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質問・条例提案

予算特別委員会 大山とも子都議(新宿区選出)の締め括り総括質疑

質問全体の動画(都議会ホームページです。3月20日(月曜日)予算特別委員会・総括質疑をご覧ください)

★質問全文(都議会速記録速報版より)

  1. 関東大震災朝鮮人虐殺など知事の歴史認識について
  2. 子どもの意見表明権についての都教育庁の認識について
  3. 保育園の職員配置基準について
  4. 都立看護専門学校の授業料無償化について
  5. シルバーパスの利用範囲の拡大と利用料の軽減について
  6. 都営地下鉄の駅業務の委託について
  7. 東京都平和の日条例と平和祈念館について
  8. 統一教会の多摩市永山の土地購入について
  9. 新宿御苑の放射能汚染土実証実験について

1、関東大震災朝鮮人虐殺など知事の歴史認識について

○大山委員 日本共産党都議団を代表して、締めくくり総括質疑を行います。
 知事の歴史認識について質問いたします。
 ちょうど百年前の関東大震災のときに多くの朝鮮人が惨殺されました。それを歴史的事実として認めず、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文の送付を中止した小池知事の歴史認識が厳しく問われています。


 パネルをご覧ください。お手元の資料は1です。都政新報、三月十日号のコラムです。「関東大震災百年」「朝鮮人虐殺の歴史認識どこに」という見出しがついています。傍線を引いてありますが、少し省略しながら中身を紹介します。
 今年二月の都議会第一回定例会の代表質問で、朝鮮人虐殺についてただした共産党に対し、小池知事は、事実であるともないとも明言を避けた。また、ナチスのホロコーストが事実と思うか否かという同党の再質問に関し、事務方が知事と同じ答弁を繰り返した。知事個人の見解を聞いていたにもかかわらず、別人格の幹部を答弁に立たせるのは異様だ。ここは知事がびしっと答えるべきだった。それが政治家としての責任である。
 知事、歴史認識についての質問には、政治家として責任を持って自らの言葉で答弁していただきたいと思いますけれども、いかがですか。

○小池知事 都政新報は読んでおりません。
 関東大震災に関しまして、様々な内容が史実として書かれていると承知をしておりまして、何が明白な事実かについては歴史家がひもとくものだと申し上げております。

○大山委員 私は、まず歴史認識について知事に問うたら、政治家の責任を持って自らの言葉で答弁していただけますね、そうですねというふうな質問をしたんです。
 知事に伺います。きちんと知事として、政治家として責任を持って答えていただきたいと思います。
 ナチスによるユダヤ人虐殺、ホロコーストはなかったという主張をする人たちがいます。この主張について、知事はどう考えていますか。ホロコーストは明白な事実だと考えていますか。それとも、明白な事実かどうか分からないと考えていますか。知事、びしっと答えてください。それが政治家としての責任です。知事、いかがですか。知事です。知事ですよ。答えられないんですね。

○野間総務局長 第百九十八回国会の参議院の質問主意書に対する答弁書によりますと、ドイツ連邦共和国は、いわゆるホロコーストが行われたとの認識に立っていると承知しており、我が国をはじめとする国際社会においても、この認識が広く共有されているものと考えておりますとされております。

○大山委員 またしても別人格の局長に答弁させました。立とうとも知事はしなかったではありませんか。異様だといわれて当然です。
 しかも、政府答弁書を引くのであれば、政府答弁書と同じ認識かどうか知事の言葉で答えるのが政治家としての責任ですよ。
 それでは、知事、関東大震災ではデマが広がり、自警団が組織され、多くの朝鮮人が惨殺されたことについて、知事は史実だと考えていますか。明確な事実か分からないと考えていますか。知事です。知事です。

○小池知事 先ほども申し上げましたように、関東大震災に関しまして様々な内容が史実として書かれていると承知をしており、何が明白な事実かについては歴史家がひもとくものだと申し上げております。

○大山委員 関東大震災のときの朝鮮人惨殺は、明白な事実かどうか分からないという答弁です。それなら、なぜ歴代知事は、一九七三年以降毎年、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文を出してきたんですか。歴代知事が間違っていたと小池知事はいうんでしょうか。とんでもない話です。
 知事に伺います。
 ホロコーストは歴史的事実であり、その認識は国際的に共有されていると政府答弁書は明言しています。知事は、ホロコーストは歴史的事実だけれど、関東大震災のときの朝鮮人惨殺は明白な事実か分からないというんでしょうか。
 ホロコーストは事実であるとドイツ政府が認めているのと同様、朝鮮人惨殺が事実であることは、日本政府も、東京都の公式歴史記録であります東京百年史も認めています。ホロコーストとどこが違うんですか。知事、答えてください。知事の認識ですから、知事、答えてください。答えられないんですか。知事ですよ。

○野間総務局長 先ほども申し上げましたが、関東大震災に関しては様々な内容が史実として書かれていると承知しており、何が明白な事実かについては歴史家がひもとくものだと申し上げているとご答弁申し上げました。

