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第三回定例会 代表質問 二〇〇七年九月二六日
清水ひで子(八王子市選出)
都民減税公約撤回、豪華海外出張、三宅バイクフェスティバルをきびしく追及
「世界都市」最優先で都財政、地球環境、都民生活にゆがみ
あらゆる年齢層に、貧困と格差が広がっている
都民税減税中止は明々白々の公約違反
給付をはじめ都民生活への支援の拡充が緊急課題
一人当たり平均年額が最大十五万五千円、滞納すれば保険証取り上げ
さらにふくらむオリンピック施設整備費
世論調査前に、財政投資の全容を明らかにすべき
「都市再生」で地球温暖化にいっそうの拍車
世界の流れに学んで持続可能な都政運営を
満潮時の水害の実態すら見ずに現地を出発
圏央道のトンネル工事の高尾山の視察を
人の命を軽視する発言をくり返すことは知事としてあってはならない
猪瀬副知事・・格差是正の政策を「バラマキ」
都民のくらしや福祉を守る姿勢が欠けている
【再質問】
【答弁】
【再質問への回答】
日本共産党都議団を代表して質問します。
いま、都民の中であらゆる年齢層に、貧困と格差が広がっています。厚生労働省の調査では、働いても働いても、住居も確保できずインターネットカフェや漫画喫茶で寝泊まりしている「ネットカフェ難民」が全国で五千四百人、東京で約二千人もいるとされ、それが若者だけでなく五〇代にまで及んでいる結果が明らかにされました。
日本共産党都議団が、青年とともに街頭での聞きとりなどを通じておこなった約七百人の若者実態調査では、非正規労働者が半数を占め、その月収は二十万円未満が五割、十五万円未満も三分の一におよんでいます。正規労働者でも、月収二十万円以下が約三割で、月四十時間以上の残業時間の人が四割以上、残業代未払いの人も四分の一におよびます。若者の多くが正規・非正規ともに低賃金と長時間労働、サービス残業に苦しめられている姿が浮きぼりになりました。
高齢者は、平均所得で現役世代と変わらないなどといわれますが、実態はごく一部の高額所得者が平均を押し上げているだけで、圧倒的多数は低い所得階層です。
東京の医療関係者の高齢者生活実態調査では、回答した約二千人のうち、四割近い人が月収十万円未満で、収入が低い人ほど健康状態が良くないという結果が示されました。
だからこそ、くらしや雇用を何とかしてほしいという、悲鳴ともいえる都民の声がひろがり、先の知事選で、知事は都民の支持を得るために、「低所得者を対象とした個人都民税の軽減」を約束したのではないでしょうか。
ところが知事は、今になって「所得以外の収入があり多額の預貯金を保有している人がいる」から「税による手当では不公平が生じる」といって減税をやめると言いだし、低所得者の雇用対策などの対策を講じることをもって「公約の進化」だと開き直りました。
そもそも、所得の低い人たちへの支援をおこなう場合、税の軽減と給付の両面からおこなうことは世界の常識です。だからこそ、政府税調も参議院選挙の結果をうけて所得が低い人たちにたいし、税の軽減と給付金の支給という組み合わせの対策を検討しはじめたのではありませんか。
そこで、まず、税の軽減についてですが、知事は公約について、「これによって現行税制のゆがみを是正する」と説明していたのです。トップダウンではあったものの収入の低い人には負担を重くし、高額収入者には負担を軽くするという日本の逆立ちした税制に一石を投ずる前向きのものでした。だから、都民の支持をうけたのです。だから減税撤回について、マスコミは「公約撤回」と批判し、わが党にも「都知事選で都民税の減免を公約しながらすぐに撤回するとは、選挙目的の手段だったとしか思えない」という都民からの手紙が寄せられているのです。
知事、減税は預貯金のあるなしにかかわらないものであることは、初めからわかっていたことであり、撤回の理由になりません。知事、答えてください。
知事のやろうとしているのは、明々白々の公約違反です。すでに区市町村に説明しているのです。減税撤回をとりさげ、来年度から実施するよう強く求めるものです。答弁を求めます。
つぎに、給付をはじめ都民生活への支援の拡充が緊急課題となっていることです。
公約の趣旨は、生活保護水準以下の収入で生活している人たちへの支援でした。若者や高齢者を問わず、月五万円とか十万円とかの収入で、生活に困窮している都民に月一万円程度の緊急生活応援手当てを創設すること、都営住宅入居基準内の収入の人たちのために家賃助成を実施すること、ネットカフェ難民など住所を失った人への賃貸契約の支援や緊急入居できる住宅提供などの対策が必要と考えますが、それぞれお答えください。
ワーキングプア問題の解決のためには、なによりも、生活保護以下の収入にしかならない最低賃金を、時給千円以上に引き上げることや、社会保険の加入などが不可欠であると考えますが、認識を伺います。とりわけ、都として雇用している臨時職員については、この点で範を示すことが必要です。
一人当たり平均年額が最大十五万五千円、滞納すれば保険証取り上げ
次に、高齢者の医療です。
政府が来年四月から、七十五歳以上の後期高齢者を対象にした新たな医療保険制度をつくること、また七十歳から七十四歳の医療費を一割負担から二割に引き上げるとしていることに、驚きと怒り、実施の中止をもとめる声が急速にひろがっています。
後期高齢者医療制度の保険料は、東京都の場合、一人当たりの平均年額が最大で十五万五千円という推計が発表され、衝撃をひろげています。厚生労働省は平均七万四千円、国民健康保険料と大差ないと説明してきましたが、国保料の一・五倍から二倍にもなる人が続出します。そして、いま保険料負担がない家族の扶養となっている人からも、新たに保険料が徴収されます。一方、高額所得者の保険料は下がります。
