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申し入れ・談話

2021.06.21

五輪に子どもたちを動員する学校連携観戦の中止を求める申し入れ

 日本共産党都議団と日本共産党東京都委員会は本日、標記の申し入れを、小池百合子知事と藤田裕司教育長あてに行いました。新田智哉教育庁総務課長が応対しました。

★申し入れを手渡す日本共産党の斉藤まりこ・とや英津子両都議(2021.6.21)


2021年6月21日

東京都知事 小池百合子 殿
東京都教育長 藤田裕司 殿

日本共産党東京都議会議員団
日本共産党東京都委員会

五輪に子どもたちを動員する学校連携観戦の中止を求める申し入れ

 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を、希望する幼小中高特別支援学校の児童・生徒が観に行く「学校連携観戦」について、日本共産党都議団は、新型コロナウイルス感染拡大に鑑み中止することを申し入れ、また学校や区市町村の意向を確認することを求めてきました。参加予定の児童・生徒数は、五輪延期前の2020年2月時点で、公立学校81万人、私立学校9万人とされています。

 都教育委員会はこれまで、区市町村や学校に、五輪延期決定後の参加やキャンセルの意向を確認せず、緊急事態宣言中に教員を集めた実地踏査を行うなど、コロナ前の計画のまま、事業を推し進めてきました。
 一方、組織委員会は5月に、東京都、関係自治体、東日本大震災被災3県の学校連携観戦チケット担当者あてに、6月23日までに最終的な参加人数を検討してほしいと案内していることが明らかになりました。さらに報道によれば、組織委員会は1月にもキャンセルを受け付けたとされています。
 都教委は、組織委員会の案内は他県向けのもので、東京都には参考送付されたに過ぎないと説明し、案内文書の公開も拒否しています。しかし日本共産党が独自に入手した案内文書によれば、宛名の筆頭が東京都であり、他県は「関係自治体」と表現されています。都教委の説明は到底、成り立ちません。

 子どもたちを公共交通機関で遠出をさせ、全国から観戦者が集まり3密が避けられない競技会場に連れて行くことは、感染リスクが増し、安全に観戦できるはずがないと、保護者や教員をはじめ多くの都民は、懸念しています。感染拡大防止のために部活動や修学旅行、校外学習などを制限しながら、五輪だけは特別扱いで、子どもたちを感染リスクにさらすことは、矛盾しています。
 都教委が5月に作成するとしていた「観戦の手引き」も未だ完成せず、感染防止を図りながらの引率の負担増や、マスク着用による熱中症のリスクの増加も考慮されていません。感染防止の責任の所在も不明確なまま、結局は校長に押し付けられている状況です。

 さらに五輪開会まであと1カ月にせまっているにもかかわらず、都教委は、各学校がいつどこで、どの競技を観戦するのかを非公表とし、保護者にすら知らせていない学校もあります。盲目的に「動員」に従わせるもので納得できないとの声が上がっています。
 東京都や都教委の五輪「開催ありき」の対応に、学校や子どもたちを巻き込み、危険にさらすべきではありません。
 よって日本共産党都議団は、以下について申し入れるものです。

 

  1. 東京都および都教育委員会の判断で、学校連携観戦は中止すること。
  2. 区市町村や学校の学校連携観戦への参加の意向を直ちに確認すること。
  3. 6月23日以降もキャンセル可能であることを改めて明確にし、区市町村に周知すること。
  4. 各学校の子どもたちが、いつどこでどの競技を観戦する予定なのか、現在の計画を直ちに都民や保護者に公開すること。
  5. 組織委員会からの案内文書を公開するとともに、案内文書を区市町村に下ろさないとした経緯を公表すること。
  6. 今夏の東京オリパラ大会の中止を直ちに決断し、東京都の組織力、財政力、知恵を新型コロナ対策に集中させること。

以 上