○大山委員 私は知事に聞いています。こうした知事の姿勢も、朝鮮人惨殺を明白な事実であると認めない先ほどの知事の答弁も、歴史修正主義を助長するものだといわれて仕方ありません。
 関東大震災のときに、自警団などにより惨殺された朝鮮人の被害者は、震災による被害者ではなく、人災による被害者だという認識については、知事は持っていますか。それとも、震災による被害者か人災による被害者か、その区別は大事な問題ではないと考えていますか。知事に聞いています。知事の認識を聞いています。

○野間総務局長 先ほども、関東大震災に関しましては、様々な内容が史実として書かれていると承知しており、何が明白な事実かについては歴史家がひもとくものだと申し上げていると知事がご答弁申し上げました。
 先日の春季慰霊大法要では、大空襲や、大震災とその極度の混乱の中で犠牲となられた全ての方々のご無念とご遺族の皆様の癒やされることのない深い悲しみに思いを致しますと、悲痛の念に堪えませんと哀悼の意を表してございます。

○大山委員 私は知事に質問しました。局長の答弁を求めているわけではありません。
 今答弁された極度の混乱の中でという文言は、今年初めて使われました。恐らく、震災による犠牲者と極度の混乱の中での犠牲者を区別する必要があると考えたんでしょう。朝鮮人犠牲者の存在から目を背けることはできないということです。ささやかですが、重要な変化です。しかし、それで済まされる話ではありません。
 東京都が著作、発行した東京百年史は、関東大震災のときに多くの朝鮮人が惨殺されたことを明白な歴史的事実としています。そして、震災ではなく人災による犠牲者であることを認め、東京の歴史の汚点であると明記しています。
 今年は関東大震災百年です。今年の九月一日には、朝鮮人犠牲者に対する心の籠もった追悼文を出すことを強く求めるものです。

2、子どもの意見表明権についての都教育庁の認識について

 次に、子供の意見表明権について伺います。
 東京都こども基本条例は、都議会議員全員が提出者になり、全会一致で成立した条例です。子どもの権利条約の精神にのっとり、子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先にするという基本理念を明確にしています。
 子どもの権利条約と東京都こども基本条例の立場で、都政、そして教育行政を進めることが重要です。
 まず、条例を所管する子供政策連携室に伺います。
 こども基本条例の基本理念である子供を権利の主体として尊重するとはどういうことですか。

○山下子供政策連携室長 子供は、大人と同様に一人の人間としての人権が認められているものと認識しております。

○大山委員 子供は大人と同様に一人の人間としての人権が認められているものと認識していると。
 知事に伺います。こども基本条例は、子供の意見表明と施策への反映を規定した第十条で、都は、子供を権利の主体として尊重し、子供が社会の一員として意見を表明することができ、かつ、その意見が施策に適切に反映されるよう、環境の整備を図るものとすると定めています。
 この十条の都政における重要性を知事はどう考えていますか。また、都としてどう取り組むのですか。

○小池知事 子供が社会の一員として意見を表明することができ、その意見が施策に適切に反映されるよう、都はそうした環境の整備を図るものとする、このように東京都こども基本条例第十条に規定されているもの、このように認識をいたしております。
 こうしたことから、こども未来アクションの策定に当たりましても、子供との対話を実践し、子供目線に立った政策を練り上げてきたところでございます。

○大山委員 子供の意見の尊重は、こども基本条例と子どもの権利条約の大きな柱に位置づけられています。ところが、都教育委員会はどうでしょう。
 英語スピーキングテストの問題をめぐり、私たちは繰り返し、当事者である子供の声を聞くことを求めてきました。ところが、浜教育長は、この予算特別委員会で、子供の声の聞き取り方が条例で定められているわけではない、区市町村教育委員会や中学校に報告を求めた、区市町村教育委員会と連携を密にしているからよいのだと答弁しました。
 教育長の発言は、結局のところ、子供を取るに足りない存在、未熟で信用できない存在と見ていることから生じるのではないでしょうか。


 知事は答弁で、こども未来アクションに触れました。その四ページには、こども基本条例の解説が掲載されています。パネルにもしました。お手元の資料は2です。
 子供には子供の権利があります。子供の権利は大切にされなければならないものです。子供の意見は、価値あるもの、尊いものです。大人は子供の意見にしっかり向き合います。このように書いてあります。
 浜教育長に伺います。東京都教育委員会にとって、こども基本条例の基本理念である子供を権利の主体として尊重するということはどういうことですか。

○浜教育長 先ほどの子供政策連携室長からの答弁のとおり、子供は大人と同様に、一人の人間としての人権が認められているものと認識しております。
 子供を権利の主体として尊重し、子供の最善の利益を最優先とすることで、全ての子供が今と将来への希望を持って伸び伸びと健やかに育っていけるよう、社会全体で子供を育む環境を整備していかなければならないと認識しております。

