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質問・条例提案

2025.02.28

本会議 原純子都議(江戸川選出)の一般質問

  2025年2月28日の本会議で、原純子都議(江戸川区選出)が一般質問を行いました。

 

 

質問全文(質問原稿)です。
★ 動画(都議会ホームページです。)

1.核兵器廃絶と被爆の実相の継承について
2.23区の高騰する火葬料について
3.鹿本学園など特別支援学校の教育環境の改善について


一、核兵器廃絶と被爆の実相の継承について
 昨年の日本被団協のノーベル平和賞受賞は本当にうれしいニュースでした。
ノーベル平和委員会のフリードネス委員長は12月10日の授賞式で次のように話しました。
 「あなた方は被爆者であることに甘んじませんでした。大国が核武装へと世界を導く中、あなた方は恐怖の念に駆られながらも沈黙を拒否しました。あなた方は立ち上がり、かけがえのない証人として自身の体験を世界と分かち合う選択をしたのです。あなた方は抵抗し続ける力の象徴です。あなた方は世界が必要としている光なのです。」
 「原爆の被害は私たちで最後にしてほしい」という被爆者の思いと活動が、いま歴史を動かしています。
Q1 小池知事は被団協のノーベル平和賞受賞について、昨年12月のわが党の質問に対し「原爆の記憶を人類共通の記憶として次世代に語り継いでいくことは、今を生きる私たちの重要な使命。ノーベル平和賞の受賞はそうした取り組みを後押しするもの」と答弁しました。
 それならば被爆80年にあたる今年を、被爆の実相を伝え、核兵器廃絶に向かう新たな出発の年にすべきだと考えますが、知事の決意を伺います。
Q2 被団協の田中照巳代表は、授賞式のスピーチで「核兵器の保有と使用を前提とする核抑止論ではなく、核兵器は一発たりとも持ってはいけないというのが原爆被害者の心からの願いです」と訴えました。
 核兵器の廃絶こそが被爆者の願いですが、知事も同じ思いですか。
核兵器が使用されかねない危機に直面する国際情勢の中、世界の人々は核兵器廃絶に向かう大きな流れを起こしています。その中で、3月3日からニューヨークで開催される核兵器禁止条約第3回締約国会議は重要ですが、日本政府は会議へのオブザーバー参加を見送ると表明しました。ノーベル平和賞受賞のタイミングでなお、被爆者の願いに背を向ける政府の姿勢は、許されません。
Q3 核兵器禁止条約第3回締約国会議への、知事の参加、または都の職員の派遣を求めますが、いかがですか。
Q4 核兵器禁止条約を日本政府が批准することを強く求めるべきですが、知事の見解を伺います。
 都の平和への姿勢も問われます。小池知事は、施政方針で「ミサイル攻撃を現実的な脅威ととらえ、その対処を強化する」などと発言しましたが、今やらなければならないのは戦争の準備ではなく、平和をつくる努力です。
Q5 唯一の戦争被爆国の首都、東京で、今こそ、非核平和都市宣言を上げませんか。核兵器NOの大きなアピールになるでしょう。知事、ぜひ前向きな答弁をお願いします。
 そして、例えば都庁舎に「被団協のノーベル平和賞受賞、おめでとう」の横断幕を掲げるなど、多くの人に知ってもらうとりくみを要望します。
 私の地元江戸川区在住の被爆者で、いま87歳の山本宏さんは、7歳の時に広島で被爆し、後頭部や右ひじに大やけどを負いました。ご家族と必死で避難した山の上から見た市内は火の海で、学友の多くが亡くなられたそうです。
 それから70年あまりの歳月を経て、山本さんは、封印していた被爆の記憶を語り始めました。現在は小中学校に被爆体験を話しに行く山本さんですが、「今でも体験を語ったその夜は、あの日の恐怖の光景がよみがえり悪夢にうなされる」というのです。それでもなお、語りに出かけるのです。
 私たちの世代は、被爆体験を当事者から直接聞くことのできる、特別な世代です。被爆者の体験を継承することが、私たちの使命だと考えます。
Q6 都庁舎内で、原爆写真や原爆の絵の常設展示をする、あるいは広島資料館にある被爆者証言ビデオを視聴できるようにするなど、「次世代に語り継ぐ」とりくみを提案しますが、いかがですか。
Q7 都内各地で、原爆展、戦争展を開くなどの努力が続けられています。区市町村や民間団体による被爆の実相を継承するとりくみや、原爆碑の維持管理に対する、都の支援を提案します。いかがですか。
Q8 広島市の外郭団体「広島平和文化センター」は、より多くの生徒に被爆の実相を学んでもらおうと、来年度から、東京都を含む1都5県からの修学旅行に、生徒一人あたり3千円を助成する制度を始めるそうです。
 都内の生徒が原爆の実相を学ぶ貴重な活動ですから、東京都こそ、広島・長崎への修学旅行などに補助すべきです。いかがですか。
Q9 都において、平和事業を総合的に担当する部署を創設することを求めます。いかがですか。
 2024年3月時点で、東京の被爆者は3557人、平均年齢は85.3歳になっています。被爆二世は8830人で、平均年齢は61.4歳です。
 東京の被爆者の会である東友会は、1958年の設立以来、被爆者に寄り添い、都の委託を受けて、被爆者健康指導、相談事業にとりくんでいます。被爆二世の医療費助成を全国に先駆けて実現するなど、都とともに被爆者と被爆二世の健康、生活を支えています。
 相談件数は年間1万数千件に及びます。東友会への委託事業を今後も維持・継続することを求めるものです。
Q10 高齢で介護が必要になった被爆者への介護手当や家族介護手当などの制度が、十分に使われていません。本人や介護従事者などへのいっそうの制度周知を求めますが、いかがですか。
Q11 被爆の子の健康診断を5~6月と11~12月の期間のみでなく、通年受けられるようにすべきです。また、健診項目に甲状腺機能を加えるなど必要な健診メニューに更新することを求めます。いかがですか。
 被爆者や被爆2世の健康不安、暮らしの不安に寄り添い、当事者の願いに応えた制度の充実を求めます。