しかも、この保険料は介護保険料といっしょに年金から天引きされ、滞納すれば保険証を取り上げ、医療給付の停止や制限まで法律に規定されています。こんな高齢者差別の医療制度は世界に例がありません。
国民のきびしい批判の中で、政府与党からも見直しの動きがでていますが、後期高齢者医療制度については、あらたに保険料負担が生じる人の保険料を凍結するにとどまるものです。その対象は、東京の後期高齢者百十万人のうち二十万人にすぎず、数十万人の方の保険料の大幅負担増はさけられません。
目先の医療費削減を最優先にして、七十歳から七十四歳の医療費を二割負担に倍増させ、七十五歳からの保険料負担を大幅にふやす、こんな医療改悪は凍結し、全面的に見直すよう、政府に迫る必要があると思いますが、知事の答弁を求めます。
後期高齢者医療制度については、都民の保険料の負担増をまねかない対策が絶対に必要です。実際、保険料の引き下げをもとめる意見書が次々あがっています。首都圏の一都三県の保険者である広域連合は連名で、政府に対し国庫負担の拡充をもとめる緊急要望を提出しています。
保険料軽減のために、国庫負担を大幅にふやすよう求めるべきです。
また都独自の財政支援をおこなうことが必要です。
とくに、後期高齢者の健診事業に対する都の財政支援は不可欠だと思いますが、それぞれ答弁を求めます。
石原知事は、この八年、多くの切実な都民要望や緊急課題について、「財政は厳しい」などと理屈をつけて、背を向けつづけてきました。その一方で、知事が最優先でとり組んできたのが、財界・多国籍企業がもとめる「世界都市」づくりであり、そのための再開発や三環状道路などのインフラの整備でした。国の悪政から都民生活を守るべき都政が、こうした逆立ちをつづけることによって、東京は、貧困と格差、ワーキングプア、介護難民などの問題がとりわけひどくなったのです。
この路線をすすむかぎり、都財政や地球環境、ひいては都民生活に甚大な影響と歪みをもたらすものとなることは避けられません。
まず、都財政のゆがみです。すでに都は大型開発を中心に毎年、一兆円規模の投資を重ね、借金を過去最高水準の七兆円規模に膨らませてきました。投資の水準をバブル前にもどすことは欠かせない課題です。
にもかかわらず、石原知事は、オリンピックを最優先課題として、競技施設やインフラ整備をすすめることに固執しています。わが党はこのための投資が八兆五〇〇〇億円になることを指摘してきましたが、さらに膨らむ危険があることが、明らかになりました。
第一は、競技の施設整備費が四五三億円にとどまらず、少なくとも三倍の一千五百億円にふくれあがることです。これは安倍前首相が政権を投げだす前日に、ようやくおこなった「閣議了解」で、メインスタジアムは国立ではなく都立で建設すること、国の負担は二分の一であること、後利用は都が責任を負うこと、その他の施設やインフラは通常の公共事業の枠の中ですすめるとしたことによるものです。つまり、国は、オリンピック対策のために、何ら特別の費用負担をおこなわないのです。
石原知事は、「閣議了解」について、これで「ナショナルイベント」に位置づけられたと言っていますが、実際は、〃東京がやりたければやりなさい〃というだけの話ではありませんか。知事の答弁を求めます。
第二に、インフラ整備、とりわけ都の負担が青天井になろうとしていることです。知事が「十年後の東京」で最重点の課題としている三環状道路の負担は飛び抜けています。とくに、外郭環状道路は、今日なお国の高速道路の整備路線にも入っていません。これをオリンピックに間に合わせるとして建設することになれば、地下部分で一兆三千五百億円、地上部をあわせると二兆円といわれる莫大な事業を、都の責任でおこなわざるをえません。
さらに、オリンピック招致委員会のもとに、安藤忠雄氏を中心に、オリンピックと臨海副都心を一体として開発する五十年構想が検討され、開発がエスカレートされようとしています。すでに、メインスタジアムを結ぶ地下鉄やLRT、アクセス道路などの構想も浮上しており、これでは、都の負担はふくれあがるばかりです。このムダ使いともいうべき構図にメスを入れることなしに都民のくらしを守ることはできません。
十一月には招致に関する世論調査をおこなう予定ですが、オリンピックのための直接投資や関連投資、さらにはオリンピックをテコにして、この十年間におこなうインフラ整備の全容を明らかにすることなしに、都民が判断を下せないことは明らかです。世論調査前に、財政投資の全容を明らかにすべきです。知事の答弁を求めます。
「都市再生」のもう一つの歪みは、地球温暖化にいっそうの拍車をかけることです。
一番の問題は、地球温暖化効果ガスといわれる二酸化炭素、CO2です。知事はこの対策として、三環状道路の整備をはじめ、屋上緑化や学校の校庭芝生化、事業所での排出規制などをあげています。しかし、これではCO2の削減はすすみません。まず発生面で見ると、三環状道路についていえば、国土交通省の研究をもとに、環境政策研究所の方が試算してみると、道路整備によるあらたな自動車交通の誘発効果や道路の建設、周辺の開発などによって、CO2は減るどころか二百九十一万トンも排出されることになることが、明らかにされています。
ビルの排出規制もビル毎の単体規制だけでなく、ビル建設を総量規制することなしに、CO2削減はできません。現実に、知事が就任した二〇〇〇年以降だけでも、二三区内で建設された百b超の超高層ビルは百三十五棟も建設されており、そのビルが発生するCO2は、百十三万トンに達しています。これを吸収するには、日比谷公園約二千個分の樹木が必要となるのです。
