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2024.10.04

文書質問 学校統廃合について、 自衛隊駐屯地におけるPFAS汚染について 、東京における米兵の性犯罪について 尾崎あや子(北多摩第1選出)

令和6年第三回都議会定例会
文 書 質 問 趣 意 書
提出者 尾 崎 あ や 子

質 問 事 項
学校統廃合について
自衛隊駐屯地におけるPFAS汚染について
東京における米兵の性犯罪について

答弁
学校統廃合について
自衛隊駐屯地におけるPFAS汚染について
東京における米兵の性犯罪について


一 学校統廃合について
 私の活動地域である東大和市で、公共施設再編計画の策定が進められており、公共施設の2割を削減するというのが東大和市の方針になっています。東大和市内には小中学校が15校ありますが、市内の公共施設の6割を占めており、真っ先に学校統廃合を行おうとしています。
 東村山市でも、公共施設の6割を占めているのが小中学校です。東村山市は、公共施設再編計画の中で大規模学校統廃合計画と同時に、公共施設の「複合化」や「多機能化」、PFIの導入なども示しています。
 住民のみなさんからは、「学校が統廃合されれば、子どもたちの通学時間も距離も今よりも増えてしまう。子どもたちの安全を最優先して欲しい」「学校統廃合と公共施設の複合化で子どもたちの学ぶ環境はどうなるのか。公共施設が遠くなり今よりも不便になる」などの声が寄せられています。
 そこで、いくつか質問します。
公共施設再編計画は、そもそも2014年の「地方創生」政策に基づく「公共施設等総合管理計画」が後押しとなり、総務省が全自治体に要請をしています。都内自治体の公共施設再編計画の策定に都はどのような役割を担っていますか。

公立小中学校の統廃合や改修、複合化に係る国庫補助はどうなっていますか。また、都の補助や人員等への支援などはどうなっていますか。

国は2022年度(令和4年度)に公立学校施設の整備、公共施設との複合化・集約化に係る制度改正を行っていますが、改正された理由や改正に至る議論などについて伺います。

文部科学省は、公立学校の統廃合が子どもたちに与える影響を分析していますが、統廃合で生じている課題は何ですか。

小池知事は都知事選挙で「支援員の配置強化で中学校でも35人学級へ」と掲げました。中学校でも35人学級の実現は重要ですが、支援員ではなく正規の教員を増やし早急の実現を求めるものです。具体的にはどう進めるのですか。都として35人学級の成果や課題について検討しているのですか。

「図表でみる教育OECDインディケータ(2024年版)」によると、2022年の平均学級規模が出ており、小学校はOECD平均で21人、EU加盟国22か国で19人に対して日本は27人となっています。中学校については、OECD平均で23人、EU加盟国で21人、日本は32人です。学校統廃合を行うのではなく、教員を増やし子どもたちの教育環境の一層の拡充が求められますが、いかがですか。

東大和市のように公共施設2割削減先にありきで学校の統廃合が行なわれ、東村山市のように、公共施設再編計画の中で大規模学校統廃合計画と同時に、公共施設の「複合化」や「多機能化」で、学校の中に図書館や公民館、学童クラブなどの施設も入ることになったら、子どもたちの教育環境はどうなるでしょうか。公共施設の削減や公共施設の「複合化」や「多機能化」ではなく、子どもたちの教育環境の整備、子どもの最善の利益を真っ先に考えるべきだと思いますが、いかがですか。

東村山市は、民間企業に学校建設計画、維持管理、運営などを担わせるPFI事業にしようとしています。PFI事業にした場合、公立小中学校・特別支援学校の建設費は国庫補助の対象となると聞きましたが、PFI事業にすることで上乗せの補助になるのですか。

学校建設計画、維持管理、運営などをPFI事業で行っている学校は都内でありますか。全国ではどうですか。

10 学校施設にPFIを用いることの問題点について、専門家からは、「①企業は利潤追求のための事業を行うもので、公共性の実現とは対立する性格を持っている。②行政と事業者の癒着が懸念される。③企業が破綻、撤退した場合のリスクは、子どもたちの成長・発展を保障する施設にとって致命的なものになりかねない。④PFIに果たして経済的な抑制効果があるのか疑問視されている」との意見があります。学校施設にはPFIを用いることはふさわしくないと考えますが、都の認識を伺います。

