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質問・条例提案

2021.07.01

2021年第2回定例会に提出した文書質問

2021年第2回定例会で、以下の文書質問を提出しました。

 

【文書質問

星見てい子 (東京都中学校英語スピーキングテスト事業について)

とや英津子 (新型コロナ危機のもとでの文化芸術への支援について)

里吉ゆみ (住宅支援について)

尾崎あや子 (多摩北部医療センター基本構想検討委員会について)

 


提出者 星見てい子

質問事項
一 東京都中学校英語スピーキングテスト事業について

一 東京都中学校英語スピーキングテスト事業について
1 都教育委員会は、昨年6月、新型コロナウイルス感染症拡大の下で、公立中学3年生全生徒の約8万人を対象とした東京都中学校英語スピーキングテスト事業の「確認プレテスト」実施を1年延期しましたが、今年4月21日付けで、区市町村教育委員会に対して、9月11日から11月13日の実施と説明会開催についての通知を送付し、全中学校で英語スピーキングテストの準備を進めさせています。6月現在、3回目の緊急事態宣言が延長になり、新型コロナウイルス感染拡大の終息の目途が立っていない状況です。こういう中で、英語スピーキングテストの実施は、どのような判断で決めたのかを伺います。

2 現場の教師から、「今回のテストの事前準備は中学校現場に丸投げで、多大な業務作業や梱包作業等、大きな負担になっている」と、生徒の安全のために学校でのコロナ対策に追われているなか、さらなる多忙な業務の押し付けに、困惑の声がでています。子どもの安全と教員の働き方改革に逆行する事態を、どう受け止めていますか。

3 インド型などの変異株が増加し、急速な感染拡大と子どもを含めた感染の低年齢化が心配され、学校でもクラスターが発生しています。新型コロナウイルスのワクチン接種は、大きく遅れ、子どもの接種スケジュールも示されていません。まさに国難と言われる災害時であり、未だに、生徒の安全が見通せない中で、英語スピーキングテストは中止すべきです。文部科学省の「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル 『学校の新しい生活様式』 (2021.4.28 Ver.6)」では、レベル3地域では、「近距離で一斉に大きな声で話す活動」を挙げ、「感染症対策を講じてもなお感染リスクが高い」ことから行わないように指示されています。英語スピーキングテストは、個別の回答であっても、一斉に話すことになり感染リスクがあります。都教育委員会は、英語スピーキングテストの中止基準をどのように設定していますか。

4 都教育委員会は、東京都中学校英語スピーキングテスト結果を、2022年度は都立高校入学者選抜に結果を活用する予定と発表し、保護者・教育関係者から「透明性や公平性が担保できない」と反対の声があります。都教育委員会から入手した東京都教育委員会とベネッセコーポレーションの実施協定書の別紙である実施計画(令和3年度)では、問題があると指摘してきた「採点業務における対策」が黒塗りになり内容が確認できません。個人情報ではないものが、なぜ非公開になっているのですか。

5 東京都中学校英語スピーキングテストの採点は、ベネッセコーポレーションの学力評価研究機構が受け持ちで、採点は、フィリピンで行われています。都教育委員会は、フィリピンに赴いて現地を確認予定と都議会で答弁しましたが、採点業務の実態を現地で確認しましたか。また、学力評価研究機構は、コロナ禍でフィリピンに渡航できない中で、どのように現地確認をしているのですか。

6 フィリピンで採点を行っている組織の名前と経営形態を伺います。学力評価研究機構と、この組織はどのような契約関係ですか。約8万人もの生徒の音声を採点するために、何人雇用されていますか。また、どのような雇用形態で、どのような専門性が担保されているのかを伺います。

7 採点基準について、保護者・教育関係者から「一律な基準では、深く考えた回答や、英語力のある生徒がユニークな回答をすると評価されないのでは」との心配の声がでています。受験者が希望すれば採点結果を開示できるのか、また、採点ミスや採点評価に疑義があった場合は、どのように対応するのかを伺います。