しかも、臨海部に沿って開発されている超高層ビル群によって海風がさえぎられ、四十度という熱暑や集中豪雨などのヒートアイランド現象がおきていることも重大です。
世界一の温暖化対策というのなら、CO2発生やヒートアイランド現象を抑えることをも目的として、超高層ビルや三環状道路計画を抜本的に見直すべきではありませんか。知事の答弁を求めます。
CO2を吸収するみどりについていえば、いくら屋上を緑化しても、そのビルの床面積が増えれば、CO2は増え逆効果です。芝生化は冷却効果は認められるもののCO2の削減効果は期待できません。
しかも、東京のみどりの減少は深刻です。とりわけ多摩地域では、この間に緑地、農用地、森林などが、開発によってこわされ、原野が二百七十四ヘクタール、農用地が千六〇九ヘクタール、森林が八百十七ヘクタール、北区の面積に匹敵するみどりが失われているのです。これによってCO2の吸収が三万三千トンも失われています。都民一人当たりの都市公園もニューヨークやロンドン、パリなどに比べても最低水準です。知事が目玉にしている中央防波堤内側処分場の海の森構想だけでは、とうてい追いつくものではありません。
そこで、未利用地が残されている臨海副都心地域を活用し、みどりの公園を増設すること、開発の危機にさらされている稲城市の南山など里山や屋敷林の保全など、区市町村と協力したみどりの保全と育成にこそ、力をつくすことが必要です。見解を伺います。
いま、世界の国々や都市が共通して目指しているのは、このような破滅の道ではありません。貧困地区の再開発や超高層ビルの制限、路面電車など自動車依存型からの脱却、みどりの拡大などによる持続可能な社会づくりにとり組んでいます。世界の流れに学んで、持続可能な東京という立場にたって都政運営にあたることを強く求めておくものです。
知事が、都民のくらしへの公約を撤回する一方、自らの豪華海外出張を続けていることにも、都民の批判があらためて高まっています。
知事は海外出張について知事選中「説明不足だった」「反省している」といいました。しかし知事選後、ニューヨークそしてツバル・フィジーとすでに二回も海外出張にでかけ、ニューヨークでは千六百二十六万円、ツバル・フィジーでも千五百万円ものお金をつかいました。知事は成果を強調していますが、とうてい都民の理解をえられるものではありません。実際、都民から「貴重な税金を湯水のように使われる知事の気持がわかりません」、「外国に出かける前に、環境破壊を調べてもらいたい」など疑問や批判がたくさん出されているではありませんか。
とりわけツバル・フィジー出張は、内容の面でもお金の使い方でも問題です。
知事はツバルが温暖化で海面上昇の影響をうけ、やがては沈んでしまうという危機的な状況を見て都民に伝えるために出張したといっています。そうであるならばなぜツバルに宿泊して、じっくり腰をすえて、視察しなかったのですか。知事、お答えください。
日帰りの日程にしたために、五つの調査のポイントはバスによる二時間ばかりの駆け足の視察となり、満潮時の水害の実態すら見ずに現地を出発するという、おそまつなものでした。
知事、現場を見なければわからないと言って出かけたのに、海水の上昇により住宅が水浸しになるという、一番大変な状況さえ見ないのでは、とうてい、目的を果たしたとは言えません。知事、どうですか。
フィジーでの環礁視察というのは、珊瑚礁の白化の実態を調査するためにダイビングをして見るというものです。だったら、わざわざフィジーまで出かけなくても日本で問題になっているところを調査すればすむことです。
フィジーは絶好のダイビングポイントとして、有名な場所です。知事は、ガラパゴス出張でもダイビングをおこないました。こんなことをくりかえしているからこそ、都民から「半分は知事の趣味の世界ではないか」という批判を受け、マスコミにも「そんなことなら自分のお金でやったら」といわれるのです。
地球温暖化対策のためということでツバルにいくのであれば、みどりを破壊し、自動車交通の増加をまねく圏央道のトンネル工事をおこなう高尾山にいって、現場を見て、話を聞くことが、何故できないのか、知事、それぞれお答えください。
お金の使い方も、あい変わらずひどいものです。航空運賃を今回だけビジネスクラスにしただけで、七人の出張なのに、フィジーからツバルにたった一日出かけるのに五十人乗りの飛行機を特別にチャーターしたことによって、五百万円もかかりました。定期空路をつかえば五分の一以下、約八十万円ですませられたのです。宿泊費についても、最大の目的地ツバルに泊まれば一泊一万二千円ほどですむものを、わざわざフィジーで条例の二倍もの一泊五万六千八百円のお金をはらって、高級リゾートホテルに宿泊したのです。
少なくとも、ツバルをじっくり視察したら、飛行機のチャーター代も宿泊費もそこで数百万円節約出来たはずではないですか。知事、都民の税金を使う以上、仮に必要な出張であっても節約につとめることがなぜ出来ないのですか。
調査の中身もインターネットや映像、書物でわかることがほとんど、お金の使い方もやりたい放題。こんな出張に千五百万もかけるのだったら、東京のCO2削減対策などに、すこしでもそのお金を使うべきという、都民の批判に知事は、どう答えるのですか。お答えください。
人の命を軽視する発言をくり返すことは知事としてあってはならない