二 自衛隊駐屯地におけるPFAS汚染について
 私は、2年前(2022年10月26日)の各決算特別委員会・環境局質疑で、防衛省が2019年に策定した「防衛省におけるPFOS処理実行計画」に基づいた全国の基地等におけるPFOS含有泡消火薬剤の処理を進め、2021年度に実施した全国の基地等における泡消火設備専用水槽の水質調査の分析結果について質問しました。
 立川駐屯地の専用水槽で暫定指針値を超えたことについて、立川市、昭島市、小平市、日野市、国分寺市、国立市、東大和市、武蔵村山市の8市でつくる立川飛行場周辺自治体連絡会構成市長から「①今回、水環境中の暫定目標値を超えてPFOS及びPFOAが混入していた泡消火設備専用水槽の水槽水は、適切な方法により速やかに処分すること。②上記処分までの間は、当該水槽水を使用しないこと。合わせて、水槽水が漏出することがないよう管理を徹底すること。③原因究明を速やかに行うとともに、再発防止策を講じること。④泡消火設備を設置及び使用する限りにおいて、継続して定期的に専用水槽の水質調査を行うこと。⑤以上の泡消火設備専用水槽内水槽水の処分等に関する情報は、今後、周辺自治体に速やかに提供するとともに、周辺住民への周知を丁寧に行うこと」と、5点にわたる
要望書が提出されていることも紹介し、都として防衛省に対し対策を講じるよう要望していただくことを求めました。
 そこで、いくつか質問します。

防衛省・自衛隊が保有するPFOS含有泡消火薬剤等の処理環境予定時期等についての防衛省「お知らせ」が2023年(令和5年)10月6日に出されています。その中で、立川駐屯地の水槽の1つから140ナノグラム/リットルが検出されたところについては、2022年度末(令和4年度末)までに処理を完了した水槽となっています。どのように処理を行ったのですか。

立川駐屯地の水槽で暫定指針値を超えるPFOSが検出された原因について、防衛省は明らかにしていますか。

3 立川飛行場周辺自治体連絡会構成市長の要望の中には、「泡消火設備専用水槽内水槽水の処分等に関する情報は、今後、周辺自治体に速やかに提供するとともに、周辺住民への周知を丁寧に行うこと」とあります。
 防衛省は、周辺自治体に丁寧な対応を行ったのですか。

「お知らせ」のなかで、「水槽水の調査結果及び処理進捗状況」(表)に市ヶ谷庁舎の1つの水槽から830,000ナノグラム/リットルが検出されたとなっています。市ヶ谷庁舎の水槽が暫定指針値を超過した原因について伺います。

自衛隊で使用していたPFOSが含まれている泡消火薬剤の過去の使用状況(保管、時期、頻度、量など)、使用後の処理方法(回収、廃棄、排水等)、保管・使用していた薬剤のメーカー名と商品名、基地内における過去の火災発生状況、泡消火設備専用水槽の具体的な使用方法などについて、都として調査することが必要だと思いますが、いかがですか。

三 東京における米兵の性犯罪について
 米兵による性犯罪について、東京都でも発生していることがマスコミの報道や国会質疑で明らかになりました。
 読売新聞(7月20日付)で、「過去10年間で14件ある」ことを警視庁も認めています。また、毎日新聞(7月24日付)で、「2021年から2023年の3年間で3件発生している」ことが報道されています。
 日本共産党の国会議員への警視庁資料で米軍人・軍属、その他の家族による刑法犯の摘発件数は増加傾向にあり、2023年は東京で10件もあったこと、あわせて、東京で米兵による性犯罪の件数は2021年に1件、2022年に1件であることが示されました。
 再発防止・性犯罪をなくす上で、情報を明らかにすることが必要です。
 7月30日の国会質疑で外務大臣は「被害者のプライバシー、非公開とする捜査当局の判断を踏まえて対応した」と答弁しました。しかし、日米両政府は1997年3月の日米合同委員会で、在日米軍による事件・事故の通報手続きを合意しています。米軍関係者以外では公表されている事件もあり、今回の外務省の対応は到底許されるものではありません。国会での我が党の質疑で「外務省の勝手な判断で通報手続きを守らなかった」「同じわいせつ事件にも関わらず米軍関係は非公開で特別扱いしているとしか言いようがない」と厳しく指摘しました。
 そこで、いくつか質問します。

