尾崎あや子(北多摩第一選出)
一、豊洲新市場の建設工事について
2013年度予算の豊洲新市場にかかわる建設工事にかかわる問題についてです。
豊洲新市場の建物の最終的な工事内容については、2012年11月27日の第14回の建設協議会で資料として配布された「施設建設計画の概要」の図面で「業界との正式な合意に達した」と、東京都は今年の第1回定例会で答弁しています。
そこで、第14回建設協議会で確認された図面について、何点か確認しておきます。@青果売り場の小口ピッキング棟、通勤駐車場棟、A鮮魚仲卸売り場の加工パッケージ棟、通勤駐車場棟、B7街区の通勤駐車場棟、容器業者倉庫、リサイクル施設、廃棄物集積所、冷蔵庫棟については、この図面では内部が空白になっています。
Q それぞれの建物については、白紙のまま、すなわち整備内容が不明なまま、業者と合意されたということになります。整備内容が不明なまま合意するというのは、行政のあり方としてきわめて無責任ではありませんか。
Q 都は、これらの施設整備のありかたについて、都民から白紙委任されているとでもいうのですか。
Q この白紙合意の内容について、各業界は、各関連市場業者にたいして、どのように報告するということで合意されているのですか。
Q その一方で都は、今年の第1回定例会で都は、「仮に今後、業界から工事の要望が出された場合は、工事内容を精査した上で、都による実施の有無及び実施する際の費用の負担者を決定する」と答弁しています。変更部分が、上記の部分で行われた場合、図面が白紙の中で、何がどう変更されることになるか、都民、市場業者にはどのように説明するのですか。変更されたのか、最初からの合意内容だったのか、都民、市場業者は確認できないのではありませんか。明確にしてください。
Q 第14回建設協議会で配布された図面が都と市場関係業界が合意した内容ということですが、この合意した時点での全体の施設概要がどうなっているのか明確に示せるはずです。また、第1回定例会での質疑では東京都は、「施設計画に基づき建設工事に着手」「十分な荷さばき場や駐車場は確保」としています。であるならば、その根拠となる第14回建設協議会の時点での次の施設の敷地面積を、それぞれ具体的にお答えください。卸売場・仲卸売場、待機駐車場、搬出入のためのバース、構内道路、冷蔵庫棟、千客万来施設、緑地、通勤駐車場、廃棄物処理場、管理施設。上層階に及ぶ施設として、加工・パッケージ施設、大口荷さばき場、転配送センター、及びこれらのための待機駐車場。なお、駐車場については、その台数もお答えください。
Q 都は、第14回建設協議会で施設整備計画は確認されたといいますが、今年2月の第15回建設協議会で、市場関係業界団体の代表から、物流問題を中心に施設整備計画のかなり具体的な問題点が示されました。この事について、東京都はどのように認識していますか。
Q 物流問題については、物流施設運用検討会を開催するとともに、三菱総研に委託した調査が行われたはずですが、その成果は施設計画にどのように反映されているのですか。また反映する予定になっているのですか。その具体的に、お答えください。
Q 上記の3つの街区のそれぞれの施設が、民間がお金を出して整備する方式から、都の整備に変更になったのは、いつの時点で確認、合意されたのですか。その明確な根拠も合わせてお示しください。
Q そのことを都が都民に公表したのはいつですか。業界団体は、いつ市場業者に発表しましたか。その事を示す明確な根拠も、合わせてお示しください。
Q 第14回建設協議会直後の2012年12月3日提出の都議会経済港湾委員会への提出資料「当初計画からの主な変更点と変更理由」では、@青果売り場の小口ピッキング棟、通勤駐車場棟、A鮮魚仲卸売り場の加工パッケージ棟、通勤駐車場棟、B7街区の通勤駐車場棟、容器業者倉庫、リサイクル施設、廃棄物集積所、冷蔵庫棟については例示されていません。主な施設でもありながら、しかも費用としても施設整備全体に占める割合が高いはずであるにもかかわらず、例示をしなかった理由をお答えください。
Q 2012年12月3日の都議会経済港湾員会で、上記の変更点についての議会答弁は、「配送センターや加工パッケージ施設、通勤駐車場等につきましては、民間整備から都整備に変更」したというものでした。@青果売り場の小口ピッキング棟、通勤駐車場棟、A鮮魚仲卸売り場の加工パッケージ棟、通勤駐車場棟、B7街区の通勤駐車場棟、容器業者倉庫、リサイクル施設、廃棄物集積所、冷蔵庫棟については例示されませんでした。主な施設でもあり、費用も施設整備全体に占める割合が高く、重要な変更であるにもかかわらず、この時の答弁で、あえて例示しなかった理由をお答えください。
Q 豊洲新市場の建設工事は2016年3月までに完成という方針を掲げています。その方針に合わせた、上記の変更部分の工事契約は、どうなっているのですか。工事費は、どのように見積もっているのですか。
