本会議 斉藤まりこ都議(足立区選出)の代表質問
2022年9月28日の本会議で、斉藤まりこ都議(足立区選出)が代表質問を行いました。
★動画(都議会ホームページです。令和4年第3回定例会 > 9月28日代表質問をご覧ください)
★質問全文(質問原稿)です。
一、新型コロナ対策について
二、都立・公社病院の独立行政法人化について
三、くらしの支援について
四、中小・小規模企業支援について
五、英語スピーキングテストについて
六、ジェンダー平等について
七、気候変動対策について
八、東京五輪について
九、神宮外苑再開発について
十、外環・リニア新幹線工事、羽田新ルートについて
十一、荒川流域の水害対策について
十二、横田基地と平和の課題について
十三、旧統一協会の問題について
★答弁(議事録速報版より)
- 知事(小池百合子君)
- 教育長(浜佳葉子君)
- 東京都技監(中島高志君)
- 福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君)
- 福祉保健局長(西山智之君)
- 水道局長(古谷ひろみ君)
- 生活文化スポーツ局長(横山英樹君)
- 生活文化スポーツ局生活安全担当局長(小西康弘君)
- 総務局長(野間達也君)
- 住宅政策本部長(山口真君)
- 財務局長(吉村憲彦君)
- 産業労働局長(坂本雅彦君)
- 環境局長(栗岡祥一君)
- 政策企画局長(中村倫治君)
- 都市整備局長(福田至君)
- 知事(小池百合子君)
★再質問と答弁(議事録速報版より)
日本共産党都議団を代表して質問します。
コロナ禍と物価高から、都民の命とくらし、営業を守り抜くことは、都政の重要課題です。
Q1 新型コロナ第7波は、過去最悪の感染爆発となり、亡くなる方も増えました。
高熱があっても発熱外来を受診できない、炎天下の順番待ちを余儀なくされる、などの事態が起きました。入院が難航し、救急要請しても搬送できず、自宅や救急車の中で亡くなった方もいます。
深刻な事態をまたしても招いた教訓を、知事はどう考えていますか。補正予算案も、全体としてはこれまでの延長線上です。今回の反省と教訓を、次の対策にどう生かすのですか。
Q2 知事は所信表明で今回も、「検査」に触れませんでした。PCR検査の重要性を、どう考えていますか。
引き下げられたコロナ検査の診療報酬を元に戻すよう国に求めることや、医師会が進める「センター方式の発熱外来」などの医療機関への支援の強化が必要です。いかがですか。
Q3 都の陽性者登録センターでは診療や処方ができないため、医療機関を受診する方も多くいました。
センターから直接オンライン診療につながり、薬も処方してもらえる仕組みをつくるべきです。見解を伺います。
Q4 保健所のひっ迫も深刻です。知事は都政の加速化を強調していますが、多摩地域の保健所の増設・拡充こそ、急ぐべきではありませんか。
Q5 介護施設や福祉施設の現場から、コロナ禍のもと、経験したことのない緊張状態にあるとの声があがっています。
利用者に次々、感染が広がりました。ある特養ホームの施設長は、コロナに感染して亡くなった方のご遺体は、感染防止のため全身を密封する納体袋に入れられて施設から出ていく。何十年と仕事をしてきて初めてのこと。とてもつらかったと話しています。 職員にも感染が広がり、職員不足のなか利用者の尊厳を守るためにがんばっています。
こうした福祉施設、福祉従事者の現状を、どう認識していますか。職員の増員や、給与の引き上げなど、支援の抜本的強化が必要ですが、いかがですか。
第7波が始まりつつあった7月1日、知事は、都民、職員の強い反対を押し切って、都立・公社病院の独立行政法人化を強行しました。日本共産党都議団は、満身の怒りをこめて抗議します。
Q1 コロナ禍のもと、都立・公社病院は最大2千210床のコロナ病床を確保し、介護が必要な高齢者、障害者、透析患者、妊婦など、入院先の確保が難しい患者を受け入れてきました。ところが第7波では、コロナ病床の利用率は約4割でした。
都は、介護が必要で人手がかかる患者が増えたことや、職員に感染者と濃厚接触者が増えたことが理由だとしています。
知事、コロナ患者をより多く受け入れるために、職員をより多く配置することが必要ではありませんか。
Q2 第7波では、重症心身障害児・者、重度の知的障害者や盲ろう者がコロナで入院できない事態となりました。肢体不自由特別支援学校のPTA連合会は、速やかに適切な病院に入院できるよう早急な対策を求めています。
入院先の確保が難しい患者は、独法化前と同様、都立病院で最大限受け入れるべきです。知事の答弁を求めます。
Q3 そもそも医療には、多くの人手が必要です。貧弱な診療報酬の下、経営効率優先でぎりぎりの体制しかなければ、パンデミックのような危機に対応できないことが、コロナ禍で明らかになりました。平時から余裕のある医療体制をつくることが必要です。認識を伺います。
独法化中止を求める署名は合計で40万人を超え、空前の都民運動になりました。
独法化のねらいは、もうかる医療を優先し、都の財政支出を減らすことです。
日本共産党都議団は、都立・公社病院が担ってきた、都民の命の砦としての役割を後退させず、充実させるとともに、直営に戻すために、幅広いみなさんと力を合わせていく決意です。
くらしの支援も急務です。
Q1 10月以降に値上げされる食料品だけで、約7千品目にのぼります。電気代、ガス代の値上げも続いています。消費者物価指数は前年同月比で3%も上昇し、長期化、深刻化が予想されています。
一方、今年6月の「東京都生計分析調査」では、勤労者世帯の実収入は12%以上減少しています。
知事は補正予算案を提出しましたが、総額6千135億円のうち物価高騰対策は370億円、全体のわずか6%であり、事態の深刻さに照らして不十分です。
知事、都民のくらしを守り、経済の回復を後押しするには、さらに手厚く、きめ細やかな支援が必要です。認識と対応を伺います。
Q2 上下水道料金の減免は、今年6月以降だけでも全国で160を超える自治体が決めました。
昭島市では国の臨時交付金を活用し、上下水道料金の基本料金を減免することになりました。長引くコロナ禍に加え物価高騰の影響を受けて大変になっている市民の方々の負担を少しでも軽くし、役に立ちたいから決めたとのことです。
今すぐできる、効果的な支援策だと思いませんか。都も踏み出すことを求めます。いかがですか。
Q3 都が18歳までの医療費助成に踏み出すことは重要です。
区長会は都の制度に上乗せして18歳まで完全無料にすると発表しました。一方、多摩26市は、各自治体の財政力が異なるため、上乗せするか否かは各自治体の判断となり、完全無料化は4市にとどまります。
知事は所信表明で、子育てしやすい環境が整う多摩地域の魅力向上に取り組むと述べましたが、これではさらなる多摩格差になるのではありませんか。
多くの市民から、「多摩の子どもたちも無料にしてほしい」と、切実な声があがっています。市長会は、子どもの医療費助成の拡充を、都への来年度予算要望の「最重点要望」に位置づけ、小中学生の医療費助成における格差是正、18歳まで所得制限や一部負担金を撤廃することを求めています。