これまでの豪華海外出張もむだな視察が多かったことがさらに明確になっています。例えば、三宅島で公道バイクレースをやるためといって一千万円もかけたマン島出張です。
知事は、ホームページで、海外出張の成果の一つとしてあげていますが、とんでもありません。今年十一月に実施予定だった公道レースは、バイクメーカーやテストライダーの反対をうけ断念においこまれ、知事の発言をめぐってバイクメーカーは協力を辞退、レースを主管するMFJも組織としての協力はしないことを決めるにいたっています。
レースでなくてモーターサイクルフェスタに格下げしたものの、これも、十九日の三宅村議会で、わが党村議の質問で、協賛スポンサーが一社もあつまっていないこと、大会の運営や募集の要項の詳細がいまだに決まっていないこと、発表は開催一ヶ月前の十月上旬になることなどが明らかにされました。
「開催は無理だ」「やめた方がよい」という声が広がっています。知事、モーターサイクルフェスタはきっぱりと中止し、知事の思いつきで三宅島島民や関係者を振りまわしてきたことを謝罪すべきです。
ことしのフェスタの開催すら危ぶまれているのに、知事がいまだに公道レースにこだわって「来年はやる」と言い張っていることは許されません。しかも、知事は、「公道は危ないと言うけれど、サーキットでも人は死んでいる。みんな危険を覚悟でやっている」などと、人の命を軽視する発言をくり返していることは自治体の長としてあってはならない発言です。
知事、安全対策を万全にほどこしたサーキットでも事故が起きれば、死亡事故につながるものです。安全対策も十分でなく、観客をまきこむ危険のある公道レースではその危険ははかり知れません。だから世界でも公道レースはきわめて少数派になっているのです。
公道レースについていまだに「危険だという所以(ゆえん)がわからない」、レーサーの「自己責任の問題だ」などと言っていることは、あまりにも不見識であり、無責任です。知事どうですか。
最後に、猪瀬副知事にうかがいます。先の参議院選挙では、国民の生存権を脅かす事態までつくりだした小泉・安倍政権の構造改革路線にたいし、有権者が「ノー」の審判を下しました。ところが猪瀬副知事は「構造改革は、日本が世界で生き残るための避けて通れない道」といいはり、社会問題となっている格差社会についてもこれを否定し、「不景気、不況」の問題だというおどろくべき認識を述べています。そしていまは、「自己責任の時代になった」として、民主党が参議院選挙で部分的に打ち出した格差是正の政策を「バラマキ」呼ばわりしています。とんでもない時代認識といわなければなりません。
猪瀬副知事、ワーキングプアの出現にみられるように、構造改革路線によって、必死に働いても生活保護以下の収入しか得ることができない人が大量に生まれているのです。それでも「自己責任」の問題として片付けるのですか。
政府与党のなかからも、障害者自立支援法による負担増の抜本見直しなどが言われはじめましたが、これも「バラマキ」というのですか。
また、あなたは、社会保障費を抑制するためには、医師、看護師などの医療関係者の給料を抑えるべきだと強調し、「補助金をもらってずぶずぶの人件費を支払っているコスト意識のない特殊法人の世界と、そっくり」とまで攻撃しています。
医師・看護師不足が深刻な社会問題となり、診療報酬の引き下げによって閉鎖を余儀なくされる医療機関が広がっているにもかかわらず、診療報酬、人件費をさらに引き下げよと言うのですか。
その一方で、猪瀬副知事は雑誌インタビューで「世界マネーを稼ぐ東京」「東京は世界を相手に経済戦争を挑む戦場だ」とまでいって、大企業などの利潤追求、経済活動をささえる都市づくりを最優先課題として推進しようとしています。
こうした発言を見るかぎり、猪瀬副知事は都民のくらしや福祉を守る姿勢が欠けているといっても過言ではありません。
あなたは、わが党が公開質問状で地方自治の本旨への認識を問うたにもかかわらず、回答すらしませんでした。あらためて聞きます。副知事として、自治体の責務をどう認識しているのですか。地方自治法で明記されているように住民の福祉の増進をはかることにこそ全力をつくすべきではありませんか。
さらにいま、政治資金をめぐる不正や虚偽報告が露呈し、政治とカネの問題が大きな社会問題となっていますが、猪瀬副知事が「政治資金収支報告の記載漏れのなかには、まさに枝葉末節のことも多く『魔女狩り』の様相を呈していた」と発言していることは、副知事自身の政治とカネにたいする感覚を疑わせるものです。
その一つの例が、四百五十万円もかけて自らの副知事室にトイレつけたことです。過去の副知事四人体制のときには専用トイレの増設は持ち上がっていません。
障害者団体などへの数十万円、百万円単位の補助さえ削られているとき、自らの部屋のトイレ設置のために四百五十万円という公金を投入することに、都民や都庁内からも疑問の声があがるのは当然ではないですか。以上五点について、猪瀬副知事の明確な答弁を求めます。再質問を留保し質問を終わります。
知事に再質問します。
今、都民税軽減の撤回について、公約違反ではないといい張っていますが、とんでもないことです。知事はこの政策により税のゆがみを是正する、地方税制においてあるべき姿を示すものだと説明していたのです。都民税に手をつけないということは、この説明は間違っていたことになります。まさに知事の公約は、口先だけの都民を欺くものだったといわれても仕方がないではありませんか。知事が答えてください。
豪華海外出張についてです。
知事は、豪華海外出張について、説明不足だった、反省しているといったのです。なぜツバルに泊まらず、駆け足の見学にしてしまったのかということについて、知事のお答えはありませんでした。議会と都民に説明もしないのは、反省がごまかしだったということです。
