2019年第3回定例会に提出した文書質問
2019年第3回定例会で、以下の文書質問を提出しました。
【文書質問】
- 池川友一 (子どもの権利とスポーツの原則について)
- 藤田りょうこ (在宅人工呼吸器使用者療養支援事業について)
- 星見てい子 (東京都動物愛護相談センターの子猫の譲渡について)
- とくとめ道信 (板橋区特定整備路線・補助26号線と東武東上線立体化の建設計画の現状と今後の見通しについて)
- 尾崎あや子 (地域医療介護総合確保基金について、野火止用水の保全について)
- 和泉なおみ (大場川の水辺環境の保全について)
令和元年第三回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 池川友一
質問事項
一 子どもの権利とスポーツの原則について
一 子どもの権利とスポーツの原則について
スポーツ基本法は「スポーツは、これを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利」(第2条)と定めています。
また、東京都スポーツ推進総合計画でも、スポーツ基本法の条文を引き「スポーツの力を全ての人々が享受できるようスポーツ振興に取り組み、様々な都政課題の解決を目指す」と記されています。
こうした基本認識に立って、都民誰もが等しくスポーツをできる環境を整備し、その普及のために都政が役割を果たすことは重要です。
昨今、子どもたちのスポーツをめぐって、不適切とされる指導や過度なトレーニングによるオーバーユースなどが問題になっています。
1 ユニセフ(国連児童基金)は、「子どもの権利とスポーツの原則」(以下、「原則」)を発表しました。この「原則」は、スポーツが真に子どもの健全な成長を支え、スポーツにおける子どもの権利の尊重と推進を図ることができるように、多様な関係者が取り組むための指針として作られています。東京都は、この「原則」について、どのように認識していますか。特に、「子どもの権利の尊重と推進にコミットする」という視点についていかがですか。
2 ユニセフ民間協力渉外局のアンドレ・フランコ副局長は、「原則」のまえがきの中で「すべての子どもたちは、安心して楽しめる環境でスポーツをする権利を持っています。最も基本的なものとして、遊ぶこと(play)は子どもの権利として、『子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)』の第31条に掲げられています。」と述べています。ここで指摘している子どもの権利条約第31条では「休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める」と指摘をしています。都は、特に年齢に適した遊びやレクリエーション活動の重要性について、どのように認識していますか。
3 子どもたちがスポーツを行う際に重要なのは、子どもの健康を守る立場で指導者などが関わることです。「原則」では、「成長期にある子どもに対しては、年齢や成長に応じたスポーツの種類や運動強度、指導法に配慮する。スポーツ医・科学の見地から過度なトレーニング、体の(一部の)使い過ぎ(オーバーユース)、バーンアウト等により子どもの心身の健康に負の影響を与えないように配慮し、子どもをそのような状況に追い込むことは、虐待にもつながることを認識する」という指摘があります。
過度なトレーニングやオーバーユースなどについて、これらを回避するための取り組みの重要性についてどう認識していますか。また、都として具体的にどのような取り組みをしていますか。
4 子どもたちの野球肘の問題が、大きくクローズアップされています。アマチュア野球14団体は、「原則」に賛同することを表明し、選手の酷使や暴力をなくすための努力を行うと表明しています。具体的に、日本リトルリーグ野球協会は「投手の肩肘を守るために3年前から球数制限を導入している」など、すでに各団体で努力を開始しています。
野球肘が起こる原因について、慶友整形外科病院スポーツ医学センター長の古島弘三医師は「一言でいえば練習や試合のやりすぎ」「考えて欲しいのは子どもの体は未熟だということ」「おとなが考えるよりも簡単に壊れてしまう。それを防ぐには、練習量や投げる数をしっかりと制御すること」が必要だと述べています。その危険因子として、疲労と関係について「しばしば疲れを感じている場合の障害の発生率は4倍に上がります。さらにこれを常に感じプレー、練習していると36倍に跳ね上がります」と、指摘しています。
古島医師は、「深刻なのは小学生で肘を痛めた場合、約半数が高校生で再発する」として、学童期に痛めなければその後の発症率を10%以下に抑えられるという調査結果があることを示し、学童期に障害を起こさない指導、無理のない環境を作れれば肘の障害は大きく減らせると指摘しています。
都は、部活動において野球肘の問題にどのように取り組んでいくのですか。
5 「原則」では、子どもを暴力や虐待などから保護することを位置づけています。「原則」が、「スポーツの指導・練習・競技等のあらゆる過程において、あらゆる形態の身体的または精神的な暴力、虐待(性的虐待を含む)、過度なトレーニング、ハラスメント(セクシャル・ハラスメント、パワーハラスメント等)、いじめ、指導の放棄、無関心な扱い、不当な扱い、搾取、過剰な規律や制裁、人身売買を撲滅する」と指摘していますが、どう認識していますか。また、都としてスポーツにおける暴力や虐待についてどのように取り組んでいくのですか。
令和元年第三回都議会定例会
池川友一議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 子どもの権利とスポーツの原則について
1 ユニセフ(国連児童基金)は、「子どもの権利とスポーツの原則」を発表した。都は、この「原則」について、どのように認識しているか。特に、「子どもの権利の尊重と推進にコミットする」という視点について伺う。
回答
都は、「東京都スポーツ推進総合計画」に掲げる、子供を含めた都民の誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツを楽しみ、スポーツの力で人と都市が活性化する「スポーツ都市東京」の実現に向け、様々な主体と連携した取組を推進しています。
質問事項
