転落事故防止のための緊急対策とホームドアの設置促進についての申し入れ
東京都知事 小池百合子殿
2016年8月29日
日本共産党東京都議会議員団
転落事故防止のための緊急対策とホームドアの設置促進についての申し入れ
8月15日、東京メトロ銀座線青山一丁目駅において、盲導犬を連れた視覚障害者の男性が駅ホームから転落し、電車にはねられ死亡する痛ましい事故が発生しました。
日本盲人会連合が実施したアンケートでは、約4割の視覚障害者が、駅ホームから転落した経験があり、約6割が転落しそうになったと回答しています。
また、国土交通省の資料によれば、2009年に起こった視覚障害者の転落件数は38件だったものが、2014年では80件と倍増しています。視覚障害者にとって鉄道駅ホームは「欄干のない橋」と例えられるほど、危険な場所となっています。
転落事故防止に決定的な役割を発揮するホームドアや可動式ホーム柵の都内の設置状況は、地下鉄駅で約58%、JR東日本及び私鉄では約20%、都内にある706駅の内、ホームドア(可動式ホーム柵含む)が設置されている駅は32%にとどまっています。
また、点字ブロックが柱などによってふさがれている駅が、都の責任で管理・運営されている都営新宿線でも岩本町駅と東大島駅の2駅で確認されています。ホームの内側がどこか判別できる内方線付き点状ブロックが未設置となっている駅も都内に少なからず存在しています。我が党は、今年の3月にJR浜松町駅の点字ブロック上に柱がかかっていることを指摘し、改善を求めてきましたが、危険箇所の調査と改善は急務です。よって、日本共産党都議団は今回の転落事故をふまえて以下の点について要望するものです。
記
【都市整備局】
- 東京メトロに事故の詳細や原因などの聞き取りを早急におこなうとともに、視覚障害者団体などから緊急に聞き取りをおこない、全ての駅の危険箇所の実態を把握し、駅員や利用者に周知・徹底すること。また、危険な柱にラバーをまいたり、駅情報の点字パンフレットを作成・配布するなど、改善のための措置をとること。さらに、全ての駅において内方線付きJIS規格対応の点字ブロックの敷設状況を調査し、全駅への敷設を進めること。
- 都は国と連携して、ホームドアや可動式ホーム柵の整備促進のため、より具体的に年限を区切った整備目標と計画を策定し設置促進を図ること。
- ホームドアや稼動柵が設置されていない全ての駅においても、整備完了までの期間に、利用者の安全を確保するための要員を配置するとともに、安全教育を強化・徹底するよう鉄道事業者に要請すること。
【交通局】
- 都営地下鉄においては、岩本町駅と東大島駅の可動式ホーム柵の設置を前倒しで実施し、ホームドアなどが設置されていない駅に職員を配置すること。
以上