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第2回定例会 代表質問 二〇〇七年六月一九日
渡辺康信(足立区選出)
選挙で公約した「子ども医療費ゼロ」「都民税減税」「所得格差是正」など直ちに具体化を
知事のトップダウン事業、どれも深刻な行き詰まり状態
中学三年生までの医療費無料化、ただちに具体化を
都民税軽減は重要だ・・さらなる支援が必要
コムスン問題・・・営利企業の参入促進は間違い
三宅島の公道レースは断念・・・マン島視察費用の返還を
マン島レースでは死傷事故多発
築地市場の豊洲移転・・・土壌汚染地を選定した責任は重大
関係者の反対を押し切って強行するな
新銀行東京・・・金融庁の検査と指導を要請し早期に撤退を
オリンピック招致・・新たなメインスタジアムに日本陸連も反対
オリンピック招致をテコに、税金投入はどれだけ必要か
【再質問】
【答弁】
日本共産党都議団を代表して質問します。
私は、三選を果たした石原知事に対し、これまでの知事の立場を大きく変えた公約について、これをどう実現するのかという立場から知事の見解をただしたいと思います。
まず中学三年生までの医療費無料化の公約です。
これは、わが党がくりかえし提案してきたものであり、知事選後、知事に対し公約実行を申し入れました。
Q 知事、中学三年生までの医療費無料化をいつから実施するのですか。来年度実施にむけただちに具体化すべきですが、答弁を求めます。
具体化にむけた課題は、市町村の財政負担です。すでに区部では二十二の区が中学三年生までの無料化にふみだしていますが、多摩地域では、ことし十月から始まる小中学生の一割助成を実施するのが精一杯です。わが党が、多摩二十六市の担当部課長を対象におこなったアンケートでは、「都が実施するというのであれば、必要経費は都が負担すべきだ」「市の負担が増えないようにしてほしい」「都はすべての都民に責任があるのだから、すべての都民が利用できるようにして下さい」などの声がよせられました。「事前の協議」も共通した要望です。
知事は、マスコミのインタビューに、「中学卒業までの医療費は裕福な家庭を除き、都が負担する」とか、「多摩の市町村が財政的にできないというなら、二十三区とはばらつきが生じてしまうので、都が何らかの方法で面倒を見ることはありえる」と答えています。
Q 知事、ここまで言ったのですから、すべての区市町村が実施できるよう、都が責任をもって財政負担をおこなうことが必要です。また、具体化にあたっては区市町村との協議をつくすことを求めるものです。見解を伺います。
また、今後、所得制限なしの無料化を実施するよう、つよく求めておきます。
知事は選挙直前に、都民税軽減の実施を表明しましたが、その後、所信表明などでもこの問題にはふれていません。そこで、増税による都民の苦しみをどう緩和するのかについて、伺います。
いま六月からの住民税増税の通知が続々と各家庭に届き、「間違いではないのか」とか、「誰が決めたんだ」という苦情や問い合わせが区市町村に殺到しています。足立区では、区役所に訪ねてきた人が一日だけで六百人、電話が七百件におよび、二十一台の電話を確保し職員四十名体制で対応しています。
私にも、切実な声が多くの方からよせられています。
ひとり暮らしの、ある高齢者は、一昨年、住民税は非課税だったのが、昨年は八千二百円、今回これが四・三倍の三万五千三百円にはねあがったと言います。国民健康保険料も一万七千九百円と大幅に増えています。受けとる年金は減っているのに、どうして負担ばかりこんなに毎年増えるのか、驚きと怒りの声が上がるのは当然です。
自営業のあるご夫婦の場合、一昨年はやはり住民税非課税で、昨年は四千円、今年は一万千八百円です。国保料は、昨年の十二万五千円が、今年は二十四万二千八百円です。このほか、都営住宅の家賃、介護保険料と医療費を払うと、一か月の生活費は夫婦でわずか十万円しか残りません。生活の苦しい人から、むしりとるようなやり方に、このご夫婦は、「とても払えません。どうやって食べていくのですか」と訴えています。
子育て世帯もたいへんです。ある家庭では、大学生と高校生二人の教育費と定期代、それに毎月七万円の住宅ローンです。家計をおぎなうため奥さんが月六万円のパートにでていますが、この家庭に年間十二万円の住民税増税です。奥さんがパートで稼ぐ二か月分が消えてなくなります。
政府・与党は、「税源移譲だから、住民税と所得税の合計は変わらない」などと宣伝していますが、とんでもない、ごまかしです。実際は、定率減税廃止により、若い人からお年寄りまで、サラリーマンも自営業者も、多くの都民に増税がおしよせています。
都が昨年度おこなった「都民の生活実態調査」の結果、年間収入五百万円未満の世帯が増えて、五割をこえました。なかでも三百万円未満の世帯が大幅に増えています。マスコミも「格差都市東京」と大きく取り上げました。このようななかで、大幅な増税、負担増がおしよせているのですから、本当に深刻です。住民には増税、大企業と大金持ちには減税という「逆立ち税制」をつづけてきたことが、貧困と格差をいっそうひどくしてきたのです。この流れを転換することこそ求められています。