8 今回の中学校英語スピーキングテストでは、任意で生徒の顔写真等の個人情報の登録をネット活用で行うとなっていますが、保護者から、「ベネッセは、過去に膨大な子どもの個人情報を流出させている。信頼できない」との声があります。都立高校入学者選抜に結果を活用する場合は、電子データでの登録を義務付ける予定ですか。また、都教育委員会とベネッセコーポレーション関連企業は、受験者の中学校卒業や他府県への転出で、当人の個人情報を抹消することになっていますか。

9 都立高校入学者選抜に、東京都中学校英語スピーキングテスト結果を活用することには、保護者・教育関係者から「試験対策ばかりに関心が向き、英語スピーキング教育がゆがめられる」「塾での訓練が優位になり、貧富の格差が入試に影響しやすくなる等、公平性に問題がでる」「民間事業者作成のテストと採点で、透明性が担保できない」の意見がでています。すでに、大学入試改革でも、同様の指摘がされ、文科省は抜本的な見直しをかけている最中です。英語スピーキングテストを都立高校入試選抜に活用すべきではありません。見解を伺います。

星見てい子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一の1 東京都教育委員会は、昨年6月、新型コロナ感染拡大の下で、中学校英語スピーキングテスト事業の「確認プレテスト」実施を1年延期したが、今年4月、区市町村教育委員会に対して9月11日から11月13日の実施と説明会開催について通知し、準備を進めている。3回目の緊急事態宣言が延長となり、感染拡大の終息の目途が立っていない中で、本テストの実施はどのような判断で決めたのか伺う。

回答 
令和3年度は緊急事態宣言下においても、各中学校は年間指導計画に基づき、新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で、実際に英語を使用して自分の考えや気持ちを伝え合う活動を行っています。
英語4技能の指導の充実を都内全公立中学校において一層推進するために、中学校英語スピーキングテストを実施する準備を進めています。
実施に当たっては、マスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保、手指消毒、使用機器の除菌等、感染症対策を徹底します。

質問事項
一の2 現場の教師から、生徒の安全のために学校でのコロナ対策に追われているなか、さらなる多忙な業務の押し付けに、困惑の声がでている。子どもの安全と教員の働き方改革に逆行する事態をどう受け止めているか伺う。

回答
本事業については、教員の負担に配慮した上で実施します。具体的には、事前準備においては、申込方法や受験方法に関する動画の配信や問合せ窓口の開設、教員、生徒向けの案内冊子の配布等を行うことで、生徒の事前準備における教員の支援を最小限にする工夫をしています。
また、テスト当日には事業者がスタッフを派遣し、準備・監督、資材の梱包等を行います。

質問事項
一の3 国難と言われる災害時であり、未だに生徒の安全が見通せない中で、英語スピーキングテストは中止すべきだが、都教育委員会は、英語スピーキングテストの中止基準をどのように設定しているのか伺う。

回答 
中止又は実施計画の変更については、社会状況を踏まえ、文部科学省の「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル 「学校の新しい生活様式」 」や東京都教育委員会の「新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドライン」等を参考にして、総合的に判断します。実施に当たっては、生徒が安心・安全な環境において受験できるよう、マスクの着用及びソーシャルディスタンスの確保に加え、イヤーマフ、マイク付きカナル型イヤホンの共用の回避、タブレット端末の消毒などの感染症対策を徹底していきます。

質問事項
一の4 東京都教育委員会とベネッセコーポレーションの実施協定書の別紙である実施計画では、問題があると指摘してきた「採点業務における対策」が黒塗りになり内容が確認できない。個人情報ではないものがなぜ非公開になっているのか伺う。

回答
運営体制、問題作成、採点業務等については、テストの公正・公平な運営上の機密事項に当たるため、公表することはできません。

質問事項
一の5 中学校英語スピーキングテストの採点は、ベネッセコーポレーションの学力評価研究機構が受け持ちで、採点はフィリピンで行われている。都教育委員会は、フィリピンに赴いて現地を確認予定と都議会で答弁したが、採点業務の実態を現地で確認したのか、また、学力評価研究機構は、コロナ禍でフィリピンに渡航できない中で、どのように現地確認をしているのか伺う。