知事は、これらの声に応え、完全無料化することを求めます。
給食費の無償化も急務です。
Q4 葛飾区は23区で初めて、来年度から区立小中学校の給食費無償化を実施します。区長は記者会見で、「教育的な観点から考えても大切なことだ」と述べています。
千葉県は、都道府県で初めて、公立小中学校に通う第3子以降の給食費を無償化すると発表しました。
こうした動きをどう受け止めていますか。
足立区で無償化を求めて署名活動を始めた保護者は、「物価高騰で家計が圧迫されている。子どもたちの発達を保障する上でも、普段節約している食費に給食費をあてることができればうれしい」と話しています。
今こそ給食費無償化に向けて、東京都が役割を果たすべきではありませんか。
特別支援学校や定時制高校など都立学校から、給食費の無償化に踏み出すことも重要です。
コロナ禍と物価高騰は、学生の生活も追い詰めています。
食費を切り詰めている学生や、バイト先の飲食店などの経営難でシフトが大幅に減ってしまった学生が少なくありません。
Q5 京都府は、この間6度の補正予算で、大学や学生支援を行ってきました。さらに6月には、京都府と京都市が学生支援の補正予算を組みました。
京都府は、大学が学食の割引や食料品などを学生に配布する際に全額補助、京都市は、大学が実施する教科書代の割引、家賃支援、独自の奨学金に全額補助します。
都内の学生から、「これ全部あったらすごく助かる」と言われました。
京都府・京都市のこうした学生支援の新たな取り組みを把握していますか。
Q6 全国の学生の4分の1、67万人を超える学生が集中している東京都として、学生の生活実態を把握することが必要ではありませんか。
そして、学生への直接支援、または学生支援に取り組む大学への支援に踏み出すことを強く求めます。
Q7 京都府にも京都市にも、学生を担当する組織があります。それにより、学生や大学の困難を把握し、必要な支援を行うことができるのです。
東京都にも学生を所管し、学生の声を受け止める組織が必要です。いかがですか。
次に住まいの支援です。
Q8 住宅問題に取り組む団体の調査によると、昨年度末現在、都営住宅の空き住戸は約3万戸、全体の12%に及びます。
建て替えの際の仮移転先として一定数の空き住戸は必要ですが、あまりにも多すぎます。多くの都民から、「なぜこんなに空いているのに入れないのか」と怒りの声があがっています。
台東、北、武蔵村山、港など7区市は、空き住戸率が15%を超えています。北区だけで2千5百戸を超え、1棟まるごと1年以上、空いたままの都営住宅もあります。
北区は、こうした空き住戸の活用を要望した区議会の質問に対し、「都営住宅の新規募集が実施されるよう東京都に求めていく」と答弁しました。
コロナ禍と物価高騰で、住宅に困っている人が増えています。空き住戸を積極的に活用して、新規募集を増やすべきではありませんか。
Q1 中小建設業者は、地域で雇用を生み、経済を支える大事な役割を果たしていますが、資材不足や燃料高騰による二重三重の困難に直面しています。
中小建設業者が果たしている役割と、支援の重要性を、どう認識していますか。
Q2 公共工事の発注にあたり、都は事業者に契約金額の40%の前払金を支払うことになっていますが、3億6千万円が上限です。
この前払金の上限額について、国土交通省は2015年、2020年の二度にわたり見直しを求める通知を出しています。ところが都は、そのまま続けています。
47都道府県のうち、前払金の上限額を続けているのは、東京都の外に何県ありますか。
下請事業者や労働者への円滑な支払いを促進するため、前払金の上限額を撤廃すべきです。
Q3 公共工事を発注する際、賃金や物価水準の変動によって契約金額を変更できる「スライド条項」の全体スライドは、契約から9カ月経過しなければ適用されません。資材の値上げが繰り返されているもとで、これでは安心して受注できません。
9カ月という条件を、短縮すべきではありませんか。
Q4 住宅や店舗の段差解消などのリフォーム工事に都が助成することは、小規模の建設事業者が直接受注できる仕事を増やし、地域経済の活性化に大きな効果があります。どう認識していますか。「GoToリフォーム」事業として実施することを提案します。いかがですか。
Q5 物価高騰などの影響は、あらゆる業種に及んでいます。補正予算案で、燃料費の高騰に苦しむ公衆浴場や運輸事業者への支援が盛り込まれたことは重要ですが、さらに幅広い業種への支援が必要です。知事の認識と対応を伺います。
Q6 西東京市では、経費の高騰による影響を受けている中小企業・個人事業者に業種を問わず直接支援を行っています。
都もこの立場で、物価高騰の影響を受けるすべての業種への直接支援を行うべきではありませんか。
英語スピーキングテストまで2カ月となりました。中止を求める都民の声と運動は、ますます大きくなっています。
この間、採点の公平性、国立・私立や都外の中学生・不登校の生徒などの不受験者への対応をはじめとした不公平、株式会社ベネッセの商品であるGTECとの酷似、個人情報の保護など、多くの懸念や問題点が指摘されてきました。
Q1 そもそも、なぜ受験生全員が受けるわけではないテストを、高校入試に活用するのですか。
Q2 このテストは、公立中学3年生全員を対象とする到達度を測るアチーブメントテストであり、入試の「学力検査」ではありません。入試の「学力検査」でないテストを、都教委が、区市町村教育委員会や公立中学校に強制することはできません。にもかかわらず、そのテスト結果を調査書、いわゆる内申書に記入させて高校入試の合否判定に使うことは、実施しなければ生徒に不利益が生じる結果となり、事実上の強制です。
これは、区市町村教育委員会と公立中学の自主性・自立性への侵害であり、都教委による不当な支配にあたります。この重大問題をどのように考えているのですか。
Q3 保護者や専門家による集会やスタンディングなどが各地で行われ、53人もの都民が監査請求を提出し、公金支出中止と事業の停止勧告を求めています。先日の教育委員会には傍聴席を超える人が詰めかけましたが、自分たちの声は届かなかったと怒りが広がっています。
いまだに都民の合意形成ができていないことを、どう考えているのですか。
Q4 中学3年のある生徒は、制度をよく理解して、次のようなメールを寄せています。
勉強が嫌いになる理由のひとつはテストです。英会話は好きですが、このテストを 行って話す力がつくとは思えません。採点の方法にも疑問を感じました。これからの 人生を決める大切な試験に、公平かどうかもわからないものを導入してはいけないと 思います。ただでさえ負担の大きい僕たちに、こんなテストを受けさせないで下さい。
知事はこの声を、どう受け止めますか。
Q5 15日の文教委員会では、テストの延期・見直しを求める請願が「継続審査」となりました。議会が結論を出していないもとでの強行は許されません。「継続審査」の重みを、どう認識していますか。
Q6 入学試験のあり方を根本から歪める英語スピーキングテストは中止すべきです。答弁を求めます。
次にジェンダー平等、及び気候危機への対応です。
