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予算特別委員会 予算組み替え動議提案説明 二〇〇七年三月七日
たぞえ民夫(世田谷区選出)
不要不急・大型の浪費事業の見直しと税収増の活用で、切実な都民要望の実現を
日本共産党を代表して、ただいま提出いたしました第1号議案、平成19年度東京都一般会計予算ほか3会計予算の編成替えを求める動議について、提案理由の説明を行います。
庶民増税、社会保障の連続改悪、雇用破壊のもとで、地方自治体の役割は、住民のくらしと営業を守ることです。
来年度予算では、実質5000億円もの税収増を予定しながら、福祉や教育、中小企業対策などには不十分で、オリンピックをテコにした三環状道路などの大型開発や、オリンピック基金の積み立てをすすめています。
福祉保健局予算の伸びは一般会計より低く抑えられ、都独自の老人医療費助成は完全廃止されます。中小企業対策は低迷し、都営住宅の新規建設が9年連続で見送られました。
わが党は、不要不急・大型の浪費事業に偏った予算の重点を都民本位にあらため、増収分を切実な都民要望の実現に活用することをめざして、予算案を五つの柱に基づき組み替えることを提案するものです。
組み替えの対象も、一般会計にとどめ、規模は、4・6パーセント、実際の施策で2・7パーセントにすぎませんが、158項目の切実な都民要望が実現できるものです。
以下、予算組み替えのポイントについて説明いたします。
第一は、貧困と格差の拡大から、都民のくらしと営業を守ることです。
貧困格差の是正、負担増の緩和、中小企業応援の施策を拡充します。ワーキングプア実態調査、生活応援手当の創設、都営住宅新規建設再開、高校生への就学援助創設などに取り組みます。
第二に、高齢者福祉、少子化対策と子育て支援、障害者福祉の拡充に力をいれていることです。
福祉保健費を抜本的に拡充し、所得に応じ3000円のシルバーパス導入、老人医療費助成の存続、重度要介護高齢者手当、中学三年生までの医療費無料化の創設などを図ります。
第三に、30人学級など切実な都民要求に力を入れます。
30人学級を小学1・2年生から実施し、私学助成経常費補助の復元など教育条件整備をすすめます。
トーキョーワンダーサイト予算を削減し、若手芸術家育成事業を再構築するとともに、都立文化施設の収蔵予算増額など、都民の文化・芸術活動を支援します。都民スポーツ活動助成、三宅島被災者帰島応援手当など切実な要望に応えます。
第四に、環境を守り、地震につよい、誰もが安心して生活できる東京をつくることです。
『環境総合アセスメント制度』を創設し、CO2排出量規制の調査、都立公園整備などすすめます。個人住宅耐震診断と補強助成など、都民の安全を守ります。
第五に、知事のトップダウンによる私物化と浪費型都政の転換です。
知事によるトップダウンの弊害をなくすため、知事等の海外出張・交際費を削減し、三宅島オートバイレース開催を中止します。
首都高中央環状品川線事業費を見直し、国直轄事業負担金などの支出を抑制します。大型開発に投資するオリンピック準備基金1000億円は全額削除します。
以上、不要不急・浪費型の大型公共事業予算など3062億円削減し、あらたな都債発行額994億円削減いたします。以上の見直しの結果、生み出された一般財源1766億円を「組み替え予算」の財源といたしました。
この結果、一般会計予算の規模は6兆4755億円となります。各委員の皆さんのご賛同をお願いして、提案説明とさせていただきます。