回答
新型コロナウイルス感染症の影響のため現地への訪問は行っていませんが、採点が安全かつ公正・公平に行われていることをオンラインにより継続的に確認しています。引き続き、現地の状況を確認するとともに、入国が可能になり次第、現地を視察する予定です。
また、学力評価研究機構が現地の採点業務の進捗の把握や品質の監督をオンラインにより行っていることを確認しています。

質問事項
一の6 フィリピンで採点を行っている組織の名前と経営形態、学力評価研究機構とこの組織はどのような契約関係であるか伺う。約8万人もの生徒の音声を採点するために、何人雇用されているか、また、どのような雇用形態で、どのような専門性が担保されているのか伺う。

回答
組織名と経営形態、雇用人数については、テストの公正・公平な運営上の機密事項に当たるため、公表できません。
採点は、スピーキングテスト採点に習熟した常勤の専任スタッフが、フィリピンで行います。専任スタッフは、高度な英語力を有しており、TESOL等英語指導の専門的な知識を身に付けていることを示す国際的な資格を取得しています。加えて、採点業務に関する研修を受講し、修了テストに合格した場合のみ、採点業務に従事することとしています。

質問事項
一の7 受験者が希望すれば採点結果を開示できるのか、また、採点ミスや採点評価に疑義があった場合は、どのように対応するのか伺う。

回答
テスト終了後には、スコアや到達度、学習アドバイスが記載された結果帳票を受験した生徒一人一人に返却し、結果を全て開示します。
中学校英語スピーキングテストでは、生徒が目的・場面・状況に応じて深く考えたことや意見や事実を伝える力などを総合的に評価します。
また、生徒が採点結果の妥当性を確認できるよう、採点基準や複数の解答例を公表します。

質問事項
一の8 今回の中学校英語スピーキングテストでは、任意で生徒の顔写真等の個人情報の登録を行うとなっているが、都立高校入学者選抜に結果を活用する場合は電子データでの登録を義務付ける予定か、また、都教育委員会とベネッセコーポレーション関連企業は、受験者の中学校卒業や他府県への転出で、当人の個人情報を抹消することになっているか伺う。

回答
生徒が入力した個人情報は、基本協定に基づき、テストの実施に必要な目的のみに使用され、法令等に従い適切に削除されます。

質問事項
一の9 英語スピーキングテストを都立高校入試選抜に活用すべきではないが、見解を伺う。

回答
小学校及び中学校においては、学習指導要領に基づき、関心のある事柄について即興で伝え合ったり、事実や自分の考え、気持ちなどを伝え合ったりする力を伸ばす取組が行われています。
こうした取組の成果を客観的に把握し、中学校における英語指導を更に充実させるとともに、その結果を都立高校入試に活用することで、高校における英語4技能の総合的な育成に向けた授業改善を推進していきます。
本事業を通して小・中・高校一貫した英語教育の実現を図り、引き続き「使える英語力」の育成を目指します。


提出者 とや英津子
質問事項
一 新型コロナ危機のもとでの文化芸術への支援について

一 新型コロナ危機のもとでの文化芸術への支援について
文化芸術は人間を豊かにし、生活に必要不可欠なものです。新型コロナ危機のもとで、文化芸術や文化芸術に携わる方々をいかに守り支えるかは、都政の重要な課題です。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、1年以上に渡り、イベントの自粛や制限、施設の休業要請、ライブハウスを含む飲食店の営業時間短縮やお酒の提供禁止などの要請、協力依頼が行われてきました。外出自粛の影響や3密回避などのために中止となった企画も多数に上ります。
そのもとで活動や仕事、生活が困難を極めている文化芸術関係者も少なくありません。「昨年3月から10月まで、ほぼすべての演奏活動はキャンセルになった」「演奏する場所がなくなり、生活の環境がかなり変わりました」、「2020年5月グループ展中止、6月2人展中止、2021年5月の2人展中止、6月百貨店の展覧会中止、8月グループ展中止というように発表の機会を失いました。注文の仕事も減りました」「2020年の公演は55ステージが中止・延期。収入は3分の2に減少」「所属する劇団では、公演の中止をめぐり、年間スケジュールを大きく変更せざるを得なくなりました。(俳優をめざす若手のうち)幾人かが演劇業界の仕事の不安定さを思い知ることになり、夢を諦めてしまったことが残念でなりません」「(落語の)自主的なライブ活動の自粛、また要請により大幅に制限された。主催者からの出演依頼がなくなった。収入が大幅に減った」など、大変な状況です。

