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二〇一一年都議会第四回定例会 代表質問 一二月七日
清水ひで子(八王子市選出)
一、放射能から子どもを守る対策について
二、福祉・くらしの充実について
三、中小企業への支援について
四、防災対策について
五、財政運営について
六、築地市場の豊洲移転について
七、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)問題について
答弁
〇知事
〇教育長
〇福祉保健局長
〇環境局長
〇病院経営本部長
〇産業労働局長
〇総務局長
〇都市整備局長
〇水道局長
〇下水道局長
〇財務局長
〇主税局長
〇中央卸売市場長
再質問答弁
日本共産党都議団を代表して質問します。
東電福島原発事故から九カ月たちましたが、放射能汚染問題は、都民に深刻な影響をおとしています。最近も、米などから規準値を超えるセシウムが検出され、都内各地でも高濃度と言うべきミニ・ホットスポットの存在が明らかになっています。こうした中で、国と東電の無責任な放射能汚染対策に、都民の怒りと不安の声が広がっています。
いま都民にとって最大の不安は、影響を受けやすい子どもたちの内部被ばくの問題です。飲食や呼吸を通して体内に取り込まれた放射性物質による放射線は、遺伝子を切断するなどにより、さまざまな健康障害を引き起こすことが警告されています。チェルノブイリ原発事故でも、放射線量が年間1ミリシーベルト以下の地域で、数年後からガンの発症率の急増、免疫力の低下などの健康被害が報告されています。
今日の放射能汚染問題への対応では、低線量だから大丈夫だという立場は厳につつしむべきです。都民は、低線量の放射線を長期にうけることによる内部被ばくで、健康被害が起きることを心配しているのです。何よりも、都民のこうした不安によりそい、最大限の対応をするという立場こそ都に求められていると考えますが、知事いかがですか。
すでに埼玉県では、県立の学校、公園、児童養護施設のホットスポットを、地上1センチの地点をふくめて徹底調査し、必要な除染を行っています。都内でも、港区をはじめ多くの区市で、地上5センチで毎時0・23マイクロシーベルト以上など独自の規準で除染にとりくんでいます。ところが東京都の対策は、どうでしょうか。
環境局は「都有施設における局所的な放射線量の調査結果について」を発表しました。それによると、区部東部3区の公園で測定した結果、雨どいの下や土だまりでは、地上1センチで、最高毎時7・06マイクロシーベルトなどという高濃度の箇所があったにもかかわらず、地上1メートルの空間追加線量が毎時1マイクロシーベルト以下であったことなどを理由に、「今後、都有施設全般にわたる調査や経常的な調査は基本的に不要」とし、発見されたミニ・ホットスポットも囲いをするだけで、除染はしていないのです。子どもたちの健康を守る立場で、全都有施設、とりわけ学校の局所汚染の実態を詳細に把握し、必要な除染対策を行うべきです。
区市町村が独自の方針にもとづき、都有施設での測定と除染対策を都に求めたら、これにこたえることが必要です。見解を求めます。
給食の安全確保も重要です。都内の二十六区市町で学校給食の食材の放射線測定を行い、調理後の測定は六区市で実施しており、都に対し支援を求めています。この要望にこたえる必要があると思いますが、どう対応するのですか。
福島原発事故後、都内でも、複数の子どもの尿の中にセシウムが検出されています。今回の放射能汚染が子どもたちの健康にどのような影響をおよぼすのか、疫学的視点に立って、尿中セシウム・ストロンチウムなどの検査をふくめ、健康調査を継続的に行うべきです。これは、子どもたちに対する責務であり、後世にも伝えるべき責務だと考えますが、いかがですか。
次に、都民のくらしの困難への対応です。地方自治法は、「住民の福祉の増進を図る」ことを地方自治体の責務として位置づけています。しかし、この問題でも、知事の立場がきびしく問われているのです。
生活保護受給者が東京でも毎年増加し、現在は約二十一万世帯、この十二年間で二倍以上になりました。高齢者や失業者だけでなく、働いていても生活保護水準に届かない世帯がふえています。実態として生活保護基準以下でくらしている人は、受給者の数倍におよぶだろうと言われています。私は、このような事態になっているのは、雇用の破壊で働きたくても働けない、働いてもくらしていける賃金がもらえないこと、社会保障が不十分で、生活保護以前のセーフティネットが機能していないことが、大きな原因だと思います。貧困を打開するには、雇用を確保し、社会保障を立て直すことが求められていると思いますが、知事はどう認識していますか。
都として、福祉・雇用・住まいなど独自のセーフティネットの拡充に力をつくすことが求められていますが、知事はどのように取り組むのですか。
今後政府は、復興に名を借りた消費税大増税と一体で、年金支給年齢の引き上げや年金額の引き下げ、医療費のさらなる負担増、介護保険サービスの切り下げ、生活保護抑制などを行おうとしています。こんなことを許したら、都民のくらしの困難は増大し、消費は冷え込んで、東京の経済にも重大な打撃となります。知事、そう思いませんか。政府に対し、社会保障の切り下げや増税・負担増はやめるよう求めるべきですが、いかがですか。