知事、小池環境大臣もツバルに宿泊したではありませんか。なぜ滞在して徹底した調査をしなかったのですか。現場を見るというなら、海水上昇の被害を知事の目で見ることができる季節、日数、時間を選ぶべきではありませんか。そうすれば、条例の二倍の料金の豪華なリゾートホテルも節約できたのではありませんか。都民が納得できるよう、説明責任を果たしていただきたいと思います。
オリンピックについてです。
知事のオリンピックの答弁で、驚いたのは私の方です。閣議了解は、東京都が招請することを認めただけで、費用負担についても通常の枠を超えないものです。大体、一九六四年の東京大会のときの閣議了解は、できる限りのことをすると、国を挙げて支援をすることを表明していたんです。今回の閣議了解とは雲泥の差です。知事自身、自民党の答弁では、国に本腰を入れてもらわなければとか、勝ち抜くのは大変だと、情けない認識を示していたではありませんか。ごまかさないでください。
三宅バイクレースです。
危険だというゆえんがわからないとか、レーサーの自己責任だなどという、人命にかかわる危険な公道レースに対する態度は、メーカーもテストライダーも明確にノーです。協力もあり得ません。知事一人のメンツのために多くの人に迷惑をかけるのはもうやめるべきです。
知事のトップダウンの事業です。ご自分でお答えください。
次に、猪瀬副知事に再質問いたします。
構造改革の認識について持論を展開いたしましたが、格差の存在については答えていません。構造改革によってワーキングプアや非正規雇用労働者が大量に生まれたことは常識です。つい最近の月刊誌などで、格差社会じゃないなどと発言しています。そんなことをいっているのはあなたぐらいです。構造改革推進の自民党、公明党の今度の政権合意でさえ、形の上では負担増、格差の緩和をいわざるを得ないのです。あなたの認識が時代に逆行しているのです。副知事になった以上、これまでの認識を改め、都民に対し、自己責任だ、依存体質だなどというのはやめるべきです。答えてください。
以上、質問を終わります。
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○知事 清水ひで子議員の代表質問にお答えします。
まず、個人都民税の軽減措置についてでありますが、同じ行政目的を達成するために、より効果的、効率的な施策を選択するのは当然のことではないでしょうか。
今後、低所得者の方々に対しては、よりきめの細かい施策を講じて支援してまいります。
最初に申しましたことは共産党の好きな一種のばらまきにつながりますので、これは政策転換いたしました。
高齢者医療についてでありますが、我が国では、急速な少子高齢化、国民生活や意識の変化など、大きな環境変化に直面しております。国民の生命と健康を支える医療制度についても時代に見合った制度への変革が不可欠であります。今回の後期高齢者医療制度も改革の柱の一つとして打ち出されたものでありまして、世代間の負担を明確にし、公平でわかりやすい制度とすることを目指すものであると認識しておりますが、ただし、結果として貧しい年寄りは早く死ねということになっては決してならないと思います。
都としては、今後、国の動向を十分見きわめながら適切に対応してまいります。
オリンピック招致の閣議了解についてでありますけれども、共産党は閣議了解の意味を全くご存じないらしいですが、閣議了解は、オリンピック招致を国家行事として推進するという、内閣としての基本的な意思決定であります。共産党のいう、東京がやりたければやりなさいという、そんな無責任なものではありません。これは内閣に対する一つの冒涜だと私は思います。
今後、国とはそれぞれ具体的な協議を進めていくが、経済界、スポーツ界、全国の自治体と一体となってオリンピック招致の実現に全力を尽くしていきます。
共産党も少し発想を変えて、ぜひオリンピックの意義を理解し、積極的に協力していくことを大いに期待しております。
地球温暖化対策に関する現場視察でありますが、行政を預かる者として、いうまでもなく現場に赴き、つぶさにこれを見聞きすることは大変重要であり、実際に私もそうしてまいりました。グローバルな温暖化現象の象徴的な被害地でありますツバルを目にすることでいろいろな発想も生じてまいります。
圏央道など三環状道路の整備は、東京の弱点であります慢性的な渋滞を緩和し、CO2排出量を減少させることからも、温暖化対策の観点からも極めて有効であると思います。
圏央道の整備に当たっては、環境……(発言する者あり)うるさいな。環境影響評価など諸手続において、広く国民、都民などの意見を聴取しておりました。また、都政の重要課題として、逐次関連する情報の報告も受けております。
現場主義の観点から、私はこれまでも、外環や中央環状品川線など必要なところは随時視察しておりまして、既に圏央道にも実際に足を運んでおります。今後も必要に応じ、現場視察することは当然でありまして、共産党にご指示いただかなくても、私の判断で非常に適切に対応してまいります。
ちなみに、私はフィジーではダイビングはいたしませんでした。必要ございませんでした。
次に、三宅島での公道レースについてでありますが、安全面で十分な対策を講じるとともに、ライダーを初め関係者の理解と協力が得られれば、その開催は可能になるものと考えております。三宅の復興のためには何かよほどの効力のあるイベントを考えないと、あの島はだんだん衰微していくという認識のもとにこれを考えたわけです。
