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質問・条例提案

2024.10.04

文書質問 東京都障害者休養ホーム事業について 、補助犬の診療費について  福手ゆう子(文京区選出)

2024年第3回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者  福手 ゆう子

質 問 事 項
東京都障害者休養ホーム事業について
補助犬の診療費について

答弁
東京都障害者休養ホーム事業について
補助犬の診療費について


一 東京都障害者休養ホーム事業について
 障害のある方が旅行などで、事業の対象に指定されている施設に宿泊した場合に、宿泊利用料の一部を助成する休養ホーム事業を東京都は実施しています。
 この間、この事業を利用した方や利用したいと考えている方などから、「指定された宿泊所が値上げしていた」「宿泊で1万8,000円もかかった」「旅行に行くのにバス代も値上げしていた」などの状況と併せて、助成額の増額を求める声が寄せられています。
 実際、指定施設の宿泊料金をインターネットで検索してみると、半分以上が宿泊料が1万円以上となっていました。高い所は2万円以上のところもありました。
 障害のある方が宿泊や余暇を楽しむために、比較的安い料金で利用できる休養ホーム事業の役割は重要です。一方、物価高騰等による値上げによって旅行に行きづらくなっている状況があります。
 安心して保養できる環境をつくるために、事業の拡充が必要という立場で質問をいたします。

この事業の意義を伺います。
事業の利用人数について、2019年度から2023年度の推移を伺います。また、利用状況(個人利用と団体利用、大人とこども)についても伺います。
利用助成額の一人当たりの限度額は、障害者の大人6,490円、こども5,770円、付添者の大人3,250円と定められています。この金額の根拠を伺います。
利用助成額はどのような宿泊プランを想定した金額ですか。
現在の利用助成額はいつ設定されたものですか。これまで金額はどのように変化してきましたか。
利用助成額の増額を求めますが、見解を伺います。
指定施設の中で、2019年以降宿泊料金を値上げした施設があるかどうか把握していますか。
現在29施設が事業の対象として指定されていますが、施設数を増やす検討はありますか。また、直近5年の指定施設数の推移を伺います。
利用助成回数はかつて3泊までとしていましたが、現在は2泊までとなっています。なぜ減らしたのか伺います。
10 利用助成回数を増やすことを求めますが、見解を伺います。


二 補助犬の診療費について
 補助犬は障害のある方が自立と社会参加をするための大切なパートナーです。
 補助犬の診療費については、東京都獣医師会が補助犬診療券給付事業として、動物病院の窓口で行う募金を原資に診療券を発行し、東京都を通じて障害者の方々に配布していました。しかし、数年前から診療券の金額が1頭あたり年間3万円から2万円に減額し、ついに診療券給付事業は休止されました。東京都獣医師会からは東京都に対し事業の予算化が要望されています。
 身体障害者の日常生活の支援には、補助犬の医療費の支援が重要であり、都が予算化する必要があると考えます。以下質問いたします。

昨年度補助犬診療券は何人に配布していましたか。
東京都獣医師会の補助犬診療券給付事業はいつからいつまで行われてきましたか。
東京都としての補助犬に対する支援事業はどのようなことを行っていますか。
補助犬の役割は、障害のない人と同じように生活や社会参加をするためのものです。その為に経済的負担が生じるのは不平等ではありませんか。
補助犬診療券給付の有無は障害者の生活に大きく関わると考えます。診療費補助は募金や寄付を原資にするあり方を変え、都が予算化することで、安定的に給付することが必要と考えますが、見解を伺います。


2024年第3回都議会定例会
福手ゆう子議員の文書質問に対する答弁書

質 問 事 項
東京都障害者休養ホーム事業について
この事業の意義を伺う。
回答
 本事業は、障害者(児)が家族や仲間とくつろげる宿泊施設を指定し、その宿泊料の一部を助成することにより、もって障害者(児)の福祉の増進を図ることを目的として実施しています。

質 問 事 項
一の2 事業の利用人数について、2019年度から2023年度の推移を伺う。
 また、利用状況(個人利用と団体利用、大人とこども)についても伺う。
回答
 各年度の延べ利用人数は、令和元年度は14,535人、令和2年度は2,383人、令和3年度は2,927人、令和4年度は4,937人、令和5年度は6,660人です。
 そのうち、障害当事者の大人と子供それぞれの延べ利用人数は、令和元年度は8,597人と279人、令和2年度は1,348人と109人、令和3年度は1,675人と89人、令和4年度は2,839人と165人、令和5年度は3,907人と226人です。
 なお、個人利用と団体利用の内訳は把握していません。 

質 問 事 項
一の3 利用助成額の一人当たりの限度額は、障害者の大人6,490円、こども5,770円、付添者の大人3,250円と定められているが、この金額の根拠を伺う。
回答
 利用助成額は、これまでの決算や利用の状況等に基づき設定しています。