一の2 子どもの権利条約第31条では「休息及び余暇についての児童の権利並びに児童がその年齢に適した遊び及びレクリエーションの活動を行い並びに文化的な生活及び芸術に自由に参加する権利を認める」と指摘をしている。都は、特に年齢に適した遊びやレクリエーション活動の重要性について、どのように認識しているか伺う。
回答
都は、「東京都スポーツ推進総合計画」に基づき、幼児期から遊びを中心としたスポーツをすることにより、基本的な運動能力を身に付け、生涯にわたって健康を維持し豊かな人生を送ることができるよう、幼児・子供のスポーツ振興を図っています。
質問事項
一の3 過度なトレーニングやオーバーユースなどについて、これらを回避するための取り組みの重要性についてどう認識しているか。また、都として具体的にどのような取り組みをしているか伺う。
回答
子供たちがスポーツを楽しむためには、けがや事故の予防と指導者の資質向上等が重要であることから、都は、東京都体育協会と連携し、スポーツ指導者等に対して研修会や講習会を実施し、事故防止策や指導者の資質向上を図っています。
質問事項
一の4 都は、部活動において野球肘の問題にどのように取り組んでいくのか伺う。
回答
都教育委員会は、令和元年度、学校生活の中におけるバランスの良い活動日数や時間の設定、重大事故防止に向けた安全対策等を取りまとめた「部活動に関する総合的なガイドライン」を作成しました。野球肘等については、本ガイドラインの中で健康面での留意事項として、日本臨床スポーツ医学会による「青少年の野球障害に対する提言」で掲げる野球肘等の未然防止について掲載しており、各都立学校や区市町村教育委員会等に周知しています。
今後とも、区市町村教育委員会指導室課長会や運動部活動指導者講習会等を通じて、各学校における部活動の適切な運営を支援していきます。
質問事項
一の5 「子どもの権利とスポーツの原則」が、「スポーツの指導・練習・競技等のあらゆる過程において、あらゆる形態の身体的または精神的な暴力、虐待、過度なトレーニング、ハラスメント、いじめ、指導の放棄、無関心な扱い、不当な扱い、搾取、過剰な規律や制裁、人身売買を撲滅する」と指摘しているが、どう認識しているか。また、都としてスポーツにおける暴力や虐待についてどのように取り組んでいくか伺う。
回答
子供たちが安心してスポーツに取り組むためには、指導者等の暴力暴言やハラスメント等の反倫理的行為等を根絶することが重要であることから、都は、東京都体育協会と連携し、スポーツ指導者等に対して研修会や講習会を実施し、事故防止策や指導者の資質向上を図っています。
令和元年第三回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 藤田りょうこ
質問事項
一 在宅人工呼吸器使用者療養支援事業について
一 在宅人工呼吸器使用者療養支援事業について
昨年の北海道胆振東部地震での全電源喪失や、最近では台風の被害による長期間の停電など、災害対策での電源確保は喫緊の課題となっています。
都内の自治体でも避難計画の策定が進み、都が実施している在宅人工呼吸器使用者療養支援事業の活用も進んでいると伺っています。
1 東京都は2011年から2012年にかけて、難病であるか否かにかかわらず、在宅で人工呼吸器を装着している方を対象として自家発電装置等の在宅への整備を進めました。現在都では、在宅人工呼吸器使用者への支援として、難病・難病以外ではどのような取組を行っていますか?また、そうした取組を実施する意義について、どう認識していますか?
2 2011年から在宅療養患者緊急時対応支援事業を実施した際、自家発電装置の整備が2年間で246件も進みました。在宅療養患者緊急時対応支援事業の概要や具体的な事業の流れは、どうだったのですか?
3 今年度の在宅人工呼吸器使用者療養支援事業における区市町村の申請状況について教えてください。
都内の自治体がこの事業を活用して在宅人工呼吸器利用者宅に自家発電装置を設置するためには、自治体の個別避難計画の作成を進める必要があります。
4 東京都が「東京都在宅人工呼吸器使用者災害時支援指針」で示している「災害時・緊急時支援に係る情報提供書兼同意書」を、在宅人工呼吸指導管理料を算定している医療機関や訪問看護ステーションに送付し、地元自治体に情報提供の協力を依頼しているとのことですが、これはどういった目的でいつから行っているものですか?
在宅人工呼吸器使用者療養支援事業は、自家発電装置を必要とする方にとって重要な事業です。一方、地元自治体が制度の活用を行わないと整備が進まず、2013年の事業開始から7年間で合計64件にとどまっています。東京都として、区市町村が在宅人工呼吸器を使用している方を把握できるよう支援するとともに、難病の方と同じように自家発電装置の整備に対して支援することを要望いたします。
令和元年第三回都議会定例会
藤田りょうこ議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 在宅人工呼吸器使用者療養支援事業について
1 都では、在宅人工呼吸器使用者への支援として、難病・難病以外ではどのような取組を行っているか伺う。また、そうした取組を実施する意義について認識を伺う。
回答
在宅で人工呼吸器を使用している難病患者の非常用電源装置等の整備は、入院治療が必要となった重症難病患者の入院施設の確保及び受入体制等の整備のため、難病医療拠点・協力病院での設備整備を推進する国の制度の一環として補助事業を行っており、都では、独自に対象となる医療機関を拡大して事業を実施しています。
難病患者以外の在宅人工呼吸器使用者に対しては、区市町村が避難行動要支援者対策の一環として自家発電装置の貸与等を実施しており、都は区市町村の取組を包括補助で支援しています。
災害発生時の停電は在宅で人工呼吸器を使用している方にとって生命の危険に直結するおそれがあることから、電源の確保は不可欠であり、災害時の安全確保に向け、引き続き支援していきます。
質問事項
一の2 2011年から在宅療養患者緊急時対応支援事業を実施した際、自家発電装置の整備が2年間で246件も進んだ。在宅療養患者緊急時対応支援事業の概要や具体的な事業の流れはどうだったか伺う。
回答