Q そもそも、工事入札をおこなう前提となる、それぞれの設計、実施設計にかかわる入札公告、契約など、どのような計画になっているのですか。
Q 東京都は、2011年5月26日に「強い農業づくり交付金の成果目標の協議」に際し提出している資料では、当時2015年3月末までの豊洲新市場についての総事業費は約3400億円、申請した交付金は260億円と算定しています。この総事業費の内訳をお答えください。
Q 豊洲新市場の総事業費は、2011年5月時点から大きく変更されていますが、その後、国にたいして、総事業費、それにともなう交付金について、どのような変更をして、いつ申請しているのですか。今後ですが、事業費の高騰することが明らかになっていますが、どうするのですか。それぞれ、具体的にお答えください。
Q 東京都が都民に明らかにしてきた総事業費は4300億円です。その財源で、不足するのは1800億円で、築地市場の売却収入で補填するという構想でした。すでに、その構想は破綻しています。都民への説明責任について、どう認識しているのですか。都民への説明責任を果たすべきではありませんか。
Q 財源確保の責任は、だれがどうとるのですか、早急に明確にするよう求めます。
豊洲新市場計画は、都はかつて「築地市場の敷地では、閉鎖型施設の整備に必要な、売場、バース、待機駐車場など一体配置するため敷地だけで、築地市場の敷地以上となり、市場に不可欠な構内道路、冷蔵庫、廃棄物処理施設、緑地など整備できない」と説明してきました。
しかし、現在の豊洲新市場の整備計画自体が上記のようなものになっています。費用も、当初都民に説明してきた金額を1500億円も上回り5500億円、1・4倍程度になる恐れがあります。このような無謀計画の撤回を求めておきます。
一、公共工事の契約問題について
建設業をとりまく状況は、ダンピング競争、技術者不足、建設資材の高騰で公共工事の施工にも影響が出るなど深刻です。
こうした中、国は、昨年、今年と公共工事設計労務単価の引き上げをはじめ、先月には公共工事品確法、建設業法、入契法が改正されました。これによって予定価格を不当に控除する「歩切り」の禁止、「適正な価格」での契約がおこなわれると建設業関係者からは歓迎の声が起きています。
Q 都としても、改正された法制度をふまえ、担い手の確保・育成、予定価格の適正な設定、低入札価格調査基準の設定、多様な入札契約方式の導入・活用など、入札契約制度の改善をすすめることが求められると思います。それぞれについて、都として改善にむけて、どのような検討をすすめているのですか、具体的にお示しください。
次に、公共工事における、建設技能労働者への適切な水準の賃金確保、社会保険などへの加入、建設業退職金共済の証紙配布の徹底など、建設労働者からは強い要望が出されている点についてです。
Q 国交省が先日発表した調査によると、公共工事に従事する建設労働者の社会保険加入状況は、雇用保険は約4分の1,健康保険は約3分の1が未加入でした。とりわけ東京都では雇用保険は44%、健康保険は62%など、全国平均の2倍近いなど、他道府県と比較しても非常に高い数値となっています。都は、この調査結果について、どのように認識していますか。
Q 都として、その対策をすすめるよう求めます。どうですか。
全国の自治体の中には、すでに公共工事の品質を確保し、契約にかかわる労働者の労働環境の整備を図るため、公契約条例を制定する動きが進んでいます。こうした自治体の多くは、契約の自由のもとに契約の相手方に、建設労働者の一定の労働条件の遵守を求めるものであっても法律上の問題はない、最低賃金を上回る賃金を規定することは契約にかかわる法律上も問題はない、WTO政府調達協定との関係でも問題ないとの国の見解をもとに制定をしています。
Q 都は、いわゆる公契約条例について「各企業が労使間で決定した賃金に対し、発注者である都が関与することの是非や都が設定した賃金水準が企業の経済活動にどのような影響を与えるのかなど、労働政策や産業政策の観点から整理、検討すべき課題がある」との見解を示していますが、これらの点について、条例制定をしている自治体のように、実際に法律、WTO政府調達協定にかかわる見解について実際に国等に問い合わせ、国の見解を得た上での都の見解ですか。お答えください。
Q これまで、財務局は、契約にあたって「最低賃金法を遵守して労働者の賃金を定めた中小企業が、公契約条例で設定された賃金条件のために入札に参加できなくなるような状況というものを、私どもは容認すべきものではない」という見解を示してきました。
ということは、都の建設工事の予定価格については、労務単価は、公共工事労務単価を基準にするのではなく、最低賃金を上回るものが支払われれば入札の公平性を担保するものとして、公共工事設計労務単価ではなく、最低賃金を基準に算定をしているということですか。明確にしてください。
