文書質問 子どもの学ぶ権利を保障するため、夜間定時制高校を守る重要性について 藤田りょうこ(大田区選出)
2023年第3回定例会で以下の文書質問を提出しました。
令和5年第三回都議会定例会
文書質問趣意書 提出者 藤田りょうこ
質問事項
一 子どもの学ぶ権利を保障するため、夜間定時制高校を守る重要性について
答弁
一 子どもの学ぶ権利を保障するため、夜間定時制高校を守る重要性について
一 子どもの学ぶ権利を保障するため、夜間定時制高校を守る重要性について
私の長男は中学1年生です。長男のもとには、学校を通じて都立高校の案内チラシが3枚届けられました。見てみると、都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校の3つでした。
1 都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校の3つのチラシは、誰を対象に配布しましたか。また、これらの学校のチラシを配ることになった経緯について伺います。
配布されたチラシは全面カラーで、見開き4ページの構成となっています。さらに、夏休み明けに配布された「都立工科高校ドリームフェスタ」のチラシによれば、イベントを盛り上げるゲストが出演するなど、広報にとても費用が掛かっているように感じました。
2 今年の教育庁の広報費のうち、都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校の広報に充てている費用はいくらですか。また、「都立工科高校ドリームフェスタ」開催の予算は、案内チラシなどを含め、一校当たりいくらになっていますか。
3 「都立工科高校ドリームフェスタ」を開催した目的と、来場した方の人数について伺います。
私の地元、大田区の都立大森高校は私の母校でもあり、今年は、夜間定時制課程の入学式に参加させていただきました。その時にいただいたパンフレットを読んでみると、「少人数でアットホームな雰囲気の中、年齢や国籍、経験、生活環境などの異なる様々な生徒たちが、共に学びあうことが最大の魅力」「自分も相手も大切にできる安全安心な場所」「あなたの人生の主人公はあなた自身です」と、校長のメッセージが書かれていました。
定時制課程の校長のお話では、中学生の時ほとんど学校に通っていなかったという方も学んでいるそうです。
4 ほとんど学校に通っていなかったという方でも通えるのが夜間定時制課程です。都立夜間定時制高校の存在について、今日的意義を伺います。
5 文部科学省の調査によれば、都内公立小中学校において、2021年度に30日以上登校しなかった小中学生は、過去最多の2万1,536人に上っています。安心して学べる環境を守り発展させることが重要と考えますが、都の認識を伺います。
ほとんど学校に通っていなかった子どもたちも含め、学校の存在や魅力を中学生に伝える必要があります。「定時制課程・通信制課程入学案内」には、夜間定時制高校について1校1校特色や魅力が掲載されています。
6 「定時制課程・通信制課程入学案内」の作成経費と部数を伺います。公立中学校に通う生徒をはじめ、学校に通っていない子どもにも、直接この案内が届く仕組みを構築すべきと考えますが、いかがですか。
私の長男は、現在通っている公立中学校の授業について、「面白くない」「わからない」と話しています。小学5年、3年のきょうだいも公立学校に通っていますが、学校教員が不足する中、一人一人の子どもの学びを支えることは非常に困難だと感じることがあります。
7 学校に通えなくなったり、授業についていけなくなったりすることは、誰にでも起こりうることです。どのような子どもでも受け止めてくれるのが夜間定時制高校であり、いつからでもやり直せる場所があることを、多くの方に知らせることが必要です。そのためにも、夜間定時制高校の広報にこれまで以上に力を入れるべきと考えますが、認識を伺います。
令和5年第三回都議会定例会
藤田りょうこ議員の文書質問に対する答弁書
質問事項
一 子どもの学ぶ権利を保障するため、夜間定時制高校を守る重要性について
1 都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校の3つのチラシは、誰を対象に配布したか。また、これらの学校のチラシを配ることになった経緯について伺う。
回答
当該リーフレットは、名称変更した工科高校の認知向上と、新たな取組として今年度指定したスキルアップ推進校及びビジネス人材育成推進校の特色や魅力を伝え、理解を促進していくことを目的として、都内すべての公立中学校生徒向けに配布したものです。
質問事項
一の2 今年の教育庁の広報費のうち、都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校の広報に充てている費用はいくらか。また、「都立工科高校ドリームフェスタ」開催の予算は、案内チラシなどを含め、一校当たりいくらか伺う。
回答
都立工科高校、スキルアップ推進校、ビジネス人材育成推進校に係るリーフレットの作成等の経費は約800万円です。都立工科高校ドリーム・フェスタ開催の経費は約5,000万円で、イベントには全日制課程・定時制課程計21校が参加しており、一校当たりの経費は約240万円です。
質問事項
一の3 「都立工科高校ドリームフェスタ」を開催した目的と、来場者の人数について伺う。
回答
「都立工科高校ドリーム・フェスタ」は、中学生やその保護者等に対して工科高校等の全日制課程及び定時制課程双方の魅力を発信していくために実施しました。来場者の人数は、約2,000人です。
質問事項
一の4 都立夜間定時制高校の存在について、今日的意義を伺う。
回答
夜間定時制課程は、不登校を経験した生徒や外国人の生徒など多様な生徒が在籍しており、自立した人材を育成する役割を果たしている一方で、生徒数減少により学習環境等に課題も生じています。
質問事項
一の5 文部科学省の調査によれば、都内公立小中学校において、2021年度に30日以上登校しなかった小中学生は、過去最多の2万1,536人に上っている。安心して学べる環境を守り発展させることが重要だが、認識を伺う。
回答
都教育委員会は、不登校の子供一人ひとりの状況に応じ、多様な学びの場を確保することができるよう、学校、家庭、その他の教育機関における支援の充実を図っています。
質問事項
一の6 「定時制課程・通信制課程入学案内」の作成経費と部数を伺う。公立中学校に通う生徒をはじめ、学校に通っていない子どもにも、直接この案内が届く仕組みを構築すべきだが、見解を伺う。
回答
入学案内の作成等の経費は約100万円で、配布部数は1万部です。
各公立中学校等を通じて、不登校の生徒を含め必要とする生徒に配布しています。
質問事項
一の7 どのような子どもでも受け止めてくれるのが夜間定時制高校であり、いつからでもやり直せる場所があることを、多くの方に知らせるためにも、夜間定時制高校の広報にこれまで以上に力を入れるべきだが、認識を伺う。
回答
引き続き、リーフレットやイベント等により、夜間定時制課程についても広報を実施していきます。