国民健康保険料は値上げがつづき、東京社会保障推進協議会の調査では収入が減ったのに保険料が上がった世帯が四六%にのぼりました。お金が心配で通院回数を減らしたなど、受診抑制も起きています。そのうえ、来年度は介護保険料、後期高齢者医療の保険料も、大幅値上げが見込まれ、二十三区では来年度の国保料値上げも検討されています。これらの保険料値上げをおさえるため、政府に国庫負担の拡大を求めるとともに、都として財政支援することが必要です。答弁を求めます。
MRI検査などによる脳ドックは、脳卒中や認知症などの早期発見や予防に効果があります。このため、多摩市など十一の市や町が受診料助成を実施しています。脳ドックの重要性をどう考えていますか。受診促進にとりくむ必要があると思いますが、見解を伺います。
都内四十七カ所の病院などが実施している無料低額診療事業の役割は重要です。実施病院で話を伺いましたが、具合が悪くても病院に通うお金がなく、無料低額診療でやっと医療に結びついた方がたくさんいる、最近は若い人も増えているとのことでした。地域におけるセーフティネットの役割を果たしています。無料低額診療事業の重要性をどう考えていますか。実施医療機関は増えているのではありませんか。さらに増やす必要があると思います。
都立病院や公社病院でも実施できると思いますが、いかがですか。
都の中小企業対策も、抜本的な拡充が求められています。
まず、資金繰り支援についてです。
金融円滑化法について、仮に、予定どおり来年三月に廃止されれば、企業が資金調達できず、多くの倒産が出ると予想されています。金融円滑化法の延長を国に求めるべきと思いますが、どうですか。
年末対策としても、都が、区や市の融資制度に、保証料補助、利子補給を行うことを求めるものです。資金繰りが困難な企業には、経営状況に応じて上乗せすることを求めますが、いかがですか。
大田区の町工場を舞台にした直木賞作品「下町ロケット」は、自動車部品の町工場が開発したロケットの燃料バルブの技術を使って、人工心臓の技術への転用に乗り出そうという所で話が終わります。医工連携は、全国でとりくみが始まっています。滋賀医科大学と地元企業は、マイクロ波を使って止血をせずに腫瘍などを切り取る手術ができる「マイクロ波メス」を共同開発しました。日本医科大学千葉北総病院は、自動車事故でエアバックが作動すると、救急センターに自動通報するシステムの開発を進めており、救急車到着時間の短縮が期待されています。東京は完全に出遅れています。
東京の町工場の技術と、東京に集積する都立病院・公社病院、大学病院、産技研や大学などが連携すれば、医療技術の発展で命を救い、新しい産業の振興で中小企業が元気になり雇用も増えます。医療機器を輸入に頼っている現状を変え、有力な輸出産業に育つ可能性もあります。
東京都が医工連携をただちに開始し、医療技術革命に本格的にのりだすことを求めるものです。見解を伺います。
次に防災対策についてです。
東京都が先月発表した「都民生活に関する世論調査」によると、都政に対する都民の要求で最も多かったのは、防災対策でした。中でも建築物の耐震化など防災都市づくりへの要求が、災害時の活動体制の充実や防災対策の普及・啓発などをおさえてトップをしめています。
ところが、知事は所信表明で「高度防災都市の実現」についてふれたものの、中身はもっぱら震災発生後の対策で、安全・予防対策については言及すらしませんでした。それどころか記者会見では、「自分の生命、自分の財産を守るのは自分の責任だ」「行政はそんなもの負うんじゃない」「財政力があるわけでもない」とまで言ったのです。ここに石原知事の防災対策の最大の弱点があらわれています。
一人ひとりが努力することは、もちろん欠かせませんが、住民の命とくらしを守る責務のある自治体としては、都市施設や建築物を安全化するために最大限の力を注ぐという立場にしっかりと立つべきではありませんか。知事、お答え下さい。
災害対策基本法は、「国土並びに国民の生命、身体、及び財産を災害から保護する」ことを国や地方自治体の責務として位置づけているのです。それは、命を守ることはもとより、都市施設が倒壊・損傷したり、住居や営業手段などの財産を失ったら、生活も地域経済も立て直しがきわめて困難になるからにほかなりません。知事は、災害対策基本法のこのような立脚点を、どう認識しているのですか。
しかも知事は、都固有の責任である都有施設とライフラインの耐震化が立ち遅れている事態を、自覚すべきです。
東京の住宅全体の耐震化率が約八〇%であるのに対し、都営住宅は七〇%にも達していません。道府県や政令市の公営住宅と比較しても、静岡県営住宅一〇〇%、静岡市営住宅九八・九%、愛知県営住宅九九・六%、名古屋市営住宅九四・六%などに対して、いちじるしく立ち遅れているのです。都は、都民の住宅への危機意識を云々する前に、みずからの危機意識の低さを問うべきではありませんか。いつまでに百%耐震化するのか、はっきり答えて下さい。