1 コロナ禍のもとで、文化芸術を支える重要性について、改めて認識を伺います。

2 4月25日日曜日からの緊急事態宣言では、イベントは「無観客開催」とすることが23日の夜に要請され、「無観客とは事実上の中止要請だ」「急に言われても対応できない」と大混乱になりました。
さらに5月12日からの宣言延長では、劇場などは観客の収容率50%などの条件で使えることになったのに対し、映画館、美術館、博物館などは休業の要請や協力依頼がされました。
「客席でのクラスターは発生していないのになぜ無観客なのか」「劇場と映画館がどう違うのか、根拠がわからない」「美術館では静かに観賞するのになぜ休業なのか」「人が集まる施設は多数あるのに、イベントを制限することにどれだけの効果があるのか」と怒りの声が上がっています。
なぜこれらの措置や線引きを行ったのか、感染拡大防止にどのような効果があるのか、科学的な根拠をお示しください。

3 緊急事態措置の発表にあたり「行政に問い合わせても対策やお客さんへの説明に必要な正確な情報が入手できなかった」との苦情が寄せられています。1年前の緊急事態宣言時とは異なり、業界の状況も見えてきているのですから、関係者の実情に寄り添った情報提供や対応ができるようにすること、そのために体制を厚くすることを求めます。

4 しかも劇団などのイベント主催者には、要請に協力しても協力金のようなものは一切、支給されません。4、5月に専決した補正でも今回の補正でも、文化芸術を所管する生活文化局の予算は1円も組まれていません。理不尽だと思いませんか。

5 文化が必要不可欠なものだというなら、感染拡大防止協力金のように、協力した事業者には全員、支給する協力金を支給すべきではありませんか。

6 国の事業で、公演がキャンセルになった場合の支援事業が拡大されましたが、観客の収容率50%の制限に対応した支援がありません。収容率が50%ならチケット収入も半分です。また、学校公演では、これまで1回の公演で全員が観賞していたのを、3密を避けるために2回、3回に分けて観賞させてほしいと相談されることも少なくありませんが、公演料を2倍、3倍求めることは困難です。これらを補填し、支援することが必要ではありませんか。

7 都立施設や、政策連携団体の施設などにおいて、利用時間や収容率を制限する場合は、それに応じた利用料の減免を行うことを求めます。また民間施設についても、料金の減免が可能な支援を行うことを求めます。

8 コロナ禍に対応した支援は、単年度で作品を完成させることが必要であったり、単年度内の支出しか支援の対象にならないものがほとんどです。しかし映画をはじめ文化芸術には制作に1年以上が必要なものも少なくありません。また発表の場の確保やスケジュールも2年3年のスパンで決まっていきます。1年以上の長期の活動に対応した支援を実施、拡大することが求められますが、いかがですか。

9 アーティストやスタッフの多くは個人で活動しています。収入が激減するもとで、持続化給付金、家賃支援給付金に助けられたという方も少なくありません。第2弾の給付を都からも国に要望するとともに、収入が激減した方などへの給付金を都として実施することを求めます。

10 文化芸術関係者にフリーランスや厳しい条件で働く方が多いのは、もともと文化芸術分野の公的予算が低く、文化芸術全体が不安定な基盤上での活動を強いられているからです。コロナ禍はその状況をあらわにしました。コロナのもとでの支援はもちろん、コロナの感染収束後も文化芸術施策を拡充強化することが大変重要です。いかがですか。

11 1月から3月に中止や収容率を抑制したイベントを対象に募集した「アートにエールを!東京プロジェクト(ステージ型)」は、100件の募集に対し、応募数は何件でしたか。すべてを採択するとともに、4月以降のイベントも対象にした追加の募集、また昨年の事業をバージョンアップした個人型の新たな募集を行うことを求めます。合わせてお答えください。

とや英津子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 新型コロナ危機のもとでの文化芸術への支援について
1 
コロナ禍のもとで、文化芸術を支える重要性について、改めて認識を伺う。