Q 知事、こんな増税を国が都民に押しつけるのはひどいと思いませんか。住民のくらしをまもるべき自治体の長として、国に対し、住民税増税を中止し、すでに通知した今年度分は還付するよう求めるべきです。
Q また、国がやらない場合は、都民税について都独自に還付するなどの対策をとることを提案いたします。お答え下さい。
Q 知事が来年度実施を約束した減税案は、生活保護基準程度の収入しかない人の都民税所得割を全額免除するもので、納税義務者の一割にあたる約六十万人に対し、五十億円の減税とされています。これを約束どおり実施すべきですが、どうですか。
Q 知事の減税案は、重要な前進ですが、一人当たり平均年八千円ていどにすぎず不十分です。緊急生活応援手当の支給や家賃助成など、低所得者へのさらなる支援が必要だと思いますが、見解を伺います。
七十歳以上の高齢者にとって、シルバーパスの負担軽減は、いよいよ切実です。知事は住民税課税者の中にも一割程度は生活保護基準程度の人がいることを認めましたが、こういう人にも二万五百十円をおしつけているのが実態なんです。
Q 千円と二万五百十円のあいだに、三千円などのパスを導入することを改めて提案いたします。
Q また、昨年度の税制改定にともない住民税課税になった人は千円にすえおく特別措置を今年度も継続することを、明確に答弁して下さい。
知事は、「都民の目線による医療と福祉をすすめます」と公約しましたが、高齢者の介護をめぐり重大な問題が起きています。
株式会社コムスンが、虚偽の申請内容で介護保険の事業者指定をうけたことで、厚生労働省は、来年四月から指定を取り消すよう全国に通知しました。全国で六万人から七万人におよぶコムスンの介護サービス利用者が不安にさらされています。
厚生労働省は、来年三月までは引き続きコムスンからのサービスが受けられるから安心して下さいと言いますが、実際には事業所の撤退や統廃合がすすんでいます。
Q そこで、都内の影響人数、コムスンの各事業所の現状、問題の経過と都の対応などについて、明らかにして下さい。
Q また、コムスンの介護サービス利用者、有料老人ホームやグループホーム入居者のサービスが途切れることがないよう、都として相談窓口の開設をはじめ、万全の対応をおこなうことが必要です。答弁を求めます。
今回の事態は、営利企業の参入を拡大し、行政の責任を後退させてきた介護保険制度の根本的な問題点がふきだしたものです。
営利企業の多くは、もうかる市場だということで介護事業に参入しています。コムスンは、「ニチイを追い越せ」が目標で、ヘルパーに対して「営業、営業」とはっぱをかけ、売り上げ競争をさせていました。
こういう、介護を営利追求の場にする現状を根本から変えないと、コムスンの事業をほかの営利企業に譲渡しても、問題は解決しません。コムスンだけでなく、業界大手のニチイ学館やジャパンケアサービスも、ヘルパーが介護保険法で定めた人数どおりに配置されていないなどの問題を都が指摘し、改善勧告と、介護報酬の過大請求の返還を求めた経過もあります。
Q 石原知事は、介護・福祉分野への営利企業の参入・活用を積極的に推進してきましたが、今回のコムスンをめぐる事態で、そういうやり方のまちがいがはっきりしたと考えますが、知事の認識を伺います。
ヘルパーのほとんどは時給千数百円の非常勤です。待遇をきちんと保障して質の高いサービスを提供しようとしたら赤字になる介護保険制度の構造を改めることも急務です。まじめな事業者は疲れ果てています。人材不足も深刻です。事業者の努力だけでは解決できません。
Q 介護保険に対する国の公費負担を増やすことで介護報酬を拡充し、ヘルパーなど介護人材の賃金の引き上げなど待遇改善を促進するよう国に求めることが必要です。
答弁を求めます。
都知事選挙では、わが党が追及した一回三〇〇〇万円もの超豪華海外出張などの浪費や都政私物化の問題がおおきな争点となりました。
このため知事は、「反省」を口にせざるを得なくなりました。ところが、知事は、知事選挙が終わると、「根も葉もないパッシングがあった」などという発言をくり返し、マスコミからも「ごう慢復活」などという批判をうけています。私はこうした問題でも、都民にたいする知事の約束を守るようきびしく指摘し、いくつかの点で見解をただします。
まず、知事の豪華海外出張のなかで、いま、問題が浮きぼりとなっているマン島TTレースの視察です。
知事は、いまだに都のホームページでマン島視察で成果を上げたと宣伝していますが、事実をゆがめるものです。
マン島出張は、三宅島での公道をつかったオートバイレースの調査が目的でしたが、その三宅オートバイレースは、安全性についてメーカーやテストライダーから疑問と中止を求める声があげられ、協力を得られないことから、島を一周する公道レースも阿古地区での公道レースも断念に追い込まれたではありませんか。
Q 知事、ホームページを訂正すべきだと考えますが、どうですか。大体、公道レースの開催が現実的でないことは、マン島TTレースでこの百年近くの間に二百人を超える死者が生まれていることなど、ちょっと調べればわかることです。知っていたのに、三宅でやろうとしていたというなら、あまりにも人の命の重さを無視しているといわざるを得ません。知事どうですか。
