過去のページ
第一回定例会 予算特別委員会 総括質疑 二〇〇八年三月一三日
古館和憲(板橋区選出)
新銀行東京の破綻原因は、制度設計をし承認した石原知事と大塚元出納長
都税事務所で偽装請負、二重派遣・・・直ちに是正を
旧経営陣の参考人招致と調査報告書の提出の動議の採決を
〇古館委員 質疑に先立って、一言申し述べます。
先ほど我が党は、新銀行東京の仁司元代表執行役を初めとする旧経営陣の参考人招致と調査委員会による調査報告書の本文及び附属資料の提出を動議として提案いたしました。
しかし、委員長は、資料の提出動議について採決すら行わず、自民党、民主党、公明党の三党もこれを容認しました。これは議会制民主主義を踏みにじる暴挙であり、我が党は委員長不信任の動議を提出しましたが、これを無視しました。我が党は、委員長及びこれに同調した与党勢力に厳しく抗議するものです。
なお、大山委員が出した動議の採決が行われていないため、まだ動議は生きております。本委員会として速やかに採決するよう、改めて求めるものです。
また、仁司元代表執行役の招致についても、自民党、民主党、公明党の三党が反対し、実現に至らなかったことは、新銀行東京についての真相究明に背を向けるものであり、断じて容認できるものではありません。
きわめて不十分でなおざりな説明・・・速やかに提案とり下げを
先ほど産業労働局長は、調査報告書本文を提出できない理由として、新銀行東京が訴訟を提訴する可能性があること、個人情報が含まれており、プライバシーの問題があることを挙げました。だとするならば、都知事はどういう理由で見ることができたのですか。少なくとも知事と同様に都民から選出されている都議会議員になぜ見せられないのか。プライバシーと訴訟との関係についても、我々は都議会として守秘義務を宣誓して閲覧する方法もあるといっているのであります。
知事は、守秘義務を宣誓することを前提に調査報告書の本文と附属資料をこの委員会に提出するべきではありませんか。お答えいただきたいと思います。
〇佐藤産業労働局長 調査委員会報告書の公表につきましては、昨日の冒頭で私がご説明を申し上げましたとおりでございます。
〇古館委員 これは本来は知事に答えてもらいたい。これは改めてきちんと守秘義務を宣誓することを前提にして、調査報告書の本文と附属資料、これを提出すべきだということを改めて求めておきます。
あくまでも訴訟があるから、個人情報が守れないから、守秘義務を宣誓するというのに、何も出さない。とんでもないことではありませんか。いいですか。事は四百億円の税金がかかっているんですよ。中小業者が百万円の融資を受け取るんだって、詳細な報告書を出さなければ融資を受けられませんよ。それをわずか六ページ程度の報告書と極めて不十分な、おざなりな説明で四百億円もの出資を認めてくれというのはおこがましい限りであって、速やかに提案を取り下げるべきであります。
不良債権が原因で追加出資が必要だといいながら、その不良債権の実態がわかるものはほとんど何一つ示されていないではありませんか。
大体調査の責任者は、新銀行の設立から今日まで、石原知事の命を受け、大塚元副知事、現新銀行東京取締役会議長とともにかかわってきた津島代表執行役であります。だから、必要な情報を出さないだけでなく、自分たちに都合の悪い情報を出さないようにしているのではありませんか。この批判の声が上げられているんですよ。私は、この批判が当たっていると思っています。
知事、違いますか。違うというなら、せめて仁司元代表執行役に働きかけ、旧経営陣の立場を説明させるよう取り計らったらいいじゃありませんか。答えてください。
〇佐藤産業労働局長 たびたびご答弁申し上げておりますけれども、本調査の実施をしました主体は、まず最初に、森田前代表の委員長のもとでこの調査委員会が設置されて、森田委員長、それからまた、弁護士が一名入って、調査を続けてきた中身でございます。そういう意味では公平性は十分に担保されているというふうに考えております。
〇古館委員 知事がみずからの責任逃れのために、恥も外聞もなくなっている姿が今浮き彫りになっていることを私は指摘をしておきたいと思います。
個別貸倒引当金はゼロ・・三ヶ月支払が遅れただけでたたき売り