Q1 私たちの生きるこの社会は、「女らしさ」「男性はこうあるべき」など、社会的につくられたジェンダー不平等が、シャワーのように降り注いでいます。知事も所信表明で ジェンダーギャップについて、世界から遅れを取っていると述べました。
私自身、かつて転職の面接で、男性面接官から「お子さんの予定は」と聞かれたことがありました。イギリスBBCの記者にこの話をしたところ、「イギリスで聞いたら絶対に裁判で会社が負ける」と言われました。また、外資系の会社では「女性が何歳とか、既婚か未婚は関係ない」と言われ、圧倒的な認識の差を実感しました。
これは、個人的な問題ではなく、仕組みや制度を見直すなど、政治や社会が取り組む問題です。認識を伺います。
Q2 「お酌やお茶出しは女性がやること」「PTAや保護者会に行くのは母親」などの思い込みは、無意識の偏見、アンコンシャス・バイアスと呼ばれています。
過去の経験や見聞きしたことに影響を受けて培われたものであり、アンコンシャス・バイアスに気づき、意識改革を進めるために、都はどういう役割を果たすのですか。
Q3 都庁内でも取り組みが必要ですが、いかがですか。
同時に、ジェンダー不平等となっている根本を解決していく必要があります。
Q4 日本における無償労働時間は、女性が男性の5・5倍に及び、OECD加盟国で最も大きい格差となっています。
その特徴は、男性の有償労働時間が圧倒的に長く、女性は有償労働と無償労働を合わせると男性よりも労働時間が長いことがあげられます。
こうした状況が男性を、家事、育児、介護などを担うことが困難な「ケアレスマン」にし、一方で女性は仕事も家事も両方行い、「ワンオペ」は当然ということにつながっており、労働時間を減らすために、調査や研究、政策誘導が必要です。
男女の家事・育児などの時間格差について、どう認識していますか。
Q1 岸田政権は、原発の再稼働に加えて新増設の検討を表明しました。しかし福島原発 事故は、いまだ解決のメドも立っていません。一方、米国エネルギー情報局は原発の発電コストについて、太陽光や風力などに比べて2倍以上かかるとしています。今や、原発の再稼働・新増設は、道義的にも経済合理性の点でもあり得ません。
知事は会見で、原発の新増設を容認するかのような発言をしましたが、きっぱり反対すべきです。答弁を求めます。
Q2 この冬、そして今後も続く電力ひっ迫への備えが急がれます。
補正予算案に、事業者等のピーク電力抑制支援を計上したことは重要です。対策を 一気に進めるために、高断熱窓・高断熱ドア改修等の補助率を再度引き上げるなど、省エネ対策のさらなる強化が必要ではありませんか。
Q3 学校の省エネ・再エネ対策も大きな課題です。
学校施設のゼロエネルギー化を進めている自治体に話を伺うと、国の補助制度は学校の改築には使いにくく、対応に苦慮しているとのことでした。学校施設のゼロエネルギー化に適した補助制度を国に求めるとともに、都独自に使いやすい補助制度を実施すべきです。いかがですか。
Q1 知事は所信表明で、東京五輪の汚職事件にひと言も触れませんでした。都合の悪い ことにフタをする姿勢は許されません。
組織委員会の元理事・高橋容疑者が、スポンサー契約にかかわり受託収賄容疑で逮捕されました。AOKIホールディングス前会長、KADOKAWA会長らが相次いで 贈賄容疑で逮捕されています。
青木氏から森元組織委員会会長に現金が渡されたことも明らかになりました。さらに、高橋氏が広告大手「大広」から現金を受領した疑いで、「大広」が家宅捜索を受けました。その後も次々疑惑が明らかになり、底なしの様相です。
これらは、個人の不祥事で済まされる問題ではありません。
東京都には、五輪の開催都市としての責任があります。組織委員会は都とJOCが設立し、都の職員が大量に派遣され、同理事と職員は法律により「みなし公務員」とされ、大会には多額の税金が投入されました。
東京五輪はきわめて公的な性格をもつ大会であり、その運営は公平公正であったのか、収入と支出は適正であったのか、なぜ今回のような事件が起こったのか、都として徹底的に検証すべきです。
この大問題について、知事はどう受け止めているのですか。
Q2 この間、都として、組織委員会に関係した職員への聞き取り調査など行ったのですか。
Q3 都と組織委員会の共同実施事業でも、AOKIがスポンサーとして優先的に約1億 8千万円、「大広」が2億5千万円の契約をしています。都の税金が投入されている共同実施事業に不正がなかったか、都として改めて調べる必要があります。いかがですか。
Q4 また、スポンサーの選定や契約、ライセンス商品の販売などの過程をはじめ、大会報告書と大会経費の全体について全面的に検証して、都民に明らかにすべきです。見解を求めます。
Q5 わが党も提案者となり成立した「五輪文書保管条例」の目的は、大会の開催経費等の検証を行うこと、大会に対する都民の信頼の向上を図ることです。
文書が保管されることは重要ですが、情報公開の対象となる文書はあるのですか。
組織委員会が作成し保管している文書を情報公開できるようにすることが必要ではありませんか。
神宮外苑再開発も、その背景には五輪をめぐる巨大利権があります。森喜朗・元組織委員会会長や萩生田光一衆院議員が深くかかわってきたことを、わが党は明らかにしてきました。この利権構造にも、メスを入れることが必要です。
Q1 神宮外苑再開発について知事は所信表明で、事業者からきめ細やかな情報発信や関係者一体となった樹木の保全など、新たな構想が示されたと述べましたが、事実は違います。
8月の環境影響評価審議会答申には、都民から事業計画の十分な周知・公開を求める意見や、樹木伐採への反対意見が多く出されたこと、樹木の保全方針を示した評価書案に対して「根拠の不明瞭さ」が指摘されたことなどが明記されました。
さらに、きわめて異例なことに、答申を受けて事業者が提出する環境影響評価書に対し、改めて審議会が意見する機会をもつことが確認されました。環境影響評価条例が 制定されてから42年間で、初めてのことです。審議会がこうした異例の対応をとった重要性を、どう受け止めていますか。
Q2 石川幹子・中央大学研究開発機構教授は記者会見で、新宿御苑トンネルの工事が樹木に与えた影響を公表しました。
トンネルから15メートル以上離れたところでは、イチョウを含め樹木の保全に成功しています。ところが神宮外苑再開発では、イチョウ並木から新球場の基礎まで6メートルしかありません。
15メートル以上確保できるよう建物の配置を抜本的に変更しなければ、イチョウ 並木は保全できないのではありませんか。
Q1 外環道の大深度地下工事は、調布市内で陥没事故、練馬区内でシールドマシンの損傷事故が起き、いずれも工事が止まっています。
リニア新幹線の大深度地下工事も、品川から掘削を始めて50メートルも進まず事故を起こし、中断しています。原因は経験不足とされています。
もともと大深度地下の工事は未知の領域で、地盤や地下水の状況の把握が難しいことや、地盤沈下をゼロにはできないなど、多くの技術的課題が指摘されていました。日本で初めての本格的な大深度地下工事である外環、2例目のリニア新幹線、相次いで、その懸念が現実のものとなりました。
