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申し入れ・談話

2021.02.05

緊急事態宣言の延長の下で新型コロナ対策の抜本的強化を求める緊急申し入れ

 日本共産党都議団は標記の申し入れを小池百合子知事あてに行いました。
多羅尾光睦副知事が応対し、「確かに承りました。最大限がんばっていきたい」と答えました。

★申し入れ書を手渡す(右から)藤田りょうこ、尾崎あや子、大山とも子の各都議(2021.2.5)


東京都知事 小池百合子 殿
東京都教育長 藤田裕司 殿

2021年2月5日
日本共産党東京都議会議員団

緊急事態宣言の延長の下で新型コロナ対策の抜本的強化を求める緊急申し入れ

 緊急事態宣言が3月7日まで延長されることになりました。感染者数がなお高い水準にあり、入院者数、重症者数も多い状況が続いているため、延長はやむを得ませんが、これまでの対策の何が問題がったのかを明らかにし、それを踏まえた検査、医療、補償などの対策の抜本的強化が求められています。
 ところが、本日知事が専決処分した補正予算はほぼ国の財源によるもので、都独自の対策はありません。内容は国が支援する協力金のみであり、検査の強化や医療機関への支援は全くありません。1月の補正予算に続いて専決処分を行うことも、議会の軽視であり、重大です。
 検査については、1月12日の約18,000件をピークに、実施数の減少傾向が続いていることは大きな問題です。都のモニタリング会議での専門家の意見でも、通常時3万7千件/日、最大稼働時6万8千件/日の検査能力を活用した戦略を検討する必要があるとされており、早急な具体化が求められています。
 東京都は1月22日、感染源や濃厚接触者を調べる積極的疫学調査を絞り込み、重症化のリスクの高い医療機関や高齢者施設などに重点化する考え方を都内の保健所に示しました。しかし、陽性となった方の行動を調べ、感染の広がりを抑えることは、検査とともに感染症対策の基本です。保健所の体制強化への支援を強め、調査を行えるようにしていく必要があります。
 暮らしと営業を支えるための対策も重要です。現在の自粛要請に合わせて支給される協力金は、対象が飲食店等だけと狭いこと、事業規模に関わらず1日6万円となっており、店舗によっては全く不十分であることなど、大きな問題があります。「自粛と補償はセット」の立場で、取り組みの抜本的な強化が求められています。
 よって、日本共産党都議団は、以下の事項を実施するよう強く求めるものです。

〈検 査〉
1、最大で1日6万8千件の検査能力を活かし、無症状者を含めた幅広い検査を行う戦略を早急に明確にし、具体化すること。

2、新たに策定するとされている高齢者施設への検査の実施計画を実効性のあるものにするため、これまでに補正予算で行ってきた高齢者施設の検査への支援の活用状況や、区市町村による検査の実施状況を把握・分析して課題を明らかにし、幅広い施設で定期的な検査を実施できるための取り組みにつなげること。

3、医療機関、障害者施設、特別支援学校等についても、重症化リスクが高いことを踏まえ、検査の実施計画を策定すること。

4、施設等が積極的に検査を受けられるよう、検査を行って陽性者を早期に発見することの重要性や、検査を実施してよかったという施設の声などを都として積極的に発信すること。また、陽性者が発生した福祉施設等への支援を強化するため、各区市町村での取り組みの更なる推進などを行うこと。

5、感染者が多数発生している地域の在住・在勤者全体への検査の実施について、都としての戦略を持つこと。

6、陽性者が発生した場合に、濃厚接触者に限定せず幅広い検査が行われるようにすること。

7、プール検査の実施を含めて、検査能力をさらに引き上げること。プール検査を行政検査として実施するために必要とされている、検査が基準を満たして行われているかの確認は、健康安全研究センターの専門職の力を活かし、保健所設置区市と共同で行うなど、円滑に進められるようにすること。

〈医 療〉
8、都立病院・公社病院の地方独立行政法人化をただちに中止するとともに、職員体制を抜本的に強化すること。

9、新型コロナ患者を受け入れる医療機関も、新型コロナ患者以外の医療に専念する医療機関も運営を続けられるように、国に減収補てんの実施を強く求めるとともに、都としても財政支援を行うこと。

〈保健所〉
10、保健所の体制強化への支援を抜本的に拡充し、感染源や濃厚接触者を調べる積極的疫学調査を行えるようにすること。

〈生活支援〉
11、扶養照会は義務ではないという厚生労働大臣の国会答弁を踏まえ、少なくとも生活保護を申請する方が承諾していない場合は、扶養照会は行わないようにすること。

12、生活が困難な方にまず現金を渡し(貸し付け)、所得が少ないことを届け出れば返済不要の給付に転換する制度を構築すること。

〈中小企業・雇用〉
13、自粛要請は十分な補償と一体に行うという原則を都として明確にすること。事業と雇用を続けられるように事業規模に応じた補償を行うこと。また、「協力金」は日割りで行うこと。

14、自粛の影響を受けているすべての事業者への緊急支援を行うこと。

15、国が行う、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛を受けた事業者に対する一時支援給付金の増額を国に求めること。また、50%以上の売上減少としている要件を緩和することを国に求めること。電子申請での受付のみとなっている点について改善を求めること。

16、国に対し、持続化給付金の再給付や家賃支援給付金の延長を求めること。

17、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金、雇用調整助成金を延長するよう、国に求めること。都として従業員を解雇しないよう、支援を行うこと。

18、都や国が行う支援や協力金などについて、迅速かつ丁寧に広報・説明を行うこと。

〈都議会の招集〉
19、補正予算を含めた新型コロナウイルス感染症対策について早急に審議するため、都議会を直ちに招集すること。

以 上