Q また、事前にメーカーの意向調査やテスト走行、マーケティング調査をおこなっていれば、開催が困難であるという結論をえることは十分に可能だったのです。それをせずに多額の税金をかけて視察をおこなったことは、都民の納得をえられるものではありません。豪華海外出張について、口先だけでなく、真摯な反省をすべきだと考えますが、どうか、さらに、都民からマン島視察に使った費用を返すべきと声が上がるのは当然です。わが党の試算では約七百万円になりますが、あわせて、答弁を求めます。
実際、今月八日、マン島TTレースでライダーと観客三人が死亡し、その他に観客一人と主催者側のマーシャル二人が重傷を負うという観客をまきこんだ悲惨な大事故が発生。翌々日の十日の日曜日にはこれも観客を含む八人の死傷事故が発生しています。
Q 知事、公道オートバイレースはこれほど危険に満ちたものです。だからこそメーカーやレーサーも反対しているのです。公道レースに固執して死亡事故があっても仕方ないというのですか。それとも事故の責任も補償の責任も村の側にあるというのですか。知事、いかなる形での公道レースもやらないときっぱり明言すべきです。それぞれ明確な答弁を求めます。
都と村は最近、公道レースに変わる「フェスタ案」を発表しましたが、レース的性格をもたせようとしたものです。そしてこれを毎年ステップアップしていこうとしています。しかも、メーカー側から協力の約束をえていると説明しています。これもごまかしです。まず、メーカーのホンダは、イベントであっても公道をつかって、法定速度制限を解除しておこなうイベントは危険に変わりはなく、「協力できない」とハッキリと表明していますし、イベントの窓口となるMFJは、、最近、「組織」として協力できないことを表明するにいたったのです。八方ふさがりでニッチもサッチもいなくなっていることを、直視すべきことを申し述べておきます。
わが党はこの間に二回、三宅島を訪問し、関係者の話をうかがってきました。そこで明らかになったことは、オートバイレースは島民からは歓迎されていないということです。
Q 島民が求めているのは、三宅空港の早期再開や航路の改善、観光振興、農漁業の振興などの現実的な復興に役立つ支援です。三宅の復興というのなら、この方向に支援を切りかえる決断が必要ではありませんか、知事の答弁を求めます。
知事のあやまった判断が、都民の食の安全に重大な危険をもたらそうとしているのが、築地市場の豊洲移転問題です。
築地市場は、古くから「魚河岸」の名で親しまれてきた、水産物では国内最大の卸売市場です。その市場を、ヒ素や水銀、六価クロムなどの有害物質に汚染された豊洲に移転させるというのですから、関係業界をはじめ、地元区、都民からも疑念と反対の声があげられるのは当然です。
こうした批判に対し、知事は選挙で、これまでの東京ガスによる土壌汚染対策で安全といいいはることが出来なくなり、専門家会議をたちあげて検討する、再調査をして、土壌汚染があったら「中止だ」という態度を示すにいたりました。
しかし、選挙が終わると再調査するかどうかを専門家会議で検討するとトーンダウンしています。しかも設置した専門家会議の構成にも疑問が寄せられています。環境学会のメンバーや液状化問題の専門家も入っておらず、座長にいたっては、大阪で起きたマンションの土壌汚染訴訟で、企業側の委員をつとめた方が任命されているのです。
一方、環境学会などの専門家は、東京ガスの土壌改良は、国の土壌対策法にそっておこなわれていない不十分なものであること、豊洲では地下水まで汚染されており、土壌を全部入れ替えない限り、安全とは言えないと指摘しています。移転を前提とした専門家会議の委員からも、再調査の声があがっているではありませんか。
Q 知事、食の安全を第一とする市場の設置者として、汚染が明らかな不適地を選定した責任は重大です。しかも、新市場建設基本問題検討会で、土壌汚染対策問題の検討を封印したのは、東京都ではありませんか。このことをどう考えているのですか。
Q 最近、環境省は、現行の土壌汚染対策法が施行される前に調査された豊洲などの汚染地についても、よりきびしい調査、対策が必要だとする方向を打ち出しました。都の責任で、あらたな基準にもとづく調査、食の安全を守るにふさわしい調査をおこなうべきだと考えますが、答弁を求めます。
そもそも築地市場の整備は現地での再整備という方向でいっかんしてすすめられてきたものです。それが青島都政時代に、臨海副都心開発の救済のために臨海部への移転という方向が出され、確かに、現地再整備と移転再整備の間で揺れたことも事実です。しかし、豊洲については、当時のサンフランシスコ地震被害の研究から、液状化の危険が強い豊洲は不適とされていたのです。これが石原都政になって、築地の周辺をふくめた再開発というねらいがくわわり、知事の市場視察を契機に、一気に豊洲移転で動き出したのです。
今日の業者の態度は明白です。今年四月の水産仲卸売業者のアンケートで七四%が移転反対を表明、最近実施された青果仲卸売業者のアンケートでも九割が、築地での営業継続を望んでいることが明らかになっています。地元中央区も移転に反対しています。
Q 知事、これだけの反対をおしきって、移転を強行することは許されません。豊洲移転は中止すべきです。答弁を求めます。
