本会議 大山とも子都議(新宿区選出)の代表質問
2020年9月29日の本会議で、大山とも子都議(新宿区選出)が代表質問を行いました。
★動画(都議会ホームページです。令和2年第3回定例会 > 9月29日代表質問をご覧ください)
★質問全文(質問原稿)です。
- 知事の基本姿勢について
- 新型コロナ対策について
- 新型コロナウイルス感染症対策条例について
- 中小企業・小規模企業支援について
- 都民生活への支援について
- 大学生への支援について
- 国民健康保険について
- 教育条件整備について
- 若年女性への支援について
- 高齢者・障害者への支援について
- 保健医療政策について
- 待機児童対策について
- 防災対策について
- 財政運営と社会資本整備のあり方について
- オリ・パラ大会について
- 羽田新ルートについて
- 人権尊重について
★答弁(議事録速報版より)
- 知事(小池百合子君)
- 教育長(藤田裕司君)
- 福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君)
- 総務局長(山手斉君)
- 産業労働局長(村松明典君)
- 福祉保健局長(吉村憲彦君)
- 住宅政策本部長(榎本雅人君)
- 生活文化局長(野間達也君)
- 病院経営本部長(堤雅史君)
- 建設局長(中島高志君)
- 財務局長(潮田勉君)
- オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君)
- 都市整備局長(上野雄一君)
★再質問(議事録速報版より)
日本共産党都議団を代表して質問します。
Q1 今議会は、知事の2期目就任後初めての定例会です。ところが開会日の所信表明は、今後4年間、知事がどういう都政を進めるのかという熱意が感じられないものでした。
とりわけコロナ禍で、これまで経験したことのない大変な苦難に直面している都民の命、健康、福祉、くらし、営業を、具体的にどう守るのかという姿勢が示されませんでした。
知事は、都民のくらしの深刻な実態を、どう把握し認識しているのですか。自治体の長として、都民の苦難を打開するため、どう取り組むのですか。
Q2 知事は今後4年間、都民に対する責任を果たしぬく意思があるのですか。
新型コロナ対策は、引き続き都政の最重要課題です。
Q1 知事は所信表明で、感染拡大防止と社会経済活動を両立させると述べました。そのカギは、PCR検査の抜本的拡大です。
新型コロナウイルスは、無症状の感染者が感染を広げるという特徴があります。PCR検査を広く実施することで、無症状を含めた感染者を早く見つけ出すことの重要性を、知事はどう認識していますか。
1日1万件の検査能力を確保する目標を引き上げて、実際の検査件数を1日数万件に増やす必要があります。知事いかがですか。
Q2 都のモニタリング会議に出された専門家のコメントでは、感染リスクが高い地域や集団などに対して、無症状者も含めた集中的なPCR検査を行うなどの戦略を、検討する必要があるとしています。知事はどう具体化するのですか。
Q3 補正予算に、高齢者や障害者の施設で行うPCR検査への支援が盛り込まれたことは重要です。同時に、院内感染防止のため、医療機関で働く職員と入院患者の検査に対する支援も必要です。知事いかがですか。
Q4 高齢者・障害者施設でも、通所施設やショートステイなどは対象外です。学校や保育園からも、積極的なPCR検査の実施を求める声があがっています。知事はどう対応するのですか。
Q5 秋冬にむけ、インフルエンザと新型コロナの同時流行に備えた取り組みが重要です。厚生労働省は、地域の身近な医療機関で、発熱患者などの相談・診療・検査を行う体制整備を自治体に求めています。都はどう取り組むのですか。
Q6 高齢者などのインフルエンザ予防接種について、自己負担をなくす補正予算が計上されたことは重要です。さらに、国が接種を推奨している医療従事者や、基礎疾患のある方、妊婦、小児も補助対象にすることを求めます。いかがですか。
医療機関への支援も急務です。
Q7 コロナ禍による外来患者の減少や手術の中止などにより、医療機関は大幅減収となっています。
新型コロナ患者を受け入れていない都内の病院でも、4月は平均約3千万円の赤字で、5月以降も厳しい状況が続いています。減収の影響で、4分の1の病院はボーナスが減額となっており、疲弊しながら必死にがんばっている医療従事者の心が折れる事態です。
経営難による医療崩壊を避けるため早急に打開する必要があることを、知事はどう認識していますか。
Q8 新型コロナ患者受け入れの有無にかかわらず、すべての医療機関に対し、減収補てんなどの支援を行うよう国に求めるとともに、都としても全力で支援すべきです。知事いかがですか。
知事は7月末、新型コロナウイルス感染症対策条例の改正を、専決処分で決めました。改正内容は、事業者に感染防止宣言ステッカーを掲示すること、都民にステッカーを掲示しているお店を利用することなどを、努力義務にするものです。
知事は、こうした、都民と事業者の権利を制限し義務を課す条例改正を、7月の臨時議会が閉会してわずか3日後に、議会に諮ることなく勝手に決めました。中身もやり方も、大きな問題があります。
Q1 知事は、条例を改正する必要が生じたが、議会を招集する時間的余裕がなかったと説明しています。しかし条例改正の内容は、2、3日で作るものではありません。知事が、条例を改正する必要が生じたと判断したのは7月何日ですか。
Q2 実際は臨時議会中に条例改正の検討を行い、準備していたことは明らかです。知事は、なぜ臨時議会の延長を求めなかったのですか。あえて議会審議を避けたのではありませんか。
Q3 都道府県議会は開会7日前に招集する原則ですが、地方自治法は、緊急性がある場合はすぐにも招集できるとしています。知事が、議会を招集する時間的余裕がないと判断した、具体的根拠を示して下さい。
Q4 知事は、感染防止宣言ステッカーを、事業者や都民の努力義務にする条例改正の専決処分をした際に、ステッカーを貼っている店で感染が発生した事例があるのか、ないのか、把握していたのですか。
Q5 感染防止対策をしたくても、店が狭いなどガイドラインに沿った対策ができない飲食店などもあることを、知事は知っているのですか。知事、どの店も感染防止対策ができるように支援することこそ、都の本来の役割ではありませんか。
Q6 新型コロナの感染防止を理由に、条例で都民に罰金を科そうという議論がありますが、そんなことはすべきではありません。差別を助長する恐れも指摘されています。知事の認識を伺います。
知事の所信表明には、世界競争力ランキングとか、国際金融都市、外国企業誘致などの言葉が踊っていました。一方、コロナ禍で倒産、廃業などのふちにある中小業者の実態を直視する言葉はありませんでした。
Q1 都内製造業の経営者からは、「バブル崩壊やリーマンショックも経験したが、今が一番厳しい」「従業員には、いよいよやめてもらわざるをえない状況」だと、苦渋の声が寄せられています。
廃業する中小業者も増えており、飲食業やアパレル業などに大きな影響が出ています。展示会などが中止になるなか、伝統工芸の業者は販路が断たれています。多くの中小業者から、「国や都のあらゆる支援策を活用したが、このままでは年が越せない」と悲鳴があがっています。
年を越せるかどうかと苦しみ、悩んでいる中小業者や従業員の厳しい現状を、知事はどう受け止めていますか。
Q2 安心して年が越せるよう都独自の「年越し給付金」の創設、家賃支援給付金の都の上乗せ・横出しの拡充などの取り組みを求めるものです。いかがですか。
コロナ禍による全国の解雇者数は約6万人となり、都民のくらしは厳しさを増しています。
Q1 NPO団体しんぐるまざぁず・ふぉーらむが7月に実施した調査では、ひとり親の13%で収入がなくなり、収入が減少した世帯を合わせると7割にも上ります。その影響で約2割もの世帯が、1日の食事回数を減らしています。
知事は、こうした、ひとり親家庭のくらしの実態を、どう受け止めていますか。
Q2 ひとり親世帯の臨時特別給付金を、再度支給するよう国に求めるとともに、都の児童育成手当の増額、食料支援の拡充など、生活を支える支援が必要です。いかがですか。
Q3 収入が減った生活困窮者の家賃支払いを支援する、住居確保給付金を4月から6月に申請した都民は、昨年の百倍以上です。しかし最大で9カ月が限度となっており、先の見えない不安が高まっています。国に改善を求めることをはじめ、住まいを失うことがないよう、都として対応が必要ではありませんか。
