目されています。都としても、こうした先例にも学び、コミュニティソーシャルワーカー(またはコミュニティワーカー)の育成・配置にふみだすことを提案するものですが、見解を伺います。
(住宅整備)
社会福祉法人等から派遣される見守り援助員(LSA=ライフ・サポート・アドバイザー)を配置した住宅整備は、孤独死予防のために有効です。兵庫県の神戸市や芦屋市など阪神地域では、阪神淡路大震災後、頻発した孤独死を予防するため、LSA住宅の整備を重視し、大きな効果をあげています。
都は、シルバーピアへのLSA配置を推進していますが、7区9市、あわせて52人(05 年度末実績)にとどまっています。このほか、LSAが配置できる生活支援ハウスは、都内でわずか3か所です。高齢者優良賃貸住宅(高優賃)においても、LSA配置が認められていますが、都内64か所4,000戸で整備そのものも少ないうえ、LSAの配置はほとんどされていません。
Q13 シルバーピアへのLSAの配置促進、およびLSAを配置したシルバーピア、生活支援ハウス、高齢者優良賃貸住宅(高優賃)の整備促進を求めるものです。見解を伺います。
Q14 NPO法人が運営する高齢者グループリビング「COCO湘南台」(神奈川県藤沢市)は、コーディネーター(ライフサポーター)1人と入居者9人が、「自立と共生」を合い言葉に地域の中での生活を実現し、注目されています。こうしたグループリビング等にとりくむNPO法人への支援をはじめ、孤立化しにくい多様な住宅整備を推進することも重要ですが、答弁を求めます。
(多摩地域の検案体制強化)
孤独死の実態がほとんど把握されていない現状のもとで、都の監察医務院は、高齢者をはじめとした単身者の自宅内での死亡状況についての貴重なデータをもっており、死因等の調査・分析をおこなっています。しかし、監察医務院が所管しているのは23区だけであり、多摩地域の検案業務は、都と都医師会の契約にもとづいて、検案医が開業のかたわら献身的努力で実施しています。
一方、多摩・島しょ地域の検案数は年々増加傾向にあり、2005年は5,297件におよび、1990年にくらべ倍増しています。
Q15 多摩地域における孤独死対策を効果的にすすめるうえでも、都監察医務院の機能を充実することなどにより、多摩地域における検案・解剖体制を強化すべきと考えますが、所見を伺います。
以 上
回答(プールの安全対策について)
A1 都のプール等取締条例では、排水口及び循環水取入口には、堅固な金網、鉄格子等を設けることとしています。
また、同条例施行規則では、これらが容易に移動できないようにするとともに、常に正常な位置にあることを確認するよう義務付けています。
また、保健所は、定期的に立入検査を行い、衛生管理とともに、こうしたプールの安全管理の徹底を図っています。
さらに、今回の事故を受けて、緊急一斉監視を行い、排水口及び循環水取入口等が、ネジ・ボルト等で固定されており、安全であることを確認しています。
A2 都では、循環水を用いて水流を作る流れるプールを含め、水泳者が吸い付けられないための構造について、指導基準を設けています。
A3 都の指導基準では、施設の構造に応じて、排水及び循環水の系統をそれぞれ二つ以上に分けること、吸込みの圧カを逃す弁を配管途中に設置すること、循環水取入口の金網・鉄格子等は凸面型にすることなど、水泳者の吸込み防止対策を適切に講じることを定めています。
A4 都では、プール等取締条例に基づき、施設の安全性が確保されるよう、吸水・排水口及び循環水取入口等の維持管理の状況をプールの使用期間中、毎日点検し、記録・保存することを義務付けています。
A5 都では、プール等取締条例に基づき、施設ごとに安全確保等の責任者である管理者を設置するとともに酉己置することを義務付けており危険の防止や救助のため監視人を適正にプール内に死角が生じないように監視人を配置することを指導しています。
また、保健所において、監視人の指導に当たる管理者を対象に、毎年講習会を開催し、プールの安全及び衛生に関する取組の徹底を図っています。
A6 都では、プール等取締条例に基づき、危険の防止や救助のため監視人を適正に配置することを義務付けており、保健所の立入検査の際に、プール日誌等の記録によりこれを確認して、同条例の基準を遵守するよう指導を徹底しています。
A7 法律による規制がない中、都では昭和24年に全国に先駆けてプール等取締条例を制定し、プールの安全確保を図ってきました。
今後、まえて、国が作成するプールの施設及び管理運営に係る安全標準指針も踏引き続き、プールの安全性の一層の向上のため、対策に努めていきます。
A8 都立体育施設等のプールについては、指定管理者制度導入後も、協定等により施設の点検を義務付けるとともに、監視員の配置人数や資格について規定し、指定管理者の履行状況を確認するなど、安全確保に努めています。
今後とも、指定管理者制度のもとで、安全かつ快適な施設の提供を図っていくこととし、プールの管理運営について直営に戻すことは考えていません。
A9 都は、プール等取締条例に基づき、プールの安全と衛生を確保するため、全施設について、通年プールでは年2 回以上、夏季プールでは年1 回以上、保健所の環境衛生監視員による立入検査を実施しています。その際、同条例に基づき実施されている施設,点検の状況などについても確認し、指導しています。
回答(孤独死対策について)
A1 高齢者等のいわゆる「孤独死」は、様式の変化など、様々な要因により家族のあり方の変容や都市での生活家族や地域のコミュニティとの関係が絶たれ、結果として誰にも看取られることなく亡くなるものであり、その発見が遅れることもあいまって、人としての尊厳をも損ないかねない痛ましい事態であると考えます。