平成23年度及び平成24年度に実施した在宅療養患者緊急時対応支援事業は、在宅療養患者に対する人工呼吸療法を実施する医療機関への予備電源等の購入費を補助する事業で、医療機関が、患者に貸与する予備電源や自家発電装置等の購入に要する経費について、都に補助金の申請を行い、補助金の交付を受けて購入した物品を患者に無償で貸与する仕組みとしていました。
質問事項
一の3 今年度の在宅人工呼吸器使用者療養支援事業における区市町村の申請状況について伺う。
回答
令和元年度、7区市が補助金の交付申請を行う予定であり、当該区市から計56台の自家発電装置の整備を行う事業計画が提出されています。
質問事項
一の4 都が「東京都在宅人工呼吸器使用者災害時支援指針」で示している「災害時・緊急時支援に係る情報提供書兼同意書」を、在宅人工呼吸指導管理料を算定している医療機関や訪問看護ステーションに送付し、地元自治体に情報提供の協力を依頼しているとのことだが、これはどういった目的でいつから行っているものか伺う。
回答
都は、区市町村等の関係機関及び関係者が災害時に人工呼吸器使用者を適切に支援できるよう、東京都在宅人工呼吸器使用者災害時支援指針を策定し、在宅人工呼吸器使用者の把握並びに平常時からの準備及び発災時の支援方法を示しています。
指針を策定した平成24年3月から毎年、都は、区市町村における在宅人工呼吸器使用者の把握を支援するため、医療機関や訪問看護ステーションに対して、新規の在宅人工呼吸器使用患者を把握した際に、患者の同意の下、区市町村窓口への情報提供を依頼しています。
令和元年第三回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 星見てい子
質問事項
一 東京都動物愛護相談センターの子猫の譲渡について
一 東京都動物愛護相談センターの子猫の譲渡について
東京都の「ペットの殺処分ゼロ」の推進で、重要な施策になっているのが子猫の対策です。子猫の殺処分数は、2012年度には1,549匹とペットの殺処分全体の約65%を占めていました。現在、離乳後の子猫は、直接譲渡や登録保護団体に引き渡されています。東京都が導入した離乳前の子猫を保育する「ミルクボランティア」登録とミルク等の補助制度など整備がされてきました。
東京都での子猫の殺処分は、ゼロになったとしていますが、東京都動物愛護相談センターからの譲渡先でどうなっているのかとの疑問が都民から寄せられています。
特に、動物の譲渡事業に協力し、新たな飼い主探しを非営利の活動として行う団体として都が登録している譲渡対象団体などで、飼育崩壊を引き起こすような多頭飼いや、子猫で致死率が高いパルボウイルスの感染が起きている可能性もあり、調査と対応が必要と考えます。
そこで、以下、質問します。
1 譲渡対象団体が、登録後も東京都の審査の基準をみたす活動をしているかを、どのように確認しているのでしょうか。登録後も、適正な活動がされているかをチェックできる仕組みが必要と考えます。いかがですか。
2 譲渡対象団体は、東京都に年次報告書を提出していますが、保護施設内でのパルボウイルスなど重大な感染症の発生状況を報告事項に入れるべきです。また、パルボウイルスの感染が保護施設内で出た場合は、団体任せにせず、都に状況報告させるなど、機敏な対応が必要と考えます。いかがですか。
3 譲渡対象団体の保護施設や活動で、不適当な飼育状況にあると判断された場合は、その状況の改善が確認されるまで、東京都からの動物の譲渡は停止するべきです。いかがですか。
4 飼育状況の改善が行われない場合や東京都の譲渡事業への協力の実態がない場合は、譲渡対象団体を解除すべきと考えます。解除の基準や考え方を伺います。
次に、東京都動物愛護相談センターからの子猫の引き渡しについて、パルボウイルスの感染予防の徹底を求めてお聞きします。
5 離乳前の子猫は、ワクチン接種ができないため、親などからパルボウイルスが感染している場合があります。引き渡し先にワクチン未接種の動物がいないことを確認しているでしょうか。いかがでしょうか。
6 同様の理由で、異なる親猫から生まれた離乳前の子猫を、一緒にミルクボランティアなどに引き渡すと感染が広がる可能性があります。この点は、どのように対応しているのかを伺います。
7 子猫で、ワクチン未接種の場合は、東京都動物愛護相談センターで2、3週間保護・観察し、感染症を持っていないことを確認し、ワクチン接種してから引き渡すべきですが、どのようにしていますか。
令和元年第三回都議会定例会
星見てい子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 東京都動物愛護相談センターの子猫の譲渡について
1 譲渡対象団体が、登録後も都の審査の基準をみたす活動をしているかを、どのように確認しているのか。登録後も、適正な活動がされているかをチェックできる仕組みが必要と考えるが、見解を伺う。
回答
都の動物譲渡事業に協力する登録譲渡団体の登録に当たっては、新たな飼い主探しを非営利の活動として行うことや、都内に活動拠点を有することなどの登録基準を設け、登録申請時に基準に適合する団体であること等を確認しています。
また、登録譲渡団体には、年度ごとの活動報告書に加え、譲渡動物現状報告書及び動物愛護相談センターから団体へ譲渡した動物を新たな飼い主に譲渡した場合の譲渡報告書の提出を義務付けています。
これらの報告等について、必要に応じ現地調査を行うなどにより、団体が登録後も適正に活動していることを確認しています。
質問事項
一の2 譲渡対象団体は、都に年次報告書を提出しているが、パルボウイルスなど重大な感染症の発生状況を報告事項に入れるべきである。また、ウイルスの感染が保護施設内で出た場合は、都に状況報告させるなど、機敏な対応が必要と考える。見解を伺う。
回答
都は毎年、登録譲渡団体を対象とした研修会を実施しており、平成29年度には、動物の感染症への対応をテーマとして取り上げ、感染症に適切に対応するための知識の普及と注意喚起を図っています。
また、団体の飼養施設等でパルボウイルスなど感染力の強い感染症が発生したとの情報が寄せられた際には、発生状況に応じて現地での状況把握や衛生指導を行っています。
今後も、こうした取組を通じて、登録譲渡団体が適切に感染症対策に取り組めるよう支援していきます。
質問事項
一の3 譲渡対象団体の保護施設や活動で、不適当な飼育状況にあると判断された場合は、その状況の改善が確認されるまで、都からの動物の譲渡は停止するべきである。見解を伺う。
