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2010年第1回定例会・予算特別委員会 代表総括質疑 2010年3月11日
吉田信夫議員(杉並区選出)
築地市場の豊洲移転問題について
「適用実験」中間報告について
「適用実験」について
微生物処理について
有楽町層下の土壌汚染について
〇吉田議員 私は、築地市場の豊洲移転問題について質問いたします。
都は来年度予算で、豊洲移転のために用地購入費など千二百八十億円を計上していますが、これは昨年の都議選でも示された都民多数の意思に背くものです。
都は、都民の批判に対し、適用実験を行うことを昨年末急遽発表し、知事は、その結果を確認した上で速やかに豊洲市場の開場に向け事業に着手すると強調しています。そして、一月末に実験に取りかかったと思ったら、昨日もう、まるで本予算特別委員会に間に合わすように、実験結果の中間報告なるものを発表しました。この報告で、都は、確実に汚染物質を無害化できることが実証されましたというふうにいい切っています。
そこで、市場長にお伺いいたします。昨日の中間報告では、委託業者からの生の数字しか示されていません。実証されたという評価は、だれの責任で、だれが、どのような根拠で行ったんですか。専門家によるデータの分析の検証を経たものなんですか。どうですか。お答えください。
〇岡田中央卸売市場長 豊洲新市場におきまして土壌汚染対策をやろうとしているわけでございますが、これは、技術会議において、実証データをもって非常に有効性が確認されている、信頼性の高い対策でございます。原島先生を初めとする技術会議において、先端技術を活用した、日本の成功事例がたくさんある、そうした技術でございます。それを今回、豊洲において実験をしようということでございまして、その目的としては、汚染物質の最適な処理を行うための諸条件を把握する。これとあわせまして、確実に無害化が可能であることを具体的なデータによって確認する、これが目的でございます。
今回の実験は、実際の土壌汚染対策、これと同じ方法で、現地の汚染された土壌や地下水の除去、浄化を行っているわけでございまして、具体的にどうやっておりますかというと、ボーリング調査によってどこに何の汚染があるかということがわかっておりますので、実際に十メーター、十メーターでやっているわけでございます。
今回の実験では、ベンゼンだとかシアンだとか、重金属の複合汚染を対象とした洗浄処理及び油膜が見られます汚染土壌を対象とした中温加熱処理、こうしたことをやりまして、そのデータが環境基準以下になったことを具体的なデータでもって確認することができた、そういうことでございますので、昨日の発表におきまして、確実に汚染物質が無害化できることが確認されました、こういうふうにご説明させていただいたところでございます。
〇吉田議員 あれこれ述べましたけれども、昨日の中間報告で委託業者が示したのは生データだけです。その他の条件は何も記されておりません。しかも、その生データなるものも、極めて一部の部分的なものにしかすぎません。それをもって東京都が安全宣言をするということは許されることではありません。当然、公正、中立、専門的立場からの検証を経ることなく、安全だというふうに宣言をすることはとんでもないことだということを指摘しておきたいと思います。(石原知事「中間報告だよ」と呼ぶ)中間報告だといって、安全だと何でできるんですか。
しかも、実験のやり方、データの中身にも大きな問題があります。驚くべきことに、今回採取し処理した土壌の、いわば実験前の汚染濃度、初期値ですね、これが発表文には示されておりません。示されているのは、わずか、以前に専門家会議の詳細調査で行ったデータが前提条件として示されています。例えば四〇〇ミリグラム・パー・リットルが示され、その次の欄に今回の処理で〇・〇〇三ミリグラム・パー・リットルになったというふうになっています。あたかも採取した土壌が、当初、環境基準の四万三千倍の汚染だったものが、処理した結果、基準以下になったといわんばかりのデータになっています。
そこで伺いますけれども、およそ無害化を証明する実験ならば、少なくとも採取した土壌の汚染がどれだけの値だったのか、それが処理した結果、どのようになったのかという数字が示されなければならないと思います。しかし、そのサンプルの初期値が示されていないんです。改めて、そんなことで判断できるわけないでしょう。そんなデータで意味がないじゃないですか。一体これはどうなっているんですか。
