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文書質問趣意書
2008年10月2日
小竹ひろ子(文京区選出)
豆腐製造業支援について
私は、東京都豆腐商工組合理事長から、小売り豆腐業が、3000軒だったが、この1年間で83軒が廃業し、今では874軒にまで減少してしまったと、深刻な実態を聞いた。
その背景には、シェアを大手が80%、小規模事業者が20%をしめるなかで、大手製造業との競争にさらされていること。それに追い打ちをかけるように、原油・原材料の高騰が直撃しているとのことである。特に、豆腐の原材料である大豆、現在その大半を占めている輸入大豆の高騰は深刻になっている。
投機などによりバイオディーゼルの原料となるトウモロコシに生産を切り替える所がふえ、大豆が減少し、遺伝子組み換え大豆の生産が主流になっているため、非遺伝子組み換え大豆の収穫量が減少して価格を押し上げ、その確保も困難になっている。
理事長は「大豆価格だけでなく食用油、燃料、包装取材の価格が軒並み上昇を続け、もはや合理化努力だけでは吸収できない。しかし、量販店との競合の中で、お客さんが離れてしまうことが怖く、なかなか値上げに踏み切れない」と訴えている。
文京区内には、国産大豆を農家と直接契約して、特別栽培で農薬を使わず生産してもらい、その大豆を"売り"にして豆腐を製造している業者の人がいて、そこの豆腐はおいしいと評判を呼んでおり、後継者もそだっている。農家との栽培契約を結んでいるため、安定した生産ができるということで、栽培面積を広げており、農家の方も後継者ができ喜ばれているとのことである。
Q1 国産大豆は、作付が24万トンで15〜16万トンしか豆腐の方に回っていない。国に国産大豆の自給率を引き上げるよう求めること。そのために、交付金を増額して、大豆の生産をふやすこと。安定した価格で生産出来るよう農家に対して、価格保証をすることなど、都として国に求めるよう要望する。
Q2 業界の方々は「大学、研究機関と連携して、生産性の高い大豆の作り方など研究してほしい」と要望している。都の試験研究機関で、豆腐の材料に適する大豆を生産できる品種改良を含む開発に取むよう求める。
Q3 米飯給食に豆腐類は、重要な副食になっている。学校給食、病院、福祉施設などの給食に、地元小規模豆腐製造業から仕入れができるよう支援を求める。
豆腐店にとって、大豆の値上がりとともに、食用油の値上がり、パック類など包装用品の値上げもあり、重い負担になっている。値上げ分を添加できないでいる。
Q4 とりわけ、用水型の豆腐製造小売業は、上下水道負担は深刻である。せめて、上水道の減免対象業種とするよう求める。また、下水道減免の措置については、減免金額を引き上げるよう求める。
豆腐製造にとって頭の痛いのが、おからの処理の問題である。これは、産業廃棄物扱いとなり、その処理費用が重く経営にのしかかっている。
Q5 豆腐店は、おからドーナッツ、おからクッキー、おから煎餅など、新しい食べ物をつくるなど、必死の努力をしている。食品研究センター等で、こうした業者に積極的に新たな食品開発ができるよう支援してはどうか。
Q6 おからを食品としての活用すること、農林水産業者の肥飼料として活用する方法について、都としても、試験研究機関、大学、豆腐組合等の力を結集して、研究開発するよう求める。
Q7 豆腐づくりを志望する若者が増えており、後継者育成のためにも豆腐学校を作りたいと豆腐組合は考えているとのことだ。そのための支援をもとめているがどうか。
私は、静岡県で豆腐油揚商工組合のオカラ処理指定工場となっている工場を訪問し、全国豆腐組合の理事長からも話を聞いた。この会社は、廃棄物処理業者として廃棄物のリサイクルに取り組でいる。大学、豆腐油揚商工組合、県の工業技術研究所、サッポロビールなどの産学官連携のプロジェクトを作って進め、工場からは一切廃棄物を出さないシステムをつくった。この会社では、おから、肥飼料原料、アルコールなどにリサイクルしている。
Q9 都内の豆腐業がおからを回収してリサイクルできるシステムを、都の試験研究機関、大学、豆腐組合等の力を結集して研究開発するよう求める。
この会社は、オカラと共に天ぷら廃油も回収して、バイオディーゼル燃料を精製し、軽油と同等の燃費でエンジンもそのまま使え、県内の自治体の車、自社の車に使用している。
Q10 都が支援して商店街等から天ぷら廃油を回収し、リサイクルする仕組みをつくることは、エコ商店街づくりにもつながる。町の豆腐店をまもり、都民のタンパク源を守る立場、及び廃棄物リサイクルの立場から、前向きの答弁を求める。
以上