回答
登録譲渡団体の施設等での動物の飼養環境が適正な状況にないとの情報を得た場合には、動物愛護相談センターが必要に応じて現地調査を行うなど状況確認を行っています。
その結果、飼養可能頭数を超えた管理を行っているなど、不適正な飼養状況にあると判断される場合は、その状況が改善されるまで、都から当該団体への動物の譲渡は行いません。
質問事項
一の4 飼育状況の改善が行われない場合や都の譲渡事業への協力の実態がない場合は、譲渡対象団体を解除すべきと考える。解除の基準や考え方を伺う。
回答
登録譲渡団体の施設等での動物の飼養環境が適切でないと認められる場合や、団体の活動状況が都の譲渡事業の趣旨と合致しないと認められる場合等、登録譲渡団体の基準に適合しなくなった団体については、登録抹消の対象となります。
そうした状況が認められる場合には、当該団体に対し改善を求め、改善が見られない場合は、登録基準に適合しない理由を明示した上で、登録を抹消することとしています。
質問事項
一の5 離乳前の子猫は、ワクチン接種ができないため、親などからパルボウイルスが感染している場合がある。引き渡し先にワクチン未接種の動物がいないことを確認しているか、伺う。
回答
動物愛護相談センターでは、引取りを行った動物のうち生後間もない離乳前の子猫を譲り受け、一般の家庭等での飼育が可能となる段階まで育成した上で、新たな飼い主に譲渡する取組に協力する個人ボランティアの方を、ミルクボランティアとして登録しています。
ミルクボランティアの登録に当たっては、動物愛護相談センターが実施する講習会を受講することとしており、講習会では、離乳前の子猫は感染症予防のためのワクチンが接種できないため、感染症にり患している可能性があることを説明するとともに、自宅等に別の飼い猫がいる場合には、その猫にワクチンを接種するよう助言しています。
質問事項
一の6 同様の理由で、異なる親猫から生まれた離乳前の子猫を、一緒にミルクボランティアなどに引き渡すと感染が広がる可能性がある。この点は、どのように対応しているのかを伺う。
回答
動物愛護相談センターでは、引取りを行った子猫の間での感染症の発生を防止するため、同じ親猫から生まれた子猫と他の親猫から生まれたものとを分けて管理しています。
同様の観点から、一人のミルクボランティアに対し同時に複数頭の離乳前子猫の育成を依頼する場合には、同じ親猫から生まれたものに限定しています。
質問事項
一の7 子猫で、ワクチン未接種の場合は、動物愛護相談センターで2、3週間保護・観察し、感染症を持っていないことを確認し、ワクチン接種してから引き渡すべきだが、どのようにしているか伺う。
回答
動物愛護相談センターでは、引取りを行った猫は感染症のり患の有無を確認し、必要な場合には治療を行い、譲渡が可能な健康状態となったものを譲渡することとしています。
また、猫の譲渡を行う場合には、パルボウイルス等の感染症予防のためのワクチンを接種した上で、引渡しを行っています。
なお、離乳前の子猫にはワクチンの接種は行うべきでないとされているため、ミルクボランティアへ離乳前の子猫を引き渡す際には、ワクチンを接種していませんが、生後8週齢となった頃に動物愛護相談センターにおいて無料で接種を行っています。
令和元年第三回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 とくとめ道信
質問事項
一 板橋区特定整備路線・補助26号線と東武東上線立体化の建設計画の現状と今後の見通しについて
一 板橋区特定整備路線・補助26号線と東武東上線立体化の建設計画の現状と今後の見通しについて
1 特定整備路線補助26号線の建設計画の現状と今後の見通しについて
ア 補助26号線は、2020年度までに建設完了となっていますが、現時点での進捗状況はどうなっていますか、最新の境界立会率、用地取得率について示してください。
イ 現時点での着工時期がいつになるのか、工事終了はいつまでになるのかについて示してください。
ウ 用地取得率の低さについて、その要因を都はどのように分析していますか。
エ 補助26号線沿いに、現在計画が進められているクロスポイント開発地区の工事が、2020年度に着工予定で進められていますが、補助26号線の建設工事と一体に進められるのかについて、教えてください。再開発事業計画の方が先に進められて、完了しても、補助26号線の建設には影響はないのですか、教えてください。
先行して進行することが見込まれる再開発事業と、補助26号線の工事における相互の関係について、現段階での都の考えについて、教えてください。
オ アーケードが、補助26号線道路の建設に係る部分の約170メートルは、撤去となる計画ですが、撤去する責任は、ハッピーロード大山商店街振興組合と東京都は述べていますが、必要な経費は東京都が補償するといいながら、いまだにその補償額、対象工事等については示されていません。いつまでに示すのですか、その期日について教えてください。
カ 補助26号線の建設計画に関わって、ハッピーロード大山商店街は、約40店舗が立ち退き、アーケードの撤去などの影響から、商店街の活性化にとって大きな影響が発生すると見込まれています。こうした影響に対する東京都の補償について、商店街振興組合から要望も出されていますが、都として新たな基準をつくるなど、どのような対応をとるのか、教えてください。
キ 26号線沿いの歩道へのアーケードの設置と、道路に大屋根をかける要望が商店街振興組合から出されていますが、検討するのですか。検討するのかどうかの可能性も含めて、教えてください。
ク ピッコロ広場の都所有地について、商店街振興組合から売却の要望が示されていますが、可能なのですか。可能でないとすれば、どのような方法で商店街振興組合の要望にこたえることが可能なのか、教えてください。
ケ 補助26号線と東上線立体化の両事業から、ハッピーロード商店街は大きな影響を受けることになります。それぞれ別々の相談では、整合性が保てません。両事業の対応について、一緒に対応できる組織の設置を求めていますが、どのように対応する計画なのかについて、教えてください。
コ 2020年度までに、補助26号線の建設が完了しなかったときには、改めて建設について、見直しをするのかについて、教えてください。