Q4 知事は所信表明で、住宅政策を充実させると述べました。家賃補助の創設や、空き住宅の借り上げを行うなど、コロナ禍による生活困難者の住まいの確保を支援すべきです。見解を伺います。
Q1 大学や専門学校などに通う学生の困窮も深刻です。国が実施した学生支援緊急給付金は要件が厳しく、学生団体FREEの調査では、給付金を受けられなかった学生の57・4%が、「経済的な理由で大学を辞めることを考えている」と答えています。知事は、こうした学生の実態を、どう認識していますか。知事は第2回定例会で、「学生のみなさんの学びの継続を後押ししたい」と答弁しました。具体的にどう取り組むのですか。
八王子市や大田区などが、学生への給付を始めています。都としても学生への給付支援に踏み出すとともに、実施する区市町村を支援すべきです。知事いかがですか。
Q1 今年4月、国は国保加入者の切実な実態を受け止め、新型コロナの影響により収入が減少した加入世帯の国保料・国保税の緊急減免に踏み出しました。
8月時点で1万世帯以上が減免されています。知事は、この減免を実施した意義をどのように認識していますか。
Q2 フリーランスの人などが、おもな収入を「雑所得」で確定申告した場合に、国保減免の対象となるよう、国に働きかけるとともに、都独自の支援を行うことを求めます。いかがですか。
Q3 これだけ多くの世帯で収入が減少していることは深刻です。緊急措置対応だけでなく、区市町村が国保料・国保税を値下げできるよう、都として必要な財政支援を行うべきです。知事いかがですか。
教育の現場の実態も深刻です。
Q1 学校再開後改めて、新型コロナと3ヶ月もの休校が、子どもたちに大きな影響を与えていることが浮き彫りになっています。
とりわけ、子どもたちのストレスが深刻です。国立成育医療センターが6、7月に行った「コロナ×こどもアンケート」では、72%の子どもが、「最近集中できない」「すぐにイライラする」などのストレス反応・症状があると回答しています。
また子どもたちは、「どうしてこどもにだけダメダメと中止ばかりになるんだろう」「大人が思っている以上に、部活と学校行事はこどもにとってとても大事なものです」「学校のコロナ対策に参加したい」「こどもの気持ちも聞いて下さい」と大人への伝言を記しています。
知事は、このアンケート結果、子どもたちの声を、どのように受け止めますか。
Q2 今、学校は授業の遅れを取り戻すために必死になっており、1日7時間授業や土曜授業をし、行事のほとんどが中止となっている実態があります。多くのことが禁止され、思いっきり遊べないなどの状況があります。子どもたちは、つらい思いをしています。
知事、都として子どもの声を直接聞いて、都として学校への支援を進めることが必要ではありませんか。
Q3 手厚い教育をするためにも、感染拡大防止のためにも少人数学級が必要だとの世論が広がっています。
日本教育学会はいま必要な取り組みとして、教員の10万人増を求めています。全国知事会・市長会・町村会は、少人数編制を可能とする教員の確保などを、国に緊急提言しました。
知事は、自らも構成員である全国知事会の緊急提言について、どのような認識をもっていますか。少人数学級が必要だと考えていますか。お答え下さい。
Q4 調布市議会は、少人数学級の実施を求める、国および都知事あての意見書を全会一致で採択しました。八王子市は全会派共同提案で、少人数学級の実現を求める意見書をあげています。
各自治体の実情に合わせて20人程度の少人数学級を実施できるよう都が踏み出し、正規教員を増やすことをはじめ教育条件を整備することを求めます。知事、いかがですか。
九、若年女性への支援について
Q1 コロナ禍のもと、虐待などの被害を受ける若年女性への支援が重要な課題となっています。
若年被害女性等支援モデル事業は、アウトリーチやシェルターなどを通じて、公的支援につながりにくい若い女性とつながり支援する、画期的な取り組みですが、今年度が最終年度です。知事は、事業が果たした実績と役割をどう認識していますか。
Q2 この事業の内容をすべてやると、1団体あたり約3千万円、今の委託費の3倍ほどかかります。来年度以降、都の本格事業として予算も増やし、発展させるべきです。いかがですか。
Q3 行政が直接責任をもつ相談支援体制の強化も重要です。厚生労働省が 昨年、都道府県あてに出した「婦人相談員の配置の促進について」の具体化を含め、都はどう取り組むのですか。
高齢者や障害者支援の課題も切実です。
Q1 日本認知症学会が5月から6月に行った調査では、認知症の人の症状悪化を認めると回答した専門医が、4割に上りました。
認知症の人と家族の会の方は、デイサービスなど外出の機会が減り、生活リズムが乱れ、うつ症状や夜中の一人歩きが増えた、介護者の負担も増えたと話しています。精神障害者の家族や当事者は、外出自粛によるストレスで、家庭内での衝突が増えたと述べています。
人との接触を避ける対策により、高齢者や障害者とその家族は深刻な影響を受けています。感染拡大の防止が必要な中でも、地域でくらす高齢者や障害者が、その人らしく生きるための支援は欠かせません。知事の認識と対応を伺います。
Q2 東京都社会福祉協議会は、福祉施設で感染者が発生した場合、認知症や障害の状況によっては、受け入れ先の医療機関を見つけにくい事態も生まれているとして、医療機関や自治体によるバックアップ体制の整備を求めています。
また、利用者が減少し事業継続が難しくなっている施設・事業所への財政支援、クラスターが発生した施設に対する、職員派遣などの応援体制の強化を求めています。
都は、この要望をどう受け止め、取り組むのですか。
Q3 障害者就労支援事業所では、仕事の発注が減少し、利用者の工賃収入に大きな影響が出ています。関係団体は、利用者の工賃減額に対する支援を求めています。都の認識と対応を伺います。
Q1 新型コロナの感染拡大は、東京の保健医療体制の弱さを浮き彫りにしました。それは、この40年来の医療費削減、病床抑制、公共サービス切り捨て、職員定数削減、自治体リストラなど、市場原理・経済効率優先で、住民に自己責任をおしつける新自由主義が、「改革」の名で持ち込まれてきた結果です。
知事、こうした自治体における新自由主義から脱却し、保健医療をはじめ住民福祉の増進を第一の役割とする、地方自治体本来のあり方に立ち戻る必要があります。知事の認識を伺います。
Q2 なかでも都立病院・公社病院の独立行政法人化は許されません。知事は、独法化しても都立病院が行政的医療を将来にわたって担い続けると説明しています。
しかし、独立行政法人化は、住民の命を守る最後の砦である自治体病院を自治体から切り離して、経営効率最優先の運営をさせる、新自由主義の典型であり、「究極の自治体リストラ」と言われていることを、知事は知らないのですか。
Q3 松沢病院の院長は、都立松沢病院で精神疾患のある新型コロナ患者の受け入れができたのは、「都外の公立・公的病院と比べ、人員や財政にまだ余裕があったから」「公的な病院ほど大変なケースを引き受けるべき。近年、経営合理化や採算重視でどこも余裕を失っている。今回の感染拡大は公立・公的病院の役割や保健所のあり方」など、「様々な課題を浮き彫りにした」と発言しています。困難ケースを受け入れるのが公立病院の役割、そのためには人員も財政も余裕が必要。この指摘を知事は、どう受け止めますか。
Q4 都は、独法化した場合の給与や人事面について1時間の動画を、すべての職員に視聴するよう働きかけています。病院の現場からは、「コロナ対応に集中させてほしい」と声があがっています。
いまは、新型コロナの対応に集中し、独法化は立ち止まるべきです。知事いかがですか。
Q5 都内2640床の新型コロナ専用病床のうち、約3割の800床を都立病院・公社病院が担っています。さらなる医療体制強化に向け、都立府中療育センターの旧施設を活用して、百床程度の新型コロナ専用医療施設を新たに設置するとしたことも重要です。
新型コロナ専用医療施設を本格的に運営するには、職員の大規模な増員が今こそ必要です。いかがですか。
多摩地域に31カ所あった保健所、保健相談所を、東京都は統廃合により、わずか7カ所にまで減らしました。知事は第2回定例会で、再編整備の過程で保健所は機能強化したと答弁しましたが、実際は職員も不足しています。また知事自身が、保健所の医師の定数を削減しました。
