植木こうじ(日本共産党・中野区選出)
福祉インフラ整備について
高齢者福祉について
中小建設業支援について
雇用対策について
都市づくりについて
防災対策について
教育条件整備について
多摩地域の医療の充実について
新国立競技場について
安保法制・戦争法案について
横田基地へのオスプレイ配備について
【答弁】
知事
教育長
福祉保健局長
都市整備局長
財務局長
交通局長
水道局長
下水道局長
産業労働局長
総務局長
再質問
【再質問答弁】
日本共産党都議団を代表して、質問します。
はじめに、都政の緊急課題となっている少子高齢社会対策です。
(認可保育園、特養ホームの整備について)
知事は所信表明で、この間、都有地を活用した福祉インフラ整備が進んでいることにふれ、都立公園で緑を守りながら保育園などを整備していくことも含め、今後も積極的に都有地の活用を図っていくことを表明しました。
保育園の利用を希望する人は増えつづけています。派遣会社に登録しているお母さんは、仕事の依頼は来ているのに、保育園が決まらなければ断らざるを得ない、次に仕事が来るかと不安な日々を過ごし、何とか小規模保育に預けることができた、認可保育園を増やしてほしいとつよく訴えていました。
認可保育園への申し込み者数を調べましたが、昨年と比較できる16の特別区の0歳児だけで、1,300人以上増えています。待機児童数も、回答があった42区市町村では昨年とほぼ同じです。東京全体の待機児童は昨年なみの約8000人におよぶものと見込まれます。
子育てしながら働きつづけられる社会をつくるために、保育園整備のテンポをさらに引き上げることが必要です。
東京では今後、高齢者も急増します。高齢化率は現在の20%が、10年後には25%に達し、65歳以上の都民が約332万人にもなります。特養ホームなどの整備をはじめとした介護体制充実は、まさに待ったなしの課題です。
知事は、これらの問題の解決への取り組みをどう強化するのですか。保育園の待機児童を4年間でゼロにする、特養ホームを10年間で約1万8千人分増やすという目標を、どのように達成するのか、改めて知事に伺います。
(都有地、国有地等の活用について)
福祉インフラ整備促進にむけた都有地貸付賃料の引き下げが行われたのは、昨年の8月からです。また、定期借地への一時金補助は国有地にも広がり、国有地・民有地を借りた場合の賃料補助も始まりました。これらの制度を活用した実績がどこまで進んでいるのですか。そして、今後の取り組みをどう進めていくのか、明らかにして下さい。
都営住宅については、清瀬市の中里団地をはじめ、未利用になっている用地があり、活用が急がれています。そこで質問します。
知事は昨年7月末、30ヘクタールの都営住宅・公社住宅用地を提供すると発表しました。先の第1回定例会で、中野の広町公社住宅など3カ所の公社住宅建て替えに伴って特別養護老人ホーム等を整備することが明らかにされましたが、都営住宅用地の活用については、具体的取り組みがいまだ示されていません。都営住宅および公社住宅用地を、今後、いつ、どのように提供していくのですか。
今定例会に提出されている契約議案だけでも、警察署などの移転改築にともない、港区と渋谷区の2カ所の都有地が活用可能となります。跡地は財務局に移管される予定だと聞いています。早期に関係自治体に情報提供し、福祉インフラ整備に活用することを求めるものですが、いかがですか。
知事は、交通局の用賀寮跡地が、公営企業用地を活用した福祉インフラ整備の第一号だと述べました。交通局の引き続く取り組みとともに、水道局、下水道局の未利用地も、福祉インフラ整備に最大限活用することを求めるものですが、各局の取り組みの状況と考え方を伺います。
国有地の活用促進は、福祉インフラ整備を進めるカギのひとつになっています。廃止予定の宿舎など、都内の利用可能な国有地は、今後の利用に向け準備が整い、地元区市町村に意見照会されると見込まれるものが55カ所あります。
しかし、面積が広く、価格が高い場合、地元区市町村は、保育園や特養ホームに活用したいと思っても、購入するにしても借りるにしても、なかなか手を上げることができません。都が地元自治体と速やかに相談し、都の用地会計でいったん買いとることなどの支援に踏み出すよう求めておきます。
(貧困対策について)
高齢者福祉の拡充も急務です。
知事は所信表明で、高齢者保健福祉計画に触れ、成熟都市にふさわしい施策を展開すると述べました。
進めるべき課題はたくさんありますが、中でも貧困対策は重要です。日本の高齢者の貧困率は19・4%とOECD平均の倍近くに上ります。東京の国民年金の平均受給額は月5万4千円にしかなりません。病院に行けばわずかな貯金がなくなってしまうからと病気になっても我慢している、オムツが濡れて冷たくなってもヘルパーの訪問回数を増やせないためそのまま我慢している、食費を抑えるため宅配弁当を3回に分けて食べているなど、深刻な事態が広がっています。
その上、国は年金の削減や生活保護基準の引き下げを行っており、2年後には消費税増税を強行するとしています。国の悪政が高齢者の貧困を深刻化させる中、都として思い切った手立てを取らなければ「世界一の福祉先進都市」を実現することなどできません。
知事自身が開催した「福祉先進都市東京に向けた懇談会」で報告した当時国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩さんは、高齢者の貧困の深刻さを強調し、すべての施策に貧困層の視点が必要だと述べました。
しかし、高齢者保健福祉計画では、貧困の深刻化への視点はきわめて弱く、低所得者向けの施策も多くが従来の延長線上のものにとどまっています。
知事、東京都は都民の福祉の増進に責任を持つ地方自治体として、貧困対策を高齢者福祉の柱にすえ、抜本的な強化を進める必要があるのではありませんか。
(認知症高齢者グループホームの整備について)
激増する認知症への対策の充実も求められています。