サ 東武東上線の立体化に伴って、ハッピーロード大山商店街のアーケードへの影響について、図面と範囲、かかる工事経費の総額、そのうち東京都として、補償できる工事対象とその費用について示してください。今日現在まで示すことができないとするならば、いつまでに示すことができるのか、日程等について教えてください。
シ 東武鉄道の立体化の工事が完了しないうちに、補助26号線の道路建設が終了した場合、開かずの踏切への対応について、踏切の工事完了までは、歩行者優先道路とすることについて、可能性とその手法について、教えてください。
2 東武東上線立体化(大山駅付近)に関わる建設計画について
ア 立体化の建設にかかる経費について、高架化、地下化のそれぞれの場合にかかる、〔1〕補償にかかる経費を含む用地取得の経費、用地取得の面積と件数〔2〕工事費の総額の見込みのそれぞれの総額について、教えてください。
イ 立体化に関する都などが行った構造比較において、環境性について、日影、騒音、振動、地下水について、それぞれ高架方式、地下方式がどのように評価されたのか、詳細についてお答えください。
令和元年第三回都議会定例会
とくとめ道信議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 板橋区特定整備路線・補助26号線と東武東上線立体化の建設計画の現状と今後の見通しについて
1 特定整備路線補助26号線の建設計画の現状と今後の見通しについて
ア 補助26号線は、2020年度までに建設完了となっているが、現時点での進捗状況はどうなっているか、最新の境界立会率、用地取得率について伺う。
回答
補助第26号線大山区間について、平成31年3月末時点の境界立会率は約95パーセント、用地取得率は約19パーセントです。
質問事項
一の1のイ 現時点での着工時期がいつになるのか、工事終了はいつまでになるのかについて伺う。
回答
権利者との合意形成に時間を要しており、整備目標年次である、令和2年度の整備完了は厳しい状況ですが、引き続き、関係権利者に丁寧に対応しながら、整備を進めていきます。
質問事項
一の1のウ 用地取得率の低さについて、その要因を都はどのように分析しているのか伺う。
回答
本地区において用地取得を進める上での課題としては、店舗などの移転先の確保、権利関係が複雑で権利者との合意形成に時間を要することなどがあります。
質問事項
一の1のエ 現在計画が進められているクロスポイント開発地区の工事が、2020年度に着工予定で進められているが、補助26号線の建設工事と一体に進められるのかについて、伺う。再開発事業計画の方が先に進められて、完了しても、補助26号線の建設には影響はないのか、伺う。先行して進行することが見込まれる再開発事業と、補助26号線の工事における相互の関係について、現段階での都の考えについて、伺う。
回答
大山町クロスポイント周辺地区は、補助第26号線大山区間と商店街との交差部に位置する地区として、商店街の連続性を確保する店舗などを低層部に整備することで、まちのにぎわいを創出する計画となっており、令和元年6月に市街地再開発組合が設立されています。
本区間には、計画線の区域内に商店街が含まれていることから、店舗などの営業継続やにぎわいの維持向上を図りながら、沿道のまちづくりと一体的に道路整備を進めることが重要であると考えています。
質問事項
一の1のオ アーケードを撤去する責任は、ハッピーロード大山商店街振興組合と都は述べているが、必要な経費は都が補償するといいながら、その補償額、対象工事等について示されていない。いつまでに示すのか、期日について伺う。
回答
商店街のアーケードについて、都は、補助第26号線の整備に支障となる部分の除却に関する補償や、当該除却工事に伴い影響が生じる道路区域外の部分の改修工事に関する補償、機能回復工事に関する補償等を適正に行います。
都は、商店街振興組合に対して、平成30年3月から補償の考え方について説明を行っており、補償額の提示の時期等については、引き続き、協議を進めていきます。
質問事項
一の1のカ ハッピーロード大山商店街は、約40店舗が立ち退き、アーケードの撤去などの影響から、商店街の活性化にとって大きな影響が発生すると見込まれている。都の補償について、商店街振興組合から要望も出されているが、都として新たな基準をつくるなど、どのような対応をとるのか、伺う。
回答
東京都の公共事業の施行に伴う損失補償については、「東京都の事業の施行に伴う損失補償基準」等に基づき、適正な補償の確保を図っています。
当該基準では、土地等の権利者に対し、土地等の取得、土地等の使用及びこれらにより通常生じる損失について補償することとしています。
引き続き、補償の考え方等について丁寧に説明していきます。
質問事項
一の1のキ 26号線沿いの歩道へのアーケードの設置と、道路に大屋根をかける要望が商店街振興組合から出されているが、検討するのか。検討するのかどうかの可能性も含めて、伺う。
回答
アーケードについては、都が補助第26号線大山区間の道路内に整備する予定はありません。
質問事項
一の1のク ピッコロ広場の都所有地について、商店街振興組合から売却の要望が示されているが、可能なのか。可能でないとすれば、どのような方法で商店街振興組合の要望にこたえることが可能なのか、伺う。
回答
都有地については、地方自治法により、原則として特定の個人及び法人に任意で売却することはできません。
都はこれまでも、区と連携し、商店街を中心としたまちづくりの勉強会に専門家を派遣するなど、地元の取組を支援し、こうした取組の結果、平成27年2月にピッコロスクエア再開発準備組合が設立されました。
引き続き、区のまちづくりを技術的、財政的に支援していきます。
質問事項
一の1のケ 補助26号線と東上線立体化の両事業から、ハッピーロード商店街は大きな影響を受けることになる。それぞれ別々の相談では、整合性が保てない。両事業の対応について、一緒に対応できる組織の設置を求めているが、どのように対応する計画なのかについて、伺う。
回答
これまで都は、地元区が主催する勉強会に参加するなどして、区の取組を支援してきたところですが、インフラ整備に併せたまちづくりでは都の関係部局が多岐にわたることから、事務局である板橋区が、都と連携して、平成31年2月に「大山駅周辺地区都区情報連絡会」を設置しています。