Q6 コロナ禍のもと各保健所は、夜遅くまで業務に奔走するなど多忙をきわめ、疲弊しています。都民は保健所に何度電話してもつながらない状況が続きました。
しかも保健所の役割は、感染症対策だけではありません。地域住民の健康を守る拠点としての役割を果たしています。その役割の重要性を、知事はどう認識していますか。保健所の役割を再評価し、職員を増やし、保健所の数も増やす方向に転換すべきです。知事いかがですか。
Q7 日野市、調布市、武蔵野市、東村山市、東久留米市、清瀬市をはじめ、都内の多くの地域で、保健所を増やしてほしいという運動が広がっています。知事は、この都民の要望を、どう受け止めていますか。
Q8 地域の健康課題に、疫学や行政の知識・能力を用いて対応するのが、保健所に配置される公衆衛生医師です。十分な配置は欠かせません。知事はどう認識していますか。
Q9 区市を含め、都内の公衆衛生医師の採用選考を担っているのは東京都です。現在、都と区市に配属されている公衆衛生医師は、必要数に対して何人不足していますか。採用強化に、どう取り組むのですか。
Q10 公衆衛生医師を目指す学生への奨学金制度の実施や、都が大学医学部に寄付をして公衆衛生医師養成の講座を開設するなど大学とも連携して、公衆衛生医の養成を促進し、保健所などに十分に配置すべきです。いかがですか。
都政運営の重要課題のひとつ、待機児童対策について質問します。
Q1 知事は所信表明で、待機児童について30年ぶりの2千人台に減少したと発言しました。
今年の予算特別委員会で、待機児童数が四半世紀前の水準に減ったという知事の発言について、私は、現在の待機児童の定義は待機児童数が少なく見えるように変更したものであることを承知の上での知事の発言であったことを明らかにし、意図的に都民を欺くものだと厳しく指摘しました。
今回の所信表明も、30年前と現在の待機児童数は比べることができないものであることを承知の上での発言です。
知事、2001年度以前の定義では、今年4月1日付の待機児童数は何人ですか。そして知事は、意図的に都民を欺いても構わないと考えているのですか。はっきりお答え下さい。
Q2 所信表明で知事は待機児童対策にふれましたが、待機児童ゼロを実現するとは表明しませんでした。知事、待機児童ゼロの1期目の公約は、取り下げたのですか。
Q3 認可保育園の増設をさらに促進し、いわゆる「隠れ待機児童」も含めた待機児童ゼロを実現すべきです。知事いかがですか。
次に防災対策です。
Q1 知事は所信表明で、災害に強い都市の実現に向け、新たな避難先の確保、避難所における生活環境の改善などを進めると表明しました。知事、具体的にどう取り組むのですか。
Q2 都は6月末、各自治体に送付した、新型コロナ対策の避難所ガイドラインで、テントなどによるスペース確保を例示しました。それを実施すると、東京の避難所不足は、いっそう深刻になります。都が商業施設などの業界団体と協定を結び、各自治体が民間施設を避難所にしやすいよう努力しているのは重要です。しかし、コロナ対策をすると避難所が都内でどれぐらい必要になるのか、実態を把握していないのは大きな課題です。
内閣府は、9月の台風10号でコロナ対応の避難所が満員になった事態を受け、被害を受けた九州地方の実態調査を始めました。都も、自治体ごとの実態調査を行い、区市町村が必要な数の避難所を確保できるよう支援すべきです。知事いかがですか。
Q3 6万4千人の練馬区民の避難場所となっていた「としまえん」が、閉園しました。ワーナーブラザースのスタジオツアーとして整備するために、これまでの避難スペースには建物が建設されます。
知事、「としまえん」の避難場所としての機能は、今後も維持できるのですか。
コロナ禍のもと、財政運営のあり方が厳しく問われます。
Q1 今回の補正予算を合わせて、今年度の一般会計は9兆円を超えました。知事は、「都の人的資源や財源を、感染症対策に最大限振り向ける」と言いますが、予算は膨らみ続けています。
新型コロナ対策とともに、必要な都民施策を進めることができるよう、今年度実施予定の事業についても、不要不急のものは中止や延期など思い切った見直しをすることで、財源をつくることが必要です。いかがですか。
「都政新報」の新局長インタビューで建設局長は、住民の強い反対があり、多大な財政負担を生んでいる特定整備路線について、「最優先事業の一つ」という驚くべき発言をしています。
Q2 予算見積り方針の「依命通達」は、「見直すべきは見直す」としてきた大型道路建設などについて、踏み込んだ見直しを求めた内容となっていません。こうした事業こそ、予算編成のなかで見直すことが必要ではありませんか。
Q3 都も負担している、外かく環状道路の総事業費が7千6百億円激増し、2兆3千5百億円に達しました。当初の約2倍にも膨らんだことは重大です。しかも、意見照会を受けた知事が、翌日には「事業を推進されたい」と回答したのは驚きました。
知事、コロナ禍でこれほど都財政も都民生活も厳しいなか、外環建設には、いくらお金を使ってもよいと考えているのですか。
今回の事業費増加をもたらした難工事の箇所は、ほかにもあります。外環事業費がさらに増えることはないと言えるのですか。
Q1 東京五輪についてIOC会長は、コロナ禍でも「大会を安全に組織できる」と発言しています。これに対し、楽観論を懸念する声もあがっています。
新型コロナは、全世界的なパンデミックのさなかです。知事、命と安全を守ることを最優先にし、開催できないことも想定した慎重な対応が必要ではありませんか。
Q2 IОCとの調整会議が25日に開催され、簡素化による五輪経費削減は数百億円のみ、追加経費は3千億円を超える見通しと報道されています。それは事実ですか。金額を都民に公開した上で議論すべきではないですか。
Q3 一方、東京五輪招致をめぐる疑惑の闇は、深まるばかりです。招致委員会が委託したコンサルタント会社から、有力なIOC委員の息子に、3千7百万円が送金されていました。ほかにも3億円をこえる宛先不明の出し入れがあることなどが、指摘されています。知事、疑惑の徹底解明が必要ではありませんか。
Q1 羽田新ルートの運用が開始され、騒音の測定結果が明らかになりました。新宿区立落合第2小学校では、国の想定を上回っています。住民からは「自宅で仕事をしているが、うるさくて仕事にならない。二重窓にしたら百万円かかった」などの声が出ています。
わが党の品川区議団が実施した区民アンケートには、3千通をこえる回答があり、「テレビの音が聞こえない 」「テレワークに集中できない」「ストレスになる」などの声が多く寄せられています。
知事は、住民のくらしや仕事、健康に実際に被害をもたらしている新ルートによる騒音被害について、どう認識していますか。
Q2 地域住民や地元区の要望を受けるかたちで、「羽田新経路の固定化回避」という名称の検討会が、6月に設置されました。しかし固定化回避は名ばかりで、実際は都心上空の低空飛行が大前提とされています。都は、その事実を認識していますか。
Q3 住民や地元区の不安に真剣にこたえるなら、新ルートは撤回するしかありません。新ルート撤回を国に求めるべきです。知事の答弁を求めます。
最後に、人権尊重をめぐる課題です。
Q1 同性パートナーシップ制度は、全国59の自治体に広がるなど、社会的認知が前進しつつあります。ところが都職員による、異性カップルと同様の休暇や給付金などの福利厚生を求める措置要求は、都の人事委員会から却下されました。
しかし人事委員会は、却下の一方できわめて異例の「付言」をつけ、「職員が性自認及び性的指向にかかわらず活躍できるよう、ハード・ソフト両面から職場環境の整備に努めていくべき」と知事に求めました。
この「付言」について、知事はどう受け止め、具体化するのですか。
Q2 鳥取県では7月から、県職員の福利厚生制度の運用を変更することで、異性カップルと同様の休暇や手当を同性カップルにも認めています。東京都は 人権尊重条例にもとづき、すぐにも進めることができるはずです。いかがですか。
Q3 人権尊重条例にもとづく「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画」でも検討課題になっている、都営住宅等での多様な居住形態への対応は、いつから実施するのですか。