Q 労務単価については、低入札価格調査の調査項目の一つとなっていていても、都がその基準としている最低賃金で調査していれば、公共工事設計労務単価と最低賃金は大幅に乖離しており、最低賃金に違反していない以上、問題ないと公言しているも同じです。これでも、問題ないとの認識ですか。
Q 都が発注する大型建設工事を請け負うのは、いわゆるゼネコン、中小企業でなく大企業です。ところが、実際の建設工事をおこなう労働者は、数次の下請け企業が契約する建設労働者です。東京都においては、こうした下請け労働者にたいして、実際の労務費については把握もしていないということですか。
Q 都の業務委託契約も大きな問題をかかえています。それは、たとえば今年度の墨東病院の清掃業務の入札価格が、他社平均の47%で入札され、最低入札価格制限もなく、低入札価格調査制度もなく落札されることができるからです。しかし、この契約のもとで働く労働条件の低下、労働環境の悪化が問題になっています。都として、どう認識しているのですか。
公契約条例を実際に施行している川崎市は、法律上の問題を国に確認した上で、条例制定をしています。その上で、市発注の予定価格1000万円以上の清掃・警備・事務など業務委託契約、予定価格6億円以上の工事請負契約を対象に、市が定める額以上の賃金を労働者に支払い、市発注の仕事の場でワーキングプアをつくらせないとしています。市が定める最低基準の賃金は、業務委託契約では生活保護基準をもとに、建設工事では公共工事設計労務単価をもとに、それぞれの作業報酬下限額を定めています。
生活保護基準から算出している賃金基準は、最低賃金が生活保護基準を下回っているため、最低賃金を上回っています。建設工事の賃金基準は、公共工事設計労務単価ですから、大幅に最低賃金を上回っています。なおかつ、下請けで働く作業者について、この条例が適用されています。
2013年度の契約件数は、工事請負契約は17件、業務委託契約は172件で、対象者は数万人になると言われています。
Q 都としても、公契約条例の制定を目指し、業界団体、労働者団体等との条例制定検討会議の設置を始め、条例制定に向け一歩踏み出すよう求めますが、いかがですか。
最後に、契約問題に関連して、民間企業への幹部職員の天下り問題についてです。
東京都は、「幹部職員の再就職状況」を公表しています。それによれば、2008年8月から2013年7月までの最近5年間で、都庁を退職した局長および部課長を合わせた635人が、ゼネコンなど民間企業や都の外郭団体に再就職、いわゆる天下りをしています。
都は、この天下りについて「職員が在職中に培った知識や経験を、様々な分野で活用することは社会の要請に応じることでもあり、有意義」との認識を明らかにしています。その上で、退職予定者の意向、監理団体、民間企業等からの求人情報、人材推薦等を一元的に管理するとして、「都庁版人材バンク」の仕組みをつくっています。
Q 都は、民間企業への天下りの「ルール」として、公正な都政運営に疑念を持たれることのないよう、退職後2年間は退職前5年間に担当した職務に関連する営業活動に職員を従事させないこととするなど、企業等との関係を厳正に保つ仕組みを設けています。再就職先での職務について、都としてどのようなチェックが行われているのですか。
Q 「幹部職員の再就職状況」によると、最近5年間の民間企業への再就職者は130人です。さらにそこから、民間企業名を公表している4年間の再就職状況をみると、たとえば特定の職務ついてはゼネコンに再就職するなど、あたかも民間への再就職ルートが事前に決まっているかのような事例が見受けられます。このような事例について、都は、どのように認識しているのですか。
Q この5年間で、都の外郭団体へは、局長および部課長505人が再就職しています。さらにそこから他団体、民間企業への再度再就職しているケースはありますか。そのケースについて、ルールを改善することについては、どのようなお考えですか。少なくとも、実態を公表してはどうですか。
Q 外郭団体に再就職してから、さらに民間企業への再度再就職しているこの5年間の実態として、都庁退職時の氏名、職名、退職日、再就職日、団体名と役職名、団体の退職日、再々就職先名と役職名、再々就職日などを明らかにするよう求めます。
以上
た賃金に対し、発注者である都が関与することの是非や都が設定した賃金水準が企業の経済活動にどのような影響を与えるのかなど、労働政策や産業政策の観点から整理、検討すべき課題がある」との見解を示していますが、これらの点について、条例制定をしている自治体のように、実際に法律、WTO政府調達協定にかかわる見解について実際に国等に問い合わせ、国の見解を得た上での都の見解ですか。お答えください。