回答
芸術文化は東京の都市としての魅力を形成する要素であるだけでなく、人々に感動や喜びをもたらす重要なものと認識しています。

質問事項
一の2 4月25日からの緊急事態宣言では、イベントは「無観客開催」とすることが要請され、5月12日からの宣言延長では、劇場などは観客の収容率50パーセントなどの条件で使えることになったのに対し、映画館、美術館、博物館などは休業の要請や協力依頼がされた。なぜこれらの措置や線引きを行ったのか、感染拡大防止にどのような効果があるのか、科学的な根拠を伺う。

回答
令和3年4月25日からの緊急事態措置については、同月23日に国が示した基本的対処方針に基づき、同日、都は休業や無観客開催等の要請を決定しました。
同年5月12日からの緊急事態措置の延長に際しては、新規陽性者等が高い水準で推移するなど、厳しい感染状況が続いていたことから、人流抑制を最優先に、これまでの措置を原則として継続することとしました。
具体的には、大規模集客施設については、引き続きの休業を要請しました。一方、イベント関連施設については、それまで要請してきた無観客開催は継続する上で、国の財源措置など様々な課題があることから、営業時間の短縮等を要請することとしました。その結果、劇場等と映画館・美術館等の間で、措置内容が異なることとなりました。 
これらの措置は、国と調整し、審議会で専門家から妥当との意見を受け、都の対策本部会議で決定したものです。

質問事項
一の3 緊急事態措置の発表に当たり、関係者の実情に寄り添った情報提供や対応ができるようにすること、そのために体制を厚くすることを求めるが、見解を伺う。

回答
緊急事態措置については、決定後、速やかに東京都ホームページに掲載するほか、都の防災ツイッターなど多様な媒体で内容等を広く周知しています。また、各業界団体に対しては、措置内容について文書で通知するとともに、各団体の要望等に応じて、個別に訪問し、直接説明するなど、丁寧な対応に努めています。
加えて、都民・事業者からの問合せや相談に迅速に対応するため、緊急事態措置の開始に合わせ、電話回線を増強するなど、コールセンターの体制を拡充しており、引き続き適切に対応していきます。

質問事項
一の4 劇団などのイベント主催者には、要請に協力しても協力金のようなものは一切支給されない。4、5月に専決した補正でも今回の補正でも、文化芸術を所管する生活文化局の予算が1円も組まれていないのは理不尽ではないか、見解を伺う。

回答
国において、「J-LODlive」や「ARTS for the future!」などイベント主催者等への支援を実施しています。
都は、都独自の支援策として当初の予算で、「アートにエールを!東京プロジェクト」のステージ型を追加募集するとともに、民間団体等への助成事業も拡大しています。

質問事項
一の5 文化が必要不可欠なものだというなら、感染拡大防止協力金のように、協力した事業者には全員、協力金を支給すべきではないか、見解を伺う。

回答
コロナ禍で芸術文化を支えるアーティスト等は創作活動の制約を受けており、新たな活動の場を提供することが重要です。
このため、都では様々な文化事業を実施するとともに、アーティスト等に対する助成事業を新設・拡充しています。

質問事項
一の6 国の事業で、公演がキャンセルになった場合の支援事業が拡大されたが、観客の収容率50パーセントの制限に対応した支援がない。また、学校公演では1回の公演を2回、3回に分けてほしいとの相談も少なくない。これらを補填し、支援することが必要ではないか、見解を伺う。

回答
これらの事業については、国の判断により必要な措置が講じられるものと認識しています。

質問事項
一の7 都立施設や、政策連携団体の施設などにおいて、利用時間や収容率を制限する場合は、それに応じた利用料の減免を行うこと、また民間施設についても、料金の減免が可能な支援を行うことを求めるが、見解を伺う。

回答
都立文化施設において、コロナ禍による休館の場合、キャンセルとなった利用料金を還付しています。
民間施設の利用料については、各施設の判断により減免等の措置が行われるものと認識しています。