2025年には東京の認知症の高齢者は60万人になると推計されています。東京はひとり暮らしの高齢者が多く、とりわけそうした方が認知症になると、支援が不十分な中で日常生活が困難になることが少なくありません。徘徊をくり返し、何度となく保護される高齢者をかかえる家族の生活は、極限状態に追い込まれています。それだけに、特養ホームとともに認知症高齢者グループホームの増設が求められています。
グループホームは少人数でそれぞれが役割を持って共同生活をすることで連帯感や良い意味での緊張感が生まれ、生活能力、認知能力の維持につながります。共同生活そのものがリハビリの役割を果たすとも言われており、グループホームの役割はますます重要です。しかし、高齢者人口当たりの定員数は、東京都は47都道府県中最下位です。
認知症の介護におけるグループホームの重要な役割と、都内の整備状況をどう認識していますか。知事が長期ビジョンで、11年間に定員を1万人分増やして倍増させる目標を掲げたことは前進ですが、目標を達成するためにどう取り組んでいくのですか。
グループホームは小規模で運営の厳しい事業所が多く、日本認知症グループホーム協会の調査では4分の1以上が赤字です。さらに政府が介護報酬を5・7%と大きく引き下げたことが経営を困難にしています。これでは介護職員の確保も難しく、増設は進みません。都として運営費の補助に踏み出すべきではありませんか。
次に、経済政策です。
経済政策で、都が何よりも力を注ぐべきは、都内産業の99%をしめる中小企業への支援、正規雇用の拡大、賃金アップ、雇用ルールの厳守などにより、実体経済を活性化することです。この立場から、まず、中小建設業への支援について伺います。
老朽化が進む木造住宅やマンションの耐震化、長寿命化など既存住宅の有効活用が求められています。また、高度成長期に建設された公共施設や道路・橋梁など社会資本の老朽化対策費は東京都だけでも二〇年間で六兆円規模という膨大なものになります。それだけに建設産業、とりわけ地域社会に密着した中小建設業の役割が重要だと思いますが、知事はどう認識していますか。
都内の産業別倒産件数にしめる建設業の割合は2014年で14%と、サービス業・卸売業に次ぐ高さで、就業者も激減しており、このままでは、住宅や社会資本の耐震化、長寿命化に支障をおよぼす恐れがあります。にもかかわらず都の長期ビジョンにも産業振興基本戦略にも建設産業の振興策はありません。建設業振興の担当部署もありません。
一方、国土交通省は、担当部署を設置し、企業の連携による新技術開発や複数の技能を身につけた人材育成などの地域建設業支援を実施しています。
高知県では、「建設業活性化プラン」を作成し、専門家のアドバイスで新技術開発や経営改善を支援する窓口を設置しているのです。
都としても、中小建設業の育成、活性化、技能労働者の確保などの振興策を早期につくり、建設業振興の担当部署および相談支援窓口を設置すべきと思いますが、知事、いかがですか。
建設産業の担い手確保・育成のためには、賃金単価の適正な引き上げや下請け企業に対する適正な価格による契約などが重要だと思いますが、見解を伺います。
都の公共工事では、予定価格の積算基準となる設計労務単価が引き上げられていますが、低賃金構造の改善はそれだけでは進みません。
現に、全建総連東京都連が行った昨年五月の調査では、都が設計労務単価を二度引き上げたあとでも、大工の一日の常用賃金は四%しか上がらず、設計労務単価と実際に支払われた賃金との差額が七九八五円と広がっています。低賃金構造の克服には、契約段階で賃金の下限額を設定する公契約条例が欠かせなくなっているのです。
都として公契約条例の検討を進め、制定に前向きに取り組むよう求めておきます。
雇用対策では、知事が取り組んでいる「非正規労働者の正規化への支援」とともに、正規でも若者を使いつぶすブラック企業や、学生を違法な雇用で酷使するブラックバイトの対策も急がれています。
国会では若者たちの切実な声と世論に押され、ブラック企業規制を定めた「青少年雇用促進法」が成立目前ですが、具体化がすでに始まっています。一カ月に百時間を超える残業を行わせ、労働法に違反して働かせた労働者が十人以上にのぼるなどの違法行為をした大企業に対し、是正勧告や企業名の公表などを行うこととしています。
国がブラック企業の規制に踏み出したことを、知事はどう受け止めていますか。国の規制がより実効性を発揮できるよう、都としてもブラック企業対策に取り組むことが重要と考えますがいかがですか。
ブラックバイトも社会問題になっています。弁護士や青年ユニオンなどが発表した全国の学生3600人対象のアンケート調査では、アルバイトで不当な扱いを受けた学生は7割、うち半数は泣き寝入りさせられています。学業に影響したという学生も4割で、学生の法律への知識が不十分なことを企業側が悪用している例も多いと指摘されています。
私たちの調査でも、学習塾講師のアルバイトは、賃金は授業時間分のみで、準備や片付けは不払い労働とされ、実質は最低賃金以下の時給七百円台となる例がほとんどでした。またファミレスやコンビニのアルバイトの多くも、試験時期に休暇もとれず、深夜まで長時間の一人勤務をさせるなど、正規の店長並みの責任を負わせている実態があります。
知事は、学生や高校生の勉学やくらしに悪影響を及ぼし、違法な働かせ方がまん延しているブラックバイト問題を、どうとらえていますか。
都として学生や高校生のアルバイトの実態調査や、大学への出張相談を行うとともに、問題がある場合は雇用主との交渉に解決まで立ち会うなど、ブラックバイトの根絶に全力で取り組むべきです。お答え下さい。
都市づくりについて
次に、都市づくりについて伺います。
知事が、「自動車優先の社会から、自動車だけでなく、自転車、歩行者が共存するディモータリゼーション社会へと変えていかなければならない」と述べたことは重要ですが、一方で都は大型道路の新規建設を次々に進めています。
フランスでは、環境保護を重要な交通政策課題とし、温室効果ガス削減目標を掲げ、「道路建設を凍結し、軌道系公共交通の拡充を行う」ことを決め、「トラム(路面電車)の再整備」と「自転車の利用」が具体的な公共交通の利用促進策として進められています。
東京都も持続可能な都市づくりを進めるために、何よりも道路建設最優先の立場を改めることが求められているのではありませんか。その上に立って公共交通や自転車、歩行者交通対策の強化を重視した取り組みにすることが重要と考えますが、知事の認識を伺います。