都の世論調査で、大震災が起こった場合「不安に感じるもの」として都民が第一にあげたのは「電気・ガス・上下水道が使えなくなる」で、六九%に達しています。ところが、水道の耐震化は、耐震継ぎ手管は二六%、配水池は五五%、浄水施設はゼロ%です。下水管とマンホールの接続部の耐震化も数%、下水処理場の耐震化も百%達成には今後二十年はかかるとされるなど、著しく立ち遅れています。このままでは大地震にみまわれたら、長期間、水道も下水道も使えないという事態になりかねません。都が責任をもつ上下水道について、いつまでに必要な耐震化をするのですか。緊急の前倒し計画をつくるべきですが、どうですか。
鉄道の耐震化も、都のイニシアチブを発揮すべきです。
鉄道各社にたいして、震度7を想定した構造物の耐震化や液状化対策の総点検をおこない、必要な対策を緊急にとること、津波による水害も想定して、必要な対策、訓練を行うことを求めるべきですが、いかがですか。
都がやるべき課題は山積しています。そのためには、やりとげるための財源が必要です。
たとえば、老人福祉費を九九年度の水準に戻せば約九百億円の増額となります。特別養護老人ホーム待機者四万人の解消にむけ、三カ年で一万人分増設する所要額は五十四億円です。
また、後期高齢者医療、介護保険、国民健康保険の保険料を年間一人五千円軽減する軽減3点セットで三百十億円です。
市長会の強い要求である乳幼児医療費助成の所得制限を撤廃するには、十億円です。
都営住宅十万戸を五年間で耐震化するために八百億円、耐震化が必要な木造戸建住宅の九割の二十一万戸に都の助成をひろげると五年間で四百四十億円です。東部低地帯の耐震化未実施の堤防を完成するために千七百億円かかります。地震で一部分でも決壊すれば、大きな被害がでるのですから、緊急計画で完成すべきです。
福祉や防災を進めるためには、この分野への重点的な財政投入が必要になります。都はどのように、こうした財源を生み出すのですか。中長期的な財政展望について、知事の所見を伺います。
人口減少や超高齢社会が到来しつつあります。右肩上がりの経済成長を前提とした巨大開発への投資を抑制する財政運営への見直しが必要だと考えます。
二〇二〇年オリンピック招致を口実にした外環道の着工や、晴海線や多摩新宿線などの不要不急の高速道路の新規建設、巨大港湾施設等の建設は凍結すべきです。見解を伺います。
歳入確保も重要です。
法人事業税の一部国税化により、都の税収は三年間で九千億円も減りました。この暫定措置を撤廃させるために、今後どのような対策をとるのですか。
政府は復興対策と称して、大企業へのさらなる減税を行おうとしています。これが実施されると都の税収は、さらに落ち込みます。これまでも、大企業減税で都は総額一兆一千億円もの減収を余儀なくされているではありませんか。今度こそ、大企業減税はやめるよう、つよく政府に求めるべきです。
大企業の法人事業税の超過課税の税率を、都としてできる上限である一・二倍まで、緊急に引き上げることも決断すべきです。実行すれば、六百億円以上の増収になります。答弁を求めます。
次に、豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事の談合疑惑問題です。
この工事の設計委託事業の入札では、二億円から二千万円までの開きがありました。わずか三カ月間という短期間で、しかも二千万円という落札額で、大規模な汚染処理プラントをふくむ設計などが可能なのかという疑問の声が、関係者から出ていたのです。
土壌汚染対策工事の設計をしたのは、調査事業と計測器事業などを主とする地質調査会社です。公共工事では、設計者は発注者側の立場にたって、施工者をチェックするという原則があります。入札にかかわる積算作業なども発注者とともに行います。ところが、この地質調査会社は今回の工事では、土壌汚染処理プラントの設置をふくむ最も主要な部分の工事を請け負う清水JVの一次下請けになっています。これでは、設計者として元請けの土壌汚染対策工事の監理をできるわけがありません。そんなことも考えずに下請け参加することを発注者として認めたのですか。
入札前にわが党が入手したある工事受注ゼネコンの内部資料には、当事者でないとわからない三つの街区それぞれのJV参加企業の組み合わせ、出資比率などが記入されており、実際の結果とすべて一致していました。談合がなければあり得ないことです。鹿島、大成は、すべてのJVに入り、清水、鹿島、大成は、ほぼ受注額が同一になるような出資比率が組まれています。落札率は九四%から九七%です。ちなみに、全国市民オンブズマン連絡会議では、九〇%以上は談合の疑いがあり、九五%以上は談合の疑いが極めて高いとしています。連絡会議によれば、都発注工事の平均落札率は七九%です。
都は、入札にあたって、施工能力、汚染処理の経験などを資格要件に定め、はじめから清水建設、鹿島、大成などが中心にならなければ受注できないようにしていました。
にもかかわらず、実際の工事は、下請けがほとんどやることになっており、能力や経験の資格要件などあってなきがごとしで、本格工事に入る前なのに、すでに六街区では一次・二次で延べ三十二社が参加しています。