さて、私はまず、吉田委員が明らかにした、当初、赤字で想定されていたマスタープランを、都側が黒字に書きかえたという問題に関連して伺います。
ここにマスタープランについて都議会で議論した際に、当局が提出した貸倒引当金の資料があります。上の欄に二〇〇三年三月期のメガバンクや全国地銀や都内信用金庫などの引当金の状況が載せられております。この一番下に新銀行東京の三年後の、すなわち黒字達成時の状況が載っております。
これを見ますと、新銀行東京は、貸出金が九千二百九十二億円で、融資を実行した際に必ず引き当てなければならない一般貸倒引当金が二百四十一億円となっています。一般貸倒引当率は二・五九%です。
問題は、この個別貸倒引当金のところであり、個別貸倒引当金というのは、融資した貸し付けが破綻懸念先債権になったなどのときに、一般貸倒引当金から引き出して、別に引き当てるものであります。その引当率は、当然、一般の場合より高くなり、銀行の重い負担になります。不良債権で経営が圧迫されるのは、この引当金が膨れ上がった場合です。
ところが、新銀行東京の場合は、開業して三年たって九千億円以上も融資しているのに、何とこの個別貸倒引当率がゼロになっているのです。この引当金をゼロにすることで、計算上は赤字を黒字に変えることができたのです。今問題となっているマスタープランの開業三年目の黒字目標は、こうしてつくられたのではないですか。不良債権化した融資をどんどん清算して、RCC送りにでもしない限り、個別貸倒引当金をゼロにはできませんよ。メガバンク平均で一・一八%、地方銀行平均で一・六%が当たり前の姿になっているのです。
そこでお尋ねしますが、個別貸倒引当金をゼロにした理由は何なんでしょうか。
〇佐藤産業労働局長 お答え申し上げます。
一般貸倒引当金を厚く積んだことによって、個別引き当てをゼロにしたということに聞いております。
〇古館委員 これは幾ら途中で不良債権処理を行うからといって、決算時に不良債権がゼロなんてあり得ませんよ。もしそれが本当だったら、貸した中小企業はたまったものじゃありません。三カ月支払いがおくれただけで、RCC送りか、まとめてたたき売ってしまう。これで何が中小企業支援ですか。実際にこの間の決算で不良債権は計上されており、個別貸倒引当金も積まれているんですよ。これが本当の姿です。
破綻の原因は知事が策定したマスタープラン
さっき答弁の中で触れていましたけれども、またこの個別貸倒引当金では別の問題も指摘しなければなりません。当時、この個別貸倒引当金の問題に関連して、当時の大塚出納長は、毎決算前に不良債権の処理を行うことを明らかにして、その額は、二期目に七十三億円、三期目に百九億円になることを明らかにしております。合計で百八十二億円です。
一方、調査報告書では、旧経営陣の責任で焦げつきが二百八十五億円生まれるとして、これが累積損失を膨らませたとされております。しかし、マスタープランで想定していた焦げつき百八十二億円をさらに百億円ふやしたという問題なので、割り引いて考えるべきなのです。
しかも、大塚元出納長は、当時の財政委員会で、我が党委員の質問に答えて、繰入額をどんどん、どんどん、どんどんつぎ込んでいってといっております。これは不良債権処理のために個別引当金をどんどん、どんどん、どんどん使いなさいといっているのと同じことなんです。
調査報告書が問題にしている旧経営陣の仁司元代表執行役の貸倒引当金が予定よりいっていない、リスクをとるということは、貸倒引当金をしっかり使い込む、こういうことだという発言は、マスタープランと大塚元出納長の考えに忠実に従ったものではありませんか。
知事にお尋ねします。ずっと手繰っていったら、結局、知事の側近にたどりついていったという話ではありませんか。話を誇張させて、すべてを旧経営陣のせいにしてしまおうというやり方は見苦しいばかりであります。素直に、今日の破綻の原因が、知事の策定したマスタープランそのものにあったこと、このことを率直に認めるべきではありませんか。どうぞ、知事、答えてください。
〇佐藤産業労働局長 スコアリングモデルに過度に依存して、当初マスタープランで予定しておりましたそれ以外の定性的な分析を行わずに融資拡大に走ったと、これが今の不良債権を膨らませたというような理解をされております。決してマスタープラン自体の考え方に違っていたというようなことではありません。
