9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典にたいする追悼文送付の再開を求める申し入れ
日本共産党都議団は本日、標記の申し入れを小池百合子知事宛てに行いました。武市敬副知事が対応し、「今年も追悼文の送付は行いません。要請は承りました」とこたえました。
★申し入れを手渡す(左から)斉藤まり子(足立区)、福手ゆう子(文京区)、とや英津子(練馬区)(武市敬副知事)原のり子(北多摩第四)、原純子(江戸川区)の各都議(2021.8.17)
東京都知事 小池百合子 殿
2021年8月17日
日本共産党東京都議会議員団
9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典にたいする追悼文送付の再開を求める申し入れ
1923年の関東大震災時、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「朝鮮人が暴動を起こす」などの流言飛語により、日本刀や竹やりなどで武装した自警団や、官憲が、朝鮮人や中国人らを襲撃し、数千人もの命が奪われました。こうした犠牲者を弔うべく、1973年以来、都立横網町公園で9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典が開催され、歴代知事は「多くの在日朝鮮人がいわれのない被害をうけ犠牲となったという事件は我が国の歴史の中でも稀にみる誠に痛ましい出来事」「世を越えて語り継いでいかなければなりません」と追悼文を送付してきました。
ところが2017年、小池百合子都知事は追悼文送付を中止し、以後4年間にわたって送付を拒否してきました。さらに今年も、追悼式典の実行委員会の申し入れに対し、送付しない旨を回答しました。
追悼文送付の中止は、史実を闇に葬り歴史修正に手を貸す行為であり、特定の民族への差別や偏見、ヘイトスピーチを助長するものです。実際、2017年以降、追悼式典の同時刻に隣接した場所で行われるようになった集会では、朝鮮人を貶め、傷つける差別的な演説がされるようになりました。「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」(以下「人権条例」)が設置する審査会は昨年、同集会での言動がヘイトスピーチにあたると認定しました。
8日に閉会した東京オリンピック大会は、森喜朗前組織委員会会長の女性蔑視発言にはじまり、過去にユダヤ人の大量虐殺を笑いのネタにするという人種差別的言動をした人物や、障害者へのいじめをした人物を開会式の企画担当者に起用するなど、運営サイドの人権意識の深刻な欠如が相次いで露呈する事態となりました。
これに重ねて開催都市の首長が、歴史に向き合わず、民族差別やヘイトスピーチを助長する立場をこれ以上続けることは、きわめて恥ずかしいことであり、断じて許されません。
以上の理由から、日本共産党都議団は以下の点について、知事に強く要請します。
1、知事は史実を誠実に直視し、今年9月1日に開催される「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」に対して、追悼文の送付を再開すること。
2、「人権条例」審査会が認定したようなヘイトスピーチが二度と行われることのないよう、9月1日の横網町公園の運営に当たり適切な措置を講じるとともに、知事は、ヘイトスピーチが行われることのない東京都を目指し率先して行動すること。
以 上