Q 知事は、現地再整備は「種地」がないとか、築地は「アスベストで危険」などと言い訳をくり返しています。しかし、種地というのであれば、たとえば運河をはさんだ隣の晴海を使えばよいではありませんか。アスベストについても、東京都自身が現状でとりこわし作業をやっても大丈夫だとしているのです。築地での再整備に立ちかえるべきではありませんか。知事の答弁を求めます。
知事のトップダウンではじめられた事業によって一千億円もの税金が泡と消えようとしているのが、新銀行東京です。私たちは、自治体が手を出すべきでない事業に乗りだした、都民の重いツケになると、きびしく批判してきましたが、まさにその通りになっているではありませんか。
二〇〇七年三月期決算では、開業二年目の最終損益で五四七億円の赤字となり、累積欠損は八百四十九億円にのぼり、都が出資した一〇〇〇億円のほとんどが失われる事態となっているのです。知事は、「破たんではない」、二年後には単年度黒字に転換するとすると強弁していますが、誰も、額面通りには受けとめていません。金融の専門家は、本来、金融庁が業務改善命令を発動してもおかしくない事態と指摘、これまで高い評価をしていたアメリカの格付け会社も「政策的役割に低下の懸念が生じている」として二段階引き下げをおこない、「新中期計画」についても「達成は容易でない」と判断しています。
知事は責任を問われたら「素人」などと言って言い逃れしていますが、知事の甘い見通しが今日の事態を生み出したのではありませんか。この期におよんで、経営者に責任をおしつけて、自らの責任のがれをするのは見苦しい限りです。また、「乾坤一擲(けんこんいってき)の勝負をする」などといっていますが、新銀行はギャンブルではないのですよ。それとも失敗したときは一千億円の責任を負うと言うのですか。
Q 都民の税金を一千億円も投入した自らの責任を明らかにするとともに、経営継続に固執せず、金融庁の検査と指導を要請し、都民の税金と預金者保護を最優先に、早期に撤退すべきです。知事の答弁を求めます。
知事のトップダウン事業のなかで最大のムダ使いとなるのがオリンピックです。
しかも、開催計画自体がずさんきわまりないものです。ビッグサイトでは開催不能な水泳会場、公園をつぶす夢の島会場、汚れた海水面を泳ぐトライアスロン会場など枚挙にいとまはありません。なかでも、深刻なのがメインスタジアムです。
最近、オリンピック招致委員会は、晴海をメンイン会場とすることを正式に決定しました。しかし、かねてからわが党が指摘してきたように、埋立地である晴海は液状化や側方流動の危険がきわめて高く、交通アクセスが不便で一〇万人の観客の移動が容易ではないことなど問題は山積みしています。
なかでも、霞ヶ丘の国立競技場とは別に、晴海に国立の競技場を建設することについて、国や関係団体の了解を得られなかったことは致命的な問題です。
そもそも知事は、都としてあらたな施設は建設しない、メインスタジアムは国立で建設すると言ってきたのです。しかし、この計画はくずれました。わが党の質問に対して、文部科学省の担当者は、「二つの国立競技場はあり得ない」、晴海の計画について「交通の面から計画を見直した方がよいと都に申し上げた」と言っています。また、日本陸連も、わが党に、「陸上競技にとって、国立競技場は聖地である」、晴海に競技場を建設するのは勝手だが、国立競技場をサッカー専用にすることについては「絶対に反対」であることを明らかにし、このことを文部科学省にも東京都のオリンピック招致本部にもはっきり意思表示をしたと述べていました。
Q 知事、最初、都民に説明した計画も、現在の説明も事実とまったく違うではありませんか。これ以上都民をあざむくことは許されません。だいたい、こんなずさんな、つじつま合わせの招致計画で、立候補する資格があると考えているのですか。答弁を求めます。
さらに重大なことは、オリンピック招致をテコにしたインフラ整備への都民の税金投入に拍車がかかろうとしていることです。
メイン会場への交通手段について、当初計画ではまったく示されていませんでしたが、最近、知事はこれが必要であることをようやく認め、LRTについて言及しました。しかし、LRTには鉄道や地下鉄ののような輸送能力は期待できず、一時に十万人もの観客をさばくことは不可能です。LRTの他にも羽田と築地を結ぶ地下トンネルや都心と結ぶ地下鉄の建設など、つぎつぎと浮上してくることが予想されます。
なかでも最大の投資となるのは、地上部道路とあわせて二兆円規模の外郭環状道です。わが党は先日、外環道の事業者となる東日本高速道路株式会社を訪ね、話を聞かせてもらってきましたが、同社の話では、大深度地下の本体について、一兆三五〇〇億円もかかるのであれば、採算がとれず赤字となるので、手を出すことにならないということでした。
国会での国交省の道路局長の答弁では、新直轄方式だと、都の負担は外環本体で三四〇〇億円にとなります。上部道路をあわせると一兆円もの負担になるのです。
Q 知事、オリンピックの名で一体、どれだけの投資をおこない、税金投入がどれだけ必要となるのか、きちんと都民に明らかにすべきではありませんか。
知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。
知事への再質問を行います。
まず、築地市場の豊洲移転について、二点伺います。