高い資金調達コスト、資金運用の失敗、ATM経費などで赤字経営
〇古館委員 今のは知事が本当だったら答えるべきなんですよ。
次に、千十六億円の累積損失がどのように生まれたかです。知事は、この損失が旧経営陣の乱脈な運営で生み出されたといっていますが、明らかにされている焦げつきは二百八十五億円です。残りの損失はマスタープランが想定した預金口座数百万口座、融資保証残高九千三百億円という規模を維持するためのコスト、二百億円。それ以外に有価証券や金融証券などの資金運用の失敗による損失。これは高い金利の預金を集めたものの、貸出先がなく、損を承知で国債を買ったり、リスクの高い外国債券を買ったりした結果であります。コストの中には、だれも利用しなかったATMやコンピューターソフトの頻繁な更新費用なども損失の大きな要因になっております。ATMは、他行預金者の利用手数料を当て込んだものですが、銀行協会のATMに入れず、さんざんたるありさまになったのであります。これもマスタープランの段階で決まっていたことなんです。
このソフトを請け負ったアビュームコンサルタンツという会社は、設立準備室のときから委託契約が結ばれていて、驚くべきことにソフト担当していた執行役の一人がこの会社に再就職しているのであります。
以上、明らかにしてきたように、破綻の原因は旧経営陣の責任ではなく、制度設計をし、それを承認した大塚元出納長と石原知事に挙げてあるではありませんか。このことを強く指摘しておくものであります。
偽装請負、二重派遣など違法行為の根絶を
この間、構造改革の名で進められた施策のもとで、都民の中に深刻な貧困と格差が広がり、多くの都民が不安と生活の危機のもとに置かれております。とりわけ若年層では、低賃金と劣悪な雇用条件の派遣労働者や偽装請負などが横行し、ワーキングプアに苦しめられています。日本共産党が青年とともに昨年行った若者の実態調査では、回答者のうち半数が非正規雇用で占められ、違法な二重派遣や偽装請負で働く労働者が多数に上りました。
そこで、お伺いいたしますけれども、偽装請負とはどのような雇用形態をいうのか、説明していただきたいと思います。
〇佐藤産業労働局長 先ほど不良債権が二百八十五億円が少なくて、ほかの経費が非常に高いというお話がございましたけれども、デフォルト率が高いことによりまして一般貸し引きを約二百億円ほど積まざるを得ない、これも非常に大きな要素になっていることは事実でございます。
ただいまのお尋ねでございますけれども、いわゆる偽装請負とは、形式的には請負契約でありますが、発注者と労働者の間に指揮命令関係があり、実態として労働者派遣であるものをいいます。また、いわゆる二重派遣とは、派遣労働者を派遣先がさらに業として、他の事業主に派遣することをいう。いずれも、職業安定法などに違反いたします。
〇古館委員 私は、今偽装請負について聞いたら、後から二重派遣も答えていますけれども、要するに、請負に当たって発注者は、委託した業務の作業内容や労働者管理などについて、たとえ一部であっても、直接労働者に指示してはいけないんですね。それに違反する行為が偽装請負になるんです。
そこで、先ほど答えましたが、二重派遣、これはどのような雇用形態をいうんですか。国の愛知県労働局の解説書を示していると思うんですけれども、これでちょっと紹介してもらいたいと思います。
〇佐藤産業労働局長 二重派遣についてでございますが、いわゆる二重派遣とは、派遣労働者を派遣先がさらに業として他の事業主に派遣することをいいます。
〇古館委員 つまり、派遣先がさらに第三者の指揮命令の下に労働に従事させる形態、これが二重派遣ということなんですけれども、こちらは例えばAという派遣会社からBという会社に派遣されたのに、実際にはCという会社の指揮命令下で働かされることをいうんですね。今の二つは明らかに、先ほどお認めになりましたけど、法律に違反する行為です。雇用の現場では、こうした偽装請負や二重派遣、あるいは三重派遣が横行して、時給九百円、交通費別など、低賃金で働かされる労働者が今ふえているんです。
そこでお尋ねしますが、このような違法行為は根絶することが必要ですけれども、都はどのような取り組みをしているでしょうか。
