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申し入れ・談話

2022.11.01

条例違反の公文書開示期限延長「特例」を停止する都総務局の通知について(談話)


条例違反の公文書開示期限延長「特例」を停止する都総務局の通知について(談話)

2022年11月1日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 和泉なおみ

 都情報公開条例が、第12条2項で、開示期限の延長は開示請求の日から「60日を限度」としているにもかかわらず、東京都は新型コロナ感染症の「緊急事態宣言」発令を理由に、「60日を限度とした期間延長を複数回行うことができる」とする条例違反の対応を、2020年4月から2年7カ月にわたり続けてきました。
 わが党はこれをきびしく批判してきましたが、東京都はこの「特例」対応を停止する通知(総務局総務部情報公開課長名)を10月31日付で出したことを、同日、総務局長が日本共産党都議団の大山とも子団長に通知を持参し伝えました。
 今回の通知は、「緊急事態宣言」発令を理由に、「60日を限度とした期間延長を複数回行うことができる」とした2020年4月8日付から21年4月26日付まで4回にわたる通知による取り扱いを「当面の間」「停止する」としています。これによって、条例の規定を超える開示期限延長が11月1日以降できなくなるのは重要です。

 しかし、まだ多くの問題が残されています。
 10月26日の各会計決算特別委員会第1分科会の質疑で東京都は、これまで行ってきた情報公開条例第12条2項による60日を超える開示期限の延長は「できない」と、認めざるを得なくなりました。しかも、「できない」はずの開示期限延長の事例が128件にも及ぶことが明らかになりました。
 にもかかわらず東京都は、謝罪も訂正もせず、2020年4月8日付通知以来の「特例」対応は条例違反ではないと言い張っています。これでは、今後再び条例違反の対応が繰り返される恐れがあります。
 また、この問題の是正を求める日本共産党都議団の申し入れを、黒沼靖副知事が、「条例違反だという申し入れは見解が違うため受け取れない」として拒否した問題も解決されていません。

 開示期限を守ることをはじめ情報公開条例の運用は、前文にある「都民の『知る権利』」を保障し、第1条が定めている「都政に関し都民に説明する責務を全うするようにし、都民の理解と批判の下に公正で透明な行政を推進し、都民による都政への参加を進めるのに資する」という、条例の目的を実現するためにきわめて重要な問題です。このまま、あいまいに済ませることはできません。
 日本共産党都議団は、この立場から引き続き、東京都がきんとした総括を行い、再発防止のための教訓を明らかにし、情報公開条例の適切な運用をすすめることを厳しく求めてまいります。

以 上