○大山委員 教育長も、子供は大人と同様に、一人の人間としての人権が認められているものと認識している、そのように認識されているということですね。
 国連子どもの権利委員会は、子どもの権利条約の趣旨を詳しく説明した文書で、子供の意見表明権を尊重することは、教育にとって根本的に重要なことだとしています。そして、学校のカリキュラムを含め、教育政策のあらゆる側面について、地方レベルでも、国レベルでも、子供たちと協議するべきであると明記しています。当然、英語スピーキングテストも含まれます。
 それならば、どうして都教委は子供たちの意見を聞かないんでしょうか。

○浜教育長 都教育委員会は、個別の施策内容や子供が置かれた環境などを勘案し、それにふさわしい方法で子供の意見を聞いて施策に取り組んでおります。
 スピーキングテストの実施状況等につきましては、区市町村教育委員会を通じて、日頃から生徒指導を行っている中学校からの報告を聞き取り、テストが適切に実施されたことを都教育委員会として確認しております。

○大山委員 せっかく、教育長も、子供は大人と同様に一人の人間としての人権が認められていると認識したにもかかわらず、結局、子供から直接意見を聞く必要はない、そういう話、通用しません。
 都教委のような姿勢に対して、国連子どもの権利委員会は、敬意の欠如、子供たちに対する敬意の欠如だと厳しく指摘しています。都教委は、こうした国際的到達点をきちんと踏まえるべきです。
 英語スピーキングテストに対する子供たちの声は、公平、公正でないものを入試に使わないでほしい、自分たちを平等に扱ってほしいという、正当に取り上げるべきものです。都教委は、子供を権利の主体として尊重する、それをしっかりと認識しているんだったら、子供の意見を聞くとはどういうことなのか、よく学んで実践していただきたいと思います。そして、英語スピーキングテストは中止することを求め、次の質問に移ります。

3、保育園の職員配置基準について

 子供、子育て支援の緊急かつ重要課題の一つ、保育の質の充実について質問します。
 まず、知事に伺います。
 知事は、保育の質を支える要素は何だと考えていますか。

○小池知事 お尋ねでございます。保育の質を支える要素、それは何かというお尋ねでございました。
 施設の整備、職員配置等の保育環境、保育士の資質、保育の内容が挙げられます。

○大山委員 答弁されたとおり、保育室や園庭などの物的環境、そして保育士の配置、保育内容、保育士の質や専門性を高めていくことが保育の質を支え、向上させるために重要です。
 保育園では、コロナ禍の登園自粛が保育士配置基準の改善の必要性を再認識するきっかけになりました。登園自粛でふだんより保育園に来る子供たちが少なくなると、保育士たちは、子供一人一人を大切にした、よりよい保育ができることに気がついたんです。
 あれ、私、今日、一回も子供たちに駄目っていっていない。子供の会話がよく聞こえるようになって、一人一人に丁寧に関わることができる。子供同士のトラブルが減った。多くの保育園でこのような経験がありました。
 一人一人の子供に向き合って丁寧に接することで、子供がより満たされた生活を送ることができます。そして、そのことが子供の発達を保障することになるわけです。
 もちろん、保育園の登園自粛は、多くの保護者にとってつらい経験であり、保育士たちは心を痛めました。だからこそ、通常の保育の中で保育士たちがやりたいと思っている子供たちを深く尊重した、よりよい保育ができるようにする条件整備が必要です。
 しかし、実際には、子供たちの豊かな生活経験を保障するのが難しいだけでなく、安全を守ることさえ困難な現実があります。


 パネルをご覧ください。お手元の資料は〔3〕です。これは保育士配置基準です。ゼロ歳児の場合、子供三人に一人の保育士、いわゆる三対一の配置です。今は東京都も国も同じ基準です。
 保育団体、子どもたちにもう一人保育士を!実行委員会が行った調査では、国の保育士配置基準では、子供の命と安全は守れないと思う場面は、地震、火災など災害時が八割に上ります。
 その理由として、避難訓練で、ゼロ歳児二人は、おんぶとだっこできるけれども、三人目はどうすることもできないなどが挙げられています。プール、お散歩や防犯に不安を感じる保育士が五割から六割です。
 都は、こうした現実をどう認識していますか。

○西山福祉保健局長 保育士の配置基準は国が省令で定め、都や区市町村はそれらを踏まえ、それぞれの議会等の審議を経て条例等で定めてございます。
 都は、障害児への対応やチーム保育体制の整備など、施設の保育実態に応じた増配置に対する給付や保育補助者の雇い上げに係る補助を実施するほか、保育サービス推進事業により、地域の実情に応じて保育サービスの向上に取り組む区市町村を独自に支援してございます。

○大山委員 私は、こうした現実をどう認識していますかと聞いたんです。何をやっていますかと聞いたんじゃありません。
 保育士からどのような声が出ているかよく聞いてください。
 三歳児の二十人がお昼寝をしているときに災害が起こったら、全員起こして、障害児も含めて一人も取り残さず、私一人で避難させる自信がない。逃げる前にガスを止めたり、窓を閉めたりなんてとてもできない。三歳児二十人。
 子供の発達には個人差があり、一歳児でも歩けない子がいる中、六対一の配置では全く十分ではない。おんぶ、だっこ、両手をつないでも守れるのは四人まで、残りの二人を声がけで避難など到底無理。
 子供二十人に保育士一人では、ぱっと見たときに、瞬間的に全員そろっているのか、誰がいないのか分からない。これ重要なんです。瞬時の判断が必要なときに、クラスの子供を把握しづらい人数というのは、命を守る上で大きな欠損だと思う。
 私も保育士として現場で働いていました。ゼロ歳児三人を一人はおんぶして、二人をがっと両手でだっこして避難なんかできるわけありません。この現実をしっかり認識してください。