談合疑惑はきわめて濃厚です。都には談合情報が寄せられたのですか。寄せられたとしたら、どのような談合情報で、どのように調査・対応したのですか。事実を明らかにして下さい。通りいっぺんの調査で白と断定することは許されません。土壌汚染対策工事については中断し、ただちに公正取引委員会もふくめて、徹底した調査をするよう求めるものです。どうですか。
最後にTPP問題です。野田首相がTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への交渉参加を表明したことに対し、国民的怒りの声が広がっています。TPPへの参加を強行すればどういうことになるでしょうか。米価暴落で地域農業はつぶされ、大震災からの復興への最大の妨げになります。全品目を関税ゼロにすれば、食料自給率は40%から13%に急落し、食の安全のための規制、公的医療制度、官公需の中小企業への優先発注などが切り崩され三百五十万人もの失業者が生まれるなど、国民生活と地域経済に大打撃をもたらします。TPP参加は絶対にやめさせなければなりません。
知事は、この間の二回の記者会見で、TPPにたいし、「経済界は物が売れない、売りたいというが色々な弊害がでてくる」「医療も、国民皆保険などが基本的にぐらついてくる」等と発言、基本的に反対だと明言しました。所信表明でもこの問題で、政府批判をしています。TPP問題では、わが党と知事はほぼ同じ見解です。知事、政府に対して、TPP反対を強く申し入れることが重要だと思いますが、いかがですか。再質問を留保し質問をおわります。
〇知事 清水ひで子議員の代表質問にお答えいたします。
まず、今の政府に求めることについてでありますが、国は、我が国のGDPの二倍、一千兆円という、欧州の国であればEUに加盟できないほどの借金を積み上げてきましたが、このままでは、もはや日本という国家そのものが立ち行かないことは、だれの目にも明らかであります。
にもかかわらず、国のかじ取りを担う現政府も、みずからの未来を切り開くという気概に欠け、ただ国民の顔色をうかがうばかりでありまして、これでは、日本の将来の姿は描けようもないと思います。
社会保障制度にしても、急激な高齢化が進む日本において、医療や介護にかかる費用が増大することは自明の理であります。
こうした現状を現在まで放置し、給付と負担のバランスを顧みずに、到底成り立ち得ない高福祉低負担の幻想を国民に振りまいてきたのは、歴代政府の責任にほかなりません。
政府が今なすべきは、あるべき国家の姿を国民に改めて指し示して、社会保障制度のありようも含め、確固たる意志で日本経済を再生させる政策を戦略的に展開し、国民の活力を取り戻すことであります。
そのための具体的な行動として、国家発展のかなめであるエネルギーを確保し、国家の活力を生み出す科学技術を伸ばして、それを支える発想力を備えた人材を育成していくことを、まずは、政府に求めることが必要だと思います。
日本が置かれたこうした現実から目を背けて、ばらまき福祉を主張し、増税イコール悪、負担減イコール善という単純な図式の主張には、これは無責任としかいいようがないと思います。
次いで、都市の安全性の向上についてでありますが、ご指摘をまつまでもなく、都は、これまでも震災に備えて、施設の耐震化や水門、防潮堤の整備などを行政の責任として主体的に進めてきました。
今後も、木造住宅密集地域の整備促進や緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化、物流の動脈として日本の東西をつなぐ三環状道路を初めとした道路ネットワークの構築などにより、都市の安全性を向上させてまいります。
もとより、災害に強い都市をつくるには、こうした行政によるハード整備に加えて、都民一人一人が災害への心の備えを固めることが必要だと思います。
今回の大震災で、最大で高さ十五メートルの津波に襲われた岩手県の洋野町では、防潮堤や避難路などの整備に加えて、日ごろ、徹底した訓練などを通じて、住民が津波に対する高い警戒心を持っていたことから、津波による死傷者はゼロでありました。
いざというときは、まず、みずからの身を守り、身近な同士を助け合うことが、一人でも多くの命を救うことになるのは紛れもない事実でありまして、都は、自助、共助の強化に向けて、防災隣組の再構築に取り組んでいきたいと思っています。
今後も、自助、共助、公助のすべてにわたり、現実の教訓に立脚した実効性のある防災対策を講じてまいります。
次いで、中長期的な財政運営についてでありますが、東日本大震災への対応を初め、いかなる状況にあっても、積極果敢に都政の課題に取り組むことができたのは、これまで、人員の整理、歳費の削減などによって財政再建を行って、強固な財政基盤を培ってきた成果にほかならないと思います。
この十年余の間、共産党が常に主張しているばらまきにくみすることなく、新しい公会計制度も活用しまして、むだを排除し、徹底して行政改革を進めてまいりました。
また、都債の発行も抑制するとともに、就任当時底をついていた基金の残高も確保するなど、体力の回復に努めてきました。
今後とも厳しい財政環境が続くことが見込まれる中でありますが、これまで進めてきた堅実な財政運営を継続し、都民の負託にしっかりとこたえていくつもりであります。