知事は、反対が一部だといいますが、圧倒的多数の仲卸業者の皆さんがこぞって豊洲移転に反対し、現地再整備を求めている。知事はこの声を無視するのかどうか、これが一つです。
二つ目は、現地再整備の種地としては晴海があるといっているんです。ここを種地にすれば、アスベストだってすぐ撤去できる。オリンピックのために晴海を種地にできないというのは許されない。都民の食と安全をどうするんですか。中央区も、かつて晴海を種地にするよう提案していたのではないですか。晴海を活用できないというのなら、都民が納得できる理由を示していただきたい、これが二つ目です。
次に、新銀行東京について三点伺います。
もともと無理な発想で始めた新銀行東京の破綻責任を経営陣にすべて押しつける答弁は無責任きわまりない。新銀行は、石原銀行といわれているように、知事がトップダウンで始め、知事と側近の密室で準備されたものです。銀行を設置し、一千億円を投じた知事自身に最大の責任がある、そう思わないのですか。
二つ目、日経新聞も、事業を譲渡し、早期に撤退するのが妥当としております。なぜ金融庁の検査と指導を受けないのか。それとも受けられない理由があるのか、明確にしていただきたい。
三つ目、このまま突き進んで一千億円をどぶに捨てるような結果になったら、知事、あなたは責任とるんですか。一千億円を補償できるのか。
それぞれ明確な答弁を求めます。
最後に、東京オリンピックについて、二点伺います。
一つ、三環状などの巨額な投資だけでなく、オリンピックの直接経費が当初の計画に比べて大幅に膨れ上がることを指摘しているんです。逃げないで、どれだけの投資を行うのか、明らかにしていただきたい。
二つ目、大体オリンピック後の需要が見込めないのに、二つ目の大規模な競技場をつくって採算がとれるわけはありません。都民が重税と負担増、貧困と格差の拡大で苦しんでいるときに、こんなむだ遣いは許されません。
答弁をそれぞれお願いをいたします。
以上です。
○知事(石原慎太郎君) 渡辺康信議員の代表質問にお答えいたします。
まず、中学三年生までの医療費助成についてでありますが、子育てにかかわる経済的支援については、国の取り組みが不十分であることから、所得格差を踏まえつつ、中学三年生までの医療費負担をゼロとすることを公約の一つといたしました。
この公約については、いった限り、共産党にいわれるまでもなく、今後、実現に向けて準備を進めてまいります。所得制限は当然に設けます。
住民税についてでありますが、今回の定率減税の廃止は、導入当時と比べ、景気の回復が見られることなど、社会経済状況の変化を踏まえた措置であります。したがって、国に中止や還付を求める考えはありません。
次いで、マン島視察の成果についてでありますが、私と三宅村長などは、三宅島の復興を図る目的でマン島のレースの視察を行いました。この視察の成果も生かしながら、村と都が、日本モーターサイクルスポーツ協会などの積極的な協力を得て、三宅島の現状に即したバイクイベントの検討を現在も行っております。
三宅島の力強い復興に向けて、この秋にも意義のあるイベントとして実を結ぼうとしているわけでありまして、成果は十分にありますし、ホームページを訂正する必要はないと思っております。
豊洲移転の中止についてでありますが、築地市場が基幹市場として今後とも都民に生鮮食品を安定的に供給していくためには、老朽化、狭隘化した施設の整備が緊急の課題であると思います。
現在、一部に唱えられている築地市場での現在地再整備では、敷地面積が限られておりまして、これからの市場に求められる機能を満たすことができません。
さらに、整備に当たっての種地がない上に、あちこちに封印されてありますアスベスト対策も講じる必要があります。市場業者の営業活動に深刻な影響を及ぼすことから、現在地での再整備は不可能であると思います。
豊洲新市場予定地は、大規模な用地が確保でき、交通条件が良好な位置にあるなど、将来の市場の発展に十分に対応できる条件を有しております。
土壌汚染対策については、既に設置した専門家会議で十分に論議をしていただき、ことし秋に予定している提言を踏まえて、再調査も含めて必要な措置を確実に実施していくことで、いつの時点になりますかわかりませんが、しかし、豊洲新市場をできるだけ早く、都民が安心できる市場として開場させたいと思っております。
新銀行東京についてでありますが、都はあくまでも出資者であり、所有と経営の分離の原則のもとに、経営については、経営陣がその責任において、環境の変化などに柔軟に対応し、適切に行うべきと考えております。
今決算においては、計画を上回る不良債権の発生などにより経営が悪化いたしましたが、これまで一万六千六百件の融資、保証を実行しており、中小企業金融において重要な役割を果たしていることに変わりはございません。
都は出資者としても、今後とも新銀行東京が新たに迎えた経営陣のもとで、収益面の改善を図りつつ、中小企業に対する金融支援を一層充実していくよう働きかけを行ってまいります。
次いで、オリンピックに関する経費についてでありますが、オリンピックはそもそも、経済効果をねらってやるものでは決してございません。しかし、都の試算では、全国で二・八兆円、三兆近い経済効果が生まれると予測されております。