経験不足や未熟な技術で、事故の原因解明も再発防止策も不明確なまま、他人の土地の地下を断りなく掘り進める大深度地下工事は中止すべきです。答弁を求めます。
Q2 都心上空を大型航空機が低空飛行する羽田新ルートは、実施から2年半が経ちました。住民は、深刻な騒音や落下物の危険に悩まされています。国は、新ルートの固定化回避検討会をこれまで5回開きましたが、具体策は見えていません。
ところが先週末、東京湾上空の新たな飛行ルートを国が検討しているとの報道がありました。わが党の聞き取りに、国土交通省は報道内容を否定し、検討会とは無関係だとしています。
都は、報道された内容が事実かどうか、把握していますか。
Q3 住民は、8月の第5回検討会で報告された、「シミュレーションの検証」の際に設定した飛行経路などを、具体的に示すよう求めています。ところが国は、いっさい明らかにしていません。国に情報の公開を強く求めるべきですが、いかがですか。
Q4 第5回検討会では、江東区や江戸川区上空の離陸経路は、現状維持とされました。 つまり、離陸時の「荒川ルート」は固定化されるのではありませんか。
わが党は、羽田新ルートの抜本見直し、都心上空の低空飛行の中止を、多くの住民のみなさんと力をあわせて、引き続き強く求めてまいります。
荒川流域の水害対策について伺います。
完成まで200年かかるとも試算されている国の高規格堤防は見直して、現実的な 対策を急ぐ必要があります。
Q1 荒川沿いの足立区新田一丁目では、高さ約8メートルもある高規格堤防の盛り土の上に、都営住宅を建て替える工事が行われています。近隣住民の方から、巨大な擁壁が 目の前に迫る現状への不安の声が寄せられています。
この高規格堤防は、今は都営住宅の敷地だけの、島のような状態です。これでは堤防として役に立ちません。この暫定的な形状は、いつまで続き、いつ堤防として完成するのですか。
Q2 国土交通省は、洪水時に堤防から漏水するおそれがあるなど危険が予想される箇所を、「重要水防箇所」として公表しています。荒川下流域の足立区など7区には80カ所 あります。
しかし、国交省が取り組んでいる巡視点検や応急措置だけでは、問題は解決しません。専門家も整備の緊急性を訴えています。荒川堤防の対策は、この80カ所をはじめと した「重要水防箇所」の抜本的強化こそ急ぐべきではありませんか。
横田基地と平和の課題について質問します。
Q1 横田基地にも配備されているCV22オスプレイに、クラッチがすべる不具合が起きることを受けて、米空軍は全世界52機すべての地上待機・飛行停止を8月17日に命じました。
米空軍の報道官ヘイズ中佐は、不具合が起きると機体を制御できなくなり墜落する可能性がある、不具合が起きる原因はわかっていないとコメントし、機体に欠陥があることを認めています。
ところが、訓練でパイロットの技量を高めることで問題は回避できるとして、9月2日に早くも飛行が再開されました。
こんな状態で飛行を再開したのは、あまりにも危険で無謀だと思いませんか。
Q2 都と横田基地周辺5市1町は要請文を出しました。青梅市やあきる野市、日の出町も、横田基地に直接出向いて事情を聞く予定です。
CV22オスプレイの機体の安全性に対し、基地周辺住民の不安はこれまで以上に大きくなっていることを、どう認識していますか。飛行再開にあたり、米軍が説明責任を果たしていないことは明らかだと思いますが、見解を伺います。
Q3 知事、いつ墜落するかわからないCV22オスプレイの飛行中止、横田基地からの撤去、今後の増配備計画の中止を、直接、米国・米軍に申し入れるべきですが、いかがですか。
Q4 前定例会でわが党は、非核平和都市宣言をするよう求めました。ところが知事は、「国の安全保障に関わる問題であり、都として非核平和都市宣言を行う考えはございません」と答弁しました。
知事は、全国42もの道府県が非核平和都市宣言を行っていることに、意味がないというのですか。
Q5 ロシアのプーチン大統領は、核兵器使用の発言を繰り返しています。広島、長崎に 次いで被爆者が多く暮らしている首都東京の知事として、核廃絶のメッセージを都民と世界に強く発信すべきではありませんか。
そのひとつとして、非核平和都市宣言を検討すべきです。知事の答弁を求めます。
最後に、統一協会の問題です。
Q1 統一協会は、資金づくりを担う事業部門や、各国の政権に食い込もうとする政治部門などを備えた複合体であり、最大の関心事は、日本の信者から際限のない献金と人材を韓国側の教団組織に捧げること。これは、全国霊感商法対策弁護士連絡会の山口広(ひろし)弁護士による指摘です。また、九州大学法学部・南野森(しげる)教授は、霊感商法や法外な献金の強要など、裁判所で違法・不法行為が繰り返し認定されており、他の宗教団体とは異質だと述べています。
知事は、統一協会について、どう考えていますか。違法・不法行為を繰り返しているカルト集団であり、今も深刻な被害が続いているという認識はありますか。
Q2 政治家や行政は、統一協会といっさいの関係を断つべきです。知事の認識を伺います。
Q3 都庁と統一教会の関係について、都は過去3年間について調査しましたが、詳しい 結果を公表すべきです。また、それ以前の調査も必要です。お答え下さい。
Q4 2015年に始まった「多文化おもてなしフェスティバル」の主催者は統一協会関連団体です。都はこれを後援したのではありませんか。事実をお答え下さい。過去にさかのぼって後援を取り消すべきです。答弁を求めます。
Q5 都が被害者救済に取り組むことは重要です。高額な献金などにより家庭が崩壊し、2世、3世と被害が及んでいます。
統一協会のマインドコントロールによる被害者の救済は専門性が求められ、支援の 体制は極めて不十分です。専門の相談窓口の設置や、専門性を持った支援員の育成などを行うべきではありませんか。
Q6 被害者支援や相談活動を行う団体に、都として運営費の補助などを行うことも重要です。見解を伺います。
Q7 被害防止のための法的規制、統一協会の解散命令を国に求めるべきです。答弁を求めます。
都議会議員、元都議会議員についても、統一協会とのかかわりが複数、明らかになっています。重く受け止め、徹底した調査を行い、厳しくエリを正して、関係を断つべきことを強く訴え、再質問を留保して質問を終わります。
【答 弁】
○知事(小池百合子君) 斉藤まりこ議員の代表質問にお答えいたします。
まず、新型コロナの感染拡大への備えについてのご質問であります。
都は、この夏の感染拡大におきまして、陽性者登録センターの設置をはじめ、宿泊療養施設や臨時の医療施設への入所、往診による見守りを徹底するなど、これまで築き上げてきた保健、医療提供体制をさらに強化するほか、保健所の体制強化、ワクチン接種の推進など、先手先手で取り組んでまいりました。
今後も、感染拡大への警戒を緩めることなく、高齢者等のインフルエンザワクチン接種に係る自己負担分への支援を都独自に行うなど、総合的に対策を講じてまいります。
新型コロナ患者の受入れについてでございます。
