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2011年第1回定例会 予算特別委員会 3月8日
第19号議案「平成23年度東京都中央卸売市場会計予算」にたいする修正案及び「第1号議案平成23年度東京都一般会計予算」ほか4会計予算の編成替えを求める動議についての提案理由の説明
吉田信夫(杉並区選出)
はじめに日本共産党都議団を代表して第19号議案「平成23年度東京都中央卸売市場会計予算」にたいする修正案の提案理由を説明します。
石原都政は、関係者と都民、都議会の反対の声を無視して、築地市場の豊洲の東京ガス跡地への移転をあくまでも進めようとしており、中央卸売市場会計予算では、豊洲への移転をすすめるための土壌汚染対策や設計のための経費など21億円余が計上されています。
しかし移転予定地の豊洲地区東京ガス工場跡地は、都内でも最も土壌汚染が深刻な地域であり、食の安全がなによりも求められる築地市場の移転地としては最悪です。都は汚染対策をとるから安全が確保されることを強調していますが、これまでの質疑を通じても、そもそも豊洲地域の汚染実態の調査がきわめて限定的で不十分なものであること、さらに対策もきわめて不十分なものであることが浮き彫りになりました。にもかかわらず、移転をごり押しすることは許されません。
関係者の多くの願いは何よりも、現在地での再整備です。大手食品流通業者のための巨大市場とする過大な計画を見直し、かつ事業者に重い負担にならないよう都が財政援助をするなら、現代の技術水準をもってすれば、現在地再整備は可能です。
修正案は、移転をストップさせるために豊洲への移転関連経費21億3857万円余を削除するものです。なお削除は移転関連のみに限定したもので、必要な修繕や市場の運営には何ら支障が起こるものではありません。
いまこそ、豊洲移転に終始符を打ち、新しい知事のもと、関係者の英知を結集し、現在地再整備へと踏み出すべきことを訴え、みなさんの賛同をよびかけ、修正案の提案理由とします。
次に、第1号議案「平成23年度東京都一般会計予算」ほか4会計予算の編成替えを求める動議について、提案理由の説明を行います。
いま、雇用が破壊され、ひろがるワーキングプア、低い賃金、重い医療や介護の負担など、深刻な事態が都民生活を直撃しています。東京都に求められていることは、韓国にほぼ匹敵する財政力を活かして、都民の福祉、くらし、雇用を大きく充実させるために全力をつくすことです。
にもかかわらず石原知事が提案した来年度予算案は、都民の福祉、くらし、中小企業対策など、きわめて不十分です。福祉分野は増えたといっても国の交付金や基金事業、介護保険など国事業の負担金の増額にすぎず、教育費はこの13年間で最低となり、中小企業対策予算は400億円も減らされています。
その一方で、大型開発を中心とした投資的経費は7年連続増え続け、首都高速道路株式会社への出資金なども入れると総額1兆800億円にのぼります。
よって日本共産党都議団は、大型開発優先の財政運営を転換し、都民生活を守り充実することを最重点に、安心して住みつづけられる東京をつくる方向に踏み出す予算にすべきとの立場から、来年度予算にたいする編成替えを求める動議を提出したものです。
組替えでは、浪費的な大型開発を見直すことなどによる歳出を42項目1852億円を削減し、また基金については、都財政の継続性、安定性を確保するため、オリンピック開催準備基金のうち797億円の活用にとどめました。
こうして生みだした財源を活用することで、都民要望実現のための145の事業1422億円を予算化しました。主な内容は、第1に、75歳以上の医療費無料化、特別養護老人ホームや認可保育所の増設、小学校1、2年生の35人学級、私立高校生の授業料無償化の拡大など福祉、医療、教育の充実です。
第2に、国民健康保険料の引き下げ支援や、若者の雇用促進、都営住宅1千戸の新規建設など、くらし、雇用、中小零細企業への支援です。
第3に、耐震化促進事業の増額や環境にやさしい自転車利用促進支援事業、住宅リフォーム助成の創設など防災、環境、生活密着型公共事業の拡充です。
他方、浪費とムダ、不要不急の大型開発の見直しでは、首都高速道路株式会社への出資金や外かく環状道路関連経費、八ッ場ダム関係の出資金などの削除や、知事の海外出張費を半減するなどをもりこんでいます。
なお、都の借金である都債の発行は、差し引きで688億円減額しました。これにより、都債発行総額は、都の一般会計予算案にくらべ15%減少させることができます。
こうして、組替え規模は一般会計予算案の3.0%、施策を充実させる予算増では2.3%ですが、145項目の切実な都民要望を実現していくことができます。こうしたわが党の組替え案の方向こそ、都民の願いにこたえるものと確信します。みなさんのご賛同をお願いし、提案理由の説明とします。
以上