都は、第4次都市計画道路整備方針の中間のまとめを公表しました。
東京の都市計画道路の大半が、戦後復興期や高度成長期につくられたもので、計画決定後、半世紀から70年近くも着手されない路線が多数あります。にもかかわらず、前回の第3次事業化計画では、一路線を廃止しただけでした。都は、今度は15の検証項目で必要性を確認するとしていますが、さまざまな理屈をつけて、ほとんどの都市計画道路が必要だとされかねないものになっています。
大阪府では、同等の機能を持つ代替道路があるか、地域の期待や合意形成があるかなどの見直し項目を設け、165路線260キロを廃止しています。京都府でも住民生活を守る立場に立った見直し指針を示したことで、京都市内の都市計画道路は約1割に当たる55キロが廃止されています。
都も、都市計画道路を大胆に見直すべきです。そのためにも、検証項目の中に、「代替性」や「緊急性」「実現性」「環境への影響」「住民合意」などを加えて検証すべきではありませんか。
防災対策でも、都は道路建設中心ではなく、建物の耐震化と出火防止という予防対策を重視すべきです。
国は、建築物の耐震化、火災対策はあらゆる対策の大前提だとし、「首都直下地震緊急対策推進基本計画」で、最悪約6,400人と見込まれる建物倒壊による死者を減らすための目標値を定めました。改めて、わが党が提起してきた木造住宅耐震化助成事業の拡充を求めるものです。それぞれお答え下さい。
「首都直下地震緊急対策推進基本計画」は、火災対策について、電気に起因する出火の防止がきわめて重要とし、延焼のおそれのある著しく危険な特定地域では、地震の際、自動的に電気を遮断する「感震ブレーカーの普及率25%を目指す」と、具体的数値目標を初めて明示し、モデル地域を設定して普及するとしています。国のこうした方針をどう受け止めますか。都として感震ブレーカーの25%普及をどう達成させるのですか。
経済産業省の意識調査によると、電気火災について、「聞いたことはあるが良く知らない」「聞いたことはない」という人が6割以上、感震ブレーカーを「知らない」という人も7割以上をしめています。電気火災が地震火災の最大の出火原因となっていること、電気火災がなぜ発生するのか、そして感震ブレーカーの効果などについて、分かりやすく都民に伝えることが大切です。
作成中の「防災ブック」などへの記載をはじめ、普及啓発を強化すべきですがいかがですか。
横浜市は普及促進のため設置費用の補助制度を設け、高知県と四万十市では市内の住宅密集地区約3100戸に「感震ブレーカー」を無料で取り付けることを決めました。
都としても、住宅密集地域をはじめとした区市町村、設置を希望する町会・自治会などへの財政支援を検討すべきです。いかがですか。
次に、教育条件整備について伺います。
小中学校での35人学級の拡大は、特別な支援や配慮を必要とする子どもや、貧困などさまざまな困難を抱えている子どもが増えるなかで、ますます切実な要望となっています。
都教育委員会は、現在小学校1、2年生および中学校1年生で実施している35人学級について「学校からは、授業中の学習態度など、児童生徒の状況が改善されたという肯定的な意見が回答されている」としています。
学校現場や保護者をはじめとする都民からは「何かと対応が難しくなる3年生以降にも早急に少人数学級を拡大してほしい」との声が広がっています。
全国でも、すでに10府県において小中学校全学年で独自の少人数学級を実施しており、全国知事会も国に対し少人数学級推進を要望しています。
今年2月の国会で、わが党の少人数学級の推進を求めた質問に対し、安倍首相は「小学校1年生、2年生では、実現しているわけでありますが、さらに35人学級の実現にむけて鋭意努力していきたい」と答弁しました。また、下村文科大臣が、今月5日の衆院文部科学委員会において、小中学校での35人学級の推進について「定数改善を早急に進めたい」と答弁したことは重要です。知事は、こうした政府の対応についてどう受け止めていますか。
国に対し35人学級の推進を求めるとともに、都自ら、小学校3年生から順次少人数学級を進めるべきではありませんか。
多摩地域の課題について伺います。
420万人が住む多摩地域には、様々な問題で区部や同レベルの人口を抱える県との格差があります。とりわけ医療の問題では大きな立ち遅れが起こっています。
多摩地域の人口は、静岡県より多く、福岡県に次ぐ全国10番目に相当する人口ですが、人口当たりの病院数や医師数のいずれもが都全域はもちろん、全国平均をも下回っています。知事は、こうした状況をどう認識し、どう打開するのですか。
高齢出産や低体重児の増加などにより、NICU、新生児集中治療室の整備が急務となっています。都内のNICU病床数は現在315床ですが、2019年までに320床にする、つまりあと5床増やすだけとしているのです。しかし、出生数1万人に対し30床のNICUを整備するという都の目標からすると、多摩地域には100床必要ですが、現在69床にすぎません。これでよいのでしょうか。
多摩地域より人口が50万人も少ない静岡県には98床、人口507万人の福岡県には189床のNICUがあります。多摩地域のNICU整備の立ち遅れを改善するため、大幅な増床を進めるべきですが、いかがですか。
次に、新国立競技場についてです。
下村文部科学大臣が知事との会談で、根拠も示さずに整備費の一部の東京都負担を要請するとともに、いまになって工期が間に合わない、整備費がふくらむと言いだした無責任ぶりに、都民やマスコミから厳しい批判の声があがっています。
都はこれまで、文科省の巨大競技場計画に追随、協力してきましたが、知事がこうした文科省の姿勢を厳しく批判し、情報の全面公開など積極的に求めたことは重要です。
多くの建築家が指摘しているように、整備費をふくらませ、工期も間にあわなくなった最大の原因は、鉄骨の量が東京タワー5基分になる巨大なキールアーチ構造にあります。オリンピック・パラリンピック成功にむけ、新国立競技場問題のゆきづまりを打開するためには、この構造を見直すことが避けて通れません。知事どう考えますか。
