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質問・条例提案

2024.03.28

文書質問 都立大塚病院のベッド削減について  米倉春奈(豊島区選出)

2024年第一回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 米倉春奈

質問事項
一 都立大塚病院のベッド削減について

答弁
一 都立大塚病院のベッド削減について


一 都立大塚病院のベッド削減について
 小池知事が都立病院を独法化して1 年半です。
 私の地元、豊島区にある大塚病院は、これまで、地域住民が頼りにしてきた病院です。「大塚病院に運ばれて命を救われた」「うちの子はみんな大塚病院で生まれました。ひとりは生まれた時、肛門に障害がありましたが、すぐに手術を受けられ、今は元気です。すごく面倒をみてもらって感謝しています」「大塚病院に10日間入院した。一番心配なお金も、公立病院だから安心だった」という声を聞いてきました。

1 知事は大塚病院が果たす役割をどう認識していますか。都立病院の役割は、民間では採算が取れない行政的医療を提供することです。都の責任で引き続き行政的医療を担うべきです。いかがですか。

 豊島区は人口あたりの病院のベッド数が都内平均の6 割しかありません。ベッドを増やすべきところを、都と独法法人は、大塚病院の大規模改修で、ベッドを100床近く減らし413床にすることを、住民にも議会にも説明なく進めていたことが分かりました。重大です。

2 私は、地元の医師の方々に話を伺いました。
 ある医師は、病床が減ることは知らされていない。100床減るのは中小規模の病院が一つ減るようなもの。かなり影響があるのではないかと話します。
 別の医師は、コロナの時、都立大塚病院・駒込病院が患者を受け入れてくれて助かった。ベッドが減ると感染症が広がったとき、対応に障害が出るのではないかと話します。
 大塚病院は地元医療機関との連携を重視していますが、コロナ以来、在宅の患者さんの具合が悪くなっても大塚病院に頼めなくなっている。以前は入院して精密検査し、診断していたのが、診断もつかないまま在宅看取りになってしまっている。立場の弱い人から権利が侵害されている。この上ベッドを減らせば、地域の総合病院の役割を崩すことになる。絶対あってはならないという話も聞きました。
 都は、ベッドを減らしても入院期間が短くなったからいいと言いますが、これから高齢社会で患者は増えるのだから足りない、これ以上短くできる余地はない。あとは人権とQ O L を削減することになるという指摘も寄せられています。
 大塚病院は心筋梗塞、脳梗塞など急性期医療を担っています。病院に余裕がないと救急は受けられなくなることも心配だと話します。
 都はこうした、地元の医師の方々の声をどう受け止めますか。

 行政的医療の後退となる、大塚病院のベッド削減は重大な誤りです。

3 都がやるべきは医療体制の充実です。都の責任で豊島区に新たな都立病院を作るべきです。知事の認識を伺います。


2024年第一回都議会定例会
米倉春奈議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 都立大塚病院のベッド削減について
1 知事は大塚病院が果たす役割をどう認識しているか伺う。都立病院の役割は、民間では採算が取れない行政的医療を提供することであり、都の責任で引き続き行政的医療を担うべきだが、見解を伺う。

回答
 感染症医療や周産期医療など、民間医療機関だけでは対応が困難な行政的医療の提供は、都立病院が果たすべき重要な役割です。都は、都立病院機構の定款や中期目標において、行政的医療等の安定的かつ継続的な提供を明示しており、大塚病院では、周産期医療や小児医療などの行政的医療を提供しています。

質問事項
一の2 大塚病院は心筋梗塞、脳梗塞など急性期医療を担っており、病院に余裕がないと救急は受けられなくなることも心配だと地元の医師は話しているが、都はこうした、地元の医師の方々の声をどう受け止めるのか、見解を伺う。

回答
 各都立病院は、運営協議会等を設置し、外部からの助言や提言等を得ながら、病院運営を行っています。大塚病院では、改修工事により、行政的医療である周産期医療の強化のほか、感染症の拡大時に陰圧室として対応可能な病室の増設など、機能強化を図っています。
 また、大塚病院の平均在院日数は、改修前の平成25年度は14.4日でしたが、令和4 年度には10.7日へと大幅に短縮しており、地域の医療機関と連携しながら、十分な患者の受入れが可能です。

質問事項
一の3 都がやるべきは医療体制の充実であり、都の責任で豊島区に新たな都立病院を作るべきだが、知事の認識を伺う。

回答
 都立病院は、行政的医療を適正に都民に提供し、他の医療機関等との適切な役割分担と密接な連携を通じて、都における良質な医療サービスの確保を図ることを基本的な役割としており、豊島区を含む区西北部保健医療圏において、大塚病院では、改修工事により、行政的医療である周産期医療提供体制等の強化を図っています。