一.米軍再編計画と米軍基地撤去について
東京都には、戦後60年が終えようとしながら、いまだに米軍横田基地、赤坂プレスセンター、多摩サービス補助施設をはじめ8箇所の米軍基地がおかれ、約1603ヘクタールが基地として占有され、米兵は軍属を含め約4200名が駐留するという状態がつづいています。世界の首都で、このような外国軍隊の基地が多数おかれるという事態は他にありません。
こうした米軍基地は、沖縄県、神奈川県をはじめ、他県に存在する米軍基地と一体となって、アメリカによるイラクへの無法な侵略戦争への出撃、物資輸送の拠点となるなど、平和を求める都民の願いに逆行する役割を果たしおり、都民の安全を脅かす存在ともなっています。
重大なことは、米軍基地が、最近のアメリカの米軍基地再編計画によって、アジアにとっても、都民にとっても、ますます危険な存在となろうとしていることです。
ブッシュ大統領発言や米国防報告などでも、米軍再編計画の基本的ねらいが、在日米軍基地を、司令部機能の強化をはじめ、地球規模での戦力投入の拠点としての機動的役割と作戦地域をいっそう拡大すること、さらに日米共同での海外での軍事作戦を視野において、米軍と自衛隊との一体化をすすめようとしていることは明白です。
Q |
、知事は、米軍再編計画をどのように認識していますか。 |
Q |
、沖縄、神奈川県など基地をかかえる他県と共同し、米軍再編計画による在日米軍基地機能の強化に反対し、米軍基地の撤去の声を政府および米政府にあげるべきではありませんか。 |
Q |
、世界の米軍基地のなかで、欧州や韓国では駐留米軍の削減・縮小が具体化されるなかで、逆に日本は削減計画がないばかりか、基地機能が強化されようとしています。その背景には、日本政府が一貫してアメリカに追随し日米軍事同盟強化の路線をとっていることにあります。知事は、こうした日本政府の態度を当然視するのですか。 |
米軍再編計画では、横田基地に関しても、横田基地にある米第5空軍司令部とグアムの第13空軍司令部との統合や、さらに府中にある航空自衛隊の司令部の横田基地への移転による、米軍と自衛隊との共同使用計画がとりざたされ、自衛隊との一体化による横田基地の機能強化がはかられる危険性も新たに生まれています。
Q |
、知事は、横田基地の返還への「過程」の課題として、民間機による横田基地の使用を提案し、政府との協議や米軍への働きかけを行っていますが、返還それ自体について、政府及び米政府からなんらかの言明を得ているのですか。 |
軍民共有化は、基地返還への「過程」どころか、米軍再編と連動し横田基地の固定化につながるものです。
Q |
、しかも横田基地の軍民共有化という計画自体、昭島市、瑞穂町など隣接する自治体からは同意できないとの態度が示されており、周辺自治体の一致した要求は米軍横田基地の返還です。この一致した1点で自治体、都民あげた共同の力で返還を迫るべきではないですか。 |
Q |
、返還後の利用については、民間空港の可否も含め、あくまでも地元自治体との合意が前提であり、都民的な合意が必要と考えますが、いかがですか。 |
Q |
、また、約200ヘクタールの広さをもつ多摩サービス補助施設の返還も急務です。返還にむけたはたらきかけの経過及び返還の見通しはどのようになっているのですか。 |
米軍基地再編という新たな事態への対応とともに、アメリカによるイラクへの侵略戦争の長期化、泥沼化にともなって、整備不良などによる米軍機の墜落事故や緊急着陸などの事件は、沖縄県だけでなく東京都内及び周辺でも急増しており、都民の安全を確保するうえからも、首都の米軍基地による事故の危険にどう対応するかが、知事にあらためて問われています。
米軍機による事故は、杉並区内の中学校に横田基地から赤坂プレスセンターに向うヘリコプターが不時着するという事件をはじめ、これまでも繰り返えされてきました。しかし、今年4月以降でも、最近11月の調布飛行場への米軍ヘリ緊急着陸事件などヘリの緊急着陸3件、艦載機の都内無人島への墜落による米兵4人の死亡事故など、東京周辺の米軍機事故は6件と急増しています。
Q |
、今年4月以降の東京周辺における米軍機事故6件について、その概要と原因、及び事件にたいし都としてとった態度と米軍の対応について明らかにしてください。 |
Q |
、こうした事故の急増は、イラク戦争への米軍の対応など、最近の米軍をめぐる事態の変化と無関係とは考えられません。事故急増という事態とその背景をどのように認識しているのですか。 |
