文書質問 一、横田基地所属のC-12輸送機の部品喪失について 二、横田基地のオスプレイについて 三、有機フッ素化合物(PFAS)について 尾崎あや子都議(北多摩第1選出)
2023年第2回定例会で以下の文書質問を提出しました。
質問事項
一 横田基地所属のC-12輸送機の部品喪失について
二 横田基地のオスプレイについて
三 有機フッ素化合物(PFAS)について
答弁
一 横田基地所属のC-12輸送機の部品喪失について
二 横田基地のオスプレイについて
三 有機フッ素化合物(PFAS)について
令和5年第二回都議会定例会
文書質問趣意書 提出者 尾崎あや子
質問事項
一 横田基地所属のC-12輸送機の部品喪失について
横田基地所属のC-12輸送機が4月18日、訓練中に部品を紛失しました。東京都は、基地周辺の5市1町連絡協議会と共に、在日米軍横田基地第374空輸航空団司令官あてに「横田基地所属C-12の部品遺失について」要請をしています。紛失した部品は「ライトレンズ」で重さは約1kgです。住宅街に落下していたら、大きな事故につながる可能性があります。
そこで、いくつか質問します。
1 横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会の要請事項は、〔1〕事故の経緯を明らかにするとともに、原因究明を行い再発防止を図ること。これらの対応が図られるまで、同機種の飛行運用を差し控えること。〔2〕航空機の点検整備を強化するとともに、安全確保の徹底を図ること。〔3〕以上に関する情報を関係自治体に速やかに提供することです。今回の要請では、特に〔1〕で、「これらの対応が図られるまで、同機種の飛行運用を差し控えること」としたことは、重要です。しかし、原因究明がされないまま、4月22日には飛行が確認されています。
都は、申し入れの立場に徹して、原因究明と再発防止がきちんと図られるまでC-12輸送機の飛行運用はやめさせるべきですが、いかがですか。
2 C-12輸送機の部品喪失は訓練の飛行2時間の中で起こったものだと聞いていますが、都には、その後どのような説明がありましたか。
3 北関東防衛局は、米側に対しC-12輸送機の部品喪失について、原因究明と再発防止を要望したと聞いています。都民の安全を守るために防衛省には、都と同じ立場に立つよう強く求めるべきですが、どうですか。
二 横田基地のオスプレイについて
CV-22オスプレイは現在、横田基地に6機配備されていますが、2024年ごろまでに10機の配備を行う予定とされています。
しかし、横田基地のCV-22オスプレイが使用する施設整備は、当初予定よりも遅れている状況です。到底、10機配備されるまでには施設整備は完了しません。
そこで、いくつか質問します。
1 施設整備が遅れている理由などは、聞いていますか。施設整備が完了していないのであれば、オスプレイの増配備はやめるべきですが、どうですか。
2 そもそも、昨年夏にはクラッチの不具合でCV-22オスプレイ全機が地上待機となり、部品交換が必要であることや設計変更を契約したことなどが報道されています。抜本的改善がされていないオスプレイを、横田基地にあと4機増やすことは、都民の安全・安心を脅かすものです。このまま増やすわけにはいかないと思いますが、都の認識を伺います。
3 横田基地で、事前に周辺自治体への通告なしに、6月5日・7日の2日間、空軍の特殊作戦機CV-22オスプレイからパラシュート降下訓練を実施しました。横田基地でのCV-22オスプレイを使ってのパラシュート降下訓練は異例です。都として、事前通告なくCV-22オスプレイからパラシュート降下訓練を行ったことに対し、抗議すべきですがいかがですか。
三 有機フッ素化合物(PFAS)について
有機フッ素化合物(PFAS)は発がん性が指摘され、住民の中に不安が広がっています。
多摩地域の有機フッ素化合物汚染を明らかにする会が結成され、650人の血液検査が行われ、血液中の13種類のPFASを測定し今回はそのうち代表的な4種類についてまとめています。調査の分析を行った京都大学の原田浩二准教授は「多摩地域の住民の血中PFAS濃度は高い状況にあると考えられる。特に国分寺市、立川市に住んでいる人は、相当な割合で高いという結果になった」「曝露源として主として水道水が考えられる」などとまとめています。
東京都は、5月1日から専用電話による相談を実施しています。また、5月23日には環境大臣・厚生労働大臣・農林水産大臣あてに、「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望」を出しています。
そこで、いくつか質問します。