質問事項
一の8 コロナ禍に対応した支援は、単年度内の支出しか支援の対象にならないものがほとんどであるが、文化芸術には制作に1年以上が必要なものも少なくない。1年以上の長期の活動に対応した支援を実施、拡大することが求められるが、見解を伺う。

回答
東京芸術文化創造発信助成事業においては、2年又は3年間の継続的・段階的な取組も助成対象としています。

質問事項
一の9 アーティストやスタッフの多くは個人で活動している。収入が激減するもとで、持続化給付金、家賃支援給付金に助けられたという方も少なくない。第2弾の給付を都からも国に要望するとともに、収入が激減した方などへの給付金を都として実施することを求めるが、見解を伺う。

回答
コロナ禍で芸術文化を支えるアーティスト等は創作活動の制約を受けており、新たな活動の場を提供することが重要です。
このため、都では様々な文化事業を実施するとともに、アーティスト等に対する助成事業を新設・拡充しています。
なお、都はこれまで、感染症の影響を受ける中小企業や個人事業主等に対し十分な支援を行うよう、様々な給付金の延長や再開などを国に要望するとともに、国の月次支援金への上乗せを行うほか国制度では対象とならない事業者も支給対象とする都独自の支援制度を創設したところです。

質問事項
一の10 コロナのもとでの支援はもちろん、コロナの感染収束後も文化芸術施策を拡充強化することが大変重要だが、見解を伺う。

回答
都はこれまでも様々な文化事業を実施してきましたが、今後も引き続き文化芸術施策を推進していきます。

質問事項
一の11 1月から3月に中止や収容率を抑制したイベントを対象に募集した「アートにエールを!東京プロジェクト(ステージ型)」は、100件の募集に対し、応募数は何件か伺う。すべてを採択するとともに、4月以降のイベントも対象にした追加の募集、また昨年の事業をバージョンアップした個人型の新たな募集を行うことを求めるが、見解を伺う。

回答
「アートにエールを!東京プロジェクト(ステージ型)」の令和3年度実施分の応募件数は482件であり、令和3年6月に100件を採択しました。


提出者 里吉ゆみ
質問事項
一 住宅支援について

一 住宅支援について
コロナ禍による失業や収入源の影響は、生活のあらゆる場面に表れています。都は昨年度からビジネスホテルなどを活用した住居を喪失した方々への支援を行っています。こうした支援は重要ですが、期限があり根本の不安は払しょくされません。
1 失業や雇止めと同時に住居を失う人が数多くいます。まさに「住まいの危機」とも言える状況で、公的住宅の果たす役割、重要性が高まっています。
兵庫県では、県営住宅を3,000戸活用し、住居喪失した方や住居確保に困難がある方を受け入れています。住民票も必要なく、収入についても直近1か月の給料明細で確認するなど、手続きを簡略化し、迅速に支援を行っています。
都営住宅は現在、募集用や、建て替えの一時移転用など約2万8,000戸が空き家となっています。都としてもコロナ禍で住居喪失した方や住居確保に困難がある方へ、都営住宅を活用し支援すべきですが、いかがですか。
2 こうした住まいの危機を打開するためにも、今こそ都営住宅の新規建設再開に足を踏み出すべきではありませんか。見解を伺います。

里吉ゆみ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 住宅支援について
1 都営住宅は現在、募集用や、建て替えの一時移転用など約2万8,000戸が空き家となっている。都としてコロナ禍で住居喪失した方や住居確保に困難がある方へ、都営住宅を活用し支援すべきだが、見解を伺う。

回答
都は、コロナ禍を踏まえ、令和3年1月から、都営住宅入居者の毎月募集や常時申込みが可能な随時募集を拡充し、生活に困窮する都民への居住支援の充実を図っています。
また、令和3年6月から、TOKYOチャレンジネット事業に提供している都営住宅の戸数を更に拡大し、住まいを失った方の一時利用住宅として活用しています。

質問事項
一の2 こうした住まいの危機を打開するためにも、今こそ都営住宅の新規建設再開に足を踏み出すべきだが、見解を伺う。

回答
都営住宅については、これまでも既存ストックの有効活用を図り、適切な供給や適正な管理に努めてきました。
今後とも、社会経済情勢が変化する中で、重要な役割を果たしている都営住宅について、既存ストックの有効活用を図り、住宅セーフティネットの中核としての機能を的確に果たせるよう取り組んでいきます。