都としては、こうしたいわゆる「孤独死」への対応も含め、一人暮らし高齢者等が地域で安心して安全に暮らせるよう、区市町村をはじめ、地域の様々
な社会資源が連携することにより、社会的に支援していくことが重要と考えています。
A2 都はこれまでも、一人暮らし等の高齢者が安心して生活を続けられるよう、民生委員による訪問・相談をはじめ、地域における見守りや声かけのネットワークづくりを進めるとともに、緊急通報システム事業や高齢者火災安全システム事業などにより、高齢者の生活の安全の確保を図ってきました。
こうした様々な取組を通して、いわゆる「孤独死」への対応を含め、区市町村との連携の下に、高齢者の安全・安心な生活の確保を図っています。
A3 国は、「孤独死」について、地域コミュニティのぜい弱化、プライバシー保護意識の高まりなど、都市に住む人々
の行動様式全般の問題と指摘しており、この点からも全国共通の問題と言えます。
「孤独死」の正確な実態把握のためには、個人情報の取扱い等の環境整備が必要であり、「孤独死」の定義付けや把握の方法等を含む基礎的な研究は、こうした環境整備を踏まえ、国の責任において行われるべきものと考えています。
A4 個々 の高齢者が「孤独死」に至った背景などの実態を把握するためには国において、「孤独死」の定義付けなど基礎的な研究が行われていることが必要であると考えます
A5 一人暮らしの高齢者等の安全・安心な生活を支援するため、地域における見守りや声かけネットフークなど、地域住民や関係機関が連携した様々 な取組が行われており、都は、これまでもこれら地域における取組を支援してきました。
A6 地域のさまざまな課題に対して町会・自治会や商店街、学校などが連携して主体的に取り組む「地域力」の向上を図るため、都と区市町村が支援していくモデル事業の検討を局横断的な体制により進めています。今後、防犯、防災、青少年健全育成などのモデル事業の取組を通して、一人暮らしの高齢者の見守りなど地域のさまざまな課題に柔軟に対応する地域力の向上を図っていきます。
A7 地域コミュニティの活動を、より活発にするためには、地域の実態に即した地域住民の自主的な取組を尊重することが重要です。
このため、地域のコミュニティ活動については、住民に身近な基礎的自治体である区市町村が、主体的に支援を行い、都は、広域自治体としての立場から側面的な支援を行っていくことが本来の役割と考えています。
近年、都市化や少子高齢化などを背景とした地域力の低下が指摘されており、都としても、その向上方策の実施に向け検討を進めています。
A8 都は、これまで、一人暮らしの高齢者等を支援するため、高齢者自立支援ネットワーク緊急整備事業により、区市町村の見守りネットワークの構築を支援してきました。
こうしたネットワークについては、平成18年4月に創設された地域包括支援センターに引き継がれています。
これに加えて、都は、福祉改革推進事業により、区市町村がそれぞれの実情に応じて行う高齢者に対する訪問や相談等について、支援を行っています。
A9 地域包括支援センターは、高齢者に関する相談・支援、権利擁護のための援助や介護予防ケアマネジメントなどの役割を果たす機関です。
高齢者が住み慣れた地域で、尊厳あるその人らしい生活を継続することができるよう、地域包括支援センターが、地域において支援が必要な高齢者を把握し、継続的な見守りや、関係機関と連携して適切な支援を行うことにより、「孤独死」への対応も図られるものと認識しています。
A10 都は、地域包括支援センターの専門職1,100人を対象に、平成17年度、地域包括支援センターの意義や役割、業務を行う上で必要な知識などを習得する事前研修を実施しました。
平成18年度は、これに加え、一人暮らしの高齢者などの支援も充実できるよう、見守りネットワークの構築や権利擁護に関する事例演習や事例紹介等からなるスキルアップの研修について、既に実施に向けた準備を進めています。
A11 地域におけるネットワークの構築や高齢者の実態把握については、「地域包括支援センター業務マニュアル」において、基本的な視,点や業務の具体的な進め方などが既に示されています。
また、地域でのネットワークづくりの事例などについて、区市町村に紹介しており、新たに、「孤独死」対策マニュアルを作成する考えはありません。
A12 一人暮らしの高齢者などに対する見守りなどについては、民生委員による訪問・相談や区市町村等が設置する地域包括支援センターにおける相談・支援事業等により行っており、事業の担当者に対する研修も実施しています。
今後とも、都と区市町村がそれぞれの役割分担の下、これらの事業に取り組んでいきます。
A13 シルバーピアについては、区市町村住宅等のほか都営住宅により供給しています。
また、高齢者向け優良賃貸住宅については、都は区市町村を通じて建設費の助成等の支援を行っています。
こうした住宅へのLSA (ライフサポートアドバイザー)の配置については、地域支援事業交付金により、都として支援しています。
なお、生活支援ハウスについては、国の交付金により区市町村が整備し生活援助員の配置に関しても区市町村において適切に対応しています。
A14 グループリビング等に取り組む法人等への運営支援については、区市町村が地域の実情に応じて実施するものであり、都は、地域支援事業交付金により支援しています。
また、高齢者の安全で安らな居住の確保を図ることを目的として、区市町村と連携しながら、緊急時対応サービス等を備えたシルバーピアや高齢者向け優良賃貸住宅の供給を行っています。
A15 監察医務院における死因の究明は、公衆衛生の向上や社会秩序の維持に寄与するものです。
多摩地域の検案・解剖体制については、平成18年第三回都議会定例会の議論を踏まえ、その体制の強化を図っていくこととしています。
以上