質 問 事 項
一の4 利用助成額はどのような宿泊プランを想定した金額か伺う。
回答
 本事業は、指定施設が定める1泊分の利用者の宿泊料金について、その一部を助成するものです。

質 問 事 項
一の5 現在の利用助成額はいつ設定されたものか。これまで金額はどのように変化してきたか伺う。
回答
 本事業の大人一人当たりの利用助成額は、事業開始時の昭和56年は3,900円であり、その後、昭和57年に4,800円、平成元年に4,950円、平成2年に5,260円、平成5年に現在の6,490円に改定しています。 

質 問 事 項
一の6 利用助成額の増額を求めるが、見解を伺う。
回答
 本事業は、福祉サービスが不十分であった昭和50年代に、障害者(児)が家族や仲間とくつろげる宿泊施設を指定し、その宿泊料の一部を助成することにより、もって障害者(児)の福祉の増進を図ることを目的として開始したものです。
 都は、これまで事業実施に必要な予算を毎年度措置してきました。

質 問 事 項
一の7 指定施設の中で、2019年以降宿泊料金を値上げした施設があるかどうか把握しているか伺う。
回答
 本事業の指定施設の基本宿泊料は、各施設が定めるものであり、都は、毎年度発行する各施設の利用案内に基本宿泊料を掲載しています。

質 問 事 項
一の8 現在29施設が事業の対象として指定されているが、施設数を増やす検討はあるか伺う。また、直近5年の指定施設数の推移を伺う。 
回答
 指定施設の数は、毎年、各施設の意向等により増減しており、令和元年度は32施設、令和2年度は34施設、令和3年度は34施設、令和4年度は32施設、令和5年度は31施設です。

質 問 事 項
一の9 利用助成回数はかつて3泊までとしていたが、現在は2泊までとなっている。なぜ減らしたのか伺う。
回答
 利用助成回数は、平成9年度に、当時の決算や利用の状況等に基づき見直しました。

質 問 事 項
一の10 利用助成回数を増やすことを求めるが、見解を伺う。
回答
 本事業は、福祉サービスが不十分であった昭和50年代に、障害者(児)が家族や仲間とくつろげる宿泊施設を指定し、その宿泊料の一部を助成することにより、もって障害者(児)の福祉の増進を図ることを目的として開始したものです。
 都は、これまで事業実施に必要な予算を毎年度措置してきました。 

質 問 事 項
補助犬の診療費について
昨年度補助犬診療券は何人に配布したか伺う。
回答
 都は、令和5年度、公益社団法人東京都獣医師会の依頼に基づき、同会が発行する補助犬診療券を130人に送付しました。

質 問 事 項
二の2 東京都獣医師会の補助犬診療券給付事業はいつからいつまで行われてきたか、伺う。
回答
 補助犬診療券給付活動は、公益社団法人東京都獣医師会独自の身体障がい者支援活動として令和5年度まで行われていました。
 なお、開始時期は把握していません。

質 問 事 項
二の3 東京都としての補助犬に対する支援事業はどのようなことを行っているか伺う。
回答
 都は、身体障害者の自立と社会参加の促進を図るため、障害当事者に身体障害者補助犬を給付しています。
 また、身体障害者補助犬が果たす役割についてホームページなどで普及啓発を行うほか、苦情等相談窓口を設置し、身体障害者補助犬利用者からの相談に応じるとともに、施設等の管理者に対し、必要な助言、指導等を行っています。
質 問 事 項
二の4 補助犬の役割は、障害のない人と同じように生活や社会参加をするためのものであり、その為に経済的負担が生じるのは不平等ではないか見解を伺う。
回答
 身体障害者補助犬は、身体障害者の自立と社会参加に資するものとして、身体障害者補助犬法に基づき訓練・認定された犬であり、同法では、「身体障害者補助犬を使用する身体障害者は、その身体障害者補助犬について、体を清潔に保つとともに、予防接種及び検診を受けさせることにより、公衆衛生上の危害を生じさせないよう努めなければならない。」と規定されています。
 都は、東京都身体障害者補助犬給付要綱に基づき、身体障害者補助犬の給付を行っており、同法の規定を踏まえ、利用者が遵守すべき給付条件を定めています。 

質 問 事 項
二の5 診療費補助は募金や寄付を原資にするあり方を変え、都が予算化
することで、安定的に給付するべきだが、見解を伺う。
回答
 身体障害者補助犬法では、「身体障害者補助犬を使用する身体障害者は、その身体障害者補助犬について、体を清潔に保つとともに、予防接種及び検診を受けさせることにより、公衆衛生上の危害を生じさせないよう努めなければならない。」と規定されています。
 都は、東京都身体障害者補助犬給付要綱に基づき、身体障害者補助犬の給付を行っており、同法の規定を踏まえ、利用者が遵守すべき給付条件を定めています。