東京における米兵の性犯罪について、過去10年間の件数(年ごとの件数)についてお答えください。

東京における米兵の性犯罪について、知事の受け止めについて伺います。

日米政府が1997年3月の日米合同委員会において合意した「在日米軍による事件・事故の通報手続き」の内容は、どのようなものですか。 
都民の安全・安心を守る立場から、米兵による性犯罪の再発防止を小池知事が直接、米軍・米国に求めるべきですが、いかがですか。 


令和6年第三回都議会定例会
尾崎あや子議員の文書質問に対する答弁書 

質 問 事 項
一 学校統廃合について
公共施設再編計画は、「公共施設等総合管理計画」 が後押しとなり、総務省が全自治体に要請している。都内自治体の公共施設再編計画の策定に都はどのような役割を担っているか伺う。
回答
 公共施設等の総合的かつ計画的な管理を推進するため、総務省は平成26年4月に各地方公共団体に対し、公共施設等総合管理計画を策定するよう要請しています。都は、これを踏まえ、都内区市町村に対して、計画の策定について適切に対応するよう通知しました。

質 問 事 項
一の2 公立小中学校の統廃合や改修、複合化に係る国庫補助はどうなっているか。また、都の補助や人員等への支援などはどうなっているか伺う。
回答
 国は、公立小・中学校等を適正な規模にするために校舎を統合することに伴う校舎・屋内運動場の新増築や改修経費について、一定の条件下で、区市町村の財政負担に対し2分の1補助しています。また、改築又は長寿命化改良のための改修工事等を行う際に、学校以外の公共施設との複合化・集約化を伴う場合は、一定の条件下で、2分の1補助しています。
都教育委員会は、区市町村における小・中学校の適正規模・適正配置を支援するため、原則、新しい学校が設置される年から3年間、教員の加配等の人的支援に加え、必要な備品及び設備の整備や小規模な維持補修、スクールバスの運行委託経費等の財政支援を行っています。
質 問 事 項
一の3 国は令和4年度に公立学校施設の整備、公共施設との複合化・集約化に係る制度改正を行っているが、改正された理由や改正に至る議論などについて伺う。
回答
 国は、公共施設の老朽化が進行し、その整備・維持管理コストの最適化が課題である中、学校と他の公共施設との複合化・集約化は、教育の質の向上や地域コミュニティ強化にも資する有効な選択肢の一つと考えられるとしています。

質 問 事 項
一の4 文部科学省は、公立学校の統廃合が子どもたちに与える影響を分析しているが、統廃合で生じている課題は何か伺う。
回答
 国が平成27年に作成した「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」によると、統合に伴いスクールバス等の多様な交通手段を導入する場合、徒歩時間の減少による体力の低下や放課後の遊びの時間や家庭学習時間の減少、児童・生徒の疲労への配慮といった課題が生じることが例示されています。
 手引では、それらの課題に正面から向き合い、解消や緩和に向けた取組について、あらかじめ一定の見通しをもって計画を作っておくことが重要とされています。

質 問 事 項
一の5 中学校でも35人学級の実現は重要だが、支援員ではなく正規の教員を増やし早急の実現を求める。具体的にはどう進めるのか。都として35人学級の成果や課題について検討しているのか伺う。
回答
 都教育委員会では、いわゆる中一ギャップを解消するため、第1学年において35人学級の編制等が可能となるよう教員加配を行っています。
 中一ギャップ解消に取り組んでいる学校からは「入学直後の人間関係等のトラブルを早期に発見し、適切な対応、指導を実施することができた。」等の報告を受けています。

質 問 事 項
一の6 「図表でみる教育OECDインディケータ(2024年版)」によると、2022年の小学校の平均学級規模はOECD平均で21人などに対して日本は27人、中学校については、OECD平均で23人、日本は32人となっている。統廃合を行うのではなく、教員を増やし子どもたちの教育環境の一層の拡充が求められるが、見解を伺う。
回答
 教職員定数については、国の標準法に基づく都の配置基準により適切に配置しており、引き続き、国に定数の充実を求めていきます。

質 問 事 項
一の7 公共施設の削減や公共施設の「複合化」や「多機能化」ではなく、子どもたちの教育環境の整備、子どもの最善の利益を真っ先に考えるべきだが、見解を伺う。
回答
 学校規模の適正化の検討は、国が平成27年に作成した「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」によると、児童・生徒の教育条件の改善の観点を中心に据え、学校教育の目的や目標をより良く実現するために行うべきものとされています。