〇佐藤産業労働局長 東京都では、労働者派遣に関する労使双方からの相談を受け付けるとともに、労働セミナーの実施や「派遣労働Q&A」などの作成、配布を通じまして、労働者派遣法などの法令遵守について普及啓発を行っております。
〇古館委員 きちんとやっていただきたいと思います。
この間グッドウィルやキャノンなどの悪質な違反が大問題になりました。二月八日の国会での衆議院予算委員会では、我が党の志位委員長の質問に対して、福田首相が、非正規雇用がふえることは、中長期的には決して好ましくない、このように国会で答えています。したがって、東京都としても、しっかりやっていただきたいと思っています。
無視できないワーキングプア・・都税事務所で偽装請負
次いで、このような違法なやり方が、民間だけではなくて、この都庁の中でも生まれていること、いわゆる官製ワーキングプアが無視できない状態になり、それだけじゃなく、都民サービスにもゆがみをもたらすということについて伺いたいと思います。
きょうは、その中でも都税事務所の問題について絞ってただしたいと思います。
今確定申告の真っ最中ですけれども、都税事務所は、各地の税務署の一室を借りて、個人事業税にかかわる資料をコピーする作業を行っています。
そこでお尋ねですけれども、この仕事はどこに委託しているのでしょうか。
〇熊野主税局長 平成十九年度におきましては、東芝ビジネス・アンド・ライフサービス株式会社並びに日本キリスト教奉仕団でございます。
〇古館委員 この委託業務の内容ですけれども、国の税務署に提出された確定申告の書類の中から、東京都が個人事業税を課税するために必要な添付資料などをコピーするというものであります。作業内容はおおむねどこの税務署でも共通していて、都税事務所の職員と都税事務所が直接雇用している非常勤職員、さらにコピーを専門に行う労働者が共同して行うというものです。
そして、今紹介があった東芝ビジネス・アンド・ライフサービスや板橋福祉工場は、コピー作業を枚数単価で請け負っている業者です。問題はここから先なんですね。ここにありますけれども、これですね。(パネルを示す)実際のコピー作業は、実は、この東芝ビジネスという請負業者がみずから管理してやっているわけじゃないんです。都税事務所の職員がコピーを行う労働者に直接指示してやらせているんですね。
私は、このコピー作業を行っている労働者からお話を聞きました。作業所は、国税事務所の一室を借りて行われて、確定申告が終わった書類を、都税事務所の所員が書類をチェックして、コピーが必要なところに附せんを張ります。ついでアルバイトの人が書類を管理するためにナンバリングを行い、初めてコピーの仕事になるんです。この作業は、指示はすべて都税事務所の職員が行っているんですね。これは、偽装請負にほかなりません。直ちに是正すべきではありませんか。いかがですか。
〇熊野主税局長 私も受託者の研修のための資料を見ましたけれども、受託者は適切に事前研修を終えた者を配置しておりまして、現場責任者と作業者の連絡体制の確立、責任者による定期的な巡回チェックの実施、日報等で作業員の業務状況、出退勤等の管理を行って適切に業務委託を遂行しております。東京都におきましても、業務内容につきまして、指示等が必要な場合には各地区に担当いたします受託者の責任者に対して指導を行っておりまして、ご指摘のような事実はございません。
出退勤の管理も作業指示も都職員
〇古館委員 今、そんな事実はないといいましたけれども、とんでもないんですね。これが図なんですけれども、(パネルを示す)発注元というのが、これが都の税務署ですね、都税事務所。そして、ここにバツがありますけれども、この請負労働者とこの発注元が本来、指揮命令や……(発言する者あり)当たり前でしょう。出退勤時間の管理だと、これは法によってできないことになっているんですね。この必要最小限の指示といいますが、この場合委託者は都税事務所の職員なんですね。この職員は、本来は一切、指示や命令をしてはならない。これは法の中身なんです。なぜこうした規制が必要なのかといえば、安い委託費で済ませるから、そのしわ寄せが労働者に及ぶ。こういうことから、こういうやり方をしてはならない、このようになっているんですね。