 お手元の資料〔4〕をご覧ください。全国知事会が政府に提出した要望書です。今年度、実に三回にわたって保育士の配置基準の引上げを求めています。
 直近の三月十四日には、資料の裏面を見ていただくと、全国知事会、全国市長会、全国町村会の連名で緊急要請を行っています。まさに全国の地方自治体の一致した声です。
 下線部分をご覧ください。幼児教育、保育の質を向上し、子供の死傷事故や不適切な保育を防ぐためには、保育士等の負担を軽減し、子供たちにしっかりと気を配ることができる環境整備が重要であることから、保育士の配置基準の改善を早急に実現する。これが要望内容です。
 知事に伺いますけれども、大変重要な要望だと思いますけれども、小池知事はどう考えていますか。知事が全国知事会のメンバーですよね。ですから、知事に聞いています。知事、どう考えていますか。

○西山福祉保健局長 保育士の配置基準につきましては、国の省令に基づいて、都や区市町村が条例で定めることとされております。

○大山委員 私は知事に質問したんです。しかも知事が−−大切な要望だと思いますけど、どう思っているんですかと聞いているんですね。それで、国の省令で決める。全国知事会の要望について、なぜ知事が答弁できないんでしょう。本当に不思議。答弁しますか、目が合いましたけど。全国知事会で−−いや本当にね、どうして、知事が全国知事会のメンバーなのに、これさえも答えられないって、もう本当に分かりません。
 全国知事会で最低基準の引上げを求めていることは極めて重要です。同時に、国基準を上回る基準を東京都独自に定めることもできます。その努力が必要です。


 東京都自身がつくった保育園などの基準を定める条例をパネルにしました
 知事に伺いますよ。東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例です。第四条です、これは。知事は、最低基準を常に向上させるよう努める、こうなっているんです。
 知事は、この条例に基づいて、最低基準を向上させるためにどのような努力をしてきたんですか。知事、知事の努力義務です、これ。

○西山福祉保健局長 都は、保育の実施主体である区市町村が地域の実情に応じて保育サービスの向上に取り組めるよう、保育サービス推進事業により支援をしております。

○大山委員 局長ね、それは補助金の話です。補助は大事ですけれども、最低基準とは別の話です。最低基準を向上させるためにどういう努力をしてきたのか、答弁できる中身がないということですね。
 しかし、東京都は、石原都政による福祉切捨て前の一九九九年度、平成十一年度までは、保育の質を充実する都独自の職員配置基準、都基準を定めて、最低基準を引き上げる努力、具体的な努力をしていました。
 かつて都が自ら実施していた東京都独自の職員配置基準はどのようなものですか。

○西山福祉保健局長 平成二十四年に施行されました改正児童福祉法により、保育士の配置基準は、国が省令で定める基準に基づき、条例等で定めることとなりました。
 それ以前は、都の要綱で保育士や調理員等の配置基準を定めており、平成十一年度までは、保育士は一歳児おおむね五人につき一人以上とするなど規定しておりました。
 なお、東京都は、繰り返しになりますけれども、障害児への対応やチーム保育の体制の整備など、施設の保育実態に応じた増配置に対する給付や保育補助者の雇い上げに係る補助を実施するほか、保育サービス推進事業により、地域の実情に応じて保育サービスの質の向上に取り組む区市町村を独自に支援をしてございます。

○大山委員 質問したことにちゃんと答えてくださいよ。私は、東京都独自の職員配置基準、旧都基準、どのようなものですか、そう聞いただけですよ。それにまともに答えないで、また補助金の話。基準の話じゃありません。
 そうしたら、伺いますけれども、保育士の配置基準を決めるのは自治事務ですか、それとも法定受託事務ですか。