槇文彦氏をはじめとする建築家グループは、工期も費用も圧縮できる具体的な対案を示しています。文科省が、こうした専門家の提案に耳を傾けるよう働きかけるべきです。知事、お答え下さい。
東京都への財政負担要請に対し、知事が「国立競技場は国立である以上、その建替えは原則として国の費用で行うべき」との姿勢を示したことは当然です。同様に周辺整備についても原因者である国の責任で行うのが原則です。オリンピック・パラリンピックで都が担う競技場などの整備費・用地費は、選手村を含めれば現在明らかにされている2787億円にはとどまりません。その上、新国立競技場の整備費まで負担することは財政的にも困難であり、都民の理解は得られません。知事、いかがですか。
文科省が都に負担を押し付けるために一方的に法改定まで行うとしていることは重大です。知事も指摘しているように、憲法では、一つの地方公共団体のみに適用される特別法の制定は、住民投票を行い過半数の同意が必要という厳しい条件を課しています。知事、法改定の動きについてどう考えますか。法改定は許されないことを政府にはっきり言うべきですが、いかがですか。
安倍政権が進めている安保法制、戦争法案について質問します。
国会審議を通じて、この法案が「二度と戦争しない」と誓った憲法9条を根本から破壊して、アメリカの起こす戦争に自衛隊がいつでもどこでも参加、支援するための戦争法案であることが明らかになりました。
すなわち、第一に、集団的自衛権の行使を容認し、日本に対する武力攻撃がなくても他国のために武力行使をする、海外での武力行使に道を開くこと、第二に、戦闘地域にまで自衛隊を派兵し、米軍等への補給、輸送などの後方支援を行うこと、第三に、戦乱が続いている地域に自衛隊を派兵し、治安維持活動などに取り組むことができるようにすることなどです。
日本が武力攻撃を受けていなくても、アメリカによる無法な戦争に参加する、こんなことを許してはならないと思います。いま、「日本を再び戦争する国にするな」という、国民、都民の声が大きく広がっています。知事、平和と安全を守る立場に立って、ぜひ声をあげていただきたい。いかがですか。
今回の安保法制は、「集団的自衛権の行使はできない」といってきた、歴代政府の憲法9条解釈を一内閣の一方的判断でくつがえし、憲法の平和主義、国民主権、立憲主義を根底から破壊するものです。だからこそ4日の衆議院憲法審査会では、与野党が推薦した3人の憲法学者の参考人が、そろってこの法案を「憲法違反」と断言したのです。
知事は昨年、「憲法改正のオモテとウラ」という著作で、「憲法とは、主権者である国民が制定するもの」、立憲主義は「国家権力を制限することを目的とする」と立憲主義の重要性を強調しています。安倍政権の「戦争法案」は、立憲主義の否定、憲法違反そのものではないでしょうか。知事、いかがですか。
日本共産党は、安倍政権による憲法破壊の「戦争する国づくり」をめざす「法案」を今国会で通させないために、全会派・議員のみなさんに党派を越えての共同を呼びかけるものです。
横田基地へのオスプレイの配備も重大な問題です。
そもそも首都の住宅密集地に米軍基地がおかれていること自体、異常なことです。このため、横田基地周辺の住民は、激しい騒音や事故の危険に苦しめられてきました。過去にも米軍機墜落による死傷事件や、飛行中の部品の落下など、深刻な事故が繰り返されてきました。
アメリカ国内の基地は、安全確保のために滑走路から900㍍は施設建設を認めない「クリアゾーン」とし、さらに1500㍍までは事故可能性地域「APZ1(ワン)」に定め、住宅や学校、福祉施設などを設置してはならないとされているのです。ところが横田基地周辺には住宅、学校、保育園などが多数存在しています。政府も沖縄の普天間基地の移転を進める理由として市街地の真ん中にあるから危険だということをあげているのです。
知事は、こうした横田基地をめぐる状況、危険性をどう認識しているのですか。
いまでも危険な横田基地に、繰り返し重大事故を起こしている欠陥機オスプレイが配備されるのです。しかも、その欠陥機オスプレイが、夜間訓練や旋回訓練だけでなく、最も高い障害物からわずか30㍍、あるいは60㍍という、超低空飛行訓練を行うことが、国会でのわが党の質問で明らかになりました。墜落事故の危険は、きわめて現実的なものです。知事は、そのことを、どう考えていますか。
知事は、国の責任で「都をはじめ地元自治体や住民に十分な説明責任」を果たすよう求めていますが、説明責任が果たされるどころか、ハワイで訓練中のオスプレイが墜落し、2人の死亡と多数の負傷者を出した最近の事故の原因さえ明らかにされないままに、オスプレイが横田基地に次々と飛来していることを、どう考えているのですか。
少なくとも、米軍のいう安全性について納得のいく説明がされ、地元自治体や住民が納得するまではオスプレイの飛来は許されないことを、知事として国と米軍に強くもの申すべきではありませんか。
横田基地が立地する福生市長は、オスプレイ配備は「受け入れがたい」と防衛省に直接はたらきかけ、市議会も「配備計画の再検討」を求めて全会一致で決議をあげています。周辺市や議会からも、「あんなに落ちる飛行機では困る」など危惧する声が広がっています。知事、オスプレイ配備を危惧する周辺自治体の首長や議会と連携すべきではありませんか。
知事は、「安全保障は国の専管事項」だとくり返し発言していますが、都民のいのちと安全を守るのが知事の責務ではありませんか。オスプレイの横田基地への配備によって、都民のいのちと安全が、明らかに脅かされるのです。沖縄でも、岩国でも、知事や市長は、米軍機の新たな配備の中止を求めてきました。国と米軍に対して、東京都知事として、オスプレイ配備反対をきっぱり申し入れるべきです。いかがですか。
横田基地に米空軍のCV22オスプレイが配備されれば、特殊作戦部隊に所属する400人もの軍人・軍属が新たに配置され、特殊作戦の出撃拠点になります。都が掲げてきた基地の整理・縮小・返還どころか、基地機能がますます拡大・強化され、恒久基地化につながりかねない重大事態ではありませんか。
