文書質問 都立清瀬特別支援学校の仮設校舎について 他 原のり子(北多摩第四選出)
2023年第4回定例会で以下の文書質問を提出しました。
令和5年第四回都議会定例会
文書質問趣意書 提出者 原 のり子
【質 問 事 項】
一 新型コロナウイルス感染症対策について
二 障害児の不登校について
三 都立清瀬特別支援学校の仮設校舎について
【答 弁】
一 新型コロナウイルス感染症対策について
二 障害児の不登校について
三 都立清瀬特別支援学校の仮設校舎について
コロナ感染が再び増加傾向になるなか、障害者のグループホームなどで発熱者が増え、一時的に閉鎖せざるをえない状況が生まれました。発熱して、東京都の医療機関のリストに電話をかけても、なかなか診てもらえないという状況があり、障害児者の保護者・家族から「とても困っている」との声が寄せられました。診てもらえないまま、高熱で倒れ、救急車で運ばれた知的障害の方もいます。また、熱で休んでも、コロナかどうかの検査をしていないことも多く、発熱する人が広がるという事態もあります。
1 5類移行後、コロナ感染が疑われる人、発熱している人は、幅広い医療機関で診てもらえるのではないのでしょうか、確認します。
2 東京都のホームページでも医療機関が紹介されていますが、ある地域では、すべてに連絡したが受けてもらえなかった、との訴えもあります。
幅広く受けられるように、東京都から働きかけをすべきではないでしょうか。
障害児者はハイリスク層です。しかし、障害児者を受け止めてくれる病院を探すのに、保護者や家族は大変な苦労をしています。発熱で診てくれる病院探しにでさえ苦労するという状況は放置できません。改善を求めますがいかがですか。
3 コロナ禍のもとでは、障害児者が、入院が必要になったときは、都立病院が大事な役割を果たしてきましたが、独法化後もその役割に変更はありませんか。
4 感染拡大を防止するうえで、検査で確認することが必要ですが、発熱で受診したら検査を行うとはなっていないのですか。
5 現在、障害者・高齢者などハイリスク層の入所施設では、職員対象のPCR検査を含めた定期的検査が実施されていますが、通所・訪問系施設は抗原定性検査のみです。感染を広げないために、PCR検査も実施できるように改善すべきと考えますがいかがですか。
6 通所系の障害者施設において、感染者が発生したら、利用者がPCR検査を利用できる仕組みがあるのかうかがいます。
7 感染症の対策は今後も必要です。福祉施設、学校などへの空気清浄機設置の支援を行うことを求めますがいかがですか。
「チルドレンファーストの社会の実現に向けた子供政策強化の方針2023」には、推進チームによるリーディングプロジェクトの今後の政策強化の方向が示され、そのなかに、「学齢期の育ち」が位置付けられています。不登校の子どもたちが増えている状況に立って、多様な学びの場、居場所を支援していくとあり、大変重要です。しかし、本当は学校に行きたいけれど行けない子どもたちの思いは、それだけでは救われないと思います。学校自身が子どもたちが行きたくなる学校へと変化していくことも求められていると思います。そうした視点をもちながら、不登校問題を自己責任にしないとりくみをすすめることを求めます。とりわけ、障害をもっている子どもたちのサポートは重要です。基本的なことについて、いくつかうかがいます。
1 不登校の子どもたちは、この10年でどのぐらいふえていますか。10年前と現時点での全国の人数と東京都の人数を、小・中・高校別にうかがいます。
2 そのなかでの、特別支援学級に在籍する子どもたちは何人ですか。
3 特別支援学級の子どもたちが不登校になったときに、安心して過ごせる場所がなく、悩んでいるケースもみられます。子どもたちをどのようにサポートしていますか。
4 全国の統計には、特別支援学校が入っていません。東京都は把握していますか。
5 都立特別支援学校での不登校の子どもたちに安心して過ごせる場所やサポートはどのようにしていますか。
6 都立特別支援学校高等部で不登校になった子どもに対するサポートはどのようなことをしているのですか。
7 2022年度に、都立特別支援学校高等部を退学した生徒は何人ですか。
9月から、仮設校舎での生活が始まっています。4年間、ここで過ごす子どもたちが、安心して、またのびのびと楽しい学校生活が送れるように応援していきたいと思います。
1 スクールバスの出入口が狭く、校舎門扉にぶつかる事故が起きています。大きな事故につながらないように、門扉の位置を変更する必要があります。改善を求めますがいかがですか。
今後とも、子どもたち、保護者、地域住民の声を聞きながら、安全安心な環境整備をすすめていただけるよう要望いたします。