1 都として、国に「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望」を出した理由について、伺います。
2 都が出した「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望書」に対し、国から説明などあったのですか。
3 都環境科学研究所の平成23年度(2011年度)・公開研究発表会で、分析研究科の西野貴裕氏が「都内河川および地下水における有機フッ素化合物の実態調査」の報告をしています。この研究は、東京都が依頼した研究ですか。
依頼した研究であれば、依頼する経過と、都ではどのような議論を行ったのか、伺います。
4 この西野氏の論文の中に「各PFGsの合計濃度が100ナノグラムパーリットルを超えたのは、一部を除き多摩地区で採取したものであったため、地下水の汚染は当該地域に存在していたと考えられる」「構成比に着目すると国立市、立川市、府中市の3地点は、全物質の比率で類似していた」という記述がありました。
西野氏の論文で指摘があった高濃度の地域と、今回の多摩地域の住民の血中濃度の高い地域は一致しています。このことは、何らかの汚染源があることを示しており、大変興味深い内容です。
この研究結果について、都はどう受け止めたのですか。
5 また、この研究結果を受けて、地下水調査の強化など都はどのような取り組みを行ったのですか。
6 公開研究発表会の論文の最後に「PFCsの組成類似していることから、排出事業者に共通する特徴があることも想定され、今後の調査が必要と考える」とまとめています。この指摘は、汚染源の特定につながる重要なものだと思いますが、都は、この後も研究依頼をしているのですか。
有機フッ素化合物に対する都民の関心や不安が広がっていることから、都の行っている調査結果に基づいて、環境科学研究所に分析・研究を依頼すべきだと思いますが、いかがですか。
7 西野氏の研究で、多摩川水系におけるPFOS、PFOAの濃度変化を調べた結果、PFOSは「浅川からの負荷量が最も高いという結果が得られた」とし、「今後、更に環境改善を進めるためには負荷の高い特定の支川を突き止め、集中的、効果的な対策が必要であることが明らかになった」と指摘しています。
この指摘を都はどう受け止めたのですか。また、どう対応したのですか。
令和5年第二回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 横田基地所属のC-12輸送機の部品喪失について
1 都は、申し入れの立場に徹して、原因究明と再発防止がきちんと図られるまでC-12輸送機の飛行運用はやめさせるべきだが、見解を伺う。
回答
安全保障に関することは、国の専管事項です。米軍機の安全確保は、国が責任をもって行うべきことです。
国からは、メンテナンスクルーとエアクルーはそれぞれ、飛行前と飛行後に機体の点検を毎回行っている、点検の際、問題が特定された場合はフライトの遅延、キャンセル、または別の航空機が使用される、と聞いています。
今後も、都民の生命、安全、安心を守る立場から、地元自治体と共に、国や米軍に対して必要なことを申し入れていきます。
質問事項
一の2 C-12輸送機の部品喪失は訓練の飛行2時間の中で起こったものだと聞いているが、都には、その後どのような説明があったか伺う。
回答
国からは、メンテナンスクルーとエアクルーはそれぞれ、飛行前と飛行後に機体の点検を毎回行っている、点検の際、問題が特定された場合はフライトの遅延、キャンセル、または別の航空機が使用される、と聞いています。
質問事項
一の3 北関東防衛局は、米側に対しC-12輸送機の部品喪失について、原因究明と再発防止を要望したと聞いているが、都民の安全を守るために防衛省には、都と同じ立場に立つよう強く求めるべきだが、見解を伺う。
回答
安全保障に関することは国の専管事項です。米軍機の安全確保は国が責任をもって行うべきことです。
都は地元自治体と共に、原因究明や再発防止等を米軍に申し入れるよう国に要請しています。
質問事項
二 横田基地のオスプレイについて
1 施設整備が遅れている理由などは、聞いているか。施設整備が完了していないのであれば、オスプレイの増配備はやめるべきだが、見解を伺う。
回答
安全保障に関することは国の専管事項です。
国からは、CV-22オスプレイが使用する施設の整備については、格納庫/AMU(航空機整備ユニット)の建設、飛行隊施設及び倉庫の建設について、当初の予定から工期が変更されており、理由について米側に確認したところ、工事予定日は、計画及び運用面の要素を考慮したうえで決定されるが、当該プロジェクトの予定が変更となった直接の理由についてお伝えできる情報はないとの回答があった、と聞いています。