いまこそ、基地機能強化に反対し、都として横田基地の整理・縮小・返還を強力に進めるべきと思いますが、知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。
以上
〇知事 植木こうじ議員の代表質問にお答えいたします。
まず、福祉サービス基盤の整備についてでございますが、昨年策定した長期ビジョンでは、区市町村のサービス見込み量を踏まえまして、平成二十九年度末までに保育サービスを四万人分、特養は平成三十七年度末までに定員六万人分にふやすことを目標といたしました。
知事に就任以来、福祉サービス基盤の整備を促進するために、施設整備費や賃借料の負担軽減など、さまざまな支援策を講じておりまして、今後とも、目標の達成に向けて、区市町村や事業者を支援してまいります。
高齢者福祉についてでございますけれども、高齢者の生活実態はさまざまでありまして、低所得の方がおられることは十分承知しております。
第六期の高齢者保健福祉計画は、こうした高齢者の生活実態を踏まえて策定しておりまして、介護サービス基盤の整備、在宅療養や認知症対策、介護人材確保の推進、介護予防と支え合う地域づくり等を重点分野に位置づけ、その中にさまざまな低所得者対策を盛り込んでございます。
次に、若者のアルバイトについてですけれども、若者がアルバイトを経験することは、見聞を広め、その後の人生に有益なものとなります。
しかしながら、学生が法令に反した労働条件での勤務を強いられ、学業に支障を来すことはゆゆしき問題でございます。
雇用形態を問わず、労働関係法令を遵守することは、企業の当然の責務でありまして、法令に違反する企業に対しては、法に基づき、国が指導や取り締まりを実施しております。
都は、職場でトラブルを抱えた方への支援や、労働関係法令の普及啓発などの役割を担っておりまして、労働相談を実施するとともに、企業に対するリーフレットの配布やセミナーの実施、学生向けの解説冊子やトラブル事例を紹介した動画の提供などを行っております。
都としては、今後とも、こうした取り組みを進めてまいります。
新国立競技場の整備にかかわる建築家の提案についてでございますけれども、新国立競技場の整備については、建築の専門家などがさまざまな提案を行っていることは聞いております。
最も重要なことは、国が国の責任において予定の期限までに新国立競技場を完成させることであります。
新国立競技場の整備費用に関する都負担についてでございますが、今般、文部科学大臣から新国立競技場の整備費用について負担の要請がございました。
その際、不明であった工期や総工事費、都民が納得する都負担の根拠など全体像を明らかにするように、現在、国に対して求めておりまして、今後、その情報を踏まえて検討してまいります。
法改正の動きについてでございますけれども、法改正の検討について文科大臣が言及したことは報道で承知しておりますけれども、国から何の説明も受けておりませんし、内容も承知していないため、お答えのしようがございません。
安保法制についてでありますけれども、常々申し上げていますように、安全保障は国の専管事項であります。
その上で、あえて申し上げれば、平和とは、ただ望めば手に入るような簡単なものではございません。国際情勢も踏まえ、十分な議論が国権の最高機関たる国会の場でなされることが重要でございます。都知事として、何かをいうという考えはありません。
安保法制と憲法についてでありますが、昨年も同様なご質問をいただいたと思いますが、ご質問にありました私の著作ですが、これは私が自民党の新憲法起草委員会の事務局次長を務めて、第一次改正草案をつくったときの経験をまとめた本でございます。
集団的自衛権の行使を憲法に明記するのか、解釈で可能にするのかは、人によってそれぞれ意見があると思います。
憲法以前の問題として、個人が自然権として自衛の権利を持っているように、国家もまた憲法以前の権利として自然権を持っております。さらにいえば、国連憲章には、全ての国が個別的及び集団的自衛権を持っているということが明記をされております。
繰り返しになりますけれども、いずれにしましても、安全保障や憲法については、国の根幹にかかわる問題でありまして、国民の代表である国会議員の皆さんが国権の最高機関である国会の場でしっかりと議論すべきものだと考えております。
オスプレイの配備についてでありますが、何度も申し上げますように、安全保障に関することは国の専管事項でありますが、米軍の運用に際しましては、地元住民の生活への最大限の配慮が必要でございます。
横田基地へのオスプレイ配備につきましては、都は、国の責任において、地元自治体や周辺住民に対して十分な説明責任を果たすとともに、安全対策の徹底と環境への配慮を米国に働きかけることを既に要請しております。
今後も、都民の生命と安全・安心を守る立場から、国に対して必要なことは申し入れていくことを決意してございます。
なお、その他の質問につきましては、教育長及び関係局長が答弁をいたします。
〇教育長 二点の質問にお答えいたします。
まず、少人数学級に係る政府の対応に対する見解についてでありますが、義務教育については、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任が大きいと考えており、引き続き国の動向を注視してまいります。
次に、少人数学級の拡大についてでありますが、都教育委員会は、小一問題及び中一ギャップの解決のため、小学校第一学年、第二学年及び中学校第一学年において三十五人学級編制を可能としております。
なお、義務教育における今後の学級編制のあり方は、教育の機会均等や全国的な教育水準維持の観点から、国の責任が大きいと考えております。
〇福祉保健局長 五点のご質問にお答えをいたします。
まず、福祉インフラの整備についてでありますが、都は昨年八月、福祉インフラ整備のための都有地貸し付けに当たり、都内平均地価を超える部分について、減額率を九〇%に拡大することといたしました。八月以降に行った公募は五件で、これまでに事業者決定を行ったのは三件、うち九割減額の対象となった案件は一件でございます。