他の質問については副知事及び関係局長から答弁いたします。
○副知事 構造改革路線によってワーキングプアが大量に生まれたということでありますが、ワーキングプアというのは、バブルの崩壊などの影響があって、失われた十年と呼ばれる時代に発生したというか、そこから始まってきたんですね。共産党がいうように、構造改革路線のみによってワーキングプアが発生したのではないということをまず認識してほしいんですね。
それで、そもそも共産党が「赤旗」で、貧困率十年で倍加といっているんですよ。これは、九五年から二〇〇四年までの十年ですよ。だから、構造改革は二〇〇一年です。「赤旗」をよく読んで質問していただきたい。
構造改革に対する基本的な認識についてでありますが、これまで道路公団の民営化などを通じて、官の情報隠しや官のむだを放置することが国民に多大な損失を与えることを明らかにし、改革を主張してまいりました。官によるこの国の支配にメスを入れることは国民の利益にかなうものであると考えます。
改革に取り組むに当たって、社会的弱者を切り捨てても構わないということは一言もいっておりませんし、そのような考えはありません。
ワーキングプアなど、額に汗して懸命に働いているにもかかわらず低所得の状態から抜け出せない方々に対して、きめ細かい対策をとることを知事は決断されたが、これに自分も同感であります。石原知事が示された方針のもと、副知事として全力で取り組んでいく所存でございます。
共産党は、過去の僕の発言の一部を切り取って曲解しているようなんですけれども、批判は全く的外れなものであります。
それから、次に、行政施策のあり方についてですが、行政施策のうち、本来国民がみずからの責任でなすべきことを行政が肩がわりする施策や受益と負担のバランスを著しく欠いた施策はモラルハザードを引き起こし、将来にツケを回すことになります。こうした国民にとってマイナスな施策をばらまきと呼びます。ばらまきは慎むべきとして主張してまいりました。
質問にありました障害者自立支援法の見直しについて、一切コメントした覚えはございません。あたかもコメントしたかのごとく事実に基づかない質問は、以後おやめいただきたい。
次に、我が国の医療制度、診療報酬制度についてですが、これまでさまざまな曲折を経て、現在の医療制度、診療報酬制度が形成され、国民に医療を提供する体制が築かれてきました。しかし、我が国の医療制度、診療報酬制度を取り巻く状況は極めて厳しいわけです。少子高齢化社会において、高齢者にかかわる医療費の増大にどう対処するかなど、改革は避けられない状況にあります。こうした課題について、今まさに国民的議論を必要としており、これまで強い問題意識を持って調査、提言してまいりました。
共産党も、一部の発言を曲解して批判するんじゃなくて、大所高所からちゃんと議論いただきたい。
次に、副知事として住民の福祉の向上にどう取り組むかについてですが、自治体が担う住民福祉は、共産党が主張する医療や福祉にとどまらず、治安、社会資本整備、環境、さらに震災対策など、あらゆる分野にかかわるものであります。住民福祉のさらなる向上は、金の卵を産む鶏である東京の活力を高めることなしには実現できません。東京が日本全体を牽引し発展させることで、より充実した住民福祉が可能になると考えています。
共産党はかたくなに認めようとしませんが、機能的で効果的な社会資本を整備することも、自治体が担うべき住民福祉の重要な要素であります。都民福祉の向上に当たっては、民間の発想を大胆に取り入れることが必要であり、民間出身の副知事として、これまでの都政にない発想を生かして、都政の改革に貢献することを求められていると思っております。
知事の指示のもと、副知事として期待されている役割を十二分に果たし、都民福祉の向上に全力を尽くしてまいります。
○主税局長 個人都民税の軽減措置についてでございますが、制度構築に当たりまして、預貯金等の資産の状況など個別の事情を反映した軽減措置が可能かどうか、鋭意検討を行いました。結果としてそれが難しいという結論に至ったものでありまして、初めからわかっていたというご指摘は全く当たりません。
なお、区市町村に対しては、制度設計の過程におきまして意見交換の場を設けてまいりましたけれども、今回の決定を受けて、既に説明を行い、ご理解をいただいております。
○福祉保健局長 お答えいたします。
まず、低所得者に対する手当の創設についてでございますが、所得保障は、社会経済状況全体を踏まえ、基本的に国の責任で対応すべきものであり、都の役割は、地域特性に即した事業を効果的、効率的に展開することであると考えております。
お話の手当については、こうした都の役割に合致するものではなく、創設する考えはございません。
次に、低所得者等への居住支援についてでございますが、家賃助成については、生活保護制度との関係や財政負担のあり方など、多くの課題があることから、都として実施する考えはございません。
また、インターネットカフェ等で常連的に宿泊している方々に対しては、その生活実態を踏まえ、的確な支援策を講じてまいります。
次に、後期高齢者医療制度に関する国への要求と財政支援の二点についてでございますが、後期高齢者医療制度の保険料につきましては、医療費及び保健事業費などの推計や被保険者数の見込みなど、さまざまな要素を勘案し、広域連合が、本年十一月の議会において決定される料率をもとに算定する予定でございます。
都としては、引き続き、広域連合の検討状況を把握するとともに、今後の国の動向を十分見きわめながら、適切に対応してまいります。