本連絡会には、都から、都市整備局、建設局及び産業労働局が参加しており、区が進めるまちづくりに対して、それぞれの見地からアドバイスなどを行っています。
また、月1回開催されている、都・区・商店街との例会には、市街地整備部及び第二市街地整備事務所が出席し、地元の要望の把握に努めるとともに、都の事業の情報を適宜提供するなど、意思疎通を図っています。
こうして得られた情報については、今後とも関係部局との間で共有を図っていきます。
質問事項
一の1のコ 2020年度までに、補助26号線の建設が完了しなかったときには、改めて建設について、見直しをするのかについて、伺う。
回答
特定整備路線である補助第26号線大山区間は、震災時に特に甚大な被害が想定される木造住宅密集地域において延焼遮断帯を形成し、避難路や緊急車両の通行路となるなど、都民の生命と財産を守る上で極めて重要な都市計画道路です。
引き続き、関係権利者に丁寧に対応し、理解と協力を得ながら、整備を進めていきます。
質問事項
一の1のサ 東武東上線の立体化に伴って、ハッピーロード大山商店街のアーケードへの影響について、図面と範囲、かかる工事経費の総額、都として、補償できる工事対象とその費用について伺う。現在まで示すことができないならば、いつまでに示すことができるのか、日程等について伺う。
回答
東武東上線大山駅付近の鉄道立体化については、都市計画案を令和元年11月に都市計画審議会に付議し、了承を得たところであり、令和元年中に都市計画決定する予定です。
都市計画案では、ハッピーロード大山商店街のアーケードの一部が都市計画の区域に掛かることが想定されていますが、都市計画決定後に詳細な影響範囲を把握するための用地測量等を行い、必要に応じて適切に対応していきます。
質問事項
一の1のシ 東武鉄道の立体化の工事が完了しないうちに、補助26号線の道路建設が終了した場合、開かずの踏切への対応について、踏切の工事完了までは、歩行者優先道路とすることについて、可能性とその手法について、伺う。
回答
補助第26号線大山区間の整備は、木造住宅密集地域において延焼遮断帯を形成し、避難路や緊急車両の通行路となるとともに、道路ネットワークの形成により、交通の円滑化を図るものです。
本区間の整備により、対面通行可能な2車線道路に拡幅され、歩道や自転車走行空間が確保されます。
なお、踏切が残る間は、踏切部分においても自動車と歩行者等が接触することを防ぐ対策を講じるなど、安全安心の確保に向け、適切に対応していきます。
質問事項
一の2 東武東上線立体化(大山駅付近)に関わる建設計画について
ア 立体化の建設にかかる経費について、高架化、地下化のそれぞれの場合にかかる、〔1〕補償にかかる経費を含む用地取得の経費、用地取得の面積と件数〔2〕工事費の総額の見込みのそれぞれの総額について、伺う。
回答
高架方式の用地取得の費用は約70億円、工事の費用は約270億円です。用地取得の面積は約1,800平方メートル、棟数は37棟と見込んでいます。
地下方式の用地取得の費用は約70億円、工事の費用は約480億円です。用地取得の面積は約1,500平方メートル、棟数は35棟と見込んでいます。
質問事項
一の2のイ 立体化に関する都などが行った構造比較において、環境性について、日影、騒音、振動、地下水について、それぞれ高架方式、地下方式がどのように評価されたのか、詳細について伺う。
回答
鉄道立体化の構造形式については、鉄道周辺の地形などの地形的条件、除却する踏切の数などの計画的条件、事業費などの事業的条件を総合的に判断し、東武東上線大山駅付近については高架方式を選定しています。
選定した方式について、東京都環境影響評価条例に基づき、騒音・振動、日影、電波障害、景観及び廃棄物の5項目で予測・評価をしており、全ての項目で環境基準等の評価の指標を満足しています。
令和元年第三回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 尾崎あや子
質問事項
一 地域医療介護総合確保基金について
二 野火止用水の保全について
一 地域医療介護総合確保基金について
「特養ホームをもっと増やしてほしい」「今住んでいる地域に安心して入れる特養ホームをつくってほしい」の要望はたくさん寄せられています。
厚労省に対し、高齢者施設建設のために国有地や都有地がない地域での「民有地の活用」への支援拡充を求めると、国の担当者からは、都道府県に「地域医療介護総合確保基金」で支援しているとの答弁がありました。
国からの聞き取りで、東京都への地域医療介護総合確保基金(介護施設等の整備に関する事業分)の配分額について、平成27年度は145.6億円、平成28年度は51.6億円、平成29年度は14.7億円、平成30年度は25.6億円、令和元年度は42.5億円であることが明らかになりました。
国の補助制度を活用し、高齢者施設の整備、介護人材の確保と育成の事業を抜本的に拡充することが求められます。
そこで、東京都の地域医療介護総合確保基金について、いくつか伺います。
1 東京都の地域医療介護総合確保基金を活用して行っている事業は、どのような事業がありますか。
2 東京都の地域医療介護総合確保基金の執行状況について、伺います。
3 地域医療介護総合確保基金の積立状況について、伺います。
二 野火止用水の保全について
私の地元である東大和市には野火止用水路があり、自然豊かな風景にこころを癒され、住民のみなさんからも「このまま守ってほしい」という声が寄せられます。
野火止用水は立川市の玉川上水から、東大和市、小平市、東村山市、東久留米市、清瀬市を流れ埼玉県新座市を通り、新河岸川に続く用水路です。
歴史的にも貴重な野火止用水をよみがえらせようとの住民の声が広がり、1974年には歴史環境保全地域に指定されました。
1984年には、下水処理水をさらに浄化した高度処理水を流水に活用する「清流復活事業」を実施し、野火止用水に流水がよみがえりました。
現在は、ボランティアの方たちの支えもあり魚が泳ぎ、きれいな水と緑が豊かな場所となっています。
2000年4月に施行された「地方分権一括法」により、野火止用水の財産権・管理費は国から各市へ譲与されることになり、東京都により通水など一定の確認が得られたため、2007年3月に各市が譲与を受けることになりました。
