東京都知事
石原慎太郎 殿
2009年10月23日
日本共産党東京都議会議員団
オリンピック招致活動の全面公開等に関する申し入れ
2016年オリンピックの開催都市にリオデジャネイロが選定され、東京都は落選しました。最大の敗因は、今回のオリンピック招致が都民そっちのけで、石原知事のトップダウンで決められたものであり、都民の支持が得られなかったことにあることは明白です。
いま、1回のイベントに1億円もかけたり、知事にかかわる海外出張だけで約2億円使うなど、オリンピック招致の名で湯水のように税金を使ったことに、都民の疑問と批判がうずまき、招致活動の全容を明らかにすべきとの声が高まっています。これに対し石原知事が、正規の招致活動費だけでも150億円も使ったことについて「痛くもかゆくもない」と言いはなったことは、許されざることです。しかし、同時に知事は「監査が入って、妥当だったかどうか都民に明らかにすることが最低限の責任」ともいわざるを得ませんでした。
東京都は正規の招致活動費以外にも、招致を最大の目的とした多くのイベントなどをおこなっていますが、この全容を明らかにしていません。しかも、都が直接おこなった招致活動も含め、都が特定団体・企業に委託して事業を実施した場合、何にいくら使われたかは、民間同士の問題として詳細を明らかにしていません。こうした情報非開示は招致委員会の活動費についても同様の問題があります。都民の血税を使った以上、1円たりともその使途と支払い先が不明瞭であることは絶対に許されません。
よって、わが党は石原知事が「最低限の責任」を果たし、オリンピック招致にかかわる都民の疑問と批判に誠実に応えるとともに、いまこそ、都政が福祉・くらしを充実する自治体本来の姿勢に立ちもどることを求める立場から、以下の事項について申し入れるものです。
- 2016年東京オリンピック招致にかかわる経費の使い方については、オリンピック招致本部による招致活動にとどまらず、他局がおこなった事業や招致委員会の活動を含め、すべての情報を公開すること。招致委員会のホームページは閉鎖せず、これまでのすべての情報をひきつづき明示すること。
- 4000億円のオリンピック準備基金は閉鎖し、福祉・医療、教育、雇用、中小企業、スポーツ環境をととのえるなど都民のために活用し、次のオリンピック招致はおこなわないこと。
以上
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