最後に、後期高齢者の健診事業についてでございますが、現在、広域連合において、健康診査を初めとする保健事業について検討を行っております。
都としては、広域連合の検討状況や今後の国の動向を注視をしてまいります。
○産業労働局長 最低賃金の引き上げと社会保険の加入についてでありますけれども、最低賃金は、法に基づき、労働者の生計費、類似の労働者の賃金等を考慮し、国において、最低賃金審議会の審議を経て決定されており、都内の最低賃金はこの十月十九日から引き上げられることとなっております。
また、社会保険につきましては、加入要件等が法令で定められており、これに基づき適正に運用されるように、都はこれまでに引き続き、労働相談やセミナー等を通じて、労使双方に助言や普及啓発を行ってまいります。
○財務局長 臨時職員についてでございますが、都の臨時職員は、一時的、臨時的な行政事務の増加に弾力的に対応することを目的に各局で雇用されるものでございまして、毎年度の予算見積もりに当たって、適切に算定した賃金の参考単価を各局に通知しております。
また、社会保険の加入につきましても、法令にのっとり適切に対応しております。
○東京オリンピック招致本部長 オリンピックに関する経費についてでございますが、大会運営費及び施設整備費につきましては、昨年夏、開催概要計画書の策定に合わせまして費用の概要を都民に公表しておりますが、現在、さらに施設内容を含めて精査しておりまして、今後、適時適切に説明してまいります。
また、三環状道路を初めとする都市インフラの整備につきましては、オリンピック開催の有無にかかわらず、東京の機能をさらに向上させるために必要な将来への投資であると認識しております。
なお、オリンピック大会開催の経済効果は、都の試算によりますと、全国で二・八兆円に及ぶものでありまして、オリンピックについては、こうした効果も合わせますと、都民、国民に十分ご理解いただけるものと考えております。
○都市整備局長 温暖化対策として、超高層ビルや三環状道路を抜本的に見直せとのお尋ねでございますが、東京が国際競争力を有した世界的な都市であり続けるためには、計画的な都市機能の整備や更新が不可欠であります。温暖化対策の観点からも、三環状道路の整備などにより、慢性的な渋滞が緩和され、二酸化炭素の排出量は減少いたします。また、環境に十分配慮した民間プロジェクトを積極的に展開し、緑やオープンスペースの確保、省エネ化を推進してまいります。
都といたしましては、今後とも三環状道路の整備や都市再生を着実に推進してまいります。
○環境局長 まず、臨海副都心地域の公園の増設及び区市町村と連携した緑の保全と育成についてでありますが、臨海副都心においては、水に親しめる緑豊かなまちを開発方針に掲げ、公園の整備や敷地内緑地の確保など、これまでも緑に配慮したまちづくりを進めております。
また、都は、広域的な観点から、都立公園の整備や自然保護条例に基づく緑の保全などに取り組むとともに、身近な緑の創出、保全の主体である区市町村に対する支援を行い、これまでも東京全体の緑づくりを進めてまいりました。
今後とも、緑の東京十年プロジェクトの基本方針に基づき、区市町村と連携した取り組みを進めてまいります。
次に、ツバル、フィジー諸島共和国への知事の視察の意義についてでありますが、今回の視察は、知事自身が現地を視察し、目で見、肌で感じたことを、みずからの言葉で都民に温暖化の危機をアピールすることにより、気候変動対策に取り組む都の姿勢を内外に明確に示していくという意義を有するものでございます。
視察期間中に東京で開催したシンポジウムでは、テレビ会議システムを用いて知事みずから現地報告を行いましたが、参加者からは、臨場感があり現地の深刻さがわかった、ツバルの現状を見てショックを受けたなどの声が寄せられ、約八割の方から、現地報告がとてもよかった、よかったの評価をいただくとともに、約九割の方から、きょうのシンポジウムに参加して、職場や家庭で地球温暖化対策を実行したいと思ったという回答を得ております。
都は、今回の視察の成果も踏まえ、全庁挙げて、カーボンマイナス東京十年プロジェクトの具体化を進め、CO2削減に向けた取り組みをより一層着実に推進してまいります。
○知事本局長 五点の質問についてお答えを申し上げます。
まず、知事のツバルへの出張日程についてでございます。
ツバルの視察に当たりましては、地球温暖化による海面上昇の影響などの状況を把握するために必要な時間を確保いたしました。天候不良の影響で、予定していた行程の一部は割愛せざるを得ませんでしたが、現地の深刻な状況を知事みずから十分に視察することができたというふうに考えております。
次に、視察の成果でございますが、知事は、ツバルでは、海岸侵食の状況、海面上昇による浸水に伴う耕作地の塩害とその影響によるごみ問題など、現地の深刻な状況を視察されました。
また、海面上昇による住宅の浸水などの被害の状況につきましては、浸水が最も激しい村の集会所を視察いたしますとともに、政府関係者や現地の住民から直接、生活に根差した話を聞かれております。
このように、現地に行かなければ得られない貴重な知見を得ることができ、出張の目的は十分に達成できたというふうに考えております。
次に、出張におけるダイビングについてでございますが、出張先において、現場の状況を正確に把握するため、必要があれば、状況に応じてダイビングによる調査を実施することもございます。
なお、今回の出張では知事はダイビングは行っておりません。
次に、出張の経費についてでございます。