住民のみなさんからは「この間のゲリラ豪雨によって、どこでも水害の心配がある。野火止用水路は大丈夫なのか」「昨年の台風で、倒木被害が出ている」「剪定してほしいが、歴史環境保全地域になっているのでできないと言われた。安全のため必要な剪定は行ってほしい」などの要望も寄せられています。
そこで、いくつか質問をします。
1 野火止用水路に下水道処理の高度処理水を流水していますが、年間の流水量はどのくらいですか。
2 流水量は降雨量などを考慮し計画的に調整しているのですか。
3 歴史環境保全地域は、どのような規制があるのですか。
4 昨年、台風による倒木の被害がありました。住民の安全を考えると、一定の高さ以上になっている高木は伐採の必要があると思いますが、都の認識を伺います。
5 関係する6自治体でつくる「野火止用水保全対策協議会」は、「野火止用水は、歴史環境保全地域になっているため、景観を考慮した整備は経費負担が大きく、計画的な整備が困難な状況にある。また、用水路周辺環境は、住宅が隣接している個所や樹林地が接している個所等、様々な形態をなしており、住宅付近では親水性等、その形態に適した整備を進める必要がある」と、整備に対する助成と規制の緩和を東京都に求めています。
関係する6自治体や住民の要望をよく聞き、東京都として緑や水の保全の立場から、今後の財政支援の検討、歴史環境保全地域の規制については住民の安全を最優先にした緩和などについて検討すべきですが、いかがですか。
令和元年第三回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 地域医療介護総合確保基金について
1 都の地域医療介護総合確保基金を活用して行っている事業は、どのような事業があるか、伺う。
回答
地域医療介護総合確保基金(以下「基金」という。)は、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため、平成26年度からの消費税増収分等を活用した国の財政支援制度として創設されたものであり、各都道府県が条例に基づき設置しています。
国は、都道府県が基金を活用して事業を実施する場合には計画を定めることとしています。国が定める5つの対象事業に該当する、都の平成30年度計画での事業は、以下のとおりです。
「地域医療構想の達成に向けた医療機関の施設又は設備の整備に関する事業」として、「地域医療構想推進事業」など5事業
「居宅等における医療の提供に関する事業」として、「区市町村在宅療養推進事業」や「入退院時連携強化事業」など12事業
「介護施設等の整備に関する事業」として、地域密着型サービス施設等の整備に対する助成などを行う「東京都介護施設等整備事業」の1事業
「医療従事者の確保に関する事業」として、「病院勤務者勤務環境改善事業」や「東京都地域医療支援ドクター事業」など30事業
「介護従事者の確保に関する事業」として、職場体験などを行う「介護人材確保対策事業」や「東京都区市町村介護人材緊急対策事業費補助金」など41事業
質問事項
一の2 都の地域医療介護総合確保基金の執行状況について、伺う。
回答
基金の執行状況は、医療分は基金が創設された平成26年度から平成30年度までの累計で約196億円、平成27年度から開始した介護分は平成30年度までの累計で約251億円です。
質問事項
一の3 地域医療介護総合確保基金の積立状況について、伺う。
回答
基金の積立状況は、医療分が平成26年度から平成30年度までの累計で約383億円、介護分が平成27年度から平成30年度までの累計で約432億円です。
質問事項
二 野火止用水の保全について
1 野火止用水路に下水道処理の高度処理水を流水しているが、年間の流水量はどのくらいか、伺う。
回答
野火止用水には、多摩川上流水再生センターで高度処理した再生水を送水し、清流を復活させています。
送水量は、1日約9,800立方メートル、1年間に換算すると約350万立方メートルです。
質問事項
二の2 流水量は降雨量などを考慮し計画的に調整しているのか、伺う。
回答
降雨時等における野火止用水への送水については、都民の安全を確保するため、気象庁が多摩北部に大雨及び洪水のいずれかの警報を発表した時や野火止用水の水位が規定値に達した時に送水を制限または停止しています。
質問事項
二の3 歴史環境保全地域は、どのような規制があるのか、伺う。
回答
歴史環境保全地域は、歴史的遺産と併せて良好な自然を保護することが必要な土地の区域を、東京における自然の保護と回復に関する条例に基づき、知事が指定する保全地域です。
歴史環境保全地域内では、建築物その他の工作物の新築・改築・増築、土地の形質変更、木竹の伐採等の行為又は歴史的遺産の現状を変更する行為には、知事の許可が必要です。
ただし、保全地域に関する保全事業として行う行為、枯損した木竹又は危険な木竹の伐採等の行為などには、許可が不要です。
質問事項
二の4 昨年、台風による倒木の被害があった。住民の安全を考えると、一定の高さ以上になっている高木は伐採の必要があると思うが、都の認識を伺う。
回答
野火止用水歴史環境保全地域のうち、都が所有する土地については、都は、保全事業として、枯損した木竹又は危険な木竹の伐採を行うなど、適切に管理しています。
それ以外の土地でも、それぞれの所有者は、知事の許可なく、枯損した木竹又は危険な木竹の伐採を行うことができます。
質問事項
二の5 関係する6自治体でつくる「野火止用水保全対策協議会」は、整備に対する助成と規制の緩和を都に求めている。都として緑や水の保全の立場から、今後の財政支援の検討、歴史環境保全地域の規制については住民の安全を最優先にした緩和などについて検討すべきだが、見解を伺う。
回答
平成19年3月に、野火止用水の法面を含む水路敷の財産権及び管理権は、国から各市に譲与されています。
今後も、各市と連携しつつ、住民の安全はもとより、貴重な歴史と自然環境を併せ持つ野火止用水の保全と活用を適切に図っていきます。
令和元年第三回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 和泉なおみ
質問事項
一 大場川の水辺環境の保全について
一 大場川の水辺環境の保全について