仮設校舎はプレハブとはいっても、とてもしっかりしたものになっていて、わずか4年間で撤去されるのは惜しいという声もあります。仮設校舎としての役割を終えたあと、地域で活用することは考えられないでしょうか。
2 仮設校舎の契約はどのようになっていますか。
3 仮設校舎の建物の耐用年数はどのぐらいですか。
4 この地域は、駅や市役所からも離れていて、お店などもなく住民は不便さを抱えています。また、かねてから、特別養護老人ホームなどを設置することを求める声も強い地域です。仮設校舎を地域ニーズの実現のために活用できないか、うかがいます。
5 当該都有地は、仮設校舎の用地としての使用が終了した後の使い道は決まっているのか、うかがいます。
令和5年第四回都議会定例会
原のり子議員の文書質問に対する答弁書
質 問 事 項
1 5類移行後、コロナ感染が疑われる人、発熱している人は、幅広い医療機関で診てもらえるのではないのか、伺う。
回 答
新型コロナウイルス感染症の5類感染症への位置付け変更後は、より多くの医療機関が新型コロナ患者の診療に対応する体制へ移行することとされており、都は、発熱等の症状のある患者が身近な地域で診療を受けられるよう、外来対応医療機関を指定し、公表しています。
質 問 事 項
一の2 東京都のホームページでも医療機関が紹介されているが、ある地域では、すべてに連絡したが受けてもらえなかった、との訴えもある。幅広く受けられるように、都から働きかけをすべきではないか。
障害児者はハイリスク層だが、障害児者を受け止めてくれる病院を探すのに、保護者や家族は大変な苦労をしている。発熱で診てくれる病院探しにでさえ苦労するという状況は放置できず、改善を求めるが、見解を伺う。
回 答
都は、新型コロナウイルス感染症の5類移行後も、都内医療機関に対し、外来対応医療機関への登録や、かかりつけ患者以外にも診療を拡大するよう、東京都医師会とも連携して働きかけてきました。 今後も、障害児者を含め、発熱等の症状のある方が適切に診察を受けることができるよう、引き続き関係機関と連携し、地域の医療提供体制を構築していきます。
質 問 事 項
一の3 コロナ禍のもとでは、障害児者が、入院が必要になったときは、都立病院が大事な役割を果たしてきたが、独法化後もその役割に変更はないか、伺う。
回 答
都立病院は、独法化後も、新型コロナ対応で、重症、中等症の患者や軽症でも重い基礎疾患のある方、妊婦、小児、透析患者、障害のある方などを積極的に受け入れています。
質 問 事 項
一の4 感染拡大を防止するうえで、検査で確認することが必要だが、発熱で受診したら検査を行うとはなっていないのか、伺う。
回 答
発熱等の症状のある方が医療機関を受診した際の検査の実施は、新型コロナウイルスの検査も含めて、診察を行う医師が個別に判断しています。
質 問 事 項
一の5 現在、障害者・高齢者などハイリスク層の入所施設では、職員対象のPCR検査を含めた定期的検査が実施されているが、通所・訪問系施設は抗原定性検査のみである。感染を広げないために、PCR検査も実施できるように改善すべきだが、見解を伺う。
回 答
PCR検査は、感度は高いものの、検体の回収が必要で検査結果が判明するまでに時間を要するのに対し、抗原定性検査は、PCR検査と比較して感度が低下する可能性がありますが、その場で簡便かつ迅速に結果が判明するとされています。
都は、検査の規模や実施体制などを踏まえ、それぞれの特性を生かした検査方法を組み合わせ、効果的に検査を実施しています。
質 問 事 項
一の6 通所系の障害者施設で感染者が発生したら、利用者がPCR検査を利用できる仕組みがあるのか伺う。
回 答
国の通知では、通所系の障害者施設から保健所に感染症の患者発生の報告があった場合等には、保健所が感染拡大防止を目的とした調査を必要に応じて実施することとされており、新型コロナウイルス感染症の5類移行後も同様です。
また、都は、区市町村が地域の実情に応じて実施する対策を、区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業により支援しており、通所系障害者施設の利用者を対象としたPCR検査費用も補助対象としています。
質 問 事 項
一の7 感染症の対策は今後も必要である。福祉施設、学校などへの空気清浄機設置の支援を行うことを求めるが、見解を伺う。
回 答
都は、都内の学校における空気清浄機の設置に当たっては、国の学校保健特別対策事業費補助金を活用するなどして対応を行っています。
保育所等に対しては、保育環境改善等事業により、感染症対策のために必要となる空気清浄機の設置等を支援しています。
なお、高齢者の入所施設や障害者支援施設、障害福祉サービス事業所等に対しては、換気設備の設置を支援しています。
質 問 事 項
1 不登校の子どもたちは、この10年でどのぐらいふえているか。10年前と現時点での全国の人数と東京都の人数を、小・中・高校別に伺う。
