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申し入れ・談話

2016.08.10

築地市場の11月豊洲移転計画の抜本的再検討を求める申し入れ

東京都知事 小池百合子殿

2016年8月10日
日本共産党東京都議会議員団

築地市場の11月豊洲移転計画の抜本的再検討を求める申し入れ

 舛添前知事は、築地市場の業務を今年11月2日で終了し、豊洲新市場を11月7日に開場することを決定しています。しかし、多くの都民や市場関係者から、この決定の撤回や再検討を求める声があがっています。築地市場の水産仲卸業者は過半数が、11月7日移転の撤回を求め、農林水産省等に要請しています。
 撤回・再検討が求められる理由の第一は、土壌汚染対策が、きわめて不十分なことです。東京都は石原都政のもとで、東京ガスの工場跡地を新市場用地として購入しましたが、発がん性物質のベンゼンが環境基準の43000倍、猛毒のシアン化合物が環境基準の860倍という国内最大規模の土壌汚染が明らかになったにもかかわらず、一部の「専門家」の見解をよりどころにして、調査も対策工事も不十分なまま、移転計画を強引に推し進めてきました。
 実際に、今年4月から5月にかけて東京都が新市場施設内でおこなった空気中の汚染物質の測定結果によれば、青果棟、水産仲卸棟、水産卸棟の建物内で発がん性物質のベンゼンが検出されています。なかでも青果棟では環境基準の6割余にあたるベンゼンが検出されました。
 市場として最も重要な食の安全・安心の確保はもちろん、市場で働く人たちへの健康被害を危ぐする声も、専門家からあがっています。基準値内だから問題ないと言って見過ごすことは許されません。欠陥が指摘されてきた土壌汚染対策工事との関係をはじめ、新市場建物内の空気中でベンゼンが検出された根本原因について徹底した究明と検証が不可欠です。
 第二の理由は、豊洲新市場の建物の欠陥等が、明らかになっていることです。たとえば水産棟の床の耐荷重不足が指摘されているにもかかわらず、東京都は問題ないというだけで、工事発注時の仕様書も、実際に耐荷重性能がどのように確保されているかの資料も公開していません。
 ほかにも、仲卸店舗が狭すぎてまぐろを切れない、築地市場と違い高層化されているため上下階の移動に時間やコストがかかるなどなどの問題がつぎつぎ浮かび上がっています。にもかかわらず、これらの諸問題の解決策が示されず、関係者との合意が形成されていません。
 小池知事は、都知事選挙において、築地市場の豊洲への移転については「いったん立ち止まる」と公約し、就任後もその立場で対応することを表明しました。この公約は、きわめて重いものです。
 日本共産党都議団は、小池知事が、11月7日の豊洲移転に反対する市場関係者、都民団体、専門家の意見を十分に聞いて、文字どおり「いったん立ち止ま」り、抜本的再検討をおこなうこと、そのためにも、8月中にも予定されている農林水産省への開場の認可申請を見合わせることを、つよく求めるものです。

以上