水田には、水をはるのに必要な用水路とともに、水をはっておく必要がなくなった水を排水する悪水路(あくすいろ)のふたつの施設が不可欠でした。一級河川である大場川は延宝三年(1675年)に開削され、その水源を、江戸川よりの「四ヶ村落(よんかそんおとし)」と古利根川沿いの「五ヶ村落(ごかそんおとし)」の悪水路とし、江戸川に合流しました。大雨が降ると江戸川から水が逆流し、排水がうまくいかず、寛政4年(1792年)に戸ヶ崎まで切り開き古利根川に合流、天保4年(1833年)にはさらに、猿ヶ又村渡船場下までに延長されています。また、明治43年(1910年)の大水害を受け、利根川・荒川水系の本格的な改修工事とともに、江戸川改修工事がはじまります。そのことにより、悪水の落とし場所をなくし、大正5年(1916年)中川改修工事に着手、悪水を中川(現在の大場川水門)に落とすことになります。なお、昭和の時代にも水との戦いにみまわれ、大きな渇水と洪水が一年ごとに起き、第二次世界大戦というさなか、第二大場川の延長工事が行われました。
また、葛飾区は大場川河川敷中州自然植生群落として、約8,221平方メートルを自然保護区域として、平成4年(1992年)に指定しています。
大場川堤防の道は、地域の自然や歴史をたずねる散歩道として都が選定し碑を建てた「武蔵野の道」21コースの一つとして、まさに貴重な自然と治水の歴史を今に引き継ぐ地域の宝です。
ところが、現状は河川の浚渫をした形跡はなく、あるはずのない桟橋がいくつもあり、破損した船舶等が川面に姿を現しているという状況です。一方、対岸の八潮市側では浚渫が適時行われているようで、プレジャーボートが行き交い、マリーナまで設置されているという状況です。
堤防道路はどうでしょうか。管理をしている葛飾区によって、修繕が行われはするものの、堤防そのものが弱く、道路の端が割れ、崩れてしまうという状況です。また、飯塚橋から中川、大場川沿いの堤防道路を通り岩槻街道との交差点まで信号機がなく、いわば車の通り抜け道路となっています。整備された中川沿いの堤防道路とは異なり、狭い道路幅員のもと、歩行者とともに、自転車交通にとっても大変危険な道路となっています。
このような中、この大場川の堤防の耐震対策は平成24年に策定した「東部低地帯の河川整備計画」によると2022年度以降となっており、その具体的内容は、今後検討とのことです。
そこで、以下質問します。
1 大場川沿いの堤防道路は、地域の住民が自然と歴史にふれる散歩道として「武蔵野の道」に選定されています。大場川の水辺環境を整え、保全することは重要だと思いますが、都の認識をうかがいます。
2 現在大場川に散見される破損した船舶等の撤去や河川の浚渫なども含め、河川環境の保全にどのように取り組むのでしょうか?
3 堤防の強化を含め、川側に遊歩道を整備し、多くの人が憩い、通行できるよう整備に取り組むべきと考えますが、いかがですか?
4 2016年2月に葛飾区長の「利根川水系中川・綾瀬川圏域河川整備計画(変更案)」についての意見照会に対する回答が都知事宛に提出されており、治水安全度の向上、葛飾区との連携による「親水空間の整備」推進、堤体についての日常点検・補修などの早急な対策を求めていますが、都はどのように対応してきたのでしょうか。
令和元年第三回都議会定例会
和泉なおみ議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 大場川の水辺環境の保全について
1 大場川沿いの堤防道路は、地域の住民が自然と歴史にふれる散歩道として「武蔵野の道」に選定されている。大場川の水辺環境を整え、保全することは重要だと思うが、都の認識を伺う。
回答
大場川は埼玉県吉川市に源を発し、東京都葛飾区と埼玉県八潮市の境を流れ中川に合流する延長約16.8キロメートルの一級河川です。このうち下流2.4キロメートルの左岸が東京都管理区間となっています。
「利根川水系中川・綾瀬川圏域河川整備計画(東京都管理区間)」の対象である大場川を含む9河川は、都市の中にある貴重なオープンスペースであり、豊かな自然環境も有することから、事業の実施に際しては、可能な限り水生生物の生息環境等を保全し、また、人々が水辺に親しみ、自然と触れ合える河川として整備し、親水機能を高めていくこととしています。
質問事項
一の2 現在大場川に散見される破損した船舶等の撤去や河川の浚渫なども含め、河川環境の保全にどのように取り組むのか伺う。
回答
大場川における維持管理は、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例に基づき、原則として葛飾区が行うこととなっています。
このうち、破損した船舶等の不法物件に対しては、葛飾区が警告文を貼付するなどの方法で是正指導を行っています。
一方、水質改善の環境対策としてのしゅんせつについては、大規模な船舶によるものは都が行うこととなっており、今後も必要に応じて実施していきます。
質問事項
一の3 堤防の強化を含め、川側に遊歩道を整備し、多くの人が憩い、通行できるよう整備に取り組むべきと考えるが、見解を伺う。
回答
大場川は、「利根川水系中川・綾瀬川圏域河川整備計画(東京都管理区間)」において、高潮、耐震対策による堤防の強化を実施していくことが位置付けられています。
今後の事業実施に向け、現在葛飾区が管理している堤防道路を含め親水空間の整備について、区と連携して検討を進めています。
質問事項
一の4 2016年2月に葛飾区長の「利根川水系中川・綾瀬川圏域河川整備計画(変更案)」についての意見照会に対する回答が知事宛に提出されており、治水安全度の向上、葛飾区との連携による「親水空間の整備」推進、堤体についての日常点検・補修などの早急な対策を求めているが、都はどのように対応してきたのか伺う。
回答
「利根川水系中川・綾瀬川圏域河川整備計画(東京都管理区間)」において葛飾区で対象となる河川は、中川、綾瀬川、新中川、大場川の4河川です。
治水対策として、現在、中川、綾瀬川や新中川で耐震対策などを実施しています。
葛飾区との連携による「親水空間の整備」としては、中川でスーパー堤防等の整備を行っています。
また、堤防・護岸の日常点検・補修について、都及び区は適切な時期の河川巡視や年に1回以上の点検を行っており、その結果等を踏まえて修繕等を実施しています。
なお、大場川については、今後、高潮、耐震対策を実施していくこととしており、親水空間の整備については、区と連携して検討を進めています。