都は、患者一人一人の基礎疾患の有無や障害の程度など、配慮すべき点やかかりつけ医の意見なども踏まえまして、入院先を調整しております。
都立病院では、独法化前と同様に、引き続き、重症、中等症の患者や、新型コロナの症状は軽くても重い基礎疾患のある方、障害のある方などを積極的に受け入れてまいります。
補正予算についてでございます。
都はこれまでも、コロナ禍や物価の高騰などにより苦境に立たされている都民、事業者への支援など、状況の変化に即応し、きめ細かな対策を講じてまいりました。
今般、都民生活に与える影響が長期化している現状を踏まえまして、補正予算を編成し、低所得のひとり親世帯等への生活支援など、対策のさらなる充実を図っております。
今後とも、都民の暮らし、東京の経済を守るため、必要な施策を機動的かつ的確に講じてまいります。
事業者への支援についてのお尋ねです。
原材料価格の高騰の長期化などによりまして、事業者の経営に大きな影響が生じております。
都は、中小企業の資金繰りを支えるため、制度融資により、引き続き支援を行ってまいります。
また、事業者によるエネルギーのコスト等を削減できるよう支援を充実するほか、取引先を増やす販路開拓のサポートを行ってまいります。
これらにより、事業者への支援を進めてまいります。
次に、エネルギー施策についてのお尋ねであります。
原子力発電の新増設については、安全性の確保を大前提として、国レベルで議論、検討がなされるべきでございます。
都は引き続き、脱炭素社会の実現に向けまして、電力を減らす、つくる、ためる、HTTの取組を一層加速させてまいります。
組織委員会の元理事についてであります。
大会は、多くの方々の協力を得ながら、困難を乗り越えて開催することができました。一方で、このような事件が起きたことは誠に残念でございます。
本件は捜査中の案件でありまして、引き続き、清算法人に対して捜査に全面的に協力するよう求めてまいります。
次に、CV22オスプレイについてであります。
安全保障に関することは国の専管事項であります。米軍の運用に当たりまして、住民に不安を与えないよう最大限の配慮が払われなければなりません。
国からは、機体自体の安全性に問題がなく、教育訓練や機体点検等を継続的に行うことで、飛行の安全が確保できると確認したと聞いております。
都はこれまでも、安全対策の徹底等につきまして、地元自治体と共に、国や米軍に要請してまいりました。今後も、都民の生命、安全・安心を守る立場から、必要なことを申し入れてまいります。
非核平和都市宣言についてでありますけれども、核廃絶に向けた取組は国の安全保障に関わる問題でございます。
我が国は、一九九四年以降、毎年、核兵器のない世界に向けた決議案を国連に提出するなど、国際社会におきまして、核廃絶への取組を続けているところでございます。
以上です。
〔教育長浜佳葉子君登壇〕
○教育長(浜佳葉子君) 八点のご質問にお答えいたします。
まず、学校給食についてでございますが、区市町村立小中学校の学校給食費については、学校設置者である区市町村が決定しており、保護者負担の軽減策等についても、区市町村の判断により行われていると認識しております。
学校給食法では、学校給食は設置者が実施し、食材費等の学校給食費は児童または生徒の保護者が負担することとされており、無償化については、国の責任と負担によるべきものと考えております。
次に、都立高校入試におけるスピーキングテストの活用についてでございますが、スピーキングテストは、学校の授業で学んだ内容の到達度を把握するとともに、英語指導の改善、充実に活用する教育活動の一環として実施するものであり、都内公立中学校の三年生全員を対象としております。
都立高校の入試では、本テストの結果を適切に活用してまいります。
次に、スピーキングテストの実施についてでございますが、都教育委員会は、グローバル人材の育成に向けて様々な施策を展開しており、スピーキングテストもその一環として実施するものでございます。
本テストは、教育基本法第十六条第三項に定める地域における教育の振興を図る観点から、都教育委員会が行う施策でございます。
次に、スピーキングテストの都民への周知についてでございますが、都教育委員会はこれまで、区市町村教育委員会や中学校を対象に説明会等を実施するとともに、生徒や保護者に対しては、全員にリーフレット等を配布するなど、事業の趣旨や内容を周知してきており、引き続きテストに関する周知に取り組んでまいります。
次に、スピーキングテストに対する生徒の意見についてでございますが、本テストは、中学校の学習で身につけた話すことの力を客観的に評価するとともに、都立高校入試に活用することで中学校と高校における英語指導の充実を図り、生徒の使える英語力の育成を推進するために実施するものでございます。こうした事業趣旨等について、引き続き丁寧に説明してまいります。
スピーキングテストの実施についてでございますが、スピーキングテストの実施と都立高校入試への活用における関連予算につきましては、既に第一回定例会の審議を経て議決でご承認をいただいております。
都教育委員会としてはこれまでも、スピーキングテストの実施に向けて準備を整えてまいりましたが、引き続き進めてまいります。
本定例会において、テストに係る請願が継続審査となっていることは承知しております。
次に、スピーキングテストの活用についてでございますが、入試においては、義務教育の最終段階として、学習指導要領で求められている力が身についているかを測る必要がございます。英語については、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことの四技能の習得状況を測ることが重要でございます。
都教育委員会は、スピーキングテストを着実に実施し、都立高校の入試に活用してまいります。
次に、学校施設整備の国の補助制度の活用についてでございますが、都教育委員会では、公立学校施設における環境負荷の低減を図るため、区市町村立学校において、環境を考慮した施設整備が促進されるよう、補助制度の活用を促すとともに、国に対し、補助要件の緩和を要望しております。
〔東京都技監中島高志君登壇〕
○東京都技監(中島高志君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、足立区新田一丁目地区における荒川の高規格堤防の完成時期についてでございますが、国からは、今後、当該箇所に隣接する地域の新たなまちづくりの機会を捉えながら、高規格堤防の事業化に向けた調整を図っていくと聞いてございます。
なお、高規格堤防は、部分的に整備した場合においても、堤防の安全性が向上し、災害発生時には周辺の住民などの避難場所として機能いたします。
次に、荒川堤防の重要水防箇所についてでございますが、国からは、荒川において、これまでに荒川水系河川整備計画に基づき、堤防の耐震対策などの河川改修を進めてきており、それらが重要水防箇所の対策にもつながっていると聞いております。
都といたしましては、引き続き荒川の治水対策の着実な推進を国に求めてまいります。
〔福祉保健局健康危機管理担当局長佐藤智秀君登壇〕
