文書質問 辰沼団地の建て替えと都営住宅の間取りについて 斉藤まりこ(足立区選出)
2024年第4回都議会定例会
文書質問趣意書提出者
斉藤まりこ
質問事項
一 辰沼団地の建て替えと都営住宅の間取りについて
一 辰沼団地の建て替えと都営住宅の間取りについて
足立区の辰沼団地が建て替えにあたって、住民の方々から期待の声が寄せられている一方で、新しく建てられる住棟についての不安の声も届けられています。住民の方々の高齢化も進む中、丁寧な説明とともに、介護が必要になっても安心して住むことができる間取りや、若い人たちが入居できる設計が求められています。その観点から伺います。
Q1 まず、辰沼団地の建て替え工事の第Ⅰ期の今後のスケジュールについて伺います。
Q2 第Ⅰ期の住民の方々はすでに仮移転も含めて転居済みですが、新しく建てられる住棟に戻る世帯は何世帯か、世帯人数別にお示しください。
Q3 辰沼団地では、都内の団地で初めて、一人世帯の方を対象に、間取りの希望を伺うアンケート調査が行われました。このなかで、2Kを選んだ方は何人か、1DKを選んだ方は何人か伺います。
Q4 新しく建てられる住棟は何戸か、間取りごとの戸数をお示しください。
Q5 新しい住棟では、アンケート調査で示された1DKと2Kのとおりに、間取りが設計されるのでしょうか。日本共産党都議団はこれまで、都営住宅の高齢化が進む中で、一人暮らしの高齢者が「型別供給」によって1DKに転居させられる現状について、介護のためのスペースや家族が泊まることができるスペースがとれずに、困っているという声を繰り返し届けて、「型別供給」を見直し・廃止することを求めてきました。都はこの声に応えて、辰沼団地の建て替えにあたっての説明のなかで、「高齢単身者の介護のために来訪した親族等が滞在できるスペースを備えた、単身世帯向け住戸の新たな間取りの導入に向けて検討する」と報告しており、重要な取り組みです。 私のところには、介護職の方からの声も届いています。介護施設に入所していた方が退所する際に、自宅での生活が可能か、本人の住まいの確認をするとのことですが、都営住宅の1DKでは、ベッドが入らず、入浴介助もできないほどで、退所して、自宅で元気に過ごしてもらうこともできない、と訴えていました。
Q6 高齢者が安心して、健康的に過ごす環境を保障するためにも、介護が十分にできるスペースを考えた間取りの設計が重要ですが、あらためて認識を伺います。一方で、辰沼団地のアンケート調査で示された1DKと2Kは、平米数がほとんど変わらず、2Kには食事をするダイニングのスペースがないため、一部屋を食事のスペースにすると、結局1DKと同じ使い方になり、介護のためのべッドを入れたり、家族が泊まる部屋がつくれず、1DKと同じになるのではないかという懸念の声が寄せられています。
Q7 一人暮らしの高齢者に介護に必要なスペースを考えれば、ダイニングスペースを確保したうえで、居室を増やすことが必要です。つまり面積の変わらない2Kではなく、実質的に面積を広くして2DKを供給する必要があると思いますが、いかがですか。
Q8 2DK以上の間取りの供給が増えれば、若いファミリー層の入居の可能性も広がります。高齢化が進み、自治会運営もままならない現状や、都内の家賃の高騰で若い世代も含めて低廉に安心して住める都営住宅へのニーズが高まっている現状に応えるためにも、2DK以上の部屋を多くつくることを求めますが、いかがですか。
Q9 辰沼団地でアンケート調査に応じた方々は、希望を取った結果、どのようになるのか、心配する声も届いています。あらためて、間取りや戸数がどのようになるのか、住民向けに説明と疑問に答える機会をつくるべきですが、いかがですか。
Q10 今後は辰沼団地だけでなく、住民の方々に間取りの希望を伺うアンケート調査を行なうべきですが、今後の取り組みについて伺います。
Q11 都営住宅に入居する高齢者に対して、考えなければならないのは介護のスペースだけではなく、人間らしく生きることができる住まいのあり方を考える必要があります。
地元の団地の方々から、1DKだとお友達を招いたときに、ダイニングからすぐベッドが見えてしまって、恥ずかしく、お友達を呼ぶことが減ってしまったという声を寄せられています。また、建て替え前の団地では、家族と住んでいた2DKの部屋に今は1人で住んでいる高齢の方が、孫が「近くにきたから」と、泊まっていってくれたことが本当にうれしかったと話してくれました。
高齢の単身の方々に、ゆとりのある都営住宅を供給することは、高齢者が楽しみを持って、生き生きと過ごせるウェルビーイングにもつながるものです。こうした視点が重要だと思いますが、都の見解を伺います。
2024年第4回都議会定例会
斉藤まりこ議員の文書質問に対する答弁書
一 辰沼団地の建て替えと都営住宅の間取りについて
A1 辰沼町アパートについては、現在実施設計中であり、完了後、建設工事に着手する予定です。
A2 建替え後の住棟に入居を希望している居住者は、1人世帯が11世帯、2人世帯が12世帯、3人世帯が7世帯、4人世帯が3世帯、5人世帯が2世帯です。
A3 アンケート調査において、2Kを選択した方は45人、1DKを選択した方は17人です。
A4 辰沼町アパートの第Ⅰ期工事の建設計画戸数は166戸で、そのうち1DKは26戸、2Kは59戸、2DK(2人用)は55戸、2DK(3人用)は16戸、3DKは10戸となっています。
A5 アンケート調査で示した間取りを基に、現在、設計を進めております。
A6 居住者の介護ニーズや子育て支援などに対応できるよう、新たな間取りについて試行しています。
A7 都営住宅の建替えに当たっては、世帯構成に応じた的確な居室構成、面積規模の住宅の供給を図ることとしています。
A8 都営住宅の建替えに当たっては、従前居住者の世帯構成などの状況を勘案した上で、地元自治体との協議を行いながら、団地ごとの特性を踏まえて、必要なファミリー向け住戸の整備を図ることとしています。
A9 辰沼町アパートにおいては、令和6年8月に居住者へ建替計画の説明資料を配布し、問合せ等に対応しているところです。
A10 新たな間取りについては、辰沼町アパートに続き、他団地でも試行することとしており、令和6年10月に墨田区にある文花一丁目アパートにおいてアンケートを実施しています。
A11 都営住宅の建替えに当たっては、世帯構成に応じた的確な居室構成、面積規模の住宅の供給を図ることとしています。