今回の出張につきましても、航空運賃や人数の面などで十分な精査を行いまして、経費の節約に努めるとともに、条例に基づき適正な処理を行っております。
なお、フィジーからツバルまでの飛行機のチャーターについては、両国間の距離が約千キロと大変離れております。定期航空便のみに頼って視察を行うことといたしますと、天候不良などによる欠航や遅延により、限られた日程の中ではツバルを視察できないことがあり、あるいは帰れないというような事態も想定されました。
外務省からも、往復の航空機を確保しておくことが必要不可欠というアドバイスをいただいておりまして、チャーター機の利用を決定したものでございます。
最後に、猪瀬副知事室のトイレの設置についてであります。
副知事は、知事の意思決定を直接補佐し、知事不在の際は代理を行うなどの重責を担っておりますことから、セキュリティーの確保は重要でございます。そのため、現庁舎建設当初から三副知事室には、セキュリティー対策の一環としてトイレが設置されておりました。このたび、四人目の副知事として就任されました猪瀬副知事室につきましても、同様の観点からトイレを設置したものでございます。
費用については、トイレ機器に関する材料費は約三十万円でございます。付随いたします配管工事、電気設備工事などを含めた全体で約四百五十万円でございますけれども、ごく普通の一般家庭のトイレと同程度の仕様でございまして、豪華なトイレを設置したわけではございません。
○総務局長 三宅島でのバイクイベントについてでございますが、三宅島の産業の重要な柱でございます観光の振興を図るには、十一月に開催を予定しておりますモーターサイクルフェスティバルのような斬新な取り組みがぜひとも必要であると考えております。
現在、NPOを中心に、島の皆さんが一生懸命、島の復興を目指して一丸となって、このイベントを成功させるべく着実に準備を進めております。
都としては、引き続き、こうした三宅島の取り組みを全力で支援してまいります。
○副知事 ただいまのご質問は「赤旗」に答えが書いてありますので、説明いたします。
先ほどいいましたが、貧困率十年で倍加したというところで、グラフがついているんですが、一九九五年から二〇〇四年まで、雇用労働者に占める非正規労働者の割合というのが、二〇%からだんだん一%ずつ上がっていって、そして二〇〇四年に三一%。ですから、この上がり方は毎年一%なんですね。したがって、構造改革があったから急激にカーブが変わったわけじゃないんです、これは「赤旗」にちゃんと説明してありますので。
そこで、つまり、格差とは何かということを考える場合に、まず事実に基づいて冷静に分析しなきゃいけない。今、先ほど、公明党の代表質問の中に、年長フリーターという言葉が出てきた。この言葉の方が正確ですよ。つまり、九〇年代の失われた十年のときに就職できなかった人たちが、今、二十五歳から三十五歳ぐらいにずっと平行移動していっているわけですね。そこの部分がワーキングプアの一つの重要な部分なんですよ。ただ一般論で貧しい人がいるというだけじゃ、いつの時代も同じですよ、そんなものは、ということで、お答えしたと思います。
○知事 幾つかの再質問がございましたけれども、それについては、私の後答弁した局長の答弁の中に、ディテールは詳しく述べられておりまして、お耳かどこか悪いので聞きそびれたのかもしれませんが、どうか後で議事録をもう一回読み返していただくと、ご理解いただけると思います。
○主税局長 都民税の減税措置についてでございますけれども、税制の変更時にはどうしても摩擦が生じるものでございまして、そのことが低所得者層の方々にはとりわけ厳しい影響が出る。そういった面を考慮したことは確かでございますが、その後、総合的判断の中で、より本質的な施策による対応が望ましいと判断したものでございます。
○知事本局長 ツバルの出張についてでございます。繰り返しになりますが、もう一度申し上げます。
まず出張の時期でございますけれども、知事はやはり公務との兼ね合いもございまして、なかなかツバル最優先というわけにもまいりません。限られた日程の中で最良の選択をして、今回の出張がなされたわけでございます。
先ほど申しましたように、フィジーからツバルへ行く定期便は週に二回でございまして、なおかつ天候不良等の影響もあって、欠航が大変多いということでございます。したがいまして、一度定期便で行って、とまれば帰れないとか、あるいは逆に、行って泊まるつもりで待っていたけれども、飛行機が飛ばなかったらば、フィジーに行けないとか、そういうことがありますので、チャーター便を確保して、足を確保して日帰りで視察をしたということでございます。
視察の成果については、先ほども申し上げましたように、宿泊はしなくても十分な成果が上がったというふうに考えております。
○東京オリンピック招致本部長 オリンピック招致の閣議了解についてでございますけれども、この閣議了解は、オリンピック招致を国家行事として推進するということにつきまして政府の意思として決定されたものでございます。基本的な原則を定めたものでありまして、政府の具体的な支援策、東京都等との連携につきましては、今後協議していくことになっております。
○総務局長 三宅島のバイクイベントについてでございますが、バイクイベントは、世界のさまざまな地域でそれぞれ魅力的な内容となるように、さまざまな工夫を凝らして実施されております。三宅島のこのモーターサイクルフェスティバルについても同様でございます。
公道レースにつきましても、安全面で十分な対策を講ずるとともに、ライダーを初め関係者の皆さんの理解と協力が得られれば、その開催が可能になるものと考えております。
以上