また、昨年度の補正予算で国有地、民有地を借りた場合の賃料に対する補助制度を創設するとともに、これまで民有地を対象に行っていた定期借地権の一時金補助を国有地にも拡大しており、平成二十六年度の実績はそれぞれ九件、十二件となっております。
今後とも、これらの制度を活用し、福祉インフラの整備を促進してまいります。
次に、認知症高齢者グループホームの整備についてでありますが、認知症高齢者グループホームは、自宅での生活が困難になった認知症高齢者の居住の場として重要であり、本年四月一日現在で九千五百十五人分が開設されております。
都は、独自の支援策として、重点的緊急整備地域では一ユニット当たり三千万円、最大三ユニットで九千万円を補助するほか、小規模多機能型居宅介護などを併設する場合には一施設当たり一千万円の加算も行っております。
また、国が補助対象としていない、土地所有者が整備するオーナー型についても補助しており、長期ビジョンで示した平成三十七年度までに二万人分を確保するという目標達成に向け、整備を促進してまいります。
次に、認知症高齢者グループホームの運営についてでありますが、認知症高齢者グループホームは介護保険法に基づくサービスであり、介護報酬により運営されることが基本でございます。今回の報酬改定においても、介護職員の安定的な確保やさらなる資質向上を図るために、介護職員処遇改善加算やサービス提供体制強化加算の増額、夜間の支援体制の充実などが行われております。
都は、グループホームの整備を促進するため、先ほど申し上げたとおり、最大三ユニットで九千万円まで補助し、小規模多機能型居宅介護などを併設する場合に補助を加算するほか、オーナー型を補助対象とするなど、独自の支援を実施し、事業者の負担を軽減しております。
次に、多摩地域の医療提供体制についてでありますが、都は、都民に包括的な保健医療サービスを提供していくための地域的単位として、十三の二次保健医療圏を設定しております。区部、多摩地域を問わず、二次保健医療圏ごとに状況はさまざまであり、都は、各圏域の医療資源の状況、疾病や事業ごとの特性等を踏まえて、医療提供体制を整備しております。
最後に、多摩地域におけるNICUの整備についてでありますが、NICUは低出生体重児等の新生児に対して、呼吸管理等を初めとした専門医療を提供する場であり、新生児科医師の常駐や三床に一人の看護師の配置とともに、生命維持装置等の施設整備も必要でございます。
そのため、その整備に当たっては、搬送体制を整備しながら、限られた医療資源の集約化を図り、高度な医療を集中的に提供する体制を構築することが最も効果的であります。
こうした考えに立って、本年三月に改定した東京都周産期医療体制整備計画においても、引き続き都内全域を一つの圏域として整備目標を定め、出生数の推計等も踏まえ、NICU病床三百二十床を確保することとしております。
〇都市整備局長 十二点のご質問にお答えいたします。
まず、福祉インフラ整備のための創出用地の提供についてでございますが、都営住宅や公社住宅の建てかえに当たっては、関係局や区市町村と連携しながら、創出した用地等を活用して、福祉施設の整備を促進しております。
候補地の提供等は、区市町村との協議を経て行うこととしておりまして、既に協議が調った公社住宅の三カ所において取り組みを進めております。
今後とも、関係局と連携しながら、区市町村との協議を行ってまいります。
次に、中小建設業の役割についてでございますが、建設業は、東日本大震災に係る復興事業、耐震化や不燃化など首都直下地震に対する備え、インフラの維持管理などの担い手として、その果たすべき役割はますます増大しております。
この中でも、地域の実情に精通し、東京のまちづくりに貢献してきた中小建設業は、こうした取り組みを着実に進める上で重要な役割を担っているものと認識しております。
次に、中小建設業の振興についてでございますが、建設業の振興は、まず業界みずからが取り組む課題でございます。
都としては、若年技術者の育成、確保の状況を経営事項審査における加点対象とすることにより、都における入札参加資格が優位となる優遇措置を講じ、業界全体の健全な発展を促しております。
また、中小企業対策の一環として、経営相談、資金繰り支援、職業訓練を通じた建設労働者の育成なども行っております。
引き続きこうした取り組みにより、中小建設業の振興を図ってまいります。
次に、建設産業の担い手の確保と育成についてでございますが、平成二十六年の建設業法の改正におきまして、建設工事の担い手の育成と確保が建設業者の責務として位置づけられております。
これを受けて、都は、技能労働者への適切な賃金の支払いとともに、下請契約及び下請代金支払いの適正化等について、法改正の趣旨が徹底されますよう各建設業界団体宛てに要請しているところでございます。
次に、公共交通などを重視した取り組みについてでございますが、都はこれまでも、パリなどの海外主要都市に比べて整備率が低い環状道路などの整備を推進し、都心部から通過交通を排除することにより、慢性的な渋滞の緩和や環境負荷の低減などに取り組んでまいりました。
その上で、限られた道路空間を活用して歩行者空間を拡大するとともに、自転車走行空間の確保や交通広場の整備による公共交通との乗りかえ改善などに取り組んでおります。
今後とも、道路や公共交通のネットワークの充実を図り、環境に優しく、誰もが使いやすい交通体系を構築してまいります。
次に、今後の都市計画道路の整備方針についてでございますが、区部及び多摩地域の都市計画道路は、これまで過去三回の計画の見直しにおきまして、社会経済情勢の変化に応じて、適時適切に路線の必要性の検証を行ってまいりました。
今回策定する整備方針におきましても、改めて将来における都市計画道路網の検証を行うこととしております。これまで、学識経験者による委員会等で検討を進め、本年五月、集約型の地域構造への再編や安全・安心な市街地の実現などに向け、必要性の検証項目などを中間まとめとして公表いたしました。
こうした考え方について、現在、パブリックコメントを実施しておりまして、今後、この結果を踏まえ、関係区市町とともに個々の路線の検証を行ってまいります。