回 答
平成24年度と令和4年度の全国の学校における不登校児童・生徒の人数は以下のとおりです。
校種 |
平成24年度 |
令和4年度 |
増減 |
小学校 |
21,243人 |
105,112人 |
83,869人増 |
中学校 |
91,446人 |
193,936人 |
102,490人増 |
高等学校 |
57,664人 |
60,575人 |
2,911人増 |
計 |
170,353人 |
359,623人 |
189,270人増 |
また、同様に、東京都内公立学校の不登校児童・生徒の人数は以下のとおりです。
校種 |
平成24年度 |
令和4年度 |
増減 |
小学校 |
1,912人 |
10,695人 |
8,783人増 |
中学校 |
6,469人 |
16,217人 |
9,748人増 |
高等学校 |
4,693人 |
3,931人 |
762人減 |
計 |
13,074人 |
30,843人 |
17,769人増 |
質 問 事 項
二の2 そのなかでの、特別支援学級に在籍する子どもたちは何人か、伺う。
回 答
都内公立学校に設置されている特別支援学級における不登校を含む長期欠席の子供の実態等については、各学校において把握し、一人一人の状況に応じて支援を行っており、都教育委員会への報告は求めていません。
質 問 事 項
二の3 特別支援学級の子どもたちが不登校になったときに、安心して過ごせる場所がなく、悩んでいるケースもみられる。子どもたちをどのようにサポートしているか、伺う。
回 答
特別支援学級を設置している各学校では、長期欠席の子供に対し、福祉や医療の関係者の助言も受けながら、例えば、教員と保護者が連携して他の子供が在校しない時間に指導を行う、自宅からオンラインで学習できるようにするなど、一人一人の状況に応じた支援を行っています。
質 問 事 項
二の4 全国の統計には、特別支援学校が入っていないが、都は把握しているか伺う。
回 答
都立特別支援学校における不登校を含む長期欠席の子供の実態等については、各学校において把握し、一人一人の状況に応じて支援を行っており、都教育委員会への報告は求めていません。
質 問 事 項
二の5 都立特別支援学校での不登校の子どもたちに安心して過ごせる場所やサポートはどのようにしているか、伺う。
回 答
各学校では、長期欠席の子供に対し、福祉や医療の関係者の助言も受けながら、例えば、教員と保護者が連携して他の子供が在校しない時間に指導を行う、自宅からオンラインで学習できるようにするなど、一人一人の状況に応じた支援を行っています。
質 問 事 項
二の6 都立特別支援学校高等部で不登校になった子どもに対するサポートはどのようなことをしているのか伺う。
回 答
高等部を設置する特別支援学校では、長期欠席の生徒に対し、小・中学部と同様の対応に加えて、卒業後の生活に見通しを持つことができるよう、生徒の希望や適性等を考慮した実習先や進路の選択を支援するなどしています。
質 問 事 項
二の7 令和4年度に都立特別支援学校高等部を退学した生徒は何人か、伺う。
回 答
令和4年度の都立特別支援学校高等部在籍生徒数5,365人に対し、退学者数は73人です。
質 問 事 項
1 スクールバスの出入口が狭く、校舎門扉にぶつかる事故が起きている。大きな事故につながらないよう、門扉の位置を変更する必要があり、改善を求めるが、見解を伺う。
回 答
仮設校舎の設置に当たっては、スクールバスが安全に運行できるよう設計していましたが、接触事故を踏まえ、既により安全に運行できるよう出入口を広げるための調整を行っています。
質 問 事 項
三の2 仮設校舎の契約はどのようになっているか伺う。
回 答
都立清瀬特別支援学校の仮設校舎は、令和9年度までの賃貸借契約となっており、都教育委員会が賃貸人から仮設校舎を借入れしています。
質 問 事 項
三の3 仮設校舎の建物の耐用年数はどのぐらいか伺う。
回 答
都立清瀬特別支援学校の仮設校舎は、賃貸借契約により、使用期間を終了した時点で賃貸人に返還し、解体されることになっています。
質 問 事 項
三の4 仮設校舎を、地域ニーズの実現のために活用できないか、伺う。
回 答
都立清瀬特別支援学校の仮設校舎は、賃貸借契約により、使用期間を終了した時点で賃貸人に返還し、解体されることになっています。
質 問 事 項
三の5 当該都有地は、仮設校舎の用地としての使用が終了した後の使い道は決まっているのか、伺う。
回 答
都営清瀬中里四丁目アパートにおける創出用地の都立清瀬特別支援学校の仮設校舎用地としての活用は、令和9年度に終了予定です。
その後の活用は未定ですが、都有地は都民の貴重な財産であり、地元市の意見等も聞きながら、検討していきます。