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第1回定例会 予算特別委員会 予算組み替え動議の提案説明 二〇〇八年三月二六日
曽根はじめ(北区選出)
日本共産党を代表して、ただいま提出いたしました第一号議案、「平成二〇年度東京都一般会計予算」ほか三会計予算の編成替えを求める動議について、提案理由の説明を行います。
いま、都民の暮らしと営業は、貧困の深刻化と社会的格差の拡がり、庶民大増税と社会保障の連続改悪などによって、かってない深刻な状況に追い込まれており、都政が都民の暮らしと福祉を守るために全力をつくすことがつよく求められています。
ところが、石原都政は、来年度の都税収入が大幅に伸びているのに、福祉保健費も教育費も、今年度予算よりも減額になっています。中小企業対策予算にいたっては石原都政就任の一九九九年度と比べて六割にまで減っています。
その結果、福祉や教育、中小企業対策など切実な都民要望はかえりみられず、都政の緊急の課題となっている、貧困の打開策や少子高齢化社会への対応をはじめ、地球温暖化対策、地震に強いまちづくりなどの予算も限られ、本格的な対応にはほど遠いものとなっています。
その一方で、来年度の投資的経費は七年ぶりに七千億円台に達し、経常的経費に含まれる投資予算を含めた投資型経費は、羽田空港再拡張への無利子貸付などへの大盤振る舞いにより、バブル前の水準の二倍、一兆円を超えています。さらに、主にオリンピックやインフラ整備につぎ込む投資型のため込みだけで一兆六千億円、投資を中心とした借金のための減債基金などを加えると、二兆九千億円という史上最高のため込みが行なわれています。
わが党は、過去最高の都税収入を、切実な都民要望の実現に活用することをめざして二〇〇八年度予算案を次の五つの柱に基づき組み替えるよう提案するものです。
今回の提案は基本的に一般会計にとどめ、特別会計などは最小限にしました。
組み替え規模は一般会計の五・八%、実際の施策でみれば三・五%にとどめられていますが、これによって百八十九項目の切実な都民要望が実現できます。この方向こそ、都民の願いにこたえるものと確信するものです。
以下、予算組み替えのポイントについて説明いたします。
第一は、貧困と格差拡大を是正し都民生活を守るため、低所得世帯への生活応援家賃助成事業の創設、ワーキングプアや日雇派遣労働者実態調査、都営住宅の新規建設再開、高校生への就学援助創設などに取り組みます。また、制度融資の拡充、新元気を出せ!商店街支援事業拡充など、中小企業予算を増額します。
第二に、高齢者の福祉の拡充、安心して子育てできる東京をめざし、シルバーパスに三〇〇〇円パス導入、介護保険料・利用料の減免補助を創設、特別養護老人ホームの人件費補助創設と整備促進などで高齢者福祉の充実を図ります。
中学三年生までの医療費無料化、小児科・産科医師をめざす学生への奨学金制度、一四回まで妊婦健診無料化、認可保育所の整備促進にむけた用地費助成の創設など子育て支援をつよめます
第三に、三〇人学級を小学一・二年生から実施し、小中学校の冷房化促進支援事業、私学助成の拡充など、ゆきとどいた教育をすすめます。
「東京平和祈念館」や武蔵野の森総合スポーツ施設の建設準備をすすめるなど、都民要望に積極的にこたえます。マンション相談室、地域密着型ミニバスへの支援、輸入食品監視体制強化などの切実な要望にも応えます。
第四に、地球環境を守り、地震に強い、誰もが安心して住みつづけられる東京のため、
木造住宅耐震診断と補強助成、小中学校の耐震化促進助成制度の創設、救急車の増車、消防団員活動費の増額などをすすめ、都民の安全を守ります。
開発を抑制し、都立公園の整備など、ヒートアイランドと地球温暖化の二つの温暖化対策をすすめ、持続可能な東京をめざします。
第五に、オリンピック招致をテコにした大型開発への投資を抜本的に見直し、三環状道路、
羽田空港再拡張、「都市再生」や臨海副都心開発など、浪費型の予算三千九百九十七億円余りを削減し、新たな都債発行額を六百九十三億円抑制します
以上の見直しにより、生み出された一般財源二千九百九十四億円を組み替え予算の財源といたしました。この結果、一般会計予算の規模は六兆七千五百六十四億円となります。
各委員の皆さんの賛同をお願いして、提案説明といたします。
以上