次いで、TPPの問題についてでありますけれども、申し上げておきますが、そもそも、共産主義をいまだに信奉している共産党と私はちょっと違う、いや、かなり考え方が違いまして、考え方はおろか、目指す社会の姿が全く違っております。私の会見の一部だけをとらえて、あなた方と私の主張がほぼ同じであると、軽々しくいってもらいたくない。私の名誉にもかかわりますから。
先ほども申し上げたように……(発言する者あり)国家の役割の第一義は──静かに聞けよ。国家の役割の第一義は、国民の生命と生活を守ることであります。
しかし、日本の政治家や官僚は、外交交渉において、国益を踏まえたゲーム感覚が著しく欠落しております。アメリカへの依存、従属という習性がしみついた日本の政治が国益を主張し守ることができるかと思いますと、甚だ肌寒い感じがいたします。
交渉に加わる以上、国には、アメリカをぎゅっといわせるぐらいの気持ちで臨んでもらいたいと思います。そして、最後は、アメリカではなくて、日本みずからの決断で参加、不参加を決めてもらいたいものだと思います。
TPPの反対を国に申し入れろということですが、何でも反対という教条主義を絵にかいたようなあなた方とはちょっと違いまして、そもそも、あなた方が本当に日本のことを考えているかどうか疑問でありますが、反対という論を張るだけで、国益が守れると思っている自体がちょっと甘い考えじゃないんでしょうか。
他の質問については、教育長、技監及び関係局長から答弁します。
〇教育長 給食の安全確保に関する対応についてでございます。
都では、現在、都内農林水産物や五百品目の流通食品に対して放射線検査を実施しており、給食食材の安全が確保されているものと認識しております。
区市町村立小中学校における給食の食材検査は、設置者である各区市町村がみずからの判断で実施するものであり、都教育委員会として、個々の区市町村が行う食材の検査に対し支援する考えはございません。
〇東京都技監 外環などの高速道路や港湾施設の整備についてでございますが、近年、アジアの諸都市が急速な成長を遂げる中にあって、我が国の国際競争力を高め、経済を成長軌道に戻し国民が豊かさを享受していくためには、首都東京の陸海空の交通、物流インフラを強化することが必要不可欠でございます。
また、首都直下地震や東海地震などの災害時においても、高度防災都市としての首都機能を堅持し、日本の東西交通分断を防ぎ、迅速な救命、復旧活動を支えるためには、陸上及び海上輸送のネットワークを形成することが重要でございます。
今後とも、首都東京にとって必要不可欠な道路や港湾など、都市基盤施設の整備を積極的に推進してまいります。
〇福祉保健局長 七点のご質問にお答え申し上げます。
まず、放射能による健康不安への対応についてでございますが、都は、原発事故直後から、都内の空間放射線量や水道水を継続的に測定いたしまして、その結果を速やかに公表いたしますとともに、電話相談やシンポジウムなどを通じ、都民の不安の解消に努めてまいりました。
また、補正予算により検査体制を強化し、モニタリングポストを増設したほか、都内に流通する食品の検査や芝浦と場での牛肉の検査も開始いたしました。
国に対しては、省庁の縦割りを超えた統一的な安全基準の設定や国を挙げた検査体制の確立など、対策の抜本的な強化を提案要求いたしております。
今後とも、都民の安全・安心の確保に努めてまいります。
次に、放射能に係る健康調査についてでございますが、都は、都内の空間放射線量につきまして、原発事故以前からモニタリングポストで継続して測定を行っておりますが、四月中旬以降、その測定値は事故発生前の範囲内となっております。
また、食品の安全を確保するため、国の仕組みに基づき、生産地において農産物等の放射性物質の検査が行われておりますが、都はこれに加えまして、都内に流通する食品のモニタリング検査などを実施いたしております。
こうしたことから、都として、現時点で特段の健康調査を実施する考えはございません。
次に、生活保護以前のセーフティーネットについてでございますが、生活、雇用に関するセーフティーネットは、社会保障制度を支える基盤でございまして、基本的に、国の責任で対応すべきものでございます。
国は、最後のセーフティーネットである生活保護と失業給付との間に、第二のセーフティーネットとして住宅手当や求職者支援制度などを整備いたしました。
都としては、この第二のセーフティーネットが住居、生活に困窮する離職者の真の自立促進につながるよう、国に対しまして、各種支援策の充実強化を提案要求いたしております。
次に、福祉など、都独自のセーフティーネットについてでございますが、都は、平成二十年度から区市町村等と連携し、生活に困窮する都民に対して生活、就労支援などを重層的に行う緊急総合対策三カ年事業を国に先んじて実施をしてまいりました。
こうした取り組みが国を動かし、先ほど申し上げました第二のセーフティーネットの整備に結びついたものでございます。
都は、これまでの成果を踏まえ、現在、区市町村によります低所得者、離職者対策への支援や、住居喪失不安定就労者などへの支援を行っております。
次に、保険料の負担軽減についてでございますが、国民健康保険、後期高齢者医療及び介護保険の各制度は、保険料や公費などによって運営することとされております。