○西山福祉保健局長 保育士の配置基準につきましては、国の省令に基づき、都や区市町村が条例で定めることとされております。

○大山委員 ちょっとね、ちゃんと聞いてくださいよ。自治事務ですか、それとも法定受託事務ですかと聞いているだけです。そのどっちかだけ答えてください。

○西山福祉保健局長 保育士の配置基準につきましては、国の省令に基づき、都や区市町村が条例で定めることとされております。

○大山委員 どうしてこんなことまで答えられないんですか。公務員の常識じゃないんですか。自治事務なんですよ。国が省令で定める基準というのは、ですから、最低限のものにすぎないんです。それを上回る保育士の配置基準は、自治体独自の判断で、条例で定めることができるんです。東京都の姿勢は、地方自治体の魂を投げ捨てているといわれても仕方ありません。
 東京都はかつて、今よりも自治権が極めて不十分な時代にあっても、例えば、国がゼロ歳児六人に対して保育士一人、六対一の基準だったときに、都基準は職員の配置を二倍に増やす子供三人に保育士一人、三対一に引き上げていました。その後、東京都から二十年遅れて一九九八年に国のゼロ歳児の最低基準が三対一になりました。
 東京都は、文字どおり国を先導する役割を果たしていたんです。当時の姿勢に今こそ立ち返るべきです。
 都内の区市町村では、国基準に上乗せをして保育士を配置する努力をしているところがあります。私たち、調べてみました。四、五歳児の配置基準に限っても、少なくとも四つの市が上乗せをしています。
 市議会で保育の質の向上を図ることといたしましたと明快に答弁しているところもあります。また、ある市の元園長先生は、四、五歳児の配置基準の上乗せが実現した理由について、保育士一人に子供三十人では多過ぎる、配置基準は保育の実践の中で改善してきた、園長会が市長や助役に直談判して保育について伝え、実現してきているんです、そう話してくれました。
 他県でも、国基準を超えた保育士配置にしているところがあります。保育研究所の調査によると、七つの県が一歳児の子供に対する保育士の配置数を増やすための補助を行っています。四、五歳児の国と都の職員配置基準、これ七十五年間変わっていません。一、二歳児は五十六年間変わっていません。あまりにも不十分です。
 東京の子供たち、どの子にも質の高い保育を保障するために、東京都が最低基準の引上げに踏み出すことを重ねて強く求めておきます。

4、都立看護専門学校の授業料無償化について

 次の質問です。
 新年度予算案に都立大学授業料の実質無償化が盛り込まれたことは重要です。二〇二四年度から、世帯年収九百十万円未満の学生は授業料が無料になります。都立大学には看護学科もあります。一方、都立看護専門学校の授業料は無償化が予定されていません。


 パネルをご覧ください。これは有料のときからのグラフになっていますけれども、一九八五年度まで都立看学の授業料は無料でした。有料化されても、都立大学に比べて都立看護専門学校の方がずっと安かったのが今度は逆転して、大きな格差が生じてしまいます。これでいいんでしょうか。
 まず伺いますけれども、都立大学看護学科の授業料が無償になるなら、東京都直営の都立看護専門学校も無償にするのが当然ではありませんか。二〇二四年度からの都立大学の授業料実質無償化の実施に合わせて、都立看護専門学校の授業料も無償化すべきです。答弁を求めます。

○西山福祉保健局長 看護師の養成につきましては、都は様々な施策を行っております。
 例えば、修学資金貸与による養成対策、ナースバンクでの無料職業紹介や復職支援に向けた看護職員地域確保支援事業、勤務環境、研修体制事業などの事業を行っております。その中で、都立看護専門学校の運営も行っております。
 都立看護専門学校については、都立看護専門学校を含む看護師養成施設の学生に対しては、月額最高十万円の修学資金を貸与しておりまして、一定の条件を満たした場合は返済を免除しております。今年度からは、さらに看護師確保を進めるため返還免除要件を緩和するなど制度改正を行っており、新規の貸与人数は令和三年度は四百二十人に対して、四年度は千二十五人となっており、二・五倍に増加しております。

○大山委員 ちゃんと聞いたことに答えてください。無償化すべきです。そう質問したんです。
 修学資金は貸付けです。返済免除はありますけれども、それは、一定、五年間だとか三年間だとか勤務しないと駄目ですね。そういう拘束した下での返済免除しかありません。
 都立看護専門学校の入学金は一万一千三百円、授業料は年間二十六万五千七百円です。そのほかに教科書代やユニホームや血圧計や聴診器などの教材費など、卒業までに概算で約百万円必要になります、こう都立看護専門学校のホームページに書いてあります。
 医療機関の団体が行った看護学生への調査では、親からの援助を受けられない学生が四割以上もいます。
 二〇二〇年、二一年の調査のときは、アルバイトをしている学生は五割程度でしたが、二二年の調査では八割を超えました。アルバイトで学業に支障がある、体調を崩しているという学生も少なくありません。
 私たちがお話を伺った看護師さんは、誰かの役に立ちたいと思って看護師になる人は多い、その思いは普遍的なものなんです、でも、経済的な問題で実現できなくなってしまうことがある、そう話してくれました。
 都立看護専門学校の授業料及び入学金、受験料の都の歳入額は直近の決算で幾らですか。

○西山福祉保健局長 令和三年度の歳入額は、入学試験料が約二千百六十五万円、入学料が七百十二万円、授業料が四億四千七百五十九万円となっております。

○大山委員 ということは、授業料と入学試験料と入学金を無償にしようと思ったら、合計でも五億円弱でできるということです。
 経済的な心配なく学業に専念できて、経済的な理由で看護師になることを諦めることがないように環境を整えるのは、東京都の役割です。都立大学とともに、都立看護専門学校の授業料などを無償にすることを強く求めておきます。