Q4 いまアメリカをはじめ世界各地で、黒人差別への抗議行動が起きています。テニスの全米オープンで優勝した大坂なおみ選手も、抗議の意思を表明し注目されました。知事は、黒人の命は大事だと訴える抗議行動を、どう受け止めていますか。
Q5 また日本にも、在日朝鮮人などに対する差別があることを、知事は、どう認識していますか。
Q6 小池知事が関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を中止して以来、追悼式典を挑発する集会が開催されるようになりました。その集会での言動が、今年8月3日の人権尊重条例審査会で、ヘイトスピーチだと認定されました。
人権尊重条例を公布したのは小池知事です。その知事が、多くの都民やマスコミから、追悼文送付中止がヘイトスピーチを助長したと指摘されていることを、どう受け止めていますか。
Q7 ワイツゼッカー元ドイツ大統領は、戦後40年の際、過去に目を背ける者は現在を正しく理解できないという趣旨の演説を行い、歴史を直視するよう訴えました。
知事、歴史を直視し、歴代知事が送り続けてきた追悼文の送付を再開するよう改めて求めるものですが、いかがですか。知事の答弁を求め、再質問を留保して質問を終わります。
【答 弁】
○知事(小池百合子君) 大山とも子議員の代表質問にお答えをいたします。
まず、基本姿勢について二問の質問にお答えいたします。
不透明なウイズコロナの時代におきまして、さらなる大改革を推し進めることこそ、都民の負担に応えるための具体的な取り組みであり、ご指摘は当たらないものと考えております。
新型コロナウイルス感染症対策につきましても、この定例会に提案をいたしました補正予算案など、切れ目なく具体の対策を展開しておりまして、来月には東京iCDCを立ち上げるとしております。引き続き、与えられた任期におきまして、幅広い都政の課題に全力で邁進してまいります。
新型コロナウイルス感染症の検査についてのお尋ねがございました。
感染拡大を防ぐためには、無症状の方を含めた濃厚接触者を初め、重症化リスクの高い方などが地域で迅速に検査を受けられる体制の整備が重要でございます。
都は、新型コロナ外来やPCRセンターの増設、民間検査機関等への検査機器の導入支援などに引き続き取り組むほか、区市町村が地域の実情に応じた検査を行えますように支援することといたしております。
また、季節性インフルエンザ流行期を踏まえました検査需要に対応できますように、国は検査体制の拡充に向けた指針を示しておりまして、今後、これを踏まえ、検査体制の強化を図ってまいります。
医療機関や医療従事者への支援についてのお尋ねでございます。
新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する中、都民の命と健康を守るためには、通常診療も含めた医療提供体制の確実な維持は重要でございます。
そのため、都は、新型コロナウイルス感染症の医療提供体制整備のためのさまざまな支援策を講じているほか、医療機関等に勤務している医療従事者等に対しまして、慰労金を支給いたしております。
中小事業者や働く方々の現状についてでございます。
新型コロナウイルスとの長い闘いにおきまして、最新のGDPは戦後最大の落ち込みとなるなど、我が国の経済は危機的な状況にあって、企業経営や雇用情勢に深刻な影響が及んでいると認識をいたしております。
こうした中、これまでも東京の経済を支える事業者や、働く方々に寄り添った施策を講じてまいりました。
引き続き、事業継続や雇用の維持に向けました支援策を展開いたしまして、この厳しい状況を乗り越え、東京の経済をさらなる成長へと導いてまいります。
ひとり親家庭についてのご質問でございました。
ひとり親家庭の親は、子育てと生計の担い手の二つの役割を一人で担うため、負担が大きく、都が実施した調査におきましては、世帯収入も両親がいる世帯と比較しますと、低い傾向にございます。
今回の新型コロナウイルス感染症の影響により家計が急変し、収入が大きく減少したひとり親家庭もあると認識をいたしております。
長期休校後の子供たちの声についてでございます。
国立成育医療研究センターが行ったアンケートも含めまして、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、子供たちにさまざまな思いがあることは承知をいたしております。
今後とも、子供の目線も大切にしながら、子供たちをきめ細かくサポートして、社会全体で子供を支えてまいります。
高齢者、障害者への支援についてでございます。
介護サービスや障害福祉サービスは、地域包括ケアを実現する上で欠かせないものであり、コロナ禍にありましても、サービスの継続は重要であります。
このため、都は、介護サービス事業所等に対しまして、感染防止に不可欠なマスクや手袋などの衛生資材を提供するとともに、体制強化のための人件費を初め、サービスの継続に要する経費を支援いたしております。
こうした取り組みによりまして、地域での生活の継続を望む高齢者や障害者を支援してまいります。
保健医療政策についてでございます。
都は、誰もが質の高い医療を受けられ、生涯にわたり健康に暮らせる環境の実現を目指して、保健医療計画や健康推進プラン21等に基づいて、さまざまな施策を展開しております。
新型コロナウイルス感染症に対しましても、感染拡大による保健所や医療機関の負担増等に対応するため、保健所への職員派遣、医療機関の患者受け入れ体制への支援を行っております。
都立病院、公社病院の地方独立行政法人化につきましては、地方独立行政法人は、公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務事業につきまして、民間の主体に委ねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的といたしまして、地方公共団体が設立する法人でございます。
都立病院、公社病院の独法化の目的は、超高齢社会の本格化や医療の担い手不足など、医療課題がさらに深刻化していく中でも、民間の主体に委ねられない行政的医療を初め、質の高い医療の安定的、継続的な提供などの役割を将来にわたって果たすことでございます。
多摩地域の保健所についてのご質問がございました。
多摩地域にある都の保健所は、二次保健医療圏におけます広域的、専門的、技術的な拠点として、健康危機管理や市町村支援等、重要な役割を担っております。
今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応では、庁内各局からの応援職員の配置、会計年度任用職員の活用等に取り組んでおります。
引き続き、人材派遣の活用などによりまして、保健所の一層の負担軽減を図って健康危機への対応力を強化してまいります。
また、今後、今回の感染拡大から収束に至るまでの保健所の取り組みにつきまして検証した上で、そのあり方を検討してまいります。
次に、待機児童対策でございます。
私は、就任直後から待機児童の解消を都政の最重要課題の一つに位置づけまして、保育サービスの拡大を図ってまいりました。
昨年十二月に策定いたしました未来の東京戦略ビジョンにおきましては、保育の待機児童を解消し、継続することを政策目標の一つに掲げておりまして、今後とも区市町村と連携しながら、待機児童の解消に取り組んでまいります。
東京二〇二〇大会におけます新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。
大会を成功へと導くためには、選手、観客、関係者など全ての方にとりまして安全・安心な環境が提供できますよう準備を進めていくことが重要であります。
そのため、今月設置されました調整会議において、国、組織委員会等とともに、水際対策や感染防止対策など幅広く議論を行い、具体的な対策について検討を進めております。
今後とも、関係者と協力をして、安全・安心な大会の実現に向けて着実に準備を進めてまいります。
世界各地での黒人差別への抗議行動についてでございます。
都は、人権施策推進指針におきまして、あらゆる差別を許さないという人権意識が広く社会に浸透した東京を基本理念の一つとして、人権施策を展開いたしております。
また、オリンピック憲章もあらゆる種類の差別を禁止しておりまして、人種、肌の色などを理由とする差別は許されるものではありません。
