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■ 議会での質問 日本共産党東京都議団
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23区消防団への支援策の強化について
23区消防団に対する支援策の強化について伺います。
消防団は、地域の実情に精通した防災機関として極めて重要な存在であるにもかかわらず、核家族化の進行や、個人商店や製造業の減少などで、次第に高齢化がすすみ、団員の充足率を守るために、ひとかたならぬ苦労を強いられています。
このような時、きびしい家業のかたわら地域防災リーダーとしての志気を高め、若い人たちが意気に感じて参加できるように、都として消防団の施設、装備の充実、処遇改善に力をつくすことが、いま強く求められているのではないでしょうか。
さきの本会議でわが党の東ひろたか議員が分団本部施設の整備のおくれを指摘し、整備促進を求めました。これに対して、白谷消防総監は、分団本部施設の整備については緊急の課題だとの認識をしめし、計画的な整備をすすめると答弁をされました。このことは重要な前進だと歓迎します。しかし、整備がおくれているのは分団本部施設クラスの格納庫だけではありません。その他の防災資機材格納庫や可搬ポンプを収納するプレハブ格納庫についても整備が急がれています。各分団がかかえる格納庫のなやみは、狭い、不便な場所、私有地で相続が発生して返還を迫られているなど、さまざまです。そうした分団の共通の声は「適地を都や区がもっと積極的に提供してほしい」ということです。
また、最近各消防団に1台ずつ可搬ポンプを積載する軽自動車が整備されるようになりました。これも全分団に配備されるようにする必要があります。実際、団員の高齢化から「可搬ポンプを500mも600mも引っ張って火災現場にたどり着くと、息があがって消火活動ができない状態」という率直な声もあります。機動力を高めようと以前から、分団独自に軽自動車を購入しているところもあり、そこでは車検代やガソリン代、修理費などみな分団もちとなっているのです。積載車の配備は、そのための車庫の整備、格納庫の改善などとあわせてすすめることが必要であることはいうまでもありません。Q 消防庁はこの際、可搬ポンプ積載車を全分団に配備することを目標に据えて、その実現をテコに、各分団の格納庫問題に取り組むべきではありませんか。また、軽のミニポンプ車を配備することなども考えられると思いますが、お答え下さい。
つぎに、消防団員の出動手当についてであります。消防団員は自らの生活、時としては、身体、生命の危険をも顧みず出動しなければならない場合もあります。にもかかわらず、定められた出動手当が完全には支払われていないと言う現状があります。しかし、出勤手当は消防組織法に根拠をもつ費用弁償であり、財政難や予算不足と言うことが手当を支払われなくて良いという理由にはならないのです。ところが、現実には出動手当の支給率を維持するために消防団員の出勤日数の減少が図られています。これでは本末転倒もはなはだしいといわざるを得ません。
Q 消防団員の出動手当には完全に支払いするよう手だてをつくすべきと考えますが、見解を求めます。
最後に、消防行政の中での消防団の位置づけについてです、23区の消防行政は大都市行政として都知事が責任もってすすめています。確かに消防署としての活動は区境を超えて、機動的にすすめられるべきは当然のことです。しかし、消防団はあくまで地域に密着した活動にその意義があります。その活動に対応する本来の行政体は、多摩地域の消防団を各市町村が所管していると同様に、各特別区と言うことになります。しかし、各特別区は(事務処理の特例に関する条例)によって、各区長が消防団長の任命を行う程度の権限しかありません。消防団行政について、各区は都に協力すると言うことになっていますが、具体的に協力の内容についてとりきめがあるわけではありません。このことが23区消防団がさまざまな問題を解決できずに困っていることの一つの原因になっているのではないでしょうか。たとえば、葛飾区では区立公園のうち30カ所を目標に防災公園化する公園改修をすすめており、それらの公園に区は仮説トイレ、備蓄倉庫炊き出し施設などをつくっています。
ところが消防団が改修工事が始まってから防災公園ができることに気づいて、消防団の施設を併設してほしいと区に要望してもすでに時期を失していることが多いのです。Q あらかじめ区の計画にあわせて都として分団本部施設などの整備年次計画がつくられていれば、施設整備は格段にすすむではありませんか。ついては、大都市事務の中の地域密着的事務のすすめかたについて都と区はその協力の基準的内容を協議し、明文化することが必要ではないか。見解を求めます。
平成16年第三回都議会定例会
木村陽治議員の文書質問に対する答弁書質問事項
一 23区消防団への支援策の強化について
1 消防庁は、可搬ポンプ積載車を全分団に配備することを目標とし、各分団の格納庫問題に取り組むべきである。また、軽のミニポンプ車を配備することも考えられる。所見を伺う。回答
可搬ポンプ積載車については、消防団の機動力の向上による災害活動体制の充実強化とともに、消防団員の労力軽減を図るため、各分団に計画的に整備しています。
このため、可搬ポンプ積載車を格納する分団施設についても順次、計画的に整備することとしています。
また、可搬ポンプ積載車は、狭あい地域において動力ポンプを車両と切り離して運用できることや資機材等を搬送できるなど多目的に活用できます。
このようなことから、現状では軽自動車のポンプ車の配置は考えていません。質問事項
一の2 消防団員の出動手当が完全には払われておらず、支給率を維持するために出動日数の減少が図られている。消防団員の出動手当は完全に支払いするよう手だてを尽くすべきだが、見解を伺う。回答
平成15年度の消防団員の出場に対する費用弁償は、災害出場については100パーセント支給しています。訓練、警戒、行事等の災害以外の出場についても、行事等の見直しなど効率的な執行計画を作成し、引き続き計画どおりに支給できるよう努めていきます。質問事項
一の3 消防団行政について、各区は都と協力の内容についての取決めはない。大都市事務の中の地域密着的事務である23区の消防団事務の進め方について、都と区は協力内容を協議し、明文化すべきだが、見解を伺う。回答
消防団に関する事務については、これまでも各区と密接な連携を図るとともに、分団施設整備のために必要な施設や用地等についても協力を得ています。
今後とも各区及び関係機関と更なる連携に努め、協力を得ながら事務を推進していきます。