米軍機事故の危険性に関連して、あらためて考えなければならない問題が、都心部にある米軍基地赤坂プレスセンターです。
赤坂プレスセンターのヘリポートは、横田基地からの米軍ヘリが頻繁に離着陸をしており、都内で発生した米軍ヘリ緊急着陸事故のほとんども横田基地と赤坂プレスセンターとの移動の過程でおきています。
Q |
、赤坂プレスセンターは、都心の中心地であり、最近の都市開発によって周辺に六本木ヒルズをはじめ超高層ビルが乱立し、基地に接して政策大学院大学、新国立美術館が建設されつつあります。離着陸の失敗がおきれば、多数の人命を奪う大惨事になりかねません。こうした赤坂プレスセンター・へリポート基地の危険性についてどのように認識していますか。 |
Q |
、米軍基地の設置及び構造的基準は国内法の対象外となっているが、国内用である航空法を適用した場合、安全上認めがたいヘリポートではないですか。 |
Q |
、最近の事故多発の状況からみて、赤坂プレスセンターの早期返還を求めるとともに、まず緊急優先課題として米軍ヘリの飛行停止を政府及び米軍に求めるべきではないですか。 |
赤坂プレスセンターの返還以前にも緊急に解決すべき課題として、米軍が不法にも占有を継続している都立公園用地の返還の課題があります。1983年の都と東京防衛施設局及び米軍との3者協定では、基地の敷地ないでの環状3号線赤坂トンネル工事中にかぎって臨時へリポート用地として提供した土地は、工事完了後には現状回復をはかることが合意されていますが、1993年の工事完了から10年以上経過しながらも、いまだに米軍が占有を続けています。
Q |
、協定をふみにじって平然としている米軍の横暴な態度への、都の対応が問われています。対米従属といえる事態を放置することなく、協定違反の不法占拠として法的手段も含めた断固とした対応をとるべきと考えます。とれないというならその理由を明らかにすべきです。 |
以上お答えください。
一.警察大学校跡地の広域防災拠点としての整備について
中野区及び杉並区にかかる警察大学校跡地は、13・7ヘクタールと広く、区部の市街地に残された貴重な大規模用地です。この大規模用地がどのように利用されるかは、中野区民にとどまらず、杉並区をはじめ周辺都民にも大きな影響を及ぼすものです。
国は、跡地利用に関して「基本方針」で、「公用、公共用優先の原則」をかかげ、「区部の都市環境及び生活環境の改善に資するよう利用することを基本」とし、配慮する用途の第1として「防災性や快適性を高めるまちづくり」をあげています。
東京都が、中野区、杉並区とともに、2001年にまとめ、財務大臣あてに提出した「警察大学校跡地等移転地の土地利用転換計画案」では、こうした「基本方針」にもとづき、「広域避難場所としての防災機能の充実を図る」ことを目標の第1にかかげ、有効避難地面積を9・8ヘクタールから15・2ヘクタールに拡大することがもりこまれています。
中越大地震の結果は、あらためて震災対策の抜本的強化を求めており、警察大学校跡地のような広大なオープンスペースはまさに、広域避難場所であるとともに、防災時には有効に活用することのできる広域的な防災公園として整備することの必要性、緊急性を浮き彫りにしています。
それはまた、周辺住民の願いでもあります。住民団体が実施した杉並区高円寺地域住民へのアンケート調査でも、「既存樹林の保存」「できるだけ広い防災公園の確保」が多数の区民の声でした。
ところが、中野区では、清掃工場計画が中止となってことを理由に、民間参加による業務、商業、住宅など複合的な都市づくりにむけた検討をはじめ、防災機能は大きく後退させられようとしています。
しかし、清掃工場の設置計画は中止となりましたが、「土地利用転換計画案」にもられた防災拠点としての「避難地等の整備」という基本方針は、今日でもますます重要と考えます。
Q |
、区部に残された貴重な大規模用地である警察大学校跡地が、広域的観点からも、防災公園など区部における重要な防災拠点として整備されるよう、東京都として努力していくべきと考えます。 |
Q |
、広域防災拠点として警察大学校跡地を整備していくことは、地元中野区や杉並区の責務にとどまらず、広域行政、広域的防災対策をつかさどる東京都の責務です。国からの跡地取得にあたっては、東京都が財政的にも責任を果たすべきです。 |
Q |
、跡地利用計画の検討、具体化にあたっては、周辺住民に大きな影響をもたらすものであり、中野区、杉並区民の参加が保障されなければなりません。また、東京都、中野区、杉並区との十分な協議がはかられるべきです。 |
以上、質問します。