また、ちなみに、ことし二月に実現しました東京マラソンにおいても、大会運営費が都の支出四億円を含めて全体で十六億円でございましたが、一日、しかも七時間、幹線道路を封鎖することで、都内で百十七億、全国では百八十三億の経済効果がもたらされました。こうした開催の効果もあわせて議論しなければ、オリンピック云々について全く意味がないと思います。
オリンピック開催にかかわる経費については、大会運営費及び施設整備費など、昨年、その概要を都民に公表し、立候補申請に向け、現在内容を詰めております。
一方、三環状道路を初めとする都市インフラの整備は、オリンピックの開催有無にかかわらず、東京の機能をさらに向上させるために絶対に必要な将来への投資であると思います。
二〇一六年のオリンピック開催に向け、インフラ整備を一層促進し、都市問題の解決に大いに貢献していきたいと思っております。
他の質問については、関係局長から答弁いたします。
○福祉保健局長(安藤立美君) 八点の質問にお答えをいたします。
まず、中学三年生までの医療費助成と区市町村の財政負担などについてでありますが、都は所得制限を児童手当準拠とし、医療費の自己負担分の三分の一を助成いたします義務教育就学児医療費助成事業の本年十月からの実施に向けて取り組みを進めているところであります。
中学三年生までの医療費につきましては、先ほど知事が答弁したとおり、今後、実現に向けて準備を進めてまいります。
次に、低所得者への支援についてでありますが、所得保障は、社会経済状況全体を踏まえ、基本的に国の責任で対応すべきものでありまして、現在、各種年金や手当、さらに、最後のセーフティーネットとしての生活保護などの諸制度が整備をされています。
また、老人保健制度や医療保険制度等の中でも、各種のきめ細やかな本人負担の軽減措置が設けられております。
これらの諸制度を国と地方との役割分担のもと、公正かつ適切に実施していくことが自治体の責務であり、都としては、お話のような現金給付の制度を設ける考えはございません。
続きまして、シルバーパスについてでありますが、本事業は、若年世代の負担との間に不公平感があるなどの課題があったことから、平成十二年に、都民の理解を得て見直しを行い、所得に応じて、区市町村民税非課税の方は千円、課税の方は二万五百十円の利用者負担をいただく仕組みとなっております。
ご提案の内容が、区市町村民税課税の方の一部について、シルバーパスの二万五百十円の利用者負担金を引き下げるという趣旨であれば、そうした制度を実施する考えはございません。
次に、今年度のシルバーパスの経過措置についてでございますが、ご指摘いただくまでもなく、本年第一回定例会での代表質問における議論も踏まえ、平成十七年度の区市町村民税が非課税で、平成十八年度の経過措置の対象となった方については、更新時の費用負担額を千円に据え置くこととし、既に区市町村に周知をしたところでございます。
次に、コムスン問題における現状等についてでございますが、コムスンのサービス利用者数につきましては、現在、区市町村を通じて国が全国調査を行っております。
また、都内の事業所数につきましては、区市町村指定分を含めて、本年六月六日現在、百五十九事業所を指定しております。
これまでの都の対応についてでございますが、六月六日の厚生労働省通知を受け、コムスンに対して、利用者保護のため、介護サービスを低下させないこと、新たな事業者への紹介を確実に行うことなどについて指導を行っております。
また、区市町村には、コムスンに関する事業所情報を提供するとともに、担当者会議を開催し、適切な相談体制の確保を依頼するなどの対応をしてございます。
次に、コムスンの介護サービス利用者への対応についてでございますが、ただいま申し上げたとおり、都ではコムスンに対して、利用者保護のため、さまざまな指導を行っております。
また、都は、既に介護保険制度相談窓口で相談等に対応しているほか、区市町村に対しても適切な相談体制の確保を依頼しております。
次に、介護福祉分野への民間企業の参入等についてでありますが、本格的な高齢社会を迎え、介護、福祉サービスの需要が増大する中で、都は、大都市東京の特性を生かし、NPOや民間企業など、多様な事業主体をサービスの提供者として参入させ、活発な競い合いを行うことにより、サービスの質の向上と量の確保に努めてきたところでございます。
今後とも、利用者本位の福祉の実現を目指し、都民が安心してサービスを選択できるよう、第三者評価の普及、定着を図るとともに、指導、検査を厳正に実施するなど、事業者の適正な運営の確保に努めてまいります。
最後に、国への要望についてでございますが、都は、既に国に対しまして、次期介護報酬改定に当たり、大都市の実情や事業者の経営実態に見合う報酬水準となるよう、都におけます介護保険施設の実情を踏まえ、具体的な見直しの方向性について提言しているところでございます。
○主税局長(熊野順祥君) 二点のご質問にお答え申し上げます。
まず、都独自の都民税還付についてでございますが、先ほど知事がお答えしたとおり、今回の定率減税の廃止は、導入当時と比べて景気の回復が見られることなど、社会経済情勢の変化を踏まえた措置でございます。都民税の還付は考えておりません。
次に、個人都民税の軽減措置についてでございます。