〇岡田中央卸売市場長 まず、単なるデータというご指摘でございましたが、それは単なるデータではございません。私どもは、そのデータを国が認めております計量証明を出せるところ、そこに出して、計量証明書つきでもらったわけでございます。したがいまして、単なるデータではなく、まさにデータそのものがちゃんとした検査機関によって確認され、証明されたデータである。したがいまして、それについては環境基準以下なのか、環境基準を超えていないかという判断ができる。そういうことでもってご説明をさせていただいたところでございます。
それから、今回は何が一番重要なデータとしてお示ししなきゃいけないのかということは、つまり、中温加熱にしろ、洗浄にしろ、対策を行ったわけです。対策を行った土壌の結果のデータがどうであったのかということを都民の皆様方にお示しするのが第一でございます。したがいまして、それがどうであったのかということをお示ししました。
ただ、それだけではわかりませんので、そこのところの土地というのは一体どういう汚染物質があったのか、あるいは最初の調査をしたときにどういうデータであったのかということもあわせてお示ししました。それがまず、今回、ご理解いただくことの第一であろうという形で思っております。
それから、ご指摘いただきました初期値というか、実験の始まる前のデータというのはどうなっているのか−−これはとってございます。今回のところ、まだ出してございません。それは、つまり初期値と最初のところでとった、ですから、処理していない数値、二つあって、両方とも少しずつ違ってくるわけでございますので、初期値の、最初のときに調査をしたときのデータというものがどういう関係になるのかということについて、現在、専門家に確認をしております。これはどういうふうに理解すればよろしいんでしょうかということを確認させていただいているところでございます。あるいは、その初期値そのものが実験を行う上でどのような意味合いを持っているんですかということを確認しているわけです。
もしきのうの段階で私どもがそのデータを出していたとして、例えば皆様方、都民の皆様方、マスコミの皆様方、この数字の差は何だといわれたとき、我々はちょっと答えられませんでした。したがいまして、そこのところについてのきちっとした説明を受けた上で、きちっとお出しします。これはホームページへもお出ししていきたいというふうに考えておりますので、ご指摘は当たらないかと思います。
〇吉田議員 ひどい話ですよ。答えられないから出さなかったと。都民に説明ができないものは出さないんだということになるではありませんか。
それでは、この発表された資料では、例えば10の地点ではベンゼンの当初値が四三〇ミリグラム・パー・リットル、これがまるで〇・〇〇三に下がったような表記になっているんですよ。では、調査の初期値は幾つだったんですか、これは。なぜこれを今示せないんですか。
〇岡田中央卸売市場長 今回のデータの中で何を一番お示ししなきゃいけないのかということにつきましては、対象物質が環境基準の環境確保条例などに基づいた調査によって、当初、例えばベンゼンが四万三千倍であったとか、シアンが九百何十倍であったといったようなところを、高濃度のところをとっておるわけでございまして、そこのところが一回目洗ったときにどこまで落ちました、二回目やったときにどこまで落ちましたということを示すのが−−つまり、これをやることによって確実に無害化できるということをお示しするということが一番重要なんだというふうなことで、今回の資料をつくってあるわけでございます。
先ほどいいましたとおり、我々は説明できないからということではなくて、きちっと初期値についてもお出しをしていきたいというふうに思っております。
〇吉田議員 なぜそれだったら初期値を出さないんですか。そもそも一般的な環境基準以下になるかならないかが問われたわけじゃないんですよ。豊洲の異常な高濃度の汚染が解決できるかどうかなんですよ。具体的には、四万三千倍の濃度の汚染が実験によって解消できるかどうかということですよ。