質 問 事 項
一の8 PFI事業にした場合、公立小中学校・特別支援学校の建設費は国庫補助の対象になると聞いたが、PFI事業にすることで上乗せの補助になるのか伺う。
回答 
 国庫補助については、PFIを活用することに対する加算や補助率の引き上げはありません。

質 問 事 項
一の9 学校建設計画、維持管理、運営などをPFI事業で行っている学校は都内にあるか。全国ではどうか伺う。
回答
 国の調査によれば、令和4年度末時点で学校施設(大学施設を含む。)に係る事業は239件です。都内においても、PFI事業により学校施設整備等を行った事例は2件あります。

質 問 事 項
一の10 「①企業は利潤追求のための事業を行うもので、公共性の実現とは対立する性格②行政と事業者の癒着の懸念③企業が破綻、撤退した場合のリスク④PFIの経済的な抑制効果への疑問」との専門家の意見があり、学校施設にPFIを用いることはふさわしくないと考えるが、都の認識を伺う。
回答
 国は、事例集等で、建物維持管理や修繕を民間事業者に委ねることにより、教職員が本来の教育業務に注力できるようになった等、PFIの導入効果を示しています。 

質 問 事 項
二 自衛隊駐屯地におけるPFAS汚染について
1 防衛省、自衛隊が保有するPFOS含有泡消火薬剤等の処理完了予定時期等についての「お知らせ」の中で、立川駐屯地の水槽について、令和4年度末までに処理を完了したとなっている。どのように処理を行ったのか伺う。
回答
 国の技術基準に基づき処理したと聞いています。

質 問 事 項
二の2 立川駐屯地の水槽で暫定指針値を超えるPFOSが検出された原因について、防衛省は明らかにしているか伺う。
回答
 本件については、防衛省は公表していません。

質 問 事 項
二の3 立川飛行場周辺自治体連絡会構成市長の要望の中に、「泡消火設備専用水槽内水槽水の処分等に関する情報は、今後、周辺自治体に速やかに提供するとともに、周辺住民への周知を丁寧に行うこと」とある。
 防衛省は、周辺自治体に丁寧な対応を行ったのか伺う。
回答
 国からは、関係自治体に対して、事前に説明を行ったと聞いています。

質 問 事 項
二の4 「お知らせ」のなかで、「水槽水の調査結果及び処理進捗状況」(表)に市ヶ谷庁舎の1つの水槽から830,000ナノグラム/リットルが検出されたとなっている。市ヶ谷庁舎の水槽が暫定指針値を超過した原因について伺う。
回答
 国からは、原因については不明と聞いています。

質 問 事 項
二の5 自衛隊で使用していたPFOSが含まれている泡消火薬剤の過去の使用状況、使用後の処理方法、保管・使用していた薬剤のメーカー名と商品名、基地内における過去の火災発生状況、泡消火設備専用水槽の具体的な使用方法などについて、都として調査することが必要だと考えるが見解を伺う。
回答
 国の技術基準に基づき管理及び処理されたと聞いています。 
なお、国は、自衛隊が保有する全てのPFOS含有泡消火薬剤等の処理が完了したと公表しています。

質 問 事 項
三 東京における米兵の性犯罪について
東京における米兵の性犯罪について、過去10年間の年ごとの件数について伺う。
回答
 過去10年間の米軍構成員等(軍人、軍属及び家族)による不同意性交等及び不同意わいせつの検挙件数については、以下のとおりです。

  平成26年 平成27年 平成28年 平成29年

平成30年

令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年
不同意性交等
不同意わいせつ

 ※ 平成29年刑法の改正により強制性交等が施行、令和5年刑法の改正により不同意性交等及び不同意わいせつが施行

質 問 事 項
三の2 東京における米兵の性犯罪について、知事の受け止めを伺う。
回答
 加害者が米軍関係者であるか否かを問わず、性犯罪・性暴力は重大な人権侵害です。 

質 問 事 項
三の3 日米政府が合意した「在日米軍による事件・事故の通報手続き」の内容は、どのようなものか伺う。
回答
 在日米軍に係る事件・事故発生情報の通報基準、通報経路、通報様式を
定めたものです。

質 問 事 項
三の4 都民の安全・安心を守る立場から、米兵による性犯罪の再発防止を知事が直接、米軍・米国に求めるべきだが見解を伺う。
回答
 都は、これまでも、米軍関係者による性犯罪等の犯罪の再発防止に努めることを、繰り返し、国や米軍に要請しています。