二、23区の高騰する火葬料について
 次に火葬行政についてです。
 お葬式を出すのに、分割払いの相談があったと葬儀社で伺いました。
 東京23区での高額な火葬料が、社会問題になっています。23区では、公営火葬場は都立瑞江と臨海斎場の2か所で、あとの7か所が民営火葬場です。
 うち6か所を運営している東京博善株式会社が、5万9千円だった火葬料を2021年以降、あいついで引き上げ、3年半で1.5倍の9万円になっています。一方、全国88都市の平均は約1万円です。
 火葬事業は、「墓地、埋葬等に関する法律」で規定されており、厚生労働省からは、「火葬場の経営主体は、原則として地方公共団体でなければならない」「経営については、その永続性と非営利性が確保されなければならない」と通知が出ています。
Q1 火葬は誰もが通る道であり、火葬業務において非営利性を確保することは大原則ですが、知事はどう認識していますか。
厚生労働省が、2022年11月24日の事務連絡で「火葬場経営が利益追求の手段となって、利用者が犠牲になるようなことはあってはならないもの」と指導・監督の徹底を求めています。
 厚生労働省がこのような通知を出さざるを得ない事態であることを、都は重く受け止めるべきです。
 2021年に東京博善が火葬料を上げ始めたときの理由の一つが、公営火葬場である「瑞江葬儀所の都民外料金や臨海斎場の組織区外住民料金とのバランス」です。
 2002年に7200円だった瑞江葬儀所の火葬料は、受益者負担だとして5万9600円まで、この20年間で8倍に引き上げられました。東京博善は、こうした都営の料金設定を口実にして、急激な引き上げを始めたのです。
Q2 都営葬儀所の火葬料を引き上げ続けてきた受益者負担の考え方はやめるべきです。答弁を求めます。
 火葬場の指導・監督については、火葬場が設置されている区にその権限がありますが、この2年間だけでも都に対し、7区議会から意見書が出されています。民営火葬場の火葬料の規制、火葬場新設の検討、また、火葬の現状と今後について、23区と連携して議論する検討会の設置などの要望が出されています。
Q3 区議会から出されている要望を受けとめ、火葬のあり方に関する検討会を設置し、火葬料の基準を示すことなどが必要だと考えますが、いかがですか。
Q4 死亡者数は2060年代まで伸びると予測されています。都としてしっかりと受け入れの見通しを持ち、都立火葬場を新設すべきではありませんか。
Q5 区市町村から火葬場新設の相談があった際には、都立公園をはじめ都有地の提供について親身に対応すべきと考えますが、いかがですか。
 誰もがお金の心配なく、故人を安心して見送ることのできる火葬行政を確立するために、都が役割を果たすことを強く求めるものです。

三、鹿本学園など特別支援学校の教育環境の改善について
 最後に、特別支援学校の教育環境の改善についてです。
 都立鹿本学園の大規模化と教室不足による教育環境の悪化について、私は2年前にも質問し、学校新設を求めましたが、その後2年間、何の計画も示されませんでした。その時からさらに児童生徒が増え、今年度は495人に、学級数は5クラス増え108学級にもなり、来年度はさらに増加する見込みです。
Q1 そもそも子どもたちの教育環境を悪化させる教室の間仕切りや転用は、緊急対応に限定すべきです。来年度も学級増に同じ対応をすることは許されません。
 すでに限界を超えているのではないですか。どう認識していますか。
 鹿本学園の仮設校舎建設について入札を行ったと聞いています。
Q2 特別支援学校の子どもたちの教育環境を守る対応方針を伺います。
 東京の東部地域に、特別支援学校を新設することが必要です。
Q3 在籍児童・生徒数の増加傾向に対応し、特別支援学校を一刻も早く増設することを求めます。
 答弁を求め質問を終わります。