しかし、今の話だと、サンプルで使われた初期値は四万三千倍じゃなかったということでしょう。したがって、不都合だから出せなかったと。しかし、そのことをもって安全性が確認された、実証実験の有効性が確認されたなどということは、到底結論として出てこないじゃありませんか。当然、初期値を調べて、その初期値と比べてこれだけ低下しましたといわない限り、だれも信用することはできませんよ。これで信用せよということ自身がおかしな話じゃありませんか。
しかも、私たちが聞いた限りでは、仕様書ではそもそも初期値を調べるということは書いてありませんし、途中から指摘を受けてそうしましたということを聞いているんですよ。
知事、あなたは、先ほどの別の会派の、有効性が確認されたというふうにいわれましたけれども、今回発表された中間報告というのは、このようなものなんですよ。そもそも科学的なデータの前提である初期値の結果も示さない。実験前の数値も示さない。ただやったら、どれだけの汚染だったか知りませんけれども、それが下がっただけだと。それで無害化ができることが実証できたということは、都民を欺くものじゃありませんか。あなたはこういうことを知っていたんですか、知事。どう思いますか、こういう中間報告。知事、答えてくださいよ。安全性の根幹にかかわるんですよ。
〇石原知事 初期値は当然わかってやっているわけです。初期値の高いところをボーリングしてやっているんですから。
〇吉田議員 それだったら初期値を示すべきなんですよ。示さないから私が聞いているんじゃないですか。しかも、今回の調査の委託仕様書では、初期値は四万三千倍の土壌なんですよ。そうでなきゃだめなんですよ。本当にこういうことで、実証実験で、適用実験で無害化できることが実証できたというふうに結論できることは、私はやっぱりあってはならないというふうに思います。
しかも、仮に例えば、最終報告で初期値がきちんと示されたとしても、問題は、どのような条件で果たして行われたのかと。例えば洗浄処理についていえば、一立米の土壌に対して、何時間かけて水洗作業を、水での洗浄を行ったのか、そのためにどれだけの水を使ったのか、そういうデータが示されない限り、実際上の作業において実証できるかどうかということは立証できないじゃないですか。わずかなサンプルですから、水の量や時間をかければ、それはできるでしょう。問題は、そういうことも一切、きのう発表された中間報告には書かれていないんですよ。それだけでなぜ確認することができるのかということもあわせて、私は指摘をしておきたいというふうに思います。
〇岡田中央卸売市場長 まず、先ほど申し上げましたけど、データそのものは、計量機関に基づいて、計量証明をつけていただいたデータであるということが第一でございます。
それから、実際にやるときにつきましては、十メーター、十メーターの、それから一メーター、それを全部土量、百立米とってきまして、それを全部処理した上で、処理後のデータをとってきているということですので、四万三千倍のところについても、ちゃんと四万三千倍が含まれている土量を持ってきて、そこでもって処理をしているということでございます。
なお、例えば水をどのくらい使ったとかなんとかということにつきましては、きょうのデータをお示しするという段階では、そこまでお示ししておりません。我々が今、何をしなきゃいけないかということを考えれば、それは環境基準以下になっているかどうかということを具体的に客観性のあるデータでもってお示しするということでございますので、いずれ、そこについての報告書については出させていただきたいというふうに思います。
それからもう一点、申しわけございません。途中で変えたということですが、我々はこのデータについて、慎重にも慎重を期すために、仕様書が行った後につきましても、専門家について具体的にどういう形で実験をすればいいのかということのアドバイスを受けながらやってきていますので、仕様書の中で少し変わってきているということも、それも専門家のアドバイスを受けながらやってきているということであろうと思います。
〇吉田議員 無害化できる実証というものを正確に検討するためには、どのような諸条件で、どのような量で対応したのかということが示されるのは大前提なんですよ。それなしに、この数字だけで信用せよなどということは、通常は科学者なら到底信用できませんよ。科学者の良心にかけて、そんなことをのみ込むことはできないんですよ。
