東京都知事 石原慎太郎殿
2011年3月22日
日本共産党東京都議会議員団
東北地方太平洋沖地震で豊洲市場移転予定地が液状化
改めて築地市場豊洲移転計画の再検討を求める
今回の東北地方太平洋沖地震は東京にも震度５強の揺れとなって襲いかかり、多くの被害をもたらしました。日本共産党都議団は3月18日、豊洲市場予定地を訪れ、地震の影響を調査しました。その結果、90カ所余りで噴砂・液状化を確認しました。この結果は改めて新市場予定地が、地震に弱い地域であることを浮き彫りにしました。
わが党は、深刻な土壌汚染にまみれた東京ガス豊洲工場跡地は新市場予定地として論外と指摘してきましたが、今回、地震からの安全性という点でも不適であることが明らかになったと考えます。
3月19日には築地市場も調査しました。築地市場も何カ所かで、壁のひび割れ、モルタル等の剥離などの被害はありましたが、液状化は発生せず、大きな被害はまぬがれました。わが党は、かねてから一級建築士と場内を調査し、築地市場は関東大震災を教訓に建てられた施設で、かなりの耐震性があることを指摘してきましたが、今回の地震でそのことが証明された結果ともなりました。
日本共産党都議団は、この立場から改めて豊洲移転計画を中止し、現在地再整備を推進することを求めるとともに、以下の5点について、都の見解をただし、文書での早急な回答を求めます。
- 今年度中に東京ガスからの用地を買い取る手続きが進められていますが、このまま手続きを進めることは許されません。直ちに用地買収手続きをやめるべきです。
- 豊洲新市場予定地内では、90箇所の噴砂に見られるように、液状化によってこれまで、都が確認したとされる汚染物質の濃度が変わっていたり、位置が移動している可能性が強くなっています。仮に汚染対策を行うとしても、再調査をやらなければ正確な対策を行うことは不可能です。改めて今回の液状化及び土壌汚染の全面的調査を行うべきです。
- 豊洲の液状化対策などは、震度6強、阪神・淡路大震災程度の対策をするとしていますが、詳細な中身は明らかにされていません。今回の地震を見ても、震度７や津波・水害に対応する対策ができるものなのかどうか、具体的に示すべきです。
- 豊洲新市場予定地内には長さ100m、幅20�僉�段差20�僂梁腓�な亀裂があり、以前に比べて亀裂が拡大していることが現認されました。この原因についてどのような調査をおこなっているのですか。また、護岸にも液状化や地盤沈下などの影響がないかどうか海中を含めて調査をおこなうべきと考えますがどうですか。護岸についても震度7に対応できるものかどうか具体的に明らかにしてください。
- 再度の土壌汚染調査や、液状化対策などを練り上げる場合には、これまで、数度にわたって、声明や申し入れを実施してきた日本環境学会などの専門家を加えて行うべきです。都はこれまで専門家会議や技術会議の「専門家」の発言を隠れ蓑に、重要な情報を隠して対策を進めてきましたが、それでは済まされません。計画に批判的な学者も加えてきちんと検証しながら再調査すべきです。
以上
5街区の液状化（ブルーシートの覆い部分）
5街区の液状化部分(下の棒が1m)
6街区北側の護岸の20�僉�100m以上に渡る地盤沈下部分
6街区北側の護岸工事した周回道路の縁部分（スケールは20�冂后�
「しんぶん赤旗」（2011年3月23日付）に報道されました。
【添付ファイル】 申し入れ全文PDFです。
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