人権尊重の理念を広く都民に浸透させるため、啓発、教育等の施策を総合的に実施してまいります。
残余のご質問につきましては、教育長及び関係局長からのご答弁とさせていただきます。
〔教育長藤田裕司君登壇〕
○教育長(藤田裕司君) 三点のご質問にお答えをいたします。
初めに、子供の声を受けとめる取り組みについてでございますが、各学校では、感染症対策の中で、ストレスを抱えやすい子供の状況について、教員が日常的な会話や観察などを通してきめ細かく把握をいたしております。
また、都教育委員会は、子供が記入するアンケートの例を示し、各学校において、定期的に子供の不安や悩みを聞き取るとともに、心配な様子が見られる子供には、スクールカウンセラーとの面接を早期に行うなどについて、徹底を図っているところでございます。
こうした取り組みにより確認された子供たちの実態を踏まえ、各学校では、三つの密を避けた方法で行事を実施するなど、学びの充実に向けてさまざまな工夫を行っております。
今後とも、都教育委員会は、一人一人の子供の声を丁寧に受けとめて、不安や悩みを解消に導くことができるよう、学校の取り組みを支援してまいります。
次に、小中学校における少人数学級についてでございますが、お話の全国知事会の緊急提言は、感染症の再拡大時にあっても必要な教育活動を継続して、子供たちの学びを保障することを主訴とした教育の諸条件に関する、まさに緊急的な要望でございます。
現在、各学校では、コロナ禍においても継続的な教育活動を行うため、国や都のガイドライン等を踏まえ、身体的距離の確保など、新しい日常に則した取り組みを行っているところでございます。
また、学級編制につきましては、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきものと考えております。
最後に、少人数学級に関する教育条件の整備についてでございますが、教育条件の整備の前提となる学級編制につきましては、ただいまも申し上げましたが、教育の機会均等や全国的な教育水準の維持の観点から、国の責任において行われるべきと考えております。
教育再生実行会議の議論の状況など、引き続き国の動向を注視してまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕
○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 七点のご質問にお答えいたします。
まず、感染リスクが高い地域や集団に対するPCR検査についてでございますが、都は、区市町村等と連携して地域における感染防止対策を推進するため、接待を伴う飲食店の従業員や、重症者が発生するリスクが高い高齢者施設等の入所者及び職員等を対象とした検査の費用について、新たに補助を行ってまいります。
次に、医療従事者や入院患者へのPCR検査についてでございますが、都は、医療機関、薬局等における感染拡大防止等支援事業におきまして、医療従事者及び入院患者を対象に実施いたします保険適用外の検査にかかる費用につきましても補助対象としてございます。
次に、高齢者施設等でのPCR検査についてでございますが、本年九月十五日に発出されました国の通知では、クラスターの発生など地域における感染状況を踏まえまして、感染拡大を防止する必要がある場合は、現に感染が発生した施設等に限らず、関係者を広く検査することを可能としております。
さらに都では、高齢者施設など重症者が発生するリスクの高い施設を対象といたしまして、区市町村が実施する検査の費用について新たに補助を行うこととしており、通所施設やショートステイにおけますPCR検査も補助対象としてまいります。
次に、インフルエンザ流行期の体制整備についてでございますが、都は、発熱患者の診療等を行う医療機関の指定や、外来診療及び検査体制確保のための国の支援策の周知に加え、発熱患者からの相談にワンストップで対応する新たなコールセンターの設置など、多数の発熱患者が地域で相談や診療、検査を受けられる体制整備に取り組んでまいります。
次に、インフルエンザ予防接種についてでございますが、国は、定期接種対象者のほか、医療従事者や基礎疾患のある方、妊婦、小児等が接種を希望する場合に、その機会を逸することのないよう、接種の時期について呼びかけを行っております。
都は、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行が懸念されることから、区市町村を通じ、重症化リスクの高い六十五歳以上の方など、定期予防接種の対象者に対して支援を実施することとしております。
次に、医療機関への支援策についてでございますが、都は、新型コロナウイルス感染症の患者受け入れの有無にかかわらず、医療機関の実情を踏まえた支援を拡充するよう、国に働きかけております。
加えて、新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れております医療機関に対しては、病床確保料や新型コロナ外来の運営費等を支援するとともに、入院患者を受け入れた医療機関に対して、経営基盤を包括的に支援するための臨時給付金を交付してまいります。
最後に、東京都新型コロナウイルス感染症対策条例についてでございますが、今回提出いたしました条例改正案では、都民に対して必要な検査を受けることなどを努力義務として明記しており、罰則に関する規定は設けてございません。
また、この条例では、患者等に対して不当な差別的取り扱いをしてはならないと規定してございます。
〔総務局長山手斉君登壇〕
○総務局長(山手斉君) 十一点の質問にお答えいたします。
まず、専決処分した条例改正の判断についてでございますが、本年六月から、感染拡大を防止するため、事業者にはガイドラインの遵守やステッカーの掲示を、都民にはステッカー掲示店舗等の利用等を求め、さらに七月にかけて、こうした取り組みを行うことを繰り返し呼びかけてまいりました。
そうした中で、七月の臨時会の閉会後、感染状況や医療提供体制が危機的な状況に陥るおそれがあると認め、これ以上の感染拡大を抑え込むため、ステッカーの取り組み等を努力義務化する内容の条例改正に着手し、二十八日に知事に報告を行い、了承を得たところでございます。
次に、臨時会の延長についてでございますが、感染状況等の危機的状況を踏まえ、七月二十七日の臨時会の閉会後、ステッカー等の取り組みを努力義務化する条例改正の検討を開始いたしました。
その後、モニタリング会議等のデータ分析や、感染症対策審議会における専門家の意見等を踏まえ、これ以上の感染拡大を食いとめるため、緊急に専決処分を行いました。
議会を招集する時間的余裕がないと判断した根拠でございますが、当時、新規陽性者数が大幅に増加する傾向が続くとともに、全世代に感染が広がり、島しょを除く都内全域に感染が拡大するなど、さらに大きく感染が拡大するおそれのある危機的な状況となってございました。
こうした状況に緊急に対応するため、ガイドラインやステッカーを活用する施策を推進する本条例改正を直ちに行い、努力義務を課す都民及び事業者に速やかに周知し、早期に効力を発生させる必要があることから、専門家の意見も聞いて専決処分を行ったところでございます。
次に、ステッカー掲示店舗での感染発生の事例についてでございますが、専決処分を行った時点では、ステッカー掲示店舗で感染者が発生した事例は把握してございませんが、本条例改正は、事業者にはガイドラインの遵守とステッカーの掲示を強力に求め、安心して利用できる店舗をできるだけ増加させ、都民にもステッカーの掲示がある店舗等の積極的な利用を促し、これらを努力義務として課すことで、事業者と都民が双方で協力して感染の拡大を抑え込むことを目的としてございます。
次に、ガイドラインに沿った感染防止策についてでございますが、各店舗のおかれている状況はさまざまであることから、都はガイドラインを踏まえ、個々の店舗の実情に応じた適切な感染防止策の実施を呼びかけてございます。
また、中小企業や商店街による感染予防対策等の取り組みに対し、経費の一部を助成するなどの支援を行っています。
引き続き、これらの取り組みを通じて、ガイドラインに沿った感染防止策の取り組みを支援してまいります。
新たな避難先確保や避難所の環境改善についてでございますが、都はこれまで、在宅避難や縁故避難等の分散避難について住民周知を図るとともに、ホテル、旅館団体との協定締結等により、新たな避難先確保に取り組む区市町村を支援してまいりました。