さらにいいますけれども、大体、知事は、今回の技術会議の手法が最新鋭の、最先端の技術によるものだということを豪語してまいりました。しかし、ご存じないかもしれませんけれども、今回の加熱、そして水で浄化する、さらに微生物処理、これはもう十年も前から東京ガスがやってきたんですよ。ここに資料がありますけれども、微生物処理だって、今と基本的には同じような形でやってきたんですよ。にもかかわらず、結局、そこから再び汚染が、さらに高濃度の汚染が発見できたじゃありませんか。しかも、そういう意味で、より慎重な調査報告というのが求められているんですよ。
次に伺いますけれども、今回の適用実験は約六億九千三百万、約七億円をかけて実施されていますけれども、対象処理土は千百五十立米ですよね。一立米当たりで逆算すると、費用単価は約六十万円ということになります。
これだけのお金と手間をかければ、洗浄や加熱処理で濃度が低くなるということは当たり前のことです。問題は、今回の単価で、現在、都が土壌浄化対策をやるとしている二十八・四万立米に限った処理費用を推計すると、何と千七百四十億円に膨れ上がります。
しかし、これまで都は、処理費用は五百八十六億円というふうに発表してきました。極めて大きな乖離があります。実際に豊洲の現場で行う処理は、今回と同じやり方で行うのか。それだったら、単価は一立米当たり六十万円です。それとも、あくまでも以前に発表した五百八十六億円の範囲で行うのか、どちらなんですか。
〇岡田中央卸売市場長 今回の土壌汚染につきまして、五百八十六億円という形で積算をしてございますが、これはそれぞれ処理をする処理形態、例えば洗浄ですとか、中温加熱ですとか、そういった処理形態別に費用を算出してございます。これはA掛けるBになっていまして、Aのところが東京都の積算単価、Bのところにつきましては、詳細調査ですとかボーリング調査によりまして、汚染されております土壌の処理土量を用いているわけでございます。
その際につきましても、汚染物質の種類に応じて分類して求めているわけでございまして、こうして求めた処理土量というものは、技術会議の報告の中では、総量は二十六万立米というふうになっているわけでございまして、そのトータルの経費が−−これはもちろん、土量の処理費だけではなくて、液状化対策もございますし、地下水対策もあります。そうしたものを全部含めまして五百八十六億円というふうになっているわけでございまして、我々は今後、この実験に基づきまして、来年度から土壌汚染対策を実施するわけでございますけれども、この五百八十六億円で行っていくというふうになろうかと思っています。
〇吉田議員 あくまでも五百八十六億円でやるんだというご答弁ですけれども、しかも、五百八十六億円の中には、今回の処理にかかわる事業以外のものを含めて、五百八十六億円なんだというのが説明でした。しかし、今回の実験処理の単価は、一立米当たり六十万なんですよ。そうしたら到底、五百八十六億でやろうとすれば、今回得られた成果は得られないということなんですよ。五百八十六億円でやるというふうにいえば、今回の単価で計算すれば、到底できないということなんですよ。したがって、冒頭述べた、確実に汚染物質を無害化できることが実証されるということもいえないということなんですよ。
〇吉田議員 さらに、手法についても立ち入って質問しますけれども、汚染土壌内の微生物を増殖させて、微生物にベンゼンを処理させるという手法が今回とられています。
私たちは、実際にこうした微生物による処理を請け負ってきた業者の方に聞きましたけれども、その方の説明では、まず汚染物質を食べる微生物を特定する。そのためにDNA鑑定をする。さらにその微生物が処理対象土壌に存在しているかどうかを確認する。そして、処理過程で微生物がどの程度増殖したか。ベンゼンのように揮発性物質では、蒸発による減少と微生物による減少が起きるわけですけれども、それを精査する。これを室内実験と現場で両方するんだと。したがって、こういう作業には最低でも九カ月はかかるんだという説明を聞きました。
今回の微生物処理は、こうした調査は実施しているんですか。少なくとも中間報告では、この微生物処理についても、途中でも分析データを報告するということが仕様書で書かれて契約を結んでいるじゃないですか。何も書いていないじゃないