文化・芸術支援に関する申し入れ
日本共産党東京都議団は標記の申し入れを小池百合子知事宛に行いました。応対した野間達也生活文化局長は、「アーティスト支援はしっかりやっていこうと思っている」「知事と関係局にもしっかり伝えます」と答えました。
★申し入れる(右から)河野ゆりえ、とや英津子、里吉ゆみの各都議(2021.2.5)
東京都知事 小池百合子様
2021年2月5日
日本共産党東京都議会議員団
文化・芸術支援に関する申し入れ
政府は2月7日終了予定の緊急事態宣言を、東京都はじめ10都府県で1か月延長しました。この延長により、都内の中小、個人の事業者はさらに厳しい状況に陥ることは必至であり、国と都の責任が問われます。
1年にわたる新型コロナウイルス感染の拡大と自粛要請は飲食店などをはじめ、多くの業種が甚大な影響を受けてきました。都は感染拡大防止協力金の支給などの対応をしていますが、営業時間短縮やイベントの入場制限をも求められている事業者などからは切実な声が届いています。
とりわけ音楽や演劇、映画をはじめとするあらゆる文化芸術の分野は、法律によらない自粛等の「はたらきかけ」によって極めて厳しい経営を迫られながら、懸命に感染対策を講じてクラスターを防いできたものの、力尽きる寸前であり風前の灯となっているのが現状です。
多くのライブハウスは、19時開場のため、営業時間の短縮が事実上の休業状態、営業停止を意味します。映画館はレイトショーなど夜の上映ができずその分の減収への補填もありません。演劇は夜の公演や学校公演の延期や中止が相次ぎ、俳優のアルバイトも飲食店が多いため働けない状況です。
オーケストラも公演の約7割が中止・延期となり、事業規模に応じた支援がなければやっていけないと声を寄せています。さらに個人のアーティストや照明や音響、カメラマンなどの専門職も減収となり、廃業を考えるところまで追い込まれているのです。
演劇緊急プロジェクトによる「文化芸術に携わる全ての人の実態調査アンケート」では、国の助成金を利用して企画を立ち上げる場合、「概算払いなしでできない」と答えた人は81.5%に上り、躊躇する原因が「自己資金が足りない」と答えた人は73%でした。新たに企画を立ち上げることを前提とした支援では立ち行かないことが明らかになっています。また、コロナ禍で死にたいと思ったことがあると答えた人は32.5%にもなります。
知事は、芸術文化は、都市の魅力を形成する要素となるだけでなく、豊かな生活を享受する上で極めて重要である、アーティストやスタッフ等、多くの方が活躍の場を失っており、こうした方たちを応援していく必要があると都議会で答弁されています。
約10万6千人の文化・芸術に携わるアーティストや事業者が、このままでは、後継者も育成できず、東京で培かわれてきた価値ある文化や芸術を後世に引き継ぐことも困難になりかねません。いまこそ都として支援をおこなうべきです。
よって日本共産党都議団は、以下について強く要望します。
- 都内に事務所や店舗を借りている事業者などに対し、固定費への支援を行うこと。
- 時短要請や入場制限、自粛の働きかけ、公演の中止などで減収となった事業者や個人に対し、減収に応じた補償をすること。
- 飲食店に支給している協力金を、文化芸術団体や事業者、個人にも支給すること。その際、手続きを簡素化すること。
- 公演などで使用する公共施設については、収容率を50%に制限していることから、利用料を半額以下とすること
以 上