○福祉保健局健康危機管理担当局長(佐藤智秀君) 三点のご質問にお答え申し上げます。
まず、新型コロナの検査についてでございます。
都は、検査が必要な方に対して、感度の高いPCR検査や、簡便かつ迅速に結果が判明いたします抗原定性検査など、それぞれの特性を踏まえまして、その組み合わせにより適切に受検できる体制を整備しております。
また、地区医師会等が設置をいたします地域外来・検査センターの運営費を支援しております。
検査に係る診療報酬につきましては、国が中央社会保険医療協議会の議論を踏まえ決定しており、保険収載価格の見直しは実勢価格を踏まえて行われたと聞いております。
続きまして、陽性者登録センターについてでございます。
都の陽性者登録センターは、発熱外来への受診集中を緩和することを目的としておりまして、六十五歳未満で症状が軽く、自宅療養が可能な方を対象にしております。
自宅療養中に症状が悪化した場合は、うちさぽ東京へご連絡をいただき、往診やオンライン診療につなげる仕組みを構築しておりまして、薬の処方を受けることも可能でございます。
最後に、非常時にも備えた医療体制についてでございます。
医療機関における医師や看護師等の配置につきましては、その管理者が国の定める診療報酬上の配置基準を踏まえ判断するものと認識をしております。
新型コロナウイルス感染症対策におきましては、東京都医療人材登録データベースを運用し、医療資源を有効に活用するとともに、臨時の医療施設の整備を進めております。
今後とも、必要な医療提供体制を確保してまいります。
〔福祉保健局長西山智之君登壇〕
○福祉保健局長(西山智之君) 四点のご質問にお答えします。
まず、都保健所についてでございますが、多摩地域の都保健所は、二次保健医療圏における広域的、専門的、技術的拠点として、地域の感染症対策の重要な役割を担ってございます。
都は、新型コロナの感染拡大に伴い、保健師の増員や業務の効率化など、体制の強化や負担軽減に取り組んでおり、引き続き、感染状況に応じ体制の確保を図ってまいります。
なお、今後、感染拡大から終息に至るまでの都保健所の取組について検証した上で、その在り方について検討していくこととしております。
次に、コロナ禍での高齢者施設等への支援についてでございますが、現場に従事している職員や利用者が陽性者や濃厚接触者になってもサービスを継続できることが重要であり、都は、人材確保に要する割増し賃金や手当等のかかり増し経費を補助し、コロナ禍における福祉現場の負担軽減に取り組んでおります。
また、人材派遣会社を活用した代替職員の派遣等を行うほか、施設内療養者への診察を行う医療支援チーム等を現場に派遣するなど、必要な支援体制を構築しており、今年度末まで継続して実施できるよう、必要な経費を補正予算に計上してございます。
次に、都立病院の新型コロナ患者の受入れについてでございますが、都立病院は、第七波においても、都民の生命を守る観点から、重症、中等症の患者や、新型コロナによる症状は軽くても重い基礎疾患のある方、介護度の高い方などを積極的に受け入れてきました。
受入れに際しては、感染症科や内科以外の医師も協力して診療に当たるとともに、看護師についても新型コロナ病棟への応援体制を構築するほか、独法化のメリットを生かして機動的に人材の確保に取り組んでおります。
最後に、高校生等医療費助成事業についてでございますが、都は、所得制限や一部自己負担を設けた上で、区市町村との負担割合を二分の一とすることを基本的な枠組みとしており、早期の事業開始を促進するため、令和五年度から三年間は都の負担割合を十分の十としてございます。
各自治体における具体的な実施内容は、実施主体である区市町村がそれぞれの地域の実情を勘案しながら定めるものと認識してございます。
なお、令和八年度以降の取扱いなどについては、今後、区市町村との間で協議の場を設置し、検討することとしてございます。
〔水道局長古谷ひろみ君登壇〕
○水道局長(古谷ひろみ君) 上下水道料金の減免についてでございますが、上下水道料金の減免措置は、受益者負担の原則、公営企業における独立採算制の原則及び使用者間の負担の公平に対する例外措置でございまして、その拡充については慎重に考えるべきものであると認識しております。
〔生活文化スポーツ局長横山英樹君登壇〕
○生活文化スポーツ局長(横山英樹君) 十点のご質問にお答えいたします。
まず、大学生支援の取組についてでございますが、京都府や京都市が大学や大学生等へ支援をしていることについては承知をしております。
次に、ジェンダー平等に関する認識についてでございますが、固定的な性別役割分担意識は今なお存在しており、全ての都民が性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮できる社会づくりは重要でございます。
女性参画を促進し、施策に多様な意見を反映するため、都の審議会等にクオータ制を導入するなど、様々な施策を推進しており、引き続き男女平等参画社会の実現に向け取り組んでまいります。
次に、性別による無意識の思い込みについてでございます。
働く場や家庭など社会の様々な場面に存在しており、女性活躍を阻む一つの要因ともなっております。
都は、都民から広くエピソードや動画を募集するなど、無意識の思い込みに気づき、共に考える取組を行っております。
次に、男女の家事、育児などの時間格差についてでございますが、生活と仕事が両立できる社会を実現するためには、長時間労働を前提とした働き方を見直すとともに、男女が協力して家事、育児などを担うことが重要でございます。
都はこれまで、都内企業の働き方改革の取組を支援するとともに、男性の主体的な家事、育児参画を促す情報発信などを行っており、引き続きこうした取組を進めてまいります。
次に、情報公開の対象文書についてでございますが、組織委員会が作成、受領し用いた文書は、関係法令に基づき清算人が保存する文書とアーカイブ文書に分けられます。
アーカイブ文書のうち、都が管理することとなった文書は、一般への公開を行うこととしております。
清算人保存文書は、都として管理する文書ではないため、その対象外でございます。
次に、旧統一教会についてでございますが、過去にその活動について違法性が指摘されており、都は、旧統一教会に関連して不安や困難を抱える都民に対して、消費生活などの相談や、弁護士会など様々な機関との連携などにより、適切に対応しております。
次に、お話の多文化おもてなしフェスティバルへの後援名義についてでございます。
書類の保存年限を過ぎておりますが、聞き取りなど必要な調査を行い、適切に対応していくこととしております。
次に、旧統一教会に関する相談窓口についてですが、都では、消費生活や福祉、人権などの相談窓口を設置しており、日頃から相談内容に応じて、関係機関とも連携しながら多様な相談に対応しております。
また、庁内連携会議を開催して情報を共有するとともに、都内三弁護士会に協力を依頼し、相談対応の強化を図っております。
次に、旧統一教会の被害者支援等を行う団体への対応についてでございますが、都としては、関係機関と連携しながら多様な相談に応じております。民間団体は、様々な活動を自主性を持って行っていると承知しております。
