|
豊洲新市場予定地の「適用実験」の重大な問題点について(概要)
２０１０年６月７日
日本共産党
日本共産党都議団は、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策「適用実験」について、新たに開示請求をおこない、5月11日に「中間報告（その２）」（3月31日付）他を入手した。開示文書は、すべてのデータに墨塗りするという異様なもの。分析の結果、都の「適用実験」はとうてい批判に耐えられない、「欠陥実験」であることが、浮かび上がった。
（１）都合の悪い数字はもとより、基本的な情報をすべて隠したまま「実験」を進め、「最終報告」で都の都合良いデータを選んで、「ゴーサイン」を出す危険が強い
�‥圓蓮⊆存柿阿療攵蹐留�染状況(初期値）については、専門家と相談しなければ都民に説明できない」と言って、「中間報告」で公表しなかった。ところが開示文書を見ると、「中間報告」を出す前に、専門家との技術相談を５回、２３時間もやっている。しかも都は、その内容は墨で塗りつぶして明らかにしない（資料1
）。専門家と相談しても都民に説明ができないものであったとしか考えられない。
ほんの一部のデータを示して「土壌汚染対策の有効性が確認された」と宣言した「中間報告」は、豊洲市場予定地の用地取得予算を通すために都民と都議会を欺くものだったことは明白。
�⊃靴靴�開示された文書は、すべてのデータを黒塗りにし、実験をやったのか否かもわからないようにするという、異常なもの（資料2
）。また、微生物実験や地下水処理実験は、実験が滞り、仕様書の指示すら守られていないことも明らかになった。結論として、このままでは、基本的データをすべて隠し通し、「最終報告」で都合のよい数字だけを取り出して「土壌汚染対策はうまくいく」と結論づける危険が強いといわざるをえない。
（２）仕様書は７種類の物質を対象にした「実験」を指示しているのに、都は３種類にしぼった。この正当性を示す論拠を都は示せない。逆に都が示した文献は、処理が困難なことを証明している
都は、ヒ素の処理で他の4つの重金属が処理できると言い張っているが、都が示した「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置の技術的手法の解説」(環境省監修) には、それを証明する記述は見あたらず、逆に「細粒分からの除去は困難」「特定有害物質のすべてを取り除くことは困難」などの記載がある（資料3
）。
このようなごまかしに満ちた「欠陥実験」でお茶を濁して、豊洲移転を強行することは許されない。ただちに実験を中止すべきである。実験を再開する場合でも、すべてのデータをリアルタイムで公表、現場への専門家の立ち入りを認め、公開の説明会を開催するなどまともな実験に切り替えるべきである。
以上
豊洲新市場予定地の「適用実験」の重大な問題点について（全文）
資料1
資料2
資料3
|