次に、木造住宅の耐震化助成の拡充についてでございますが、都は、広域自治体として、東京全体の安全性を高める観点から、国や区市町村との適切な役割分担のもと、老朽木造住宅の密集度が高い地域として防災都市づくり推進計画に定める整備地域に的を絞って、木造住宅の耐震化助成を重点的に行っております。
こうした対応によりまして、震災時の住宅の倒壊による道路閉塞や延焼拡大を防止し、大規模な市街地火災による人的、物的被害を最小限に抑えることが可能となります。
引き続き、限られた財源のもと、防災対策上の優先度を考慮し、耐震化助成を効果的、効率的に実施してまいります。
なお、お話にございました国の目標値につきましては、三年前から都は耐震改修促進計画に掲げており、目標達成に向け、既に取り組んでいるところでございます。
次に、横田基地周辺の状況についてでございますが、横田基地の周辺地域におけます土地利用につきましては、航空法などの国内法の基準に適合するよう、国が適切に対応しているものと認識しております。
米軍の運用に当たりましては、安全面に最大限考慮を払うとともに、地元住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めるべきでございます。
このため、都は、地域に影響を及ぼす米軍の運用につきまして、国や米軍に要請を行っております。
次に、オスプレイの低空飛行訓練についてでございますが、国からは、米国は低空飛行訓練を含め、CV22オスプレイの我が国での訓練、運用に際しましては、MV22オスプレイに関する日米合同委員会合意を含む、既存の全ての日米合意を遵守する旨を明言していると聞いております。
MV22オスプレイに関する日米合同委員会の合意におきましては、地元住民に十分な配慮がなされ、最大限の安全対策がとられることのほか、低空飛行訓練についても、原則として地上から約百五十メーター以上の高度で飛行することとなっております。
次に、オスプレイの横田基地への飛来についてでございますが、ハワイにおけます事故については、国から米国側に対して事故原因を含めた関連情報を速やかに提供することを求めるとともに、国内の運用につきまして、引き続き安全面に最大限の考慮を払うよう申し入れていると聞いております。
米軍の運用に際しましては、地元住民への最大限の配慮が必要でございまして、国の責任におきまして、安全対策の徹底や地元への十分な情報提供が行われるべきものでございます。
都は、オスプレイの配備につきまして、十分な説明責任を果たすとともに、安全対策の徹底と環境への配慮等を米国に働きかけることを国に求めておりますが、今回の事故を受けて、早急な原因の究明と再発防止及び迅速かつ正確な情報提供を改めて申し入れたところでございます。
次に、周辺自治体との連携についてでございますが、横田基地へのオスプレイ配備につきまして、都は、国の責任において、都を初め地元自治体や周辺住民に対して十分な説明責任を果たすとともに、安全対策の徹底と環境への配慮等を米国に働きかけることを国に対して要請しております。
また、横田基地が所在する五市一町から成る横田基地周辺市町基地対策連絡会などにおきましても、都と同様の申し入れを行ってございます。
地元五市一町とは、基地に起因する問題を話し合うため、横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会を設け、定期的に会合を行っており、今後もそうした場などを活用いたしまして情報共有や十分な意見交換を行ってまいります。
最後に、横田基地の機能についてでございますが、横田基地は西太平洋地域の米軍の空輸ハブ基地としての役割を担っており、輸送部隊が駐留してございます。
国は、横田基地へのオスプレイ配備は、こうした輸送拠点としての機能の範囲内で行うものとしており、配備後におきましても、横田基地の空輸基地としての役割は変わらないものと認識しております。
米軍基地は、日米安全保障体制の一翼を担うものでありますが、日米地位協定に基づき、必要でなくなった場合は返還されなければならず、その必要性は絶えず検討されることとなってございます。
都としては、引き続き基地の返還の可能性が検討され、基地の整理、縮小、返還が促進されますよう国に要請してまいります。
〇財務局長 都施設の移転跡地の情報提供についてでございますが、都有地は都民から負託を受けた貴重な財産であり、都政の喫緊の課題解決のため最大限有効活用していくことが重要でございます。
都が抱える行政需要は、福祉施設の整備を初め、学校、道路、公園、都民の安全・安心にかかわる施設など多岐にわたっております。
今後とも、こうしたさまざまな行政需要に対し、土地の形状や立地等を踏まえ、個々の都有地の活用策を計画的に検討した上で、福祉インフラ整備に活用可能と判断される都有地につきましては、速やかに区市町村に対して情報提供を行ってまいります。
〇交通局長 福祉インフラ整備における交通局の取り組みの状況と考え方についてでございますが、交通局では、経営基盤の強化に資するため、未利用地の貸し付けを行う等、局有資産の有効活用を図っております。また、地域のまちづくりなど社会的要請に対応する観点から、昨年の福祉インフラ整備のための土地活用検討チームの議論も踏まえまして、このたび、用賀寮の跡地を活用することといたしました。
今後も活用可能な局有地の抽出を行った上で、地元区に情報提供を行い、要望のありました場合には適切に対応してまいります。
〇水道局長 福祉インフラ整備における水道局の取り組みの状況と考え方についてでありますが、水道局が保有する土地は局事業への活用が前提でありますが、これまでも活用見込みがない土地につきましては、庁内各局や区市町へ情報提供しております。また、各局や区市町から活用について要望があった場合には、局事業に支障のない範囲で対応しております。
今後とも、これらの取り組みを継続しつつ、福祉インフラ整備に関する土地活用方策などを踏まえ、適切に対応してまいります。