5、シルバーパスの利用範囲の拡大と利用料の軽減について

 次の質問です。
 高齢者福祉予算は、新年度予算案で、子供、子育て支援に比べて極めて貧弱です。都が最優先で取り組むべき課題の一つは、シルバーパスの拡充と費用負担の軽減です。多くの高齢者の皆さんが待ち望んでいます。
 知事、伺います。
 知事は、シルバーパス事業の今日的な意義をどう捉えていますか。シルバーパスの利用促進は重要だと思いますが、いかがですか。

○小池知事 シルバーパス制度についてのお尋ねでございました。
 シルバーパス制度は、高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の向上を図ることを目的といたしております。
 そして、現在多くの高齢者がシルバーパスの発行を受けて、社会参加と生きがいの活動に活用されておられます。

○大山委員 東京都は、二〇一八年度にシルバーパスに関する調査を実施しました。どういう目的で調査を行い、どういう結果でしたか。また、調査結果はどう生かされたんですか。

○西山福祉保健局長 都は、高齢化が進む中、シルバーパス制度を持続可能なものとしていくため、平成三十年度に二十歳以上の都民を対象とする制度の在り方調査と、シルバーパスの利用者を対象とする利用者実態調査を実施いたしました。
 その結果、現行のシルバーパス制度が幅広い世代から評価されており、高齢者の社会参加に広く利用されていることが確認されました。

○大山委員 この調査は、二十歳から六十九歳まで、そして七十歳以上の方々にそれぞれ調査したものですね。その結果は、直接の対象者である七十歳以上の高齢者だけでなく、若い方々も含めて幅広い世代から評価されているということですね。大変重要なことです。
 同時に課題もあります。その一つは、利用できる交通機関が路線バスと都営地下鉄と都電荒川線、日暮里・舎人ライナーに限られていることです。
 東京メトロや多摩都市モノレールでシルバーパスを使えるようにしてほしいという都民の皆さんの切実な要望を都はどう受け止めていますか。

○西山福祉保健局長 東京都シルバーパス条例及び同条例施行規則において、シルバーパスの利用対象交通機関は都営交通及び路線バスとなっています。
 なお、本事業について様々なご意見やご要望があることは承知しております。

○大山委員 様々なご意見やご要望があることは承知していらっしゃると。
 多摩都市モノレールでは、小学生向けの百円のワンデーパスがゴールデンウイークと夏休み、冬休みの期間に発売されました。シルバーパスが石原都政の下で全面有料化されたとき、若い世代との交通費負担の格差解消が理由の一つにされました。しかし、子供向けの施策が充実しつつある今、むしろ高齢者向けの支援も充実されるべきではないでしょうか。
 先ほど質問した二〇一八年度の都の調査でも、シルバーパスのこれからの在り方に対する考えについて、七十歳以上の方の回答の第二位は、鉄道やモノレール等で利用可能にするでした。市町村に住んでいらっしゃる方だと一位です。
 私たちの下にも多くの要望が寄せられています。条例を改正すれば、対象交通機関を増やすことができるわけですから、踏み出すことを強く求めておきます。
 費用負担の軽減も切実な問題です。千円パスは、年間所得金額が百三十五万円以下の人が対象です。この所得基準を超えると二万五百十円に跳ね上がります。
 七十歳になり、シルバーパスを楽しみにしていたけれど、所得基準がぎりぎり超えて二万五百十円のパスになってしまい、泣く泣く諦めたという話は、本当に多く寄せられています。実際に、二万五百十円のパスの発行枚数は低迷しています。
 そこで伺います。
 二万五百十円のパスの金額は、一か月に十回バスに乗車した料金に、それ以前のバス共通カードや回数券の割引率を掛けて出したものだと説明されています。一か月に十回乗車というのは何を根拠にしているんでしょう。

○西山福祉保健局長 シルバーパスの月間平均乗車回数の十回は、大都市交通センサスにおけるシルバーパスの利用人員数等に基づいて算出したものでございます。

○大山委員 つまり、二万五百十円のパスは、年間百二十回分の運賃をまとめて前払いしているにすぎないようなものじゃないですか。実際、二万五百十円パスの場合、バス事業者への運賃の補填には都の税金は使われていません。
 お隣の横浜市では、七十五歳以上の敬老パス自己負担ゼロを公約した市長が誕生しました。年金額が下げられ、電気代、ガス代をはじめ物価高騰が続く中、シルバーパスの費用負担の軽減は、都が直接実施できる経済的支援です。
 東京都市長会は、都の予算編成に対する重点要望として、中間所得層に向けたシルバーパス利用料の軽減枠の新設を要望しています。千円パスと二万五百十円パスの間に三千円パスを新設するなど、新たな負担軽減を都として行うことを強く求めておきます。

6、都営地下鉄の駅業務の委託について

 次は、都営地下鉄の駅業務の委託事業について質問します。
 交通局に伺います。
 偽装請負は許されないことだという認識はありますか。

○武市交通局長 一般に、いわゆる偽装請負とは、形式的には請負契約でありますが、発注者と労働者の間に指揮命令関係があり、実態として労働者派遣であるものとされており、法律に違反いたします。