また、国からは、2024年頃までに段階的に計10機のCV-22オスプレイを横田飛行場に配備する計画となっている、と聞いています。
質問事項
二の2 抜本的改善がされていないオスプレイを、横田基地にあと4機増やすことは、都民の安全、安心を脅かすものであり、このまま増やすわけにはいかないと思うが、都の認識を伺う。
回答
安全保障に関することは国の専管事項です。CV-22オスプレイを含む米軍機の安全確保は、国が責任をもって行うべきことです。
国からは、CV-22オスプレイの機体自体の安全性に問題はなく、教育訓練や、機体点検などを継続的に行うことで、飛行の安全が確保できると確認したと聞いています。
また、国からは、2024年頃までに段階的に計10機のCV-22オスプレイを横田飛行場に配備する計画となっている、と聞いています。
質問事項
二の3 横田基地でのCV-22オスプレイを使ってのパラシュート降下訓練は異例であるが、都として、事前通告なくCV-22オスプレイからパラシュート降下訓練を行ったことに対し、抗議すべきだが見解を伺う。
回答
都はこれまでも、人員降下訓練について、訓練情報の早期提供の徹底や、人口密集地で行う訓練の危険性を十分考慮の上、事故防止、基地周辺地域に影響を及ぼさないこと等を国や米軍に要請しています。
なお、本件については、日頃から都と連絡調整を行っている横田基地周辺市町が、国及び米軍に対し要請を実施しています。
今後とも、周辺市町と連携を図りつつ、必要な働きかけを行っていきます。
質問事項
三 有機フッ素化合物(PFAS)について
1 都として、国に「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望」を出した理由について、伺う。
回答
都は国に対し、健康影響及び環境に関する評価等について、科学的根拠に基づいた知見を早急に示すよう、緊急要望しました。
質問事項
三の2 都が出した「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望書」に対し、国から説明などあったのか伺う。
回答
都が緊急要望を行った際、国からは、PFASに対する総合戦略検討専門家会議で対応を検討している旨の説明がありました。
質問事項
三の3 都環境科学研究所の平成23年度(2011年度)・公開研究発表会で、分析研究科の西野貴裕氏が「都内河川および地下水における有機フッ素化合物の実態調査」の報告をしているが、この研究は、東京都が依頼した研究か。依頼した研究であれば、依頼する経過と、都ではどのような議論を行ったのか、伺う。
回答
当該調査は、都が、国際的な規制強化の動向を踏まえ、都内全域の水環境の実態を調査したものです。
質問事項
三の4 西野氏の論文で指摘があった高濃度の地域と、今回の多摩地域の住民の血中濃度の高い地域は一致しており、このことは、何らかの汚染源があることを示しており、大変興味深い内容であるが、この研究結果について、都はどう受け止めているか伺う。
回答
PFOS等の有機フッ素化合物は、半導体の製造、撥水加工等で使用されてきたことから広域に検出されており、排出源の特定は困難と考えています。
質問事項
三の5 また、この研究結果を受けて、地下水調査の強化など都はどのような取り組みを行ったのか伺う。
回答
暫定指針値の超過が判明した場合には、関係各局で共有を図り、飲用井戸所有者には飲用を控えるよう助言を行っています。
質問事項
三の6 公開研究発表会の論文の指摘は、汚染源の特定につながる重要なものだが、都は、この後も研究依頼をしているのか。有機フッ素化合物に対する都民の関心や不安が広がっていることから、都の行っている調査結果に基づいて、環境科学研究所に分析・研究を依頼すべきだが、見解を伺う。
回答
PFOS等の有機フッ素化合物は、半導体の製造、撥水加工等で使用さ れてきたことから広域に検出されており、排出源の特定は困難と考えています。
質問事項
三の7 西野氏の研究で、多摩川水系におけるPFOS、PFOAの濃度変化を調べた結果、PFOSは「浅川からの負荷量が最も高いという結果が得られた」とし、「今後、更に環境改善を進めるためには負荷の高い特定の支川を突き止め、集中的、効果的な対策が必要であることが明らかになった」と指摘しているが、この指摘を都はどう受け止めたのか。また、どう対応したのか伺う。
回答
都は、令和3年度から、PFOS及びPFOAを水質測定計画の要監視項目と定め、関係機関と協議の上、都内河川で水質測定を行っており、これまでの測定結果は、全ての地点で国の暫定指針値を下回っています。
以上