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質問・条例提案

2024.06.12

文書質問 会計年度任用職員について 原純子(江戸川区選出)

2024年第二回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 原純子

質問事項
一 会計年度任用職員の採用、契約更新、再度採用選考において、妊娠・出産または育児休業による差別的取り扱いの禁止を徹底すべき件について

答弁
一 会計年度任用職員の採用、契約更新、再度採用選考において、妊娠・出産または育児休業による差別的取り扱いの禁止を徹底すべき件について

 


 

一 会計年度任用職員の採用、契約更新、再度採用選考において、妊娠・出産または育児休業による差別的取り扱いの禁止を徹底すべき件について

 東京都公立学校会計年度任用職員の再度任用4回までとなっていますが、その後再度採用選考を受験することで、同職種で、勤務し続けることが可能な制度とされています。学校現場では多くの会計年度任用職員が働いており、不安定な雇用形態ではありますが、そのもとでも継続的な勤務を積み重ね、スキルを磨くことができます。学校での子どもたちの教育に欠かせない重要な役割を果たしています。
 4年半勤務したAさんは、2024年3月末に任用終了の期限となることから、勤務先の学校長からの高い評価と後押しもあり、1月に再度採用選考に応募しましたが、2月に補欠合格の通知が届き、大きなショックを受けていました。Aさんは、4年半勤務するなかで第1子を出産しており、数か月の育児休業のあと職場復帰しています。そして、2人目の出産予定があるなかでの今回の応募だったため、その旨を応募用紙に記載し提出しました。学校側とは、2024年度の出産、産休と復帰予定などもすでに話し合っていたそうです。
 補欠合格となる理由として思い当たるのは、面接のときに妊娠について何度も質問をうけたことです。
 補欠ということは繰り上げがなければ、職を失ってしまいます。4月からの収入が途絶え、産休・育休中の給与保障も給付金もなく、雇用契約がなければ上の子も保育園を退園させられてしまいます。生活の見通しが一気に崩され、下の子を産んだ後の職探しへの不安も募り、心身ともに落ち込んでしまったそうです。その間にも、学校では人が足りない状況であることが伝わってきており、都教委のホームページを開いたところ、勤務先の学校での欠員募集が出ていることを発見し、どういうことかと悔しさでいっぱいになったといいます。
 Aさんの補欠合格になった経過と欠員募集の件は、差別的取り扱いではないかと問いただしましたが、結果的にはAさんは、繰り上げ合格となり、結果的には、同じ学校で引き続き働くことができましたが、本当に、疑問の残る経過でした。

1 妊娠・出産の可能性のある人について、それを理由に再度任用や再度採用選考での差別的扱いを行うことはマタニティハラスメントにあたりますが、都はその認識は持っていますか。

2 今回のケースでは、面接時に、妊娠について何度も質問を受けたとの本人の訴えがありました。妊娠のことをしつこく聞くのは不適切ですが、その認識は持っていますか。

3 再度任用や再度採用選考の際、過去の産休、育休取得歴が評価の中に含まれるべきではありませんが、その認識はありますか。それをどう担保するのでしょうか。

4 面接で聞いてはいけないこと、ハラスメントにあたる質問などについての研修は行っていますか。

5 採用や職場の中での妊娠・出産・育児休業などに関するハラスメントをなくすために、都はどのような取り決めや取り組みをしているのでしょうか。

6 女性が、出産、子育てでキャリアを中断させずに働き続けることの保障は、ジェンダー平等社会をつくる上で大変重要なことですが、都の認識について伺います。


2024年第二回都議会定例会
原純子議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 会計年度任用職員の採用、契約更新、再度採用選考において、妊娠・出産または育児休業による差別的取り扱いの禁止を徹底すべき件について

1 妊娠・出産の可能性のある人について、それを理由に再度任用や再度採用選考での差別的扱いを行うことはマタニティハラスメントにあたるが、都はその認識は持っているか、伺う。

回答
 国の指針において、職場における妊娠、出産等に関するハラスメントとは、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したことその他の妊娠又は出産に関する言動等により就業環境が害されるものとされています。
 会計年度任用職員の採用については、地方公務員法の平等取扱いの原則に基づき適切に実施しています。

質問事項
一の2 面接時に、妊娠について何度も質問を受けたとの本人の訴えがあった。妊娠のことをしつこく聞くのは不適切だが、その認識は持っているか、伺う。

回答
 国が示している「公正な採用選考をめざして」においては、面接の際に応募者の適性・能力に関係のない事項を質問することは適切ではないものとされており、会計年度任用職員の採用については、地方公務員法の平等取扱いの原則に基づき適切に実施しています。

質問事項
一の3 再度任用や再度採用選考の際、過去の産休、育休取得歴が評価の中に含まれるべきではないが、その認識はあるか、それをどう担保するのか伺う。

回答
 国が示している「公正な採用選考をめざして」においては、面接の際に応募者の適性・能力とは関係のない事項を採用基準にしないこととされており、会計年度任用職員の採用については、地方公務員法の平等取扱いの原則に基づき適切に実施しています。

質問事項
一の4 面接で聞いてはいけないこと、ハラスメントにあたる質問などについての研修は行っているか、伺う。

回答
 会計年度任用職員の採用面接の際は、面接官に対し事前に質問に関する注意事項等を示し、説明しています。

質問事項
一の5 採用や職場の中での妊娠・出産・育児休業などに関するハラスメントをなくすために、都はどのような取り決めや取り組みをしているのか、伺う。

回答
 会計年度任用職員の採用については、地方公務員法の平等取扱いの原則に基づき適切に実施しています。
 都教育委員会では、「都立学校における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの防止に関する要綱」に基づき、ハラスメントの防止を図るための研修を実施するとともに、ハラスメント相談窓口を設置し、周知しています。
 また、12月をハラスメント防止月間と設定し、会計年度任用職員を含む全教職員を対象にチェックシート等による啓発を行っています。

質問事項
一の6 女性が、出産、子育てでキャリアを中断させずに働き続けることの保障は、ジェンダー平等社会をつくる上で大変重要なことだが、都の認識について伺う。

回答
 会計年度任用職員の任用にあたっては、都教育委員会として「東京都公立学校会計年度任用職員の任用等に関する規則」等を設け、適切に対応しています。
 出産、育児に係る休暇等については、規則に基づき取得することができます。