○大山委員 そうですね。交通局は、東京労働局から駅業務の交通協力会への委託について、労働者派遣法違反の疑いで指導票を受けました。
 公営企業委員会では、斉藤理事の質疑で、駅業務の委託契約の仕様書の一部に、局職員が協力会の駅係員に直接指揮命令できる余地が認められ、改善措置を講ずるよう指導を受けたことも明らかになりました。しかし、この問題は、仕様書を直せばそれで済むというような問題ではありません。
 委託された駅は、助役が一人局職員で、あとは委託社員です。駅業務というチームで仕事をしなければならない分野で、業務を委託していることに根本矛盾があるからです。
 交通局は、今回の問題を重く受け止めて抜本的に改善すべきですが、いかがですか。

○武市交通局長 東京労働局の調査では法律違反の事実は確認されませんでしたが、指導票を受け、交通局では、指導内容に従い点検、確認を実施しており、必要な是正措置を講じることとしております。

○大山委員 偽装請負は法律違反である、そして、今回の問題については是正措置を講じるとの答弁です。
 駅業務の現場では、都の職員が委託事業者の労働者に指示することは避け難い実態があります。駅業務の委託は法令遵守で行うことは困難だとして、会社の直接採用に切り替えた民間鉄道事業者の事例もあります。
 第三者機関を設置して、都の職員と委託労働者の双方から実態や要望をよく聞いて、抜本的な改善を行うことを厳しく求めておきます。

7、東京都平和の日条例と平和祈念館について

 それでは、次です。
 今年は戦後七十八年です。ウクライナでは、いまだ戦火がやまず、市民の命が危険にさらされています。東京で空襲を体験した方々もだんだん少なくなっています。
 知事に伺いますけれども、東京都平和の日条例にある、戦争の惨禍を再び繰り返さない誓いを知事はどう受け止めていますか。また、東京都平和の日条例が、東京都が人々の相互理解に立脚した恒久平和の実現に貢献する責務を深く認識すると定めていることを知事はどう受け止めていますか。

○小池知事 さきの大戦で戦争の惨禍を被った歴史を持つ都民にとりましては、恒久平和の実現は最大の願いであります。
 また、戦争の記憶を風化させることなく次の世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていくことは重要です。
 そのため、都は、東京都平和の日条例を制定いたしまして、三月十日の記念式典をはじめ、東京空襲資料展などを実施しております。

○大山委員 知事の答弁のとおり、都民にとって恒久平和の実現は最大の願いです。
 毎年三月十日を中心に、浅草公会堂で区民の皆さんによる実行委員会が東京大空襲資料展を開催して、平和祈念館建設をすすめる会の皆さんが来場者にアンケートをしています。
 十代の方からは、学校では見られない写真や体験談、実際に見ることができてよかった、戦争のない平和な世界にしたいです。二十代の方も、絶対に繰り返してはならないことだと強く思いました。五十代の方は、自分たちは戦争を起こさないために何をしようかに焦点を当てた企画に参加したい。八十代の方は、この大切な資料こそ何よりも大切な教育であり、決して忘れてはならないものとお礼申し上げますなど、世代を超えて皆さんが平和への思いを新たにし、伝えることの大切さを述べていらっしゃいます。
 これらの声が東京都や都議会にも届けられ、今年度、都が所有する証言ビデオや資料の公開に向けて動き出したことは重要な前進です。
 平和祈念館で活用するために都民から寄せられた、長年にわたり活用されずに置かれていた東京空襲関連の資料や証言ビデオについて、都がデジタル化と公開に取り組む意義をどう考えていますか。

○横山生活文化スポーツ局長 平和に対する意識が高まっている今、戦争の記憶を風化させないためにも、資料のデジタル化に着手し、より広く活用していくこととしたものでございます。

○大山委員 ビデオは、証言してくださった三百三十人の方々や、遺品などを寄せていただいた方々の、もう二度と戦争をさせてはならないとの思いが詰まった貴重なものです。最大限生かす責務が東京都に課せられています。
 公開される証言ビデオや遺品、戦災資料などは、自治体への貸出しだけではなく、学校や民間団体への貸出しや保管場所での児童生徒、個人、グループなどでの視聴、閲覧、また、オンラインでの提供も可能にし、平和学習で広く活用できるようにすることを求めますが、いかがですか。

○横山生活文化スポーツ局長 資料につきましては、来年度以降デジタル化に着手し、より広く活用してまいります。
 その活用方法につきましては、今年度実施している調査等を踏まえ、検討することとしております。

○大山委員 ぜひ幅広く活用できるようにお願いいたします。
 知事は、この質問の最初に、戦争の記憶を風化させることなく次世代に語り継ぐことは重要、こう答弁されました。次世代に語り継ぐ重要な要素でありますビデオと資料を生かすためには拠点が必要です。拠点があれば、いつでも立ち寄ることができますし、学芸員さんたちがいてくれて解説も聞けるし、ビデオもいつでも見ることができます。
 平和をつくる拠点として、今こそ二十四年間も凍結されている平和祈念館を建設できるよう動き始めようではありませんか。知事と議員の皆さんにも呼びかけて、次の質問に移ります。

