調布飛行場小型機墜落事故調査報告書をふまえ対策の強化を求める申し入れ
東京都知事 小池百合子 殿
2017年8月7日
日本共産党東京都議会議員団
調布飛行場小型機墜落事故調査報告書をふまえ対策の強化を求める申し入れ
一昨年、調布飛行場を離陸した小型機が、離陸直後に住宅地に墜落、乗員2人と住民1人が死亡する重大事故が発生しました。
この事故の原因について調査した航空事故調査報告書が公表されたのが7月7日、実に事故発生から2年近く経過してようやく公表されたということ自体が異例であると言わざるを得ません。
そこでは「原因」として、離陸上昇中の「速度低下」により、失速し墜落したと「推定」され、速度低下の要因として、①航空機の「最大離陸重量超過」、②低速での離陸、③過度な機首上げ姿勢の継続が「速度低下の要因」として、あげられています。エンジンの出力低下の可能性も指摘されていましたが、調査で明らかにできなかったとされています。こうした問題点について、飛行場設置者である東京都が、離陸前にチェックできなかったことに、大きな問題があります。その点では、離陸前に提出することになっている「空港使用届出書」、「飛行プラン」はいずれも、内容の厳密さに欠けるものであることが、今回の事故で改めて浮きぼりになりました。
また、飛行場そのものの問題点として指摘されている滑走路が短いこと、住宅密集地が隣接していることについては、まったく言及がありませんでした。
日本共産党都議団は、住宅密集地に隣接した調布飛行場の安全対策の強化を求めてきましたが、今回の事故の調査結果を受けて、以下の点について申し入れるものです。
1、今回の事故の経験をふまえて、届出の内容をより詳細にするとともに、そのチェックの手段、守られていなかった場合の罰則など、飛行場の使用に制約がある調布飛行場にふさわしい内容にあらためること。
2、体験飛行の禁止は、地元市との間で確認されており、飛行場祭りでおこなわれてきた体験飛行はやめること。飛行目的として「遊覧飛行」との違いが明確でない「慣熟飛行」は禁止すること。事故原因の解明と対策が確立するまでは、自家用機の飛行の自粛を継続、移転をはたらきかけること。
3、調布飛行場は、閉鎖することをめざして、島しょへの定期便の飛行場を他に確保するようとりくみを強めること。
4、航空事故調査報告書についての住民説明会をただちに開催し、住民の疑問に答えるとともに、要望を反映させること。
5、墜落事故の被害者への十分な救済を速やかにおこなうこと。
6、航空管制官の配置や飛行機の保守管理対策の強化、飛行ルートの遵守をはじめとした調布飛行場の安全対策について、調布飛行場の周辺住民や自治体も含めた協議の場を設置してすすめるとともに、対策の強化を国に求めること。