これは、十年前に比べ、生活保護受給者あるいは非正規雇用者がふえており、特に、東京都は全国の増加率を大幅に上回る状況にあることを踏まえまして、生活保護の対象となる程度の収入しかない都民の税負担に配慮しようとするものでございます。現在、制度について検討をしているところでございます。
○総務局長(押元洋君) 六点のご質問にお答えいたします。
まず、三宅島のバイクイベントについてでございますが、今回のイベントは、村、事業の実施主体となるNPO法人など、住民みずからが島の復興に向け、年間を通じて来島者をふやすことにより、産業や観光の振興の起爆剤となるよう実施をするものでございます。
実施に当たっては、安全面にも十分に配慮して行うよう、村、NPO法人とも協力をしてまいります。
次に、マン島視察の必要性についてでございますが、三宅島でのバイクイベントは、知事が三宅村長や専門家などとともに、本場のレースを視察した成果も十分に生かしながら検討を進めているものであり、極めて意義のある海外出張であったと考えております。
次に、マン島視察に使った経費でございますが、マン島視察は、ただいま申し上げましたとおり、極めて有益な海外出張であり、視察にかかった経費を返還する必要はございません。
次に、バイクイベントにおける事故等への対応についてでございますが、現在、三宅村では、NPO法人を組織し、専門家も含め、多数の関係者の協力を得ながら、万が一にも事故等が起こらないよう、安全面にも十分配慮した事業の具体的内容を検討しております。
万々が一事故が起きた場合には、その態様により責任の所在は異なってまいりますが、そのようなことがなく、このイベントが安全に行われるよう、都としても積極的に助言、支援してまいります。
次に、バイクイベントの内容についてでございますが、三宅村では、現在、NPO法人を中心として、島民も含め、すべての人が楽しめるにぎやかなレースイベントとするべく、国内のオートバイ主要メーカーの協力を得られる形で検討を進めております。実施案が固まり次第、発表する予定でございます。
最後に、三宅島の復興支援についてでございますが、都は、これまでも三宅島の復旧、復興に向け、空港、港湾、道路、砂防ダムなどの整備を行うほか、さまざまな取り組みを着実に行ってまいりました。
一方、三宅島を訪れる観光客の数は、いまだ発災前の半分程度と低迷をしております。三宅島の産業、観光振興を図るためには、これまでにない思い切った取り組みが必要であり、今回のバイクイベントは、こうした趣旨で実施するものでございます。
都としては、引き続き国とも連携しながら、島の復興を担う三宅村の取り組みを支援してまいります。
○中央卸売市場長(比留間英人君) 築地市場移転に関する五点の質問にお答えいたします。
まず、築地市場の移転地の選定についてでございます。
築地市場の移転先の条件といたしまして、一つは、広い駐車場や荷さばきスペースを配置できる大規模用地の確保が可能なこと、二つ目は、消費地である既成市街地の外周地域で、交通条件が良好な位置であること、三つ目といたしまして、商圏に近く、機能、経営面で築地市場との継続性が保てる位置であること、こうした考え方に基づき、平成十三年四月、東京都卸売市場審議会から、豊洲地区を候補地として検討するよう答申がなされました。
この土地は、東京ガス株式会社が、ただいま申し上げました審議会答申前の平成十三年一月に、ベンゼン、シアンなどの有害物質に関する調査結果と汚染土壌処理対策を公表し、同社の責任で、操業に伴う汚染について対策を実施することを表明していたものでございます。
これらを踏まえ、平成十三年十二月の第七次東京都卸売市場整備計画で、築地市場の豊洲移転を決定したものでございます。
次に、土壌汚染対策についての市場業界との検討でございます。
平成十四年七月、東京ガス株式会社が実施する豊洲新市場予定地の土壌汚染対策について、都と市場業界との協議機関であります新市場建設基本問題検討会において説明を行いました。
平成十六年六月には、東京ガス株式会社の土壌汚染対策の詳細について、同様の協議機関でございます新市場建設懇談会において説明を行っております。
また、平成十八年十一月には、都として、自然由来の物質についても処理対象としたことから、同懇談会において説明を行いました。
このほかにも、平成十七年三月、十八年八月、十二月に、全仲卸組合員等を対象に説明会を行ってきてございます。
次に、新たな基準に基づく調査の必要性についてでございます。
都は、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策などについて、科学的、客観的な検証を行うため、公平、中立な立場の専門家による専門家会議を設置いたしました。
先月の第一回の会議では、東京ガス株式会社が実施した土壌汚染調査に対する評価を行った上で、都民や市場関係者の不安を解消する観点から、一部、追加調査の必要性も指摘されたところでございます。
第二回以降の会議において、この追加調査の必要性や内容、範囲などを議論していただくこととしております。
都は、こうした専門家会議の検討や提言を踏まえて、必要な措置を確実に実施してまいります。
次に、市場外に現在地再整備の種地を確保することについてでございます。