〇下水道局長 福祉インフラ整備における下水道局の取り組みの状況と考え方についてでございますが、下水道局が保有する土地は下水道事業への活用が前提でございまして、これまでも当局での活用の見込みがない土地については、庁内各局や区市町村へ情報提供しております。また、各局や区市町村から当局用地の利用について要望があった場合には、局事業に支障のない範囲で対応しております。
今後とも、これらの取り組みを継続しつつ、福祉インフラ整備に関する土地活用方策なども踏まえ、適切に対応してまいります。
〇産業労働局長 二件のご質問にお答えをいたします。
まず、若者の雇用環境についてでございますが、現在審議中の青少年雇用促進法は、若者の円滑な就職の実現を図り、能力を有効に発揮できる環境の整備につながるものでございます。
都といたしましては、こうした動向も踏まえつつ、労働関係法令の普及啓発を図るとともに、労働相談を適切に実施してまいります。
次に、アルバイトでのトラブルについてでございますが、都の労働相談や都内大学に寄せられた情報などから、学生のアルバイトに関するトラブルの状況について把握に努めております。
都は、学生、生徒向けの労働法の普及啓発冊子や大学に配布したポスターなどにより、働く際の注意喚起と相談窓口の周知を行っております。また、労働相談では、必要に応じまして、都が企業との間に入り、解決に向け支援をしております。
〇総務局長 防災対策についての四点のご質問にお答えいたします。
まず、予防対策を重視すべきとのお尋ねでございますが、都はこれまで、地域防災計画に基づき、初動体制の強化や被災者への物資供給といった応急復旧対策に加え、木造住宅密集地域の改善や道路ネットワーク整備など防災まちづくりを進めることにより、予防対策を着実に推進してまいりました。
また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を見据え、地域防災計画で掲げる予防対策の実効性の確保と、災害発生時の応急復旧対策の円滑化に向けた事前の取り組みをスピード感を持って推進するため、昨年末に東京の防災プランを策定いたしました。
今後とも、予防対策から応急復旧対策まで切れ目なく防災対策を推進してまいります。
次に、感震ブレーカーの普及についてでございます。
本年三月に閣議決定された首都直下地震緊急対策推進基本計画では、感震ブレーカー等の普及を加速させ、今後十年間で、延焼のおそれのある木造住宅密集市街地における普及率二五%を目指すとしております。
都といたしましては、建築物の耐震化、不燃化や木造住宅密集地域の改善などの取り組みに加え、家具類の転倒等防止対策や感震ブレーカー等の設置の普及促進などを多重的に推進してきており、引き続き、国の動向を注視しつつ、地域防災計画に基づくハード、ソフト両面の対策を推進してまいります。
次に、感震ブレーカーの普及啓発の強化についてでございます。
首都直下地震等による東京の被害想定では、区部の木造住宅密集地域を中心に、建物の倒壊や焼失による被害が想定されています。
このため、都は、ハード面の取り組みに加え、家具類の転倒等防止対策や感震ブレーカー等の普及促進などに取り組んでいます。
今後とも、こうしたソフト面の対策について、都民に向け、わかりやすい普及啓発を行ってまいります。
最後に、感震ブレーカーの設置に向けた取り組みについてでございます。
本年二月に国の検討会がまとめたガイドラインでは、感震機能つき分電盤に加え、コンセントタイプや簡易タイプなどさまざまな機器について、設置に当たっての留意点などが示されております。さらに、出火予防が期待される範囲や作動の信頼性がタイプごとに異なり、停電時の照明確保や維持管理など、使用上留意すべき点もさまざまであるとともに、漏電遮断器や消火器の設置などをあわせて行うことも必要とされております。
都といたしましては、引き続き、地域防災計画に定めますハード、ソフト両面の対策を推進してまいります。
まず、横田基地とオスプレイ配備について知事に再質問いたします。
横田基地の危険性の認識についてただしましたが、知事の答弁はありませんでした。
昨年、東京都が発行した東京の米軍基地二〇一四でどう書いているのですか。横田及び厚木飛行場は市街地に位置し、航空機による事故が発生すれば、周辺住民の生命や財産に直接損害を与える大惨事になりかねないだけに極めて深刻な問題であると述べているのですよ。知事、ご存じですか。
このような危険な基地に、欠陥機といわれているオスプレイの配備をやめるよう発言していくことは、都民の命と財産を守るべき知事の責務ではありませんか。お答えください。
次に、安保法制、すなわち戦争法案についてです。
衆議院の憲法審査会で、与野党推薦の参考人として招致された憲法学者三名全員が政府の法案は違憲だと述べ、うち二人の方は法案を撤回すべきと発言しています。九〇%の憲法学者が違憲だとしているのです。知事、憲法研究者として、違憲の戦争法案は撤回すべきとの声を上げるべきではありませんか。
知事は国会の十分な議論が必要だと答弁しましたが、ならば、少なくとも今国会での成立など到底認められないはずです。憲法違反がまかり通る政治を許していいかどうかの重大な局面です。知事も勇気を持って発言すべきだと思いますが、いかがですか。
以上、横田基地オスプレイ問題と、安保法制問題の二問に、知事、お答えください。(拍手)
〇都市整備局長 オスプレイについての再質問にお答えいたします。
国は、オスプレイにつきまして、独自の自己分析評価や日米合同委員会合意を通じまして、二〇一二年九月までに安全性を確認していること、その後、国内においてMV22の訓練等の機会も増加していますが、これまで安全に運用されていること、平成二十六年度に陸上自衛隊が導入のため機種選定を行い、その過程等におきまして、安全に関するものも含め各種技術情報を収集分析し、安全な機体であることを確認していることなどから、設計に根本的な欠陥があると疑う理由はないとする現時点での米国の評価を尊重していくこととしてございます。
〇政策企画局長 安保法制と憲法についての再質問にお答えいたします。
先ほど知事が答弁されたとおりでございますけれども、安全保障や憲法につきましては、国の根幹にかかわる問題であって、国権の最高機関である国会の場でしっかりと議論すべきものであるということでございます。