実際に都税事務所で働く労働者は、時給千円、社会保険もなしに働かせられているんです。厚生労働省は通達を出して、事業主責任の所在があいまいになり、必要な措置が講じられないこと、労働災害の発生等、労働者の安全衛生、労働条件確保上の問題が顕在化していることを指摘して、偽装請負の防止と解消を図ることを求めているんです。
偽装請負は、職業安定法にも違反するし、労働者派遣法にも違反するんです。必要最小限であっても、違法は違法なんですね。違いますか。いかがですか。
〇熊野主税局長 受託先がどういう形で人材を確保するかということは、私ども関知しておりませんけれども、先ほども申しましたように、本業務委託契約におきましては、作業員への作業内容の指示、作業員の配置や出欠につきまして受託者が指揮監督しておりまして、偽装請負には当たらないと考えておりますし、生身の人間が働いてございますので、同じ作業所で働く者同士で言葉をかけるとか、コミュニケーションを図るということは当然のことと考えております。
〇古館委員 今受託者がというふうにいいましたけれども、ところが、この現場で、作業の指示をしているのは、ほとんど都の職員なんです。話を聞いたAさんの場合は、都の職員から、きょうは早上がりで帰っていいです、お昼は当番で残ってください、こういう指示が直接、請負先で働く労働者に、いわゆる公務員が出しているんですね。これは本来、請け負っているところが、この請け負っているところは、先ほどいいましたが、東芝ビジネス、ここが本来は指示を出さないといけないんです。ところが、そういうことは全くやられていない。それで、ほとんどの指示は、このようにして都の職員がやっているんです。これは法律で禁止されている出退勤、勤務時間の管理に当たるんじゃないですか。
しかも、中には、個人事業税課補助作業員という肩書もちゃんと勝手につくられて、印刷されているんですね。それを首にかけて、名刺大の身分証明用で、ビニールケースが渡されている方もいるんですよ。
そこで、お尋ねしますけれども、完全な偽装請負ではありませんか。率直に認めたらどうですか。違うといい張るならば、東京労働局の見解をまず聞いてもらいたいと思いますが、いかがですか。
〇熊野主税局長 私の手元に受託会社の研修資料というのがございますが、その中で、早退や残業依頼は地区責任者を通して実務作業者へ指示する。実務作業者の遅刻、欠勤の場合は地区責任者に連絡する。常時地区責任者がいない場合もございますが、その場合には地区責任者に連絡するというマニュアルに基づいて作業が行われていると考えております。
〇古館委員 まあ、だから、今自信がないんですね、考えていると。結局は、そういう研修資料でやっていますというしか、今答弁できないんですよ。現実にそこでどういうような状態になっているかということが見てないんですね。これは本当に驚くべきことです。それが法律を遵守することが求められる自治体のとる態度とは思えません。あくまでも違法行為を認めないというんだったらば、まず、東京労働局の見解を聞いて、この委員会に改めて報告をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
〇熊野主税局長 それが万が一事実であれば私どもとしても調査をしたいと思いますので、いつ、どこの都税事務所で、だれがどういう指示をして、それを目撃したのはだれかということをぜひ教えていただきたいと思います。
作業は、派遣会社の登録社員・・本来あってはならない二重派遣
〇古館委員 それをやるのはあなた方じゃありませんか。
次に、そういう意味で、このような違法行為が許されないんだということをきちんとする必要があるんです。このことを改めて求めておきます。
次に、二重派遣についてであります。コピーする労働者、実は請負業者の東芝ビジネスの社員じゃないんですね、これも。フジスタッフという派遣会社の登録社員なんです。つまり、請け負ったところでやらないで、それをまた、派遣に出しているんですね。わかりにくいんですけれども、このパネル、これは東京都と東芝ビジネス・ライフサービスが委託契約を持っています。この委託契約があるんだけれども、実際に東芝のビジネス・ライフサービスというのは仕事をしていない。実際に仕事をしているのはフジスタッフなんですね。こういうふうに全く契約していないところで、仕事が今されている。つまり、こういうところの問題が、非常に大事な問題になっているんです。
