2016年オリンピック招致のための立候補ファイルについて
2009年2月13日
日本共産党都議会議員団
政策調査委員長 曽根はじめ
本日、東京都とオリンピック招致委員会は標記の立候補ファイルを発表しました。
立候補ファイルでは、〃オリンピック史上最もコンパクトな大会〃とか、〃環境を最優先する大会〃などと、自賛していますが、計画を詳細にみると、大会経費が申請ファイルよりも増大し、みどりの公園がいくつもつぶされるなど、看板に偽り有りとも言うべき内容となっています。
- 競技施設では、都民の批判をうけて築地市場へのメディアセンター建設を断念したものの、夢の島ユースプラザの全面建て替え、辰巳国際水泳場の新設など、立候補ファイルで新設とされている施設以外の新規建設が隠されており、経費は競技施設で121億円、アクセス道路などのインフラ整備で2014億円も増大しています。
また、石原知事はオリンピックをテコにした大型開発をすすめていますが、立候補ファイルに、外郭環状道路などをはじめとしたインフラ整備などくわえた投資は9兆円規模になり、到底、コンパクトな大会ということはできません。
- 招致委員会は、立候補ファイルとあわせて、政府の財政保証の文書を提出したとしていますが、財政保証については閣議決定がおこなわれておらず、くわえて、招致の国会決議もされていない段階で、財政保証を提出することに疑問の声があげられています。
- 立候補ファイルは「環境負荷の最小化」「自然と共生する都市環境の再生」を謳っていますが、競技施設の建設によって代々木公園、夢の島公園、辰巳の森海浜公園、葛西臨海公園などの、公園がつぶされ緑が奪われることは許されません。また、道路建設で環境負荷が増大します。
- 立候補ファイルは、招致委員会がおこなった最近の世論調査で国民の70%、都民の69%がオリンピック開催を希望しているとしていますが、IOC調査では59%で、これまでのマスコミの調査も支持は低くととどまっています。
さらに今回の調査は、オリンピック招致活動を推進する立場のオフィシャルパート−ナーであるYAHOOが請け負い、インターネットで実施したものです。しかも、YAHOOの登録モニターによる有償調査であり、信頼性に対して疑問の声があげられています。
現在、都民は金融危機に端を発した不況と大企業の身勝手な派遣切りなど、経験したことのない深刻な事態におかれており、オリンピックに巨額の税金をつぎ込むのでなく、福祉やくらし、教育、中小企業のためにつかって欲しいと切望しており、石原知事はこの声に真摯に耳を傾けるべきです。
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