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二〇〇九年第三回定例会 本会議・新銀行東京に関する特別委員会設置動議に対する賛成討論 二〇〇九年九月二五日

清水ひで子(八王子市選出)

 日本共産党都議団を代表し、新銀行東京に関する特別委員会設置を求める動議に賛成する立場から討論を行います。

 今回の都議会議員選挙では、新銀行東京についての世論調査で「清算すべき」が七一%に達し、選挙結果においても反対を表明する会派の議員が多数となるなど、新銀行継続ノーの民意は明確になりました。新しい都議会の責務は、民意にこたえ、新銀行東京の破たんの原因と責任、清算の方向など徹底的に明らかにすることにあり、そのために特別委員会を設置することは当然のことです。
 自民党などは、特別委員会の設置は、屋上屋となるもので常任委員会の存在意義を奪うものなどという理由で設置に反対していますが、まったく道理のないものと言わなければなりません。常任委員会では、都側が提出した議案や報告についての質疑をすることが中心であるうえ、他の諸課題があるなかで、特定の問題を集中して系統的に調査し議論をつくすことや、知事及び関係局長の出席を得にくいことは周知の事実です。特別委員会を設置してこそ、知事や関係局長の出席を求め、さらに旧経営陣など関係者や専門家の参考人招致も含め総合的で徹底的な審議が行えることは明らかであります。

 そもそも、新銀行東京は計画段階から、中小企業のための銀行という設立目的や経営見通しに対して重大な疑義が生じていたにもかかわらず、知事が安易な見通しをふりまくことによって、わが党以外の会派の賛成で、一千億円の税金を投入して開業を強行したものです。その後、いくつかの会派も指摘するように、経営破たんが明らかになったにもかかわらず処理を先送りし、一千億円の大半を失う結果となった上に、昨年三月には都民の大きな批判と自民党、公明党以外の会派の反対にもかかわらず、四百億円の追加出資が決定されました。
 わが党は昨年二月、その追加出資の議案の審議に際し、徹底審議を行うことが不可欠であることから、予算特別委員会での集中審議の日程を別途確保することや、知事の出席のもとで、財政委員会と経済港湾委員会による合同審査を求め、さらには新銀行東京に関する特別委員会を設置することも求めてきました。それ以降も、常任委員会における、参考人招致などを繰り返し求めてきました。しかし、いずれも実現しなかったのです。それが今回の特別委員会設置によってようやく実現することになります。

 特別委員会の任務は、第一に、新銀行東京の破たんの原因と責任を徹底的に明らかにすることであります。
 知事は新銀行東京の経営悪化の原因について、危機的なデフォルトの発生状況に対して、抜本的な対策を講じなかった旧経営陣にあるといって、責任を旧経営陣だけに押し付け、自らの責任を回避してきました。しかし、この間の質疑でも明らかにしてきたように、新銀行の破綻の一番の原因は、知事と側近でつくった制度設計がでたらめで、欠陥計画であった上、それを旧経営陣に押し付けたことにあったことは、すでに知事も遠まわしであるにしろ認めています。
 もちろん旧経営陣にも問題がありますが、これとて、都は開業以来、幹部職員を派遣し、情報は把握できたはずであり、投資した税金を保全することをおこたった責任は免れないことなのです。この都民の声に知事はいまだにこたえていません。知事の責任について徹底審議することもこの特別委員会の重要な内容です。

 特別委員会の任務の第二は、民意にそって、新銀行東京の清算をはじめ処理方針を徹底的に審議することにあります。
今年六月の決算においても、新銀行東京は、不良債権比率が増加するなどさらなる経営悪化を示しています。しかも低利の借り入れを多額に行い、国債を購入するなど投資会社まがいのことまで行い、いびつな銀行になっています。しかも、会計処理によって黒字になったことを、開業以来初めてだといいはりました。さらに、融資の中小企業比率も三割台と本来の目的とは、もはや遠くかけ離れた実態です。民意にそって、すみやかに処理することこそ求められています。
 こうしたもとで、本動議が採択され、特別委員会が設置されたならば、わが党は徹底審議と建設的な提案を行い、新銀行東京のすみやかな清算・処理を実現させるために全力をつくす決意を述べて、討論を終わります。

以上