最後に、宗教法人の解散命令等についてでございますが、当該法人の所管である国において適切に対応すべきものでございます。
〔生活文化スポーツ局生活安全担当局長小西康弘君登壇〕
○生活文化スポーツ局生活安全担当局長(小西康弘君) 学生等若者の生活実態の把握についてでありますが、都は、若者全般の支援施策を推進するため、東京都子供・若者支援協議会において、各機関が把握している若者の状況について情報共有を図っております。
また、若者総合相談センター、若ナビαにおいては、約三割が学生からの相談であります。学生の方々からは、進路や就職、家族関係に関する相談等が寄せられており、その時々の状況を引き続き把握しております。
〔総務局長野間達也君登壇〕
○総務局長(野間達也君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、学生、若者施策の推進体制についてでございますが、都は、若者等からの仕事や生活支援等の相談内容に応じて、各所管局が国や各関係機関と緊密に連携を図りつつ、きめ細かく対応してございます。
今後とも、適切な執行体制の下、学生、若者施策に取り組んでまいります。
次に、男女平等参画に関する取組についてでございますが、都はこれまでも、男女平等参画を含めた人権意識の醸成を職員研修における重点事項として位置づけ、全ての職員を対象として研修を実施してございます。
研修においては、男女の役割を固定的に捉える意識の解消などを含む基本的な知識を習得するための講義を行うなど、人権課題に対する理解促進を図ってございます。
〔住宅政策本部長山口真君登壇〕
○住宅政策本部長(山口真君) 都営住宅の募集についてでございますが、都営住宅の建て替え事業を計画的に推進するためには、居住者の移転先についての様々な要望に応えられるよう、必要かつ十分な事業用の空き住戸の確保が不可欠でございます。
その必要性につきましては随時検討を行っており、今後も、建て替え計画を見据えて、必要戸数を精査しまして、事業用から公募用等に切り替えます。
公募につきましては、平成三十年一月から毎月募集を、令和二年二月からは随時募集を開始するなどの方策を講じており、今後とも募集戸数の増加を図ってまいります。
〔財務局長吉村憲彦君登壇〕
○財務局長(吉村憲彦君) 三点のご質問にお答えいたします。
まず、中小建設事業者の役割についてでございますが、建設業は、都民生活や経済活動の基盤となる社会資本を整備する公共工事の担い手として、また、災害時における地域の守り手としての役割を担っており、中でも、地域の実情に精通した中小建設事業者の果たす役割は重要と認識してございます。
都は、公共工事の発注者として、その品質が現在及び将来にわたり確保されるよう、社会経済情勢の変化を踏まえた適切な入札契約制度の運営や工事における働き方改革の推進等を通じて、中小建設業をはじめ建設業全体の健全な発展と中長期的な担い手の育成及び確保に取り組んでおります。
次に、工事における前払い金についてでございますが、国の調べによりますと、四十七都道府県におきまして、支払い限度額を定めているのは都のみとなっておりますが、その限度額は比較的大規模な工事に設けているものでございます。
都における前払い金制度は、契約金額総額に応じた前払い金を契約時に一括して支払うものであり、中小建設業者の工事着手時における資金需要に対応できる独自の制度となってございます。
最後に、全体スライドについてでございますが、全体スライドは、契約後における受発注者間の経常的な物価等の変動リスクに対応するものとして、国に準じて契約から十二か月が経過した工事を対象として制度の運用を開始いたしました。
都発注工事は、国と比較して工事規模が小さく、受注者の多くが中小企業であるという実態を踏まえまして、有識者による議論も経て、平成二十七年度に全体スライドの適用対象を九か月経過した工事に期間を短縮しております。
このほか、賃金改定等の急激な物価等の変動に対応するインフレスライドや、今般、取引の実情を反映しやすく運用を見直した単品スライドを適切に運用することで、今後も公共工事の発注者としての責務を果たしてまいります。
〔産業労働局長坂本雅彦君登壇〕
○産業労働局長(坂本雅彦君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、小規模事業者への支援についてでございますが、都は、小規模企業の経営基盤の強化を図るため、経営相談や技術支援、金融支援、各種助成などを行っているところでございます。
次に、中小企業への支援についてでございますが、都はこれまでも、中小企業の資金繰りを支えるため、制度融資による支援を行ってまいりました。
また、事業者がエネルギーのコスト等を削減できるよう支援を充実するほか、取引先を増やす販路開拓のサポートを行います。
これらによりまして、中小企業への支援を進めてまいります。
〔環境局長栗岡祥一君登壇〕
○環境局長(栗岡祥一君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、家庭の省エネ対策についてでございますが、都内のエネルギー消費量は、唯一、家庭部門が増加しており、この部門の対策を強化していく必要がございます。
都は、二〇三〇年カーボンハーフ実現に向け、今こそ行動を加速するときとの認識の下、これまで高断熱窓改修の補助率引上げ、さらに、今年度は省エネ家電への買換え補助の対象拡充など、家庭におけるエネルギー消費の削減を強力に推進してございます。
加えて、家庭での省エネ対策に取り組んでいただけるよう、様々な機会を通じて、都民はもとより、地域工務店やリフォーム事業者等の団体も含めた多様な主体に、支援策の活用を働きかけてございます。
引き続き、こうした取組を通じまして家庭の省エネ対策を促進してまいります。
次に、神宮外苑再開発の環境影響評価審議会の対応についてでございますが、今後、審議会が着工前を含め継続的に関与していくことについては、答申で示された保全措置の着実な履行のため、条例に基づき、審議会の決定により設けられたものでございまして、事業者に対しては適切に対応してもらいたいと認識してございます。
〔政策企画局長中村倫治君登壇〕
○政策企画局長(中村倫治君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、職員への調査などについてでございます。
本件は捜査中の案件であり、引き続き、清算法人に対して捜査に全面的に協力するよう求めてまいります。
なお、都は、一連の報道を踏まえまして、清算法人に対し、契約手続等について改めて確認をいたしました。
次に、共同実施事業の契約についてでございますが、共同実施事業は、組織委員会、東京都、国で構成する共同実施事業管理委員会において、必要性、効率性、納得性などの観点から、案件ごとに経費の精査と確認を行っており、また、その内容については、既に都のホームページに公表しております。
次に、大会の検証についてでございます。
