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質問・条例提案

2024.03.28

文書質問 石神井公園駅南口西地区再開発事業について ・トー横問題について  とや英津子(練馬区選出)

2024年第1回定例会で以下の文書質問を提出しました。

 

 

質 問 事 項
石神井公園駅南口西地区再開発事業について
トー横問題について

答 弁
石神井公園駅南口西地区再開発事業について
トー横問題について


令 和 6 年 第 一 回都議会定例会
文 書 質 問 趣 意 書
提出者 とや英津子

一 石神井公園駅南口西地区再開発事業について

  石神井公園周辺の地域では、2003年から12年まで約9年間、住民によるまちづくりの協議が続けられ、「石神井公園まちづくり計画」を定めました。練馬区は、この計画を土台に石神井公園南地区計画を定めていました。
  計画で定めたまちづくりのルールは、周囲から突出する高さの建物を造らないこと、駅から公園に向かって徐々に建物高さを低くしてスカイラインを整えること、その最高地点が駅前商業地区の35mです。
 ところが区は住民合意なしにルールを変更し、都市計画道路232号線の建設と再開発を計画しました。建設される再開発ビルは、合計110億円もの公金が投入される予定です。
  最高高さを大幅に緩和して100mの超高層ビルを可能にする計画によって、住民がつくりあげた地区計画は一方的に変更され、石神井の景観は犠牲になると住民から批判の声があがっています。
  それだけではありません。再開発によって地権者が多大な損害を被ることになり、生活権、営業権を侵害され、それによる精神的・肉体的苦痛は計り知れないものがあります。このような理不尽なまちづくりに対して住民訴訟がおき、現在第二次訴訟が係争中です。
  ところが、再開発組合は権利変換計画を東京都に申請、都は今年1月に認可しました。これを受けて再開発組合は、行先も決まらない地権者に対し、今年3月15日を期限に土地の明け渡しを強いる行為に出ました。住民側から、市街地再開発事業がこれ以上進むことを仮に止めることを求める「執行停止」の申し立てをしたところ、3月13日に本件の、第一審判決言い渡しの日から三か月を経過する日まで、これを停止するとの決定が下されました。決定には、「自己の居住する場所を自ら決定するという居住の自由に由来して居住の地益に係るものであって純粋な財産的損害とは異なる面があるから、同利益が一度失われた場合の損害の回復が容易であるとは言い切れない」、「申立人が被る損害は、重大なものと評価すべきである。」と述べています。もっぱら再開発事業者の利益確保のために、立ち退きを迫られることが長年住み続けてきた住民にとってどれだけの苦痛を伴うことになるのか。再開発にともなう権限を持つ都として認識すべきです。
  さらに、「本件再開発事業は高さ100mの高層ビル建設を可能とするものであり、石神井公園からの眺望の中で突出しないよう高さを抑えるという景観形成基準との抵触も問題となる」と100mのビルを建てることによる違法性にも踏み込んだ内容となっています。
 改めて再開発事業の公共性を問う画期的な決定です。

  そこで、以下質問します。
再開発における組合施行の事業において、権利変換計画の認可後、地権者から明け渡しに関する「執行停止」の申し立ては、過去何件出ていますか。

再開発における組合施行の事業において、権利変換計画の認可後、裁判所による「執行停止」の判断が下された案件は過去何件ありますか。

都が定めた地区計画の区域において、再開発事業などに伴い高さ制限を緩和する場合、地区計画の変更は必要ですか。

高度地区について、高さ制限の特例の内容を伺います。また、総合設計制度について、都市計画等で建築物の高さの最高限度が定められている場合の特例の内容を伺います。

「高度地区」について、高さ制限の特例が活用されるようになったのはいつからですか。また、総合設計制度において、建築物の高さの考え方が運用されるようになったのはいつからですか。

石神井公園駅南口西地区再開発において、都は地区計画変更の理由について、練馬区からどのような説明を受けていますか。

二 トー横問題について

 トー横問題についてうかがいます。
新宿区の繁華街、歌舞伎町のシネシティ広場など、新宿東宝ビル周辺、いわゆるトー横に居場所を求めて集まる青少年がいます。
 彼らはトー横キッズと呼ばれていますが、家庭での虐待や貧困、いじめなどで家庭にも学校にも安全な場所がなかったり、居場所を失った子どもたちが多く、そこにつけ込んで性風俗店で働かせられたり、利用しようとする大人たちから性被害を受けたり、知らない間に加害者にさせられるなど犯罪に巻き込まれたりしています。多額の借金を背負わされるなどの被害にあっています。そしてその行為はますます巧妙になっています。
 こうした事態を受けて、都は青少年審議会に昨年、トー横対策について諮問し、答申がでました。現在、都は具体的な対策を検討していますが、特に性暴力から青少年を守ることは喫緊の課題です。