私たちは改めてこの東京都の職員が何でも指示するという問題については、きちんと改めるべきは改める。だから、調査するのはあなた方ですから、そのようにしていただきたいと思いますが、いかがですか。
〇熊野主税局長 先ほど、要は受託会社の人間でないというふうなお話がありましたが、先ほど申しましたように、受託先がどういう形で人材を確保するかは私どもの関知するところではございませんで、その間で作業員と私どもの間で指揮命令関係があれば、先生のご指摘のとおりとなると思いますが、そういう事実は私どもは確認しておりませんし、もしそういうことがあるということであれば、先ほど申しましたように、いつ、どこで、だれが、どういう指示を出して、それを目撃したのはだれかということを教えていただければ、調査はやぶさかではございません。
いずれにいたしましても、本業務契約におきましては、受託会社が作業員への作業内容の指示、配置や出欠について指導監督してございまして、偽装請負には当たりませんので、したがって、私どもは改善の必要はないと考えております。
〇古館委員 あのね、二重派遣なんですよ、先ほどからいっているように。しかもフジスタッフという子会社と同時に、そのさらに子会社あって本、アスカという人材派遣会社もあるんです。だから、ここまで名前をいっているんだから、ちゃんと調べてください。こういうことは来あってはならないことなんですから。きちんとしてもらいたい。このことを改めて強く求めておきます。
同時に、東京労働局の見解もこの委員会に報告していただきたいと思います。知事、どうですか。知事も違法行為を黙認するんですか。この私の問題を東京労働局に持ち込んで、ちゃんとした形で決着してもらいたいと思いますが、いかがですか、知事。
〇熊野主税局長 そういう事実はございません。
〇古館委員 まあ、そういう事実がないということですから、もし事実として具体的になったら、改めてそれこそ大変なことになっていくということだけいっておきたいと思います。
守秘義務を追わない労働者が作業
いつから守秘義務を負わない労働者を使うようになったのか。この問題も非常に大事なんですね。都税事務所という税を扱うところですから、昔はちゃんと正規雇用でやっていたと思います。ところが、それが今のような形で派遣業者がやるという、これは守秘義務にとっても重大な問題なんですから、ちゃんとしてもらいたいと。
また、コピー機を使っていますけれども、このコピー機には、残像記録というのが残されるんですね。その記録が漏出される危険もあります。ところが、これらの管理は全くなされていないんです。対策を直ちに講ずるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
〇熊野主税局長 私ども税務事務に従事する職員には地方公務員法による守秘義務、さらには地方税法における罰則規定が定められております。また、委託業者に対しても、東京都個人情報の保護に関する条例に基づきまして秘密の遵守に係る誓約書を提出させておりまして、これに違反した場合には損害賠償等の責任が生ずることになっております。当然のことながら、複写作業ではございますけれどもで、一日の作業量が日々によって変動いたしますので、そういったことに対応するためには臨時職員ではなくて委託の方が適切あるという判断をしたものでございます。
〇古館委員 この問題は、先ほどからいっていますけれども、守秘義務をどのようにしてきちんと守っていくのかということが大事なんです。したがって、守秘義務の宣誓書、これもきちんとこのようにしてやる人ならやる人にきちんと徹底する。これをやったらいかがですか。やってないという報告もあるんですよ。どうですか。
〇熊野主税局長 繰り返しの答弁になりますが、当然受託者が作業員に対してはそういう研修を行い、徹底しているはずでございます。
〇古館委員 先ほどコピー機の問題についてですけれども、残像記録が残されるんですね。これはやっぱり放置しちゃいけないと思いますけれども、いかがですか。
〇熊野主税局長 転写終了時に別途契約を結んで、電子データを保存しているハードディクスを物理的に破壊することで、データの処理を行っております。
以上