スポンサーに係る手続等につきましては、組織委員会の規程等にのっとり、業務を遂行してきたと認識しております。
組織委員会は、令和四年六月に大会報告書を公表するとともに、大会経費について理事会で最終報告を行い、関係法令や定款に基づき残務を結了させ、解散しております。
その後、債権者に対する二か月間の公告を経て債権、債務を確定し、残余財産の帰属先を決定したと聞いております。
最後に、旧統一教会や関連団体と都の関わりについてでございます。
都におきましては、イベント等に係る後援名義等について、文書の保存年限である三年間において調査を行った結果、旧統一教会や、報道、インターネット等で関連団体とされている団体等について、承認は行っていないと確認はされております。
それ以前のものについては、文書が保管されていない中ではございますが、可能な範囲での確認を各局において行っているところでございます。
〔都市整備局長福田至君登壇〕
○都市整備局長(福田至君) 七点のご質問にお答えいたします。
まず、神宮外苑のイチョウ並木の保全についてでございます。
四列のイチョウ並木は神宮外苑の象徴であり、都は、その保全には万全を期すよう、本年五月、事業者に要請をいたしました。
この要請を受け、事業者は、環境影響評価審議会において、イチョウの根を保全するための具体的な基礎構造や施工方法を提示するとともに、今後、根の詳細調査の結果を踏まえ、必要に応じて、野球場の壁面後退など設計の工夫等を行うと説明しております。
なお、都は、同審議会の答申を踏まえ、イチョウ並木の保全に当たり、留意すべきことなどを盛り込んだ審査意見書を本年八月、事業者へ送付しております。
次に、外環道及びリニア中央新幹線のシールド工事についてでございます。
外環道の工事につきましては、一昨年の陥没事故以降、事業者は地元対応を行うとともに、有識者委員会の報告を踏まえ、再発防止対策を取りまとめた区間から順次工事を進めており、都としても丁寧な説明や、きめ細やかな対応を求めてきております。
リニア新幹線の工事につきましては、添加材が設備内部に漏れたことによる故障について、専門家の助言も踏まえ、事業者が必要な修繕等を行っていくこととしております。
いずれの工事につきましても、事業者が適切な安全対策を講じ、地元に説明等を行いながら施工していくものであり、都としても、引き続き住民の安全・安心確保に向けた取組を求めてまいります。
次に、羽田新飛行経路についてでございます。
国では、地元区の意見等を踏まえ、新経路の固定化回避に係る技術的方策について、現在の滑走路の使い方を前提として検討が進められております。
先月開催された第五回検討会では、前回、技術的な観点等から選定された二つの飛行方式について、羽田空港への導入に向けた安全性評価等の取組が進められている旨の報告がございました。
先日の報道内容について国に確認いたしましたが、現在、安全性評価等の取組を進めている段階であり、飛行経路案については何も定まっていないと聞いております。
次に、検証中の飛行経路についてでございます。
国に確認いたしましたが、新たな飛行方式において、平行する滑走路の同時運用を見据えた安全性評価等の取組を進めているところであり、具体的な飛行経路や運用イメージを示す段階にないと聞いております。
都は、国の検討会における安全性評価等の検討状況に応じて、適宜、都民の理解が深まるよう、引き続き丁寧な情報提供を国に求めてまいります。
次に、離陸時の荒川ルートについてでございます。
国からは、荒川ルートについて固定化した事実はないと聞いております。
第五回検討会では、騒音軽減出発方式の効果について検証した結果、騒音軽減手法として確立されている三つの方式のうち、現在の荒川ルートに適用中の二つの方式が優位であると報告がございました。
次に、CV22オスプレイの飛行再開についてでございます。
国からは、米国防省は、オスプレイの飛行を一律に見合わせるべき機体の安全性に係る技術的課題は存在しないとの立場であり、この点については、国としても米国防省に改めて確認している。
その上で、米空軍がCV22に求められる運用の特性も踏まえ、教育訓練や機体点検等を継続的に行っていくとしていることを踏まえれば、米空軍が今般、CV22の飛行を再開するとしたことに問題があるとは考えていないと聞いております。
最後に、CV22の飛行再開の説明についてでございます。
安全保障に関することは国の専管事項であり、CV22を含む米軍機の安全確保は、国が責任を持って行うべきことでございます。
今般、都は、国や米軍に対して、機体の安全や運用に関する基地周辺住民の不安が解消されるよう、十分な説明責任を果たすことを強く要請いたしました。国からは、都及び地元自治体に対し、飛行再開後もオスプレイの安全性や飛行再開に関する考え方等について説明が行われております。
今後も、都民の生命、安全・安心を守る立場から、必要なことを申し入れてまいります。
〔知事小池百合子君登壇〕
○知事(小池百合子君) 一点だけ答弁を忘れましたので、加えさせていただきます。
旧統一教会への認識についてのお尋ねです。
総理も述べておられますように、社会的に問題が指摘される団体との付き合いは慎重であるべきでございます。
政治や行政は、こうした団体の活動等の助長につながるようなことは行うべきではない。
以上です。
〔五十六番斉藤まりこ君登壇〕
【再質問】
○五十六番(斉藤まりこ君) 英語スピーキングテストについて再質問します。
教育長は、英語スピーキングテストは中学校の授業で学んだ内容の到達度を把握するものと答弁しました。
しかし、このような到達度を把握するための学力テスト、アチーブメントテストの実施を都教委が区市町村教育委員会や中学校、中学生に強制する権限はありません。
さらに、教育長は、英語スピーキングテストは教育活動の一環だと答弁しました。
教育活動は学校や教師が行うものであり、教育委員会がその内容を強制することはできません。教育は上から押しつけてはならない、それが教育の大原則です。
ところが、都教委は、英語スピーキングテストの結果を入試に使うことで、実施しない選択肢を塞ぎ、事実上強制し、子供たちや学校現場を不当に苦しめています。これは、都教委による区市町村教育委員会や公立中学校の自立性、自主性の侵害であり、教育基本法第十六条が禁止している不当な支配そのもので、許されるものではありません。都教委にその認識はありますか。お答えください。
英語スピーキングテストの中止を重ねて強く求め、質問を終わります。(拍手)
〔教育長浜佳葉子君登壇〕
○教育長(浜佳葉子君) 再質問にお答えいたします。
教育基本法第十六条第三項に、地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならないとございます。本スピーキングテストは、これに基づきまして、都教育委員会が学校の授業で学んだ内容の到達度を把握するとともに、英語指導の改善充実に活用する教育活動の一環として、都内公立中学校の三年生全員を対象に実施するものでございます。
都立高校の入試では、本テストの結果を適切に活用してまいります。