  性暴力は痴漢に限らず様々な場面で若者が常に直面する可能性をはらんでいます。若者がいつでも相談できる、立ち寄れる場所として今年度トー横に10日間、臨時相談窓口を設置しました。利用者数は合計295人と立ち寄った人は一定の数がいたと思います。立ち寄った人の年齢層、またどのような相談が寄せられましたか。今回の臨時相談窓口の設置を踏まえて来年度に生かすべき点などをお答えください。

  前回の青少年協議会の答申を受けての質疑では、トー横の実態把握の在り方について、課題の整理を行うとのことでした。どんなことが課題 となったのか、また実態把握は加害も行うことを改めて提案しますが、いかがですか。

  若者が性被害者・加害者とならないために、民間団体との協力についても必要性の提案がありましたが、どのように連携・協力しますか。


とや英津子議員の文書質問に対する答弁書

【質 問 事 項】
一 石神井公園駅南口西地区再開発事業について

一の1 再開発における組合施行の事業において、権利変換計画の認可後、地権者から明け渡しに関する「執行停止」の申し立ては、過去何件出ているか伺う。

回 答
 明渡しに関する「執行停止」は、組合を相手方として地権者が申し立てるものであるため、都は承知していません。

【質 問 事 項】
一の2 再開発における組合施行の事業において、権利変換計画の認可後、裁判所による「執行停止」の判断が下された案件は過去何件あるか伺う。

回 答
 明渡しに関する「執行停止」は、組合を相手方として地権者が申し立てるものであるため、都は承知していません。

【質 問 事 項】
一の3 都が定めた地区計画の区域において、再開発事業などに伴い高さ制限を緩和する場合、地区計画の変更は必要か伺う。

回 答
 地区計画に定められた高さの制限を緩和する場合は、都市計画変更が必要となります。

【質 問 事 項】
一の4 高度地区について、高さ制限の特例の内容を伺う。また、総合設計制度について、都市計画等で建築物の高さの最高限度が定められている場合の特例の内容を伺う。

回 答
 練馬区が都市計画決定している高度地区では、良好な市街地環境の形成に資する建築物を誘導するため、地区計画に定める建築物の高さの最高限度を、高度地区の建築物の高さの最高限度と読み替えて適用する特例や、区長の許可により、市街地環境の整備向上の程度に応じて、高さの最高限度の1.5倍までの範囲で緩和する特例を定めています。
 都の総合設計制度では、地域特性に応じた景観誘導等を図るため、建築物の高さ等に係る誘導指針を定めています。この指針では、都市計画等で高さの最高限度が定められている区域等において適用除外が規定されている場合、建築物の高さを最高限度の1.5倍以下としています。

【質 問 事 項】
 一の5 「高度地区」について、高さ制限の特例が活用されるようになったのはいつからか伺う。また、総合設計制度において、建築物の高さの考え方が運用されるようになったのはいつからか伺う。

回 答
 練馬区では、平成20年3月、第一種低層住居専用地域や高度地区が指定されていない商業地域等を除く全域を対象に、高度地区の都市計画を変更し、建築物の高さの最高限度とその特例を定めました。
総合設計制度における誘導指針については、平成18年4月から運用しています。

【質 問 事 項】
一の6 石神井公園駅南口西地区再開発において、都は地区計画変更の理由について、練馬区からどのような説明を受けているか伺う。

回 答
 練馬区都市計画マスタープランを踏まえ、市街地再開発事業と併せて、都市計画道路の整備やその周辺のまちづくりなどを進め、地域生活を支える拠点である駅を中心として、商店街、石神井公園が連続した魅力あふれるみどりを大切にしたまちの実現を目指すため、地区計画を変更すると区から説明を受けています。

【質 問 事 項】
二 トー横問題について

 二の1 今年度トー横に10日間、臨時相談窓口を設置したが、立ち寄った人の年齢層、また、どのような相談が寄せられたか伺う。また、今回の臨時相談窓口の設置を踏まえて来年度に生かすべき点などを伺う。

回 答
 臨時相談窓口には295名の来訪者があり、このうち自己申告のあった185名の年齢層の割合は、18歳未満が約4割、18歳以上が約6割でした。
 窓口では、就労や家庭問題等についての相談が寄せられました。
 この実施状況等も踏まえ、今年度開設する窓口では、来所しやすい環境の整備等を行っていきます。

【質 問 事 項】
 二の2 前回の青少年協議会の答申を受けての質疑では、トー横の実態把握の在り方について、課題の整理を行うとのことであった。どんなことが課題となったか、また実態把握は加害も行うことを改めて提案するが、見解を伺う。

回 答
 青少年問題協議会の答申では、「トー横」の青少年の生の声を直接聞き、その内容を分析等する旨提言されています。
 「青少年の生の声を聞くこと」が課題であると認識しており、把握方法等については今後検討していきます。

【質 問 事 項】
二の3 若者が性被害者・加害者とならないために、民間団体との協力も必要だが、どのように連携・協力するか伺う。

回 答
「トー横」に集まる若者を取り巻く問題は複雑であり、様々な場面で民間団体等と連携していくことが必要と考えています。

以上