築地市場は、卸、仲卸、物販業者や輸送業者などの関連事業者が一体となって機能しておりまして、現在地再整備の種地を市場外に求める場合には、ターレットやフォークリフトなどの場内搬送車が荷物を運べる範囲の距離であること、買い出し人が、水産、青果、関連店舗などを容易に移動できること、工事の施工に必要な一定規模の面積が確保されることなどが必要でございます。
過去に行った現在地再整備工事の過程で、このような条件に適合する市場外の土地を求めましたが、確保できなかった経緯があり、現在においてもこの状況に変わりはございません。
最後に、アスベスト対応と現在地再整備との関係についてでございます。
築地市場では、施設の広範囲にわたりアスベスト含有建材が使用されているため、解体時には、飛散防止対策として、売り場等を密閉し、隔離した状態で処理を行うことが必要になります。
十分なローリング工事用の種地がない中で解体工事を行う場合には、市場業者の一定部分が長期間にわたって営業を停止せざるを得ず、営業活動に深刻な影響を及ぼすことになり、こうした面からも、現在地再整備は不可能であると考えております。
○東京オリンピック招致本部長(荒川満君) オリンピックの招致計画についてでございますが、都は、昨年六月に開催概要計画書を発表して以来、一貫して、オリンピックスタジアムを晴海に整備する方針をとってまいりました。
また、国に対しては、国立で整備することを要望し続けてまいりましたが、国は、東京に二つの大規模な競技場を建設することはできないとの立場をとっております。
そこで、都は、オリンピックスタジアムを提供する開催都市としての責任を果たすため、都立で整備することとしたものでございます。
また、現在、施設の内容、機能を検討中でございます。整備費につきましても、都立施設であることを踏まえまして、国費及び民間資金の積極導入を前提に現在進めているところでございまして、今後、適時適切に説明してまいります。
なお、先ほどのご質問の中で、現在の霞ヶ丘競技場をサッカーにとの都の要請に対して、文部科学省が反対の答えということがございましたけれども、現在、正式にはそういう答えは招致本部の方には聞いておりません。したがいまして、ご質問の中にありました、ずさんな、つじつま合わせの招致計画とのご指摘は当たらないというふうに考えます。
【再質問答弁】
○中央卸売市場長(比留間英人君) 築地市場に関する二点のご質問にお答えいたします。
圧倒的反対がある中で、移転は撤回すべきであるということのお尋ねでございますけれども、市場業界が行ったアンケートについては承知をしておりますが、これは一部の団体が実施したもので、その結果が全体の意見を正確にあらわしたものであるか、これについては確たることは申し上げられないと考えております。
いずれにいたしましても、市場業界の一部に反対の声があることは十分承知しておりますので、今後とも、理解が得られるよう、必要な話し合い等を行ってまいります。
それから、種地を晴海にというお尋ねでございますけれども、先ほど市場外に種地を設ける場合の条件についてご説明申し上げました。三点について申し上げましたけれども、場内搬送者で運べる位置、あるいは買い出し人が容易にその買い回り、いわゆる我々の言葉で買い回りというふうにいっておりますけれども、回れること、さらには、一定規模の面積が必要なこと、これらを考えますと、晴海を含めて、市場外の種地の適地は現状ないというふうに考えております。
○産業労働局長(佐藤広君) 新銀行東京に関する再質問についてお答え申し上げます。
まず、一点目の今までの経営責任についてでありますが、都はあくまで出資者でございまして、所有と経営の分離の原則のもと、経営につきましては、経営陣がその責任において、環境の変化等にも柔軟に対応して適切に行うべきものと考えております。
次に、金融庁へ検査等を要請せよとのことでありますが、銀行に対する検査等につきましては、銀行法に基づきまして金融庁の判断により実施されるものであります。
また、今後の経営に関する責任とのことでありますが、今後、都は出資者として新銀行東京が新たに迎えた経営陣のもとで、収益面の改善を図りつつ、中小企業に対する金融支援を一層充実していくよう、働きかけを行ってまいります。
○東京オリンピック招致本部長(荒川満君) オリンピックに関する二点のご質問にお答えします。
まず、都市インフラに関するご質問でございますけれども、そもそも東京オリンピックは、一時期のスポーツの祭典のためにだけではなく、これからの東京の都市づくりの方向を踏まえ、都市の新しいモデルを世界に発信する機会としてとらえるべきであると考えます。
したがって、メーンスタジアムを初めとする主要競技施設やアクセス、三環アクセスも、これからの都市づくりの中に位置づけられるものと考えております。十年先、二十年先の都市づくり、港づくりを見通した道路、公共交通の投資としてとらえるべきものというふうに考えております。
それから、オリンピック関連経費でございますけれども、先ほど申し上げましたように、現在、諸施設を含め、施設の内容、機能を検討中でございます。整備費につきましても、国費の導入、民間資金の積極導入を前提に、現在詰めております。
今後、適時適切にご説明申し上げます。