2017年度東京都予算への態度について（談話）
２０１７年度東京都予算への態度について（談話）
２０１７年３月２８日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 大山とも子
日本共産党都議団は、小池都知事が編成した来年度東京都予算に賛成しました。
賛成した理由は、福祉、教育などいくつかの分野で、都民要求を反映した施策の重要な前進があったことと、今後さらなる施策の前進を期待できうる知事答弁があったからです。
わが党は、小池知事が都民世論を踏まえて「待機児ゼロ」「都独自の給付型奨学金の拡充」「五輪費用の適正化、透明化」「多摩格差解消」「築地市場の豊洲移転はいったん立ち止まる」などの公約を掲げたことを重視し、議会質問や申し入れなどあらゆる機会をとらえて、それらの問題を前に進め、切実な都民要求実現をめざして全力をつくしてきました。
こうしたなかで、小池知事の来年度予算には、都民要求が一定程度盛り込まれたことは重要だと考えます。すなわち、保育園の待機児解消目標の大幅引き上げや保育士給与の引き上げのための補助、２３区内の保育園に土地を貸し出す方への固定資産税・都市計画税の減免措置がおこなわれること、私立高校生の３割を占める年収７６０万円未満の世帯の授業料の無償化の拡大をおこなうこと、都立高校生への給付型奨学金の創設などです。まだ切実な都民要求から見れば部分的であるとはいえ、石原都政以降の都政の流れから見れば一定の変化ととらえるべきであり、重要な成果と言えます。
また都政をめぐる大問題になっている築地市場の豊洲移転についても、自民党などの豊洲移転断行という激しい攻撃を受ける中でも、知事は移転を立ち止まって検証する立場を崩していません。私達は百条委員会での奮闘などもふくめ、自民党の攻撃に真っ向から反撃し、豊洲移転を中止し、築地市場の再整備を実現するために全力をつくしています。
一方、これまでの石原都政以来の都政の流れを引きずっている部分がかなりあることも事実です。たとえば、いま安倍内閣による社会保障制度の連続的改悪によって負担増が続き、所得の低い人には耐え難い重い負担がのしかかり、医者にかかれないなどの深刻な問題が生まれているにもかかわらず、悪政に対峙し、都民生活を守るために力をつくすという点では、きわめて不十分と言わなければなりません。
また投資的経費については、１３年ぶりに減額されたとはいえ、外環道や特定整備路線など大型開発には巨額の投資をおこない、住民生活を破壊する路線の見直しも進んでいません。しかしこの問題についても、わが党が繰り返し大型開発の見直しを求める中で、「今後、事業の必要性や経費の内容などを厳しく検証し見直すべきは見直す」などという注目すべき答弁がありました。
私達は、今後も小池都政の進む方向を注視していきますが、ひきつづき「是々非々」の立場で、良いことには賛成、悪いことには反対という対応をおこなうという立場は変わりありません。今回の来年度予算については、是という判断から賛成したものです。
以上