また、避難所の環境改善や感染防止に有効な段ボールベッド等を都として備蓄するほか、区市町村からの要請を受けて迅速に提供できるよう、協定を締結いたしました。
こうした取り組みを通じて、区市町村と連携した適切な避難所運営を引き続き推進してまいります。
次に、自治体の実態調査と必要な避難所の確保についてでございますが、新型コロナウイルス対策により、各避難所で受け入れ人数が減少することが想定されますことから、都では、区市町村にガイドラインを示しますとともに、避難所運営等に関する課題や取り組み状況などについて継続的に情報共有を図ってまいりました。
また、新たな避難先確保に向けて、大型商業施設等の業界団体と協定の締結や都立施設の活用に向けた調整を進めてまいりました。現在、区市町村は新たな避難先確保に取り組んでいるところであり、都としても、こうした区市町村の取り組みを引き続き支援してまいります。
次に、措置要求の判定における付言についてでございますが、これまで都は、職場におけるセクシュアル・ハラスメントの防止に関する基本方針に、性自認及び性的指向に関する規定を追加したほか、啓発資料の活用等により、ハラスメント防止や多様な性に関する職員の理解を促進してまいりました。
都としては、性自認及び性的指向、育児や介護等の事情にかかわらず、職員一人一人が生き生きと活躍できるよう、引き続き、職場環境の充実に努めてまいります。
次に、同性カップルの都職員に対して、異性カップルと同様の福利厚生制度を認めることについてでございますが、同性カップルへの休暇等制度の適用に関しましては、婚姻関係のあり方や制度の根拠となる法令との整合性等のほか、制度の適用に当たっての客観的な確認方法等を含め、総合的に検討していく必要があると認識してございます。
引き続き、課題の研究や国や他団体の状況調査を進めてまいります。
次に、在日朝鮮人などに対する差別についてでございますが、都はこれまで、都民に対し外国人への理解を深め、偏見や誤解をなくすよう啓発を進めることで、多文化共生社会の実現に努めてまいりました。
さらに、平成三十年には人権尊重条例を制定し、在日朝鮮人を初めとする本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みを進めております。
特定の民族や国籍の人々を排斥する、いわゆるヘイトスピーチは、一人一人の人権が尊重され、豊かで安心して生活できる成熟した社会を実現する観点から、許されないものと認識してございます。
最後に、ヘイトスピーチの認定についてでございますが、都は、人権尊重条例に基づき、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みを進めております。
特定の民族や国籍の人々を排斥する、いわゆるヘイトスピーチは、許されないものと認識しており、附属機関である審査会の意見を聴取した上で、不当な差別的言動の概要を公表し、広く都民に啓発をしております。
今後も、ヘイトスピーチの解消を図り、多様性を尊重する都市東京をつくり上げてまいります。
〔産業労働局長村松明典君登壇〕
○産業労働局長(村松明典君) 都独自の給付金などについてですが、都はこれまでも、中小企業等の事業継続を後押しするため、感染予防対策への助成や家賃等支援給付金など、都独自の支援策を実施してまいりました。
今後も、中小企業等を取り巻く状況などを見きわめながら、適切に支援を行ってまいります。
〔福祉保健局長吉村憲彦君登壇〕
○福祉保健局長(吉村憲彦君) 十六点のご質問にお答えいたします。
まず、ひとり親家庭への支援についてでございますが、都は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、影響を受けるひとり親家庭を支援するため、ひとり親世帯臨時特別給付金を支給するほか、生活資金の緊急貸付や納税の猶予など、さまざまな制度や相談先をまとめたサイトを開設しております。
また、母子及び父子福祉資金の貸し付けでは、返済が著しく困難になった場合は、その支払いを猶予することとしております。
さらに、児童扶養手当を受給する全てのひとり親家庭を対象に、食料品など生活に必要な物品を提供する支援を実施しており、現在、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて収入が大きく減少した方などへの対象拡大に向け、区市町村と調整を進めております。
次に、住居確保給付金についてでございますが、住居確保給付金は、各区市等の自立相談支援機関が生活困窮者自立支援法に基づき、離職等により住居を喪失するおそれがある者等に対して、家賃相当分の給付金を支給するものであり、最長九カ月までの支給が可能となっております。
都は、本年五月、同給付金の収入要件の緩和や延長手続の簡素化などを国に対して緊急提案しており、今後も国の動向を注視するとともに、住居を確保できるよう区市と連携して対応してまいります。
次に、国民健康保険の保険料等の減免についてでございますが、国民健康保険の被保険者には、新型コロナウイルス感染症の影響により、収入の影響を受けやすい自営業者やフリーランスの方なども多いことから、国は、一定程度収入が減少した方々等の保険料、保険税を保険者が減免した場合に特例的に財政支援を行っており、八月十五日時点で、都内では一万三千七百二十三世帯が減免を受けております。
次に、国民健康保険の保険料等の減免における雑所得の扱いについてでございますが、国は、今回実施した新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した方等に係る保険料、保険税の減免において、雑所得の収入の減少を対象外としております。
国民健康保険は全国統一の制度であり、都は法令等に基づき、区市町村に対する財政支援を行っております。
次に、国民健康保険における区市町村への財政支援についてでございますが、国民健康保険の保険料、保険税の賦課方式や料率は、都民のさまざまな暮らし向きを踏まえながら、各区市町村がみずから定めるものであり、それぞれの議会で十分な審議が行われ、決定されるものと認識しております。
都は、国民健康保険制度の健全かつ安定的な運用を図るため、法令等に基づき、区市町村に対する財政支援を行っております。
次に、若年被害女性等支援モデル事業の実績についてでございますが、虐待や貧困などで家庭に居場所がないなど、さまざまな困難を抱える若年女性への支援は重要でございます。
都は、平成三十年度から民間団体等と連携し、SNSを活用した相談や夜間の見回り等のアウトリーチ、一時的な居場所の提供等を行う若年被害女性等支援モデル事業を実施しております。
この事業では、民間団体と福祉事務所、医療機関などが密接に連携した上で、相互に情報を共有し、調整しながら一人一人の状況に応じた適切な支援を行っており、昨年度の相談実人数は八千四百九十九人でございました。
次に、モデル事業の今後の取り組みについてでございますが、本事業は国の要綱等に基づいて実施しており、引き続き、国の動向も踏まえて取り組んでまいります。
次に、女性に対する相談支援についてでございますが、都では、女性相談センターのほか、全ての区市等に婦人相談員が配置されており、関係機関が連携しながら女性からの相談に適切に対応しております。
また、今年度から女性相談センターにDV対応児童虐待防止連携コーディネーターを配置しております。
次に、福祉施設等への支援についてでございますが、認知症や障害のある施設入所者等が新型コロナウイルス感染症に感染した場合には、基礎疾患の有無等の個別の状況を把握し、かかりつけ医の意見等も参考にしながら、個々のケースごとに保健所が入院先等の調整を行っております。
施設、事業所の介護報酬や障害福祉サービス等報酬については、国の通知により、利用者の居宅等で、できる限りの支援を行ったと区市町村が認めた場合に、報酬を算定することができるなど、さまざまな臨時的な取り扱いが認められております。
今後、職員等の感染により人員不足が生じた施設に対し、他の施設から応援職員を派遣するため、都は、関係団体と協定等を締結して、広域的な支援体制を構築してまいります。