都は、法令等に基づきまして、国や区市町村とともに応分の負担を行っております。
都として、現在、保険料の値上げを抑制するために、新たな財政支援を行うことや、国に対し国庫負担の拡大を求めることは考えておりません。
次に、脳ドックについてでございますが、特定健診やがん検診などと異なりまして、脳ドックは、法に基づき区市町村などに実施が義務づけられているものではございません。
また、統一的な検査方法や判定基準、発症を予防するための治療方針が確立されておらず、国からも、検診の方向は示されておりません。
脳ドックは、個人の判断で受診するものであり、都として受診促進に取り組む考えはございません。
最後に、無料低額診療事業についてでございますが、この事業は、低所得者等に対する医療を確保する上で、一定の役割を果たしております。
都内で無料低額診療事業を行っている医療機関は、平成二十年度末で四十三カ所、現在では四十七カ所となっております。
国は、この事業について、社会情勢等の変化に伴い必要性が薄らいでいるとして、新規開始の抑制方針を示しますとともに、そのあり方を慎重に検討していくとしておりまして、都としては、今後の議論の行方を見きわめてまいります。
〇環境局長 二点のご質問でございます。
まず、都有施設の放射線量の測定と除染についてでございますが、先ほどもご答弁申し上げましたが、都では、文部科学省のガイドラインの公表を受け、都有施設全般における放射線量測定の必要性の有無を確認するため、サンプリング調査を実施いたしました。
国や都のこれまでの調査によりまして、都内では、比較的空間線量が高いことが示された区部東部の三区を対象地域として、人、特に子どもが集まる公共施設で、このガイドラインで放射性物質がたまりやすいとしている雨水が集まるところや、植物の根元などの地点を都立公園内で選定いたしました。
測定の結果、ガイドラインの目安である、地上高さ一メートルの位置で周辺より放射線量が毎時一マイクロシーベルト以上高い地点はございませんでした。
測定地点の中で、高さ一センチメートルの位置では、比較的線量の高い地点が数カ所あったために、それらの地点では、距離による減衰度合いを詳細に調査した結果、わずかに離れるだけで大幅に減衰していることが確認できました。
また、こうした限定された地点での汚染の場合、その近傍に人がとどまる時間は極めて少ないと考えております。
以上のことから、今後、都有施設全般にわたる調査や経常的な調査は基本的に不要と考えております。
次に、都有施設の放射線量の測定と除染に係る区市町村からの要望があった場合の対応についてでございますが、ただいまご答弁したとおり、都では、都有施設全般にわたる調査や経常的な調査は基本的に不要と考えておりまして、仮に区市町村からの要望があった場合でも、この考えで対応してまいります。
〇病院経営本部長 都立病院や公社病院における無料低額診療事業の実施についてでございますが、本事業は、社会福祉法に基づく社会福祉事業として位置づけられており、その実施については、都立病院等の役割や経営に与える影響、地域医療機関との医療連携のあり方や機能分担、加えて国の動向など、さまざまな課題があると認識しております。
なお、生計困難者などの診療に際し、都立病院等においては、医療ソーシャルワーカーを全病院に配置し、公的制度の活用支援や分割納付等、さまざまな方法で、医療費支払いに関する相談等に対応しているところでございます。
〇産業労働局長 三点のご質問にお答えいたします。
まず、中小企業金融円滑化法についてでありますが、同法は、現在の金融環境のもとで、多くの中小企業の返済負担の軽減に役立っており、その延長につきましては、この間の利用実態やその効果、影響などを踏まえ、国が適切に判断すべきものであります。
都は、中小企業の資金調達の円滑化について、経済動向や中小企業の業況を的確に踏まえ、万全な措置を講じるよう既に国に求めております。
次に、区市町村の融資制度に対する支援についてでありますが、区市町村の融資制度は、それぞれの自治体が地域の産業や財政負担等を含めた政策判断に基づき、主体的に実施しているものであり、年末対策についても、それぞれの判断と責任で実施しております。
一方、都は、都内全域の中小企業者を対象として、年末対策を含め、手厚い内容の制度融資を実施しております。
最後に、医療技術分野の産業振興についてでありますが、都は、今後の成長が期待できる医療の分野を重点的に育成するとの方針のもと、中小企業の製品開発や事業化を既に支援しております。
〇総務局長 災害対策基本法の立脚点についてでございますが、同法が、国土並びに国民の生命、身体及び財産を災害から保護することを直接の目的として、国、都道府県、市町村等の責務について規定していることは十分に承知をしております。
大規模な災害の発生時には、命を守る取り組みはもとより、災害からの早期の復興を図るため、住民や事業者の財産の保全や生活の安定化を図る対策も講じる必要があることは当然であります。
こうした考えに立脚し、都は、東京都防災対応指針において、住居の耐震化対策、地域の経済活動や雇用を支える事業者の事業継続への支援策、罹災証明や義援金配分の迅速化に向けた対策など、具体的な取り組みを示しております。