提出者 尾崎あや子
質問事項
一 多摩北部医療センター基本構想検討委員会について

一 多摩北部医療センター基本構想検討委員会について
公社病院多摩北部医療センターは、老朽化のため改築することになり、現在、多摩北部医療センター基本構想検討委員会が開催されています。そこで、いくつか質問します。

1 多摩北部医療センタ―基本構想検討委員会の今後のスケジュールについてどうなっていますか。都民の意見を聞くパブリックコメントは、いつ頃になりますか。また、いつまでに基本構想をまとめていくのでしょうか。
2 第1回基本構想検討委員会では、東村山医師会の方から「“子育てするなら東村山”と謳っていますが、市には分娩施設が無い状況ですので、産科を設置いただければ、市民から喜ばれることになると思います」と発言がありました。また、東村山市の担当者からも「産科施設が市内に無いという状況ですので、是非、産科をやっていただきたい」との発言もありました。都は、これらの発言をどう受け止めていますか。
3 第2回基本構想検討委員会では、産科について一定の時間を取って議論しています。北多摩北部医療圏における分娩施設数、人口10万人に対する分娩施設数は他の医療圏と比較するとどうなっていますか。
4 北多摩北部医療圏の分娩施設数、人口10万人に対する分娩施設数ともに他の医療圏と比較して、一番少ない状況になっています。都は、この現状をどのように考えていますか。
5 住民のみなさんからは「お産ができる産科を公社病院多摩北部医療センターにつくってほしい」という要望が広がっています。市民が安心してお産ができるよう、引き続き検討することを求めますが、いかがですか。


尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 多摩北部医療センター基本構想検討委員会について
1 多摩北部医療センター基本構想検討委員会の今後のスケジュールについてどうなっているか、パブリックコメントはいつ頃になるか、いつまでに基本構想をまとめていくのか伺う。

回答
多摩北部医療センターの基本構想については、今後、基本構想検討委員会で議論し、令和3年夏頃を目途に取りまとめる予定です。
パブリックコメントについては、広尾病院や多摩メディカルキャンパスの整備では、基本構想策定時に実施しており、多摩北部医療センターについても、こうした過去の例を踏まえ、計画等の策定に係る意見公募手続に関する要綱に基づき意見を求めていきます。

質問事項
一の2 第1回基本構想検討委員会では、東村山医師会から「『子育てするなら東村山』と謳っていますが、市には分娩施設が無い状況ですので、産科を設置いただければ、市民から喜ばれることになると思います」と発言があった。また、東村山市の担当者からも「産科施設が市内に無いという状況ですので、是非、産科をやっていただきたい」との発言もあった。都はこれらの発言をどう受け止めているか伺う。

回答
病院を運営する上で、患者さんや御家族、近隣の皆様の声は重要であると認識しています。

質問事項
一の3 北多摩北部医療圏における分娩施設数、人口10万人に対する分娩施設数は他の医療圏と比較するとどうなっているのか伺う。

回答
「平成29年医療施設静態・動態調査・病院報告結果報告書」などを基に、基本構想検討委員会で確認したところ、北多摩北部二次保健医療圏における分娩可能な病院・診療所は6か所、人口10万人当たりの病院・診療所数は0.81か所、都内全体は1.18か所です。

質問事項
一の4 北多摩北部医療圏の分娩施設数、人口10万人に対する分娩施設数ともに他の医療圏と比較して、一番少ない状況になっている。この現状をどのように考えているのか伺う。

回答
都内の産科、産婦人科の医師数は伸び悩んでおり、産科を設置するに当たっては人材確保が難しいと認識しています。

質問事項
一の5 住民からは「お産ができる産科を公社病院多摩北部医療センターにつくってほしい」という要望が広がっている。市民が安心してお産ができるよう、引き続き検討することを求めるが、見解を伺う。

回答
患者さんや御家族、近隣の皆様からの様々な声を参考にしつつ、多摩北部医療センター基本構想検討委員会の意見も踏まえていきます。

 

以上