次に、就労継続支援事業所についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、就労継続支援事業所では仕事の受注や自主製品等の販売機会が減少しており、生産活動収入にも影響が生じております。
このため、都は、国の生産活動活性化支援事業を活用して、前年同月と比較して生産活動収入が五〇%以上減少した月があるなど、減収している事業所を対象に最大五十万円を助成することとしており、こうした取り組みなどを通じて、障害者の就労の場の安定的な運営を確保してまいります。
次に、都保健所に関する都民の要望についてでございますが、今回の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、地域の感染症対策を担う保健所の業務や役割が広く注目されることとなり、そうした中で、保健所に対しさまざまなご意見があることは承知しております。
今後、今回の感染拡大から終息に至るまでの保健所の取り組みについて検証してまいります。
次に、公衆衛生医師についてでございますが、保健所は、疾病予防を初めとする地域保健の推進はもとより、災害時や感染症の流行等への健康危機管理の対応に当たって重要な役割を果たしており、その機能を十分に発揮するためには、公衆衛生医師の安定的な確保が必要であると認識しております。
次に、公衆衛生医師の確保についてでございますが、都内における本年度の公衆衛生医師の配置数は、都の定数に特別区、八王子市及び町田市の配置希望数を合わせた百六十九名に対し、本年四月一日時点で四十九名少ない百二十名となっております。
都はこれまで、募集パンフレットやDVDの医科大学等への配布、都のホームページや医師求人情報サイトへの採用案内の掲載など、さまざまな媒体を活用して公衆衛生医師の確保に向けたPRを進めております。
また、研修医を対象とした病院説明会への出展や、保健所を会場とした業務説明会の開催など、対面でのPR活動も実施しております。
次に、公衆衛生医師の養成についてでございますが、都は、将来保健所に勤務しようとする医学生に対し、昭和四十三年から実施していた修学資金の貸与を、社会情勢の変化等による貸与者数の低迷を受け、平成十一年度で終了いたしました。
都はこれまで、都内医科大学において公衆衛生医師の業務に関する講義を行うとともに、保健所での現場実習の受け入れや保健所業務説明会の実施などにより、公衆衛生分野の職務を理解する機会を提供してまいりました。
また、国に対し、医師養成等において保健所での研修を必修とすることを提案要求しております。
今後とも、多くの医学生が公衆衛生医師の業務に関心を持つ機会を提供し、公衆衛生医師の安定的確保を図ってまいります。
次に、待機児童数についてでございますが、国の保育所等利用待機児童数調査要領では、認証保育所など地方単独保育施策の利用児童や、他に利用可能な保育所等の情報提供を行ったにもかかわらず、特定の保育所等を希望している者などは待機児童から除くとされており、この要領に基づいて算出した本年四月時点の都の待機児童数は、二千三百四十三人となっております。
仮に、平成十三年度以前の旧定義の考え方で試算した場合、待機児童数は、二万五百五十六人となりますが、この中には、認証保育所を利用している児童なども含めることとなり、多様な保育サービスが利用されている現在の実態を的確に反映するものとはなっていないものと認識しております。
最後に、待機児童対策についてでございますが、保育サービスは、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育など、地域のさまざまな資源を活用して整備するものでございます。
都は今後とも、待機児童の解消に向け、多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援してまいります。
〔住宅政策本部長榎本雅人君登壇〕
○住宅政策本部長(榎本雅人君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、コロナ禍による生活困窮者の住まいの確保についてでございますが、東京ささエール住宅の設備導入に対する助成や家賃低廉化補助の拡充などを実施し、また、TOKYOチャレンジネット事業の一時利用住宅として都営住宅を提供する取り組みを行っております。
民間賃貸住宅の借り上げにつきましては、市場動向に左右されず安定的に供給することが重要でございまして、借り上げによらず、都営住宅の計画的な建てかえを進めております。
なお、家賃補助につきましては、国の生活保護制度との関係や財政負担のあり方など多くの課題があると考えております。
次に、都営住宅等での性自認及び性的指向に関する対応についてでございますが、都営住宅の管理制度等における取り扱いにつきましては、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画も踏まえまして、他の自治体における動向や入居資格の確認方法等の課題を調査しており、引き続き検討してまいります。
〔生活文化局長野間達也君登壇〕
○生活文化局長(野間達也君) 大学生等への支援についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、大学や専門学校等の学生にも影響が生じていると認識しており、国は、本年四月から開始した、いわゆる高等教育の無償化の制度において、家計が急変した学生も対象として授業料等の負担軽減を図ってございます。
そのうち、都内私立専門学校等につきましては、都も財政負担を行うとともに、学校が制度利用の申請をした場合の審査や負担金の交付等を行ってございます。また、新型コロナ支援ナビ等を通じた制度周知に努めてございます。
さらに、アルバイト収入等を失った大学生等に対して、アルバイトの機会の提供や生活資金の特例貸付などを行ってございます。
〔病院経営本部長堤雅史君登壇〕
○病院経営本部長(堤雅史君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、公立病院の役割についてでございますが、都立病院の使命は、感染症医療や災害医療、周産期医療、救急医療など、民間医療機関だけでは対応困難な行政的医療を将来にわたって担い続けることでございます。
今後とも、その時々の医療環境や都内の医療提供状況、都民ニーズ等に応じて機動的に医療を提供できる体制づくりを進めてまいります。
次に、独法化の準備についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の現状を踏まえますと、その対応に引き続き全力を尽くすことはいうまでもございません。
このような中でも、超高齢社会を見据えた体制づくりは待ったなしでございます。都民が必要とする医療を将来にわたり提供し続けられるよう、独法への移行準備を着実に進めてまいります。
最後に、コロナ専用医療施設の職員についてでございますが、都民が必要とする医療を提供できるよう、都立病院、公社病院全体で専用医療施設の運営が可能となる体制を確保してまいります。
〔建設局長中島高志君登壇〕
○建設局長(中島高志君) 三点のご質問にお答えいたします。
初めに、としまえん跡地に計画されている練馬城址公園の防災機能についてでございますが、都は本年六月、緑と水、広域防災拠点、にぎわいといった基本目標の実現に向けた公園整備を連携協力して進めることについて、地元区、土地所有者、民間事業者と合意いたしました。
今後、関係者と連携いたしまして、震災時火災における避難場所の確保に努めながら、まとまった広場空間や周辺からの避難を円滑に受け入れる園路等の整備を進め、地域の防災機能の向上に取り組んでまいります。
次に、外環についてでございますが、国と高速道路株式会社が整備を進めている外環は、首都圏における交通、物流の円滑化、災害時における避難、救急路の確保などの効果が期待される重要な道路でございます。
外環事業は、本年九月に国が開催した事業評価監視委員会において継続が了承されました。
都は、同委員会における審議に当たっての意見照会におきまして、都の負担増とならないよう有料道路事業を活用すること、コスト縮減を図ることなどについて回答しております。
事業費につきましては、国など事業者において検討するものであり、国からは、状況の変化があれば適切に対応すると聞いてございます。