〇都市整備局長 防災対策に関する二点のご質問にお答えいたします。
まず、都営住宅の耐震化についてでございますが、都は、都営住宅耐震化整備プログラムに基づき、都民の住宅セーフティーネットである都営住宅の耐震化を計画的に進めてきております。
都営住宅には、耐震改修に時間を要する高層住棟や、優先的な整備が求められる保育所などが併設された住棟が多くあるなど、他の自治体とは状況が異なり、単純に耐震化率を比較することは適当でないと考えております。
都営住宅の耐震診断については、完了時期を一年前倒しして、今年度末までに完了させる予定であり、耐震改修については、診断の状況を踏まえ、整備プログラムの見直しを行うこととしており、平成二十七年度末の目標である九〇%以上の耐震化率を達成し、その後も、必要な耐震化を進めてまいります。
次に、鉄道施設の防災対策についてでございますが、鉄道事業者にとって、安全・安心の確保は経営の根本であり、これまで、各鉄道事業者は、阪神・淡路大震災を受けて施設の総点検を実施し、震度七程度の地震にも耐えられるよう、国の基準に基づき高架橋などの耐震補強工事を実施してきており、液状化対策や浸水対策についても、それぞれ対策を講じてきております。
引き続き、今回の震災を踏まえ、鉄道事業者による対策や訓練などが適切に行われるよう取り組んでまいります。
〇水道局長 水道施設の耐震化についてでありますが、まず、水道管の耐震化に関しましては、強度のすぐれた管への取りかえを現在ほぼ完了しており、平成十年度からは、より一層の耐震性の向上を目指し、耐震継ぎ手管への全面的な取りかえに着手しております。
加えて、平成二十二年度からは、これまでの取りかえ計画を大幅に前倒しする緊急十カ年事業を立ち上げ、毎年の取りかえ延長をほぼ倍増させております。
次に、浄水場などの耐震化に関しましては、これまでも積極的に進めてきており、主要な施設であるろ過池や配水池の耐震化率は、現在、それぞれ七六%、五五%であり、平成二十八年度末には、いずれも耐震化をほぼ完了する見込みでございます。
こうしたことから、水道施設の耐震化については、現在、既に積極的に進めており、今後も、計画に基づき必要な対策を実施してまいります。
〇下水道局長 下水道施設の耐震化についてでございますが、阪神・淡路大震災などの状況を踏まえ、震災時における下水道機能などを確保する観点から、既に必要な対策を計画的に実施しております。
避難所などからの排水を受ける下水道管とマンホールとの接続部の耐震化については、既に約七割を完了しておりますが、残りの箇所の計画を二年前倒しし、平成二十五年度の完成を目指しておりますし、さらに、ターミナル駅周辺など、対策エリアの拡大を検討しております。
水再生センターなどについては、著しく立ちおくれているということはありませんで、耐震補強工事を実施するなど、施設の優先度を考慮した必要な対策を実施しております。
東日本大震災では、都内において、下水道機能を損なう被害はありませんでした。今後は、地震・津波に伴う水害対策技術検証委員会の提言を踏まえ、さらに必要な対策を実施してまいります。
〇財務局長 三点についてお答えをいたします。
まず、財政運営についてでありますけれども、都市インフラの整備などへの投資は、都民の利便性の確保のみならず、国際競争力を高め、東京の活力を維持する上で不可欠な取り組みであり、着実に進めていく必要があるものと考えております。
これまでも、こうした取り組みに加えまして、福祉や医療、教育、さらには雇用環境や中小企業に関する施策など、都民にとって必要な施策に財源を振り向けてきているところであります。
引き続き、財政の健全性に十分留意しながら、ハード、ソフト両面にわたり山積する都政の諸課題にしっかりと取り組んでまいります。
次に、法人事業税の暫定措置についてでありますが、この措置は受益と負担という税の原則に反するものであり、一貫して撤廃を訴えてまいりましたけれども、法律では、今年度末までに税制の抜本改革を行うことを義務づけており、暫定措置についても同時に撤廃すべきものと位置づけております。
現在、社会保障と税の一体改革の議論がなされておりますが、この中で、約束どおり暫定措置が撤廃されるよう強く求めているところであります。
最後に、豊洲新市場土壌汚染対策工事の契約についてでありますが、本件の入札に当たりましては、都に豊洲新市場の土壌汚染対策工事に関する談合情報が寄せられたことから、直ちに談合情報検討委員会を設置し、入札参加事業者に対して事情聴取を行いました。
その結果、談合の事実は確認できず、事業者からは法令等に反する行為を行っていない旨の誓約書の提出を受けたことから、入札を執行し、適法に契約を締結したものであります。
また、公正取引委員会に対しては、この一連の経過を報告いたしております。
こうしたことから、ご質問の調査については、改めて実施する考えはございません。
〇主税局長 二点のご質問にお答えいたします。
まず、法人への課税についてでございますが、今年度の税制改正による法人実効税率の五%引き下げを行った上で、復興に向けた財源を確保するため、平成二十四年度から三年間、法人税額の一〇%を復興特別法人税として上乗せ、課税することとなったところでございます。
