本会議 とくとめ道信都議(板橋区選出)の中途議決討論
2022年3月3日の本会議で、とくとめ道信都議(板橋区選出)が討論を行いました。
★動画(都議会ホームページです。令和4年第1回定例会 >3月3日(木曜日)本会議(一部議案の議決)をご覧ください)
★2022年都議会第1回定例会 中途議決討論全文(原稿)です。
討論に先立ち、ロシアのウクライナ侵略、核兵器による威嚇に対して、満身の怒りを込めて抗議するものです。
ロシアの行為は、明確な国連憲章違反、国際法違反です。民間人を含め多くの人が犠牲になり、街は廃墟と化しています。ただちに軍事行動をやめ、撤退させることを強く求めます。
加えて、プーチン大統領が、核兵器の先制使用を公言していることは極めて重大です。断じて許すわけにはいきません。
わが党は、世界の多くの国と市民社会が、「侵略反対」「国連憲章を守れ」の一点で声をあげ、力を合わせることを呼びかけるものです。
日本共産党都議団を代表して、知事提出の第110号議案ほか1議案に反対し、その他の議案に賛成の立場から討論を行います。
今年度最終補正予算案には賛成ですが、都税収入は新年度予算案と同様、コロナ禍にもかかわらず大幅増収となっています。今年度当初予算比5千618億円、11%も税収増です。
IT企業や大手製造業などの業績が好調で、法人二税が伸びています。株高などを背景に、富裕層が納めた個人都民税の税収も増えています。
一方、都内で取り組まれている食料支援には長蛇の列ができ、女性や若い世代の困窮は厳しさを増し、貧困の底が抜けたと言われる状況です。
最終補正予算案にも、東京と日本社会の貧困と格差拡大の実態が色濃く表れています。「住民の福祉の増進」という、地方自治法が定める自治体の基本的使命を果たすことが、今こそ求められています。
財政委員会では、最終補正予算案の編成にあたり、「無駄をいっそうなくす観点から、歳入歳出の精査を図った」という答弁がありました。そうであれば、不要不急の大型公共事業などを徹底的に精査をするとともに、税収増を活用して、貧困と格差是正の対策を思い切って行うことを、強く求めるものです。
年度末を迎え、コロナ対策の事業者支援の協力金が、なんと1兆円も使い残されています。最終補正予算案では、その多くが減額補正され、国に返納されます。苦境におかれている事業者のみなさんは、本当に驚くのではないでしょうか。いろいろな条件をつけて給付をしぼり、使い残して返納するのでなくて、最大限に給付する努力をつくすべきです。
まん延防止等重点措置は延長される方向ですが、いま都がやるべきことは、協力していただいた、すべての飲食店をはじめ事業者のみなさんに、積極的に協力金を給付することです。神奈川県など複数の県で行っている再申請を、都でも行うよう強く求めておきます。
旅行業は、コロナ禍で国内旅行消費額は半減し、倒産件数が2年連続増えています。家計調査でも、パック旅行は8割以上減少するなど、極めて深刻です。危機的な状況にある旅行関係業者に対して、直接支援をすべきです。
最終補正予算案で減額補正されている、高齢者安全運転支援装置の事業は、新年度で廃止の予定です。しかし、総務委員会の質疑で、引き続きニーズがあることが明らかになりました。来年度も継続することが必要です。
都民のくらしがこれほどたいへんな時に、非正規労働者や高齢者、自営業者が多く加入する国民健康保険の保険料・保険税の値上げは、あってはならないことです。
第110号議案は、国民健康保険の今年度の医療給付費が、想定よりも大幅に増え、予算が不足したために提出された国保事業会計の補正予算案です。
予算不足への対応は当然必要ですが、その財源に国保財政安定化基金を取り崩してあてています。政令によれば、このやり方では、取り崩した基金を回復するために、区市町村は保険料・保険税の引き上げ等をせざるを得なくなります。
わが党は、国保料・国保税の引き上げ等につながらないよう、国保事業の予算不足への対応は、財政安定化基金の取り崩しではなく、東京都の一般会計からの法定外繰入を行うことを求めるものです。よって第110号議案には反対です。
また、18歳までの子どもの国保料・国保税の無料化に、都として踏み出すことを求めておきます。
東京都組織条例の改正で、青少年施策は、新設される生活文化スポーツ局に移すことが提案されています。しかし、職員体制も施策も、見るべき前進がありません。
全国で最も若者や学生が集中する東京都こそ、若者や学生の専管組織が必要です。実現を重ねて強く求めておきます。
都立・公社病院の独立行政法人化の問題は、今定例会の大きな焦点です。
わが党は先の厚生委員会で、参考人招致を求める動議を提出しましたが、残念ながら実現しませんでした。
30万人を超える独法化反対の署名が、これまでに都や都議会に提出されています。
都内の新型コロナ感染者は、1月以降だけで60万人をこえ、医療提供体制はひっ迫しています。この第6波のさなかに独法化するのかという、疑問や懸念の声が広がっています。
病院現場や都民から意見を聞くのは、当然のことです。
予算特別委員会などで、参考人招致を行い、都民や関係者からの意見を聞いて審議を行うことを求め、討論を終わります。
以上