Q これまで、財務局は、契約にあたって「最低賃金法を遵守して労働者の賃金を定めた中小企業が、公契約条例で設定された賃金条件のために入札に参加できなくなるような状況というものを、私どもは容認すべきものではない」という見解を示してきました。
ということは、都の建設工事の予定価格については、労務単価は、公共工事労務単価を基準にするのではなく、最低賃金を上回るものが支払われれば入札の公平性を担保するものとして、公共工事設計労務単価ではなく、最低賃金を基準に算定をしているということですか。明確にしてください。
Q 労務単価については、低入札価格調査の調査項目の一つとなっていていても、都がその基準としている最低賃金で調査していれば、公共工事設計労務単価と最低賃金は大幅に乖離しており、最低賃金に違反していない以上、問題ないと公言しているも同じです。これでも、問題ないとの認識ですか。
Q 都が発注する大型建設工事を請け負うのは、いわゆるゼネコン、中小企業でなく大企業です。ところが、実際の建設工事をおこなう労働者は、数次の下請け企業が契約する建設労働者です。東京都においては、こうした下請け労働者にたいして、実際の労務費については把握もしていないということですか。
Q 都の業務委託契約も大きな問題をかかえています。それは、たとえば今年度の墨東病院の清掃業務の入札価格が、他社平均の47%で入札され、最低入札価格制限もなく、低入札価格調査制度もなく落札されることができるからです。しかし、この契約のもとで働く労働条件の低下、労働環境の悪化が問題になっています。都として、どう認識しているのですか。
公契約条例を実際に施行している川崎市は、法律上の問題を国に確認した上で、条例制定をしています。その上で、市発注の予定価格1000万円以上の清掃・警備・事務など業務委託契約、予定価格6億円以上の工事請負契約を対象に、市が定める額以上の賃金を労働者に支払い、市発注の仕事の場でワーキングプアをつくらせないとしています。市が定める最低基準の賃金は、業務委託契約では生活保護基準をもとに、建設工事では公共工事設計労務単価をもとに、それぞれの作業報酬下限額を定めています。
生活保護基準から算出している賃金基準は、最低賃金が生活保護基準を下回っているため、最低賃金を上回っています。建設工事の賃金基準は、公共工事設計労務単価ですから、大幅に最低賃金を上回っています。なおかつ、下請けで働く作業者について、この条例が適用されています。
2013年度の契約件数は、工事請負契約は17件、業務委託契約は172件で、対象者は数万人になると言われています。
Q 都としても、公契約条例の制定を目指し、業界団体、労働者団体等との条例制定検討会議の設置を始め、条例制定に向け一歩踏み出すよう求めますが、いかがですか。
最後に、契約問題に関連して、民間企業への幹部職員の天下り問題についてです。
東京都は、「幹部職員の再就職状況」を公表しています。それによれば、2008年8月から2013年7月までの最近5年間で、都庁を退職した局長および部課長を合わせた635人が、ゼネコンなど民間企業や都の外郭団体に再就職、いわゆる天下りをしています。
都は、この天下りについて「職員が在職中に培った知識や経験を、様々な分野で活用することは社会の要請に応じることでもあり、有意義」との認識を明らかにしています。その上で、退職予定者の意向、監理団体、民間企業等からの求人情報、人材推薦等を一元的に管理するとして、「都庁版人材バンク」の仕組みをつくっています。
Q 都は、民間企業への天下りの「ルール」として、公正な都政運営に疑念を持たれることのないよう、退職後2年間は退職前5年間に担当した職務に関連する営業活動に職員を従事させないこととするなど、企業等との関係を厳正に保つ仕組みを設けています。再就職先での職務について、都としてどのようなチェックが行われているのですか。
Q 「幹部職員の再就職状況」によると、最近5年間の民間企業への再就職者は130人です。さらにそこから、民間企業名を公表している4年間の再就職状況をみると、たとえば特定の職務ついてはゼネコンに再就職するなど、あたかも民間への再就職ルートが事前に決まっているかのような事例が見受けられます。このような事例について、都は、どのように認識しているのですか。
Q この5年間で、都の外郭団体へは、局長および部課長505人が再就職しています。さらにそこから他団体、民間企業への再度再就職しているケースはありますか。そのケースについて、ルールを改善することについては、どのようなお考えですか。少なくとも、実態を公表してはどうですか。
Q 外郭団体に再就職してから、さらに民間企業への再度再就職しているこの5年間の実態として、都庁退職時の氏名、職名、退職日、再就職日、団体名と役職名、団体の退職日、再々就職先名と役職名、再々就職日などを明らかにするよう求めます。
以上