8、統一教会の多摩市永山の土地購入について

 統一協会について伺います。
 高額献金、家庭崩壊、宗教二世の苦しみなど、統一協会が多くの方々の人生を狂わせてきた実態が次々明らかになっています。
 国は先日、四回目の質問権を行使しましたが、もはやこれ以上、統一協会の解散を先延ばしにすることは許されません。
 そんな中、統一協会が多摩市永山七丁目二番の二の尾根幹線道路沿いの土地六千三百平方メートルを昨年四月に購入していることが分かりました。都市整備局はこの事実を把握していますか。

○福田都市整備局長 市街化区域における二千平方メートル以上の土地取引には、国土利用計画法に基づく届出が必要でございます。
 なお、個別の土地取引に関する情報については、答弁を差し控えさせていただきます。

○大山委員 国土利用計画法は、国土利用について、公共の福祉を優先させ、地域の社会的、文化的条件に配慮して、健康で文化的な生活環境を確保することなどが基本理念とされています。そのために、一定面積以上の土地取引は知事に届け出ることとされており、知事は、その土地利用を調整するための措置などを講じることができます。
 この土地は、目の前に都立高校、隣に大学があり、付近には住宅が広がっています。違法、不法行為を繰り返す統一協会が、高校生や学生が通う場所にこの広い敷地を何のために購入したのか、どのように使うのか、地域住民の皆さんにとって深刻な問題です。
 潮田副知事に伺いますが、統一協会の進出に対して、地域住民や都民を守るため、都としてどういう対策を取っていくのですか。

○潮田副知事 先ほど委員からもお話ございましたけれども、当該法人に対しましては、現在、国において四回の質問権を行使しておりまして、活動内容の調査を進めているというふうに承知しております。
 その動向を注視していくとともに、当該法人の所管は国ではございますけれども、都としては、消費生活や福祉、人権など、都民からの相談内容に応じて、関係機関で連携をしながら引き続き対応してまいります。

○大山委員 統一協会が都内に新たな拠点をつくるのを黙って見過ごすわけにはいきません。解散命令によって法人格を失えば、固定資産税などが課税されることになります。渋谷区内にある協会本部の維持が難しくなって、移転する可能性は既に指摘されています。都として取り得る対応を先手先手で行うことを知事に求めておきます。また、国に対し一刻も早い解散を求めるべきです。
 統一協会関連団体と東京都の関わりについての調査結果が二月に発表されました。その結果、我が党が第三回定例会で指摘した多文化おもてなしフェスティバルを後援していたことを、都はようやく認めました。
 一月の新聞報道では、統一協会関連団体が家庭教育支援条例の制定を広げるため、全国の地方議員を集めた研修会を国会の議員会館などで開いていたことが明らかになっています。
 我が党の調査では、それを進める全国地方議員連絡会がつくられています。入手した二〇一八年の名簿によると、当時の肩書は前都議会議員ですが、現在都議会議員の方が代表世話人を務め、世話人に区議会議員や多摩市議会議員が名を連ねています。
 知事に伺います。
 政治家や行政は統一協会と一切の関係を断つべきです。そのためにも、統一協会は違法、不法行為を繰り返しているカルト集団であり、今も深刻な被害が続いているという認識を明確にすることが重要です。知事の認識を伺います。

○小池知事 旧統一教会は、過去にその活動について違法性が指摘をされております。社会的に問題が指摘される団体との付き合いは慎重であるべきだと考えております。
 政治や行政は、こうした団体の活動等の助長につながるようなことは行うべきではない、このように考えております。

○大山委員 まあこれまでと同様、一般論なんですけれども、一切の関係を絶つと、なぜはっきりいえないんでしょうか。被害者の救済及び被害の拡大を防ぐために、都として全力を尽くすことを求めておきます。
 また、都議会議員も、今こそ統一協会と一切の関係を断つことを改めて呼びかけるものです。

9、新宿御苑の放射能汚染土実証実験について

 最後に、新宿御苑をめぐる問題です。
 福島第一原発事故に伴う八千ベクレルものセシウムを含む汚染土を、新宿御苑の花壇の土として使う実証事業を国が行うことが知らされました。
 新宿御苑には年間百二十万人が来場し、実証事業が予定される花壇のすぐそばの遊歩道は多くの人が行き交います。御苑の周辺は住宅街で、都立新宿高校も隣接しています。放射線による発がん性などのリスクや、飛散した汚染土壌を吸い込むことによる内部被曝への懸念など、住民の不安と怒りが広がっています。
 法が定める安全に利用できる基準の八十倍もの放射性物質を含む汚染土を、新宿御苑に持ち込むことは許されません。
 同様の問題は所沢市でも持ち上がっており、市長は市民の理解なしに実施できないことは初めからいってありますと市議会で答弁しています。それに比べても、東京都の姿勢はまるで人ごとなんです。
 東京都が住民の合意なく、放射性物質を含む汚染土壌の実証事業は絶対にさせないという立場に立ち、国に厳重に要請することを知事に強く求めて、質疑を終わります。(拍手)