都は引き続き、外環の早期整備に向け、安全に十分配慮しつつ、コスト縮減を図りながら効率的に事業を実施することなどを求めてまいります。
最後に、関東大震災で犠牲になられた方々に対する追悼についてでございますが、東京都は、毎年三月と九月にとり行われている大法要におきまして、東京で起こった甚大な災害と、それに続くさまざまな事情で亡くなられた全ての方々に対して、都知事より哀悼の意を表していることから、個別の形で追悼文を送付することを控えさせていただいております。
〔財務局長潮田勉君登壇〕
○財務局長(潮田勉君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、財政運営についてでありますが、都はこれまで、予算の執行段階におきましても、当初予算編成以後の事業環境の変化等も踏まえつつ、必要な見直しを行った上で、予算に計上した施策の着実な実施に努めてまいりました。
現下の都政においては、新型コロナウイルス感染症の対策に加え、さまざまな課題への対応や、将来に向けた取り組みの実行も求められており、必要性、緊急性を検証しながら実施していくことが重要でございます。
こうした観点から、今年度予算についても、これまでの取り組みを継続しつつ、来年度の予算編成と一体的に検証しながら、必要な見直しも含め、適切に対応してまいります。
次に、予算編成についてでございますが、都市インフラの整備、更新につきましては、都民の利便性と生活の質の向上を図る上でも不可欠であることから、見直すべきものは見直しを行った上で、真に必要な取り組みは着実に進めていく必要がございます。
財政環境の先行きを見通すことが困難な中、令和三年度予算の見積もりに当たりましては、全ての事業について必要性や有益性等を厳しく吟味し、一層無駄をなくすという方針のもと、各局は経費を要求することとしております。
今後の予算編成に当たりましても、事業評価の取り組みを一層強化し、必要な見直しは確実に行うなど、賢い支出を徹底してまいります。
〔オリンピック・パラリンピック準備局長中村倫治君登壇〕
○オリンピック・パラリンピック準備局長(中村倫治君) 二〇二〇大会についての二点のご質問にお答えいたします。
まず、大会経費についてでございますが、サービスレベルの水準を最適化、合理化するとともに、延期により生じるコストの削減を図ることとして、先週のIOC調整委員会におきまして、これまでの成果として、五十二項目について合意されたところでございます。
今後、引き続き関係者と簡素化に向けた努力を重ねるとともに、追加経費に係る負担も含め、IOCと組織委員会を含む日本側が共同で議論を行ってまいります。
次に、大会の招致活動についてですが、招致活動につきましては、都と招致委員会が役割分担の上、行っておりました。
また、いわゆるロビー活動につきましては、招致委員会が担当しており、都から公費も支出しておりません。
なお、JOCの調査チームにおいて、法令等への違反を見出すことはできないとの結論が示されております。
〔都市整備局長上野雄一君登壇〕
○都市整備局長(上野雄一君) 三点のご質問にお答えをいたします。
まず、羽田空港の新飛行経路における騒音についてでございます。
運用開始後、騒音や撤回、改善要求などにつきまして、都にも意見が寄せられております。国は、騒音影響の軽減策といたしまして、飛行高度の引き上げや低騒音機の導入促進を図るための着陸料の見直しなどを図ってきております。
都といたしましては、引き続き、国に対し、騒音対策の着実な実施を求めてまいります。
次に、羽田新経路に関する検討会についてでございます。
国は、地元区の意見等を踏まえ、本年六月に羽田新経路の固定化回避に係る技術的な方策について検討する会を設置いたしました。本検討会におきましては、最近の航空管制や航空機の技術革新の進展を踏まえ、現在の滑走路の使い方を前提とした上で、騒音軽減等の観点から見直しが可能な方策がないかにつきまして、技術的観点から検討を行うこととしております。
都といたしましては、国において適切に検討が進められるものと受けとめております。
最後に、羽田空港の新飛行経路についてでございます。
東京が活力を持って将来への発展を続けていくためには、国内外に豊富なネットワークを有する羽田空港の機能強化を図ることが不可欠でございます。新飛行経路の導入に当たり、都は、国に対して丁寧な情報提供や騒音影響の軽減、安全管理の徹底を求めてまいりました。
それを踏まえて、国は住民説明会の実施や低騒音機の導入促進、落下物防止対策の義務づけなど、さまざまな対策を実施して運用を開始いたしました。
運用開始後、国はさらに、新飛行経路下における航空機騒音の測定結果の公表等を行っております。
都といたしましては、引き続き、国に対し、都民の理解がさらに深まるよう、丁寧な情報提供や騒音、安全対策の着実な実施を求めてまいります。
【再質問】
○百二十六番(大山とも子君) 再質問をいたします。
知事は所信表明で、都議会の皆様と力を合わせ、議論を尽くしていきたいと述べました。この言葉が真実であるなら、議論を尽くす立場から、私の再質問に知事みずから答弁するのが当然であることを申し上げておきます。
まず、PCR検査です。
知事は、五月に一日一万件の検査能力確保という目標を表明しました。我が党は、その検討経過などを示す文書の開示請求を行いました。ところが、昨日、小池知事名で、不存在という通知が出てきました。驚くべきことです。小池都政のもとで繰り返されているブラックボックスです。
知事が表明したPCR検査一日一万件という目標は、いつ、どこで決定したのですか。なぜ検討経過などの公文書が存在しないのですか。知事の答弁を求めます。
次に、新型コロナ対策条例です。
知事が七月三十日に専決処分した条例改正の内容は、都民の権利を制限し、新たな義務を課すものです。こうした条例の専決処分は異例中の異例です。政府の見解も、議会を開かず専決処分する明確な根拠がない場合は、違法であるとしていることを知事はどのように認識しているのですか。知事、お答えください。
今回のような専決処分の乱用は、議会が決定し、知事を長とする行政機関が執行するという地方自治体の二元代表制の否定につながるものです。知事の猛省を求めるものです。知事、いかがですか。
次に、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼文の問題です。
二〇一〇年十二月、国会議員だった小池知事は、今回、ヘイト認定された言動を行った団体が主催した講演会で講演しています。知事は、一期目の立候補会見で、それが事実か質問され、はっきり答えませんでした。
改めて伺います。今回、ヘイト認定された言動を行った団体が主催した講演会で講演したのは事実ですか。この団体の言動がヘイト認定されたことを知事はどう受けとめていますか。
以上四問、どれも知事しか答えられない質問です。以上の知事の答弁を求め、再質問を終わります。知事の答弁を求めます。(拍手)
〔福祉保健局健康危機管理担当局長初宿和夫君登壇〕
○福祉保健局健康危機管理担当局長(初宿和夫君) 再質問についてお答えいたします。
私からはPCR検査についてお答えいたします。
PCR検査につきましては、九月十五日、国の事務連絡に基づき、新たな目標を含む検査体制を、整備計画、十月中に策定予定ということで、私ども一万件まで向上させる目標を立てているところでございます。
都は、新型コロナ外来やPCRセンターの増設、民間検査機関等への検査機器の導入など、さまざまな取り組みを行っているところでございます。
〔総務局長山手斉君登壇〕
○総務局長(山手斉君) 専決処分についてでございますが、危機的な感染状況に緊急に対応するため、ガイドラインやステッカーを活用する施策を推進する本条例改正を直ちに行い、努力義務を課す都民及び事業者に速やかに周知し、早期に効力を発生する必要がございました。
この状況に対応するためには、専決処分によるほかないと考えて行ったものでございます。ご指摘の違法ということは、これは全て法律にのっとってやったものでございますので、ご指摘は当たらないというふうに考えております。
それから、ヘイトスピーチについてでございますが、特定の民族や国籍の人々を排斥するいわゆるヘイトスピーチにつきましては、許されないものと認識しておりまして、附属機関である審査会の意見を聴取した上で、不当な差別的言動の概要を公表し、広く都民に啓発しているところでございます。
〔発言する者あり〕