なお、法人実効税率の引き下げは、国内企業の国際競争力強化や、外資系企業の立地促進による雇用と国内投資の拡大という観点から改正されたものでございまして、これにあわせて、欠損金の繰越控除の一部制限や減価償却率の見直しなど、課税ベースの拡大を行うことで、地方税収に極力影響を与えないこととされております。
次に、法人事業税の超過課税についてでございますが、法人事業税の超過税率は、地方の課税自主権に基づき、標準税率の一・二倍までの範囲で、条例により独自に定めることができることとされております。
都におきましては、大都市特有の財政需要に対応するため、資本金の額が一億円を超える法人に対しまして標準税率の一・〇五倍相当の税率を定め、特別の負担を求めているところでございます。
超過税率の引き上げにつきましては、法人の国際競争力の観点や現在の我が国の経済情勢等を踏まえますと、適当でないと考えております。
〇中央卸売市場長 土壌汚染対策の設計の受託者が下請として参加することについてでございますが、ご質問では、設計をした会社が元請の工事監督、ご質問の中では監理という言葉を使っておられましたが、これをすることを前提にしておられますが、都の土木工事では、一部で特定の限定された業務に限り監督補助者として民間事業者を活用することはありますものの、都みずからが責任を持って工事監督を行うこととしております。
豊洲新市場予定地における土壌汚染対策工事では、都がみずから工事全体を監督しており、補助者を活用する予定はございません。したがいまして、設計の受託者が工事の監督に関与することは一切ありません。
また、設計の受託者が下請となることについては、請負契約の適正化等について規定しております建設業法や関係通達等に照らし、何ら問題はありません。
都は、土壌汚染対策工事を確実に実施し、市場用地の安全・安心に万全を期してまいります。
○清水ひで子
再質問します。
答弁を聞いて、石原知事は、本当に国民の痛みに目を向けない方だと思いました。
口を開けば、高福祉・低負担の幻想と言って、社会保障切りすてを進める厚生労働省と同じ思考回路です。
あげくは、エネルギー確保などの方が優先だとの答弁でした。
雇用と社会保障を立て直してこそ、都民、国民の活力がうまれ、経済が再生できるという発想が、知事にはないのですか。お答え下さい。
第2に、談合疑惑で2問、聞きます。
まず、疑惑企業が、とおり一遍の事情聴取ていどで、談合を認めるわけがありません。
公正取引委員会は、疑いのある事業者からの事情聴取を極力回避し、調査の事実が知られない手段でおこなうよう求めています。
なぜそうしなかったのですか。
次に、愛知県などでは、情報と入札結果に一致した部分があれば落札を保留し、再調査します。都の場合は、JVの組み合わせ、出資比率など、情報と入札結果はどの程度一致したのですか。
お答え下さい。
第3に、放射線問題です。
東京都は、子どもたちが、毎時7マイクロシーベルトなどという、放射線の中でころげまわっても問題ない、というのですか。
都が、新たな測定をしない理由にしているのは、地上高さ1メートルで周辺より毎時1マイクロシーベルト以上高い地点という、文科省のガイドラインです。 しかし、文科省でさえ、この基準以下でも自治体の相談に応じるとしているのです。
ところが都は、区や市の測定・除染要求にも応じない。情けないと思いませんか。
以上、5問、お答え下さい。
再質問答弁
〇福祉保健局長 先ほども申し上げましたが、生活、雇用に関するセーフティーネットは社会保障制度を支える基盤でありまして、基本的に国の責任で対応すべきものでございます。
都は、平成二十年度から区市町村と連携をいたしまして、生活に困窮する都民に対しまして、生活、就労支援策を重層的に行う緊急総合対策三カ年事業を実施いたしましたが、この取り組みが国を動かし、住宅手当や求職者支援制度という第二のセーフティーネットを国が整備したものでございます。
都としては、この第二のセーフティーネットがさらに機能するよう、強く提案要求をしているところでございます。
〇財務局長 二点についてご質問がございましたが、まとめて答えさせていただきます。
都に対しましては、土壌汚染対策工事に関する談合情報が寄せられましたことから、直ちに談合情報検討委員会を設置し、事情聴取を行い、その結果、事実は確認できずに、法令等に反する行為を行っていない旨の契約書の提出も受けましたことから、適法に契約したものであり、この経過については公正取引委員会に対して報告をいたしているところでございます。
〇環境局長 東京都は、これまでディーゼル車対策を実施してきましたように、都民の健康と安全を守るために必要な場合には、いかなる困難があっても必要な対策は行う立場に立っています。
しかしながら、再三答弁しましたように、国や都による都内の面的な放射線量の測定結果や、都有施設における局所的な汚染の調査結果などから見まして、都民の健康と安全を確保する上で、都有施設の全面的な調査や除染は不要と考えております。
都は、都民の安心を確保する上では、放射線に関する正確な情報を提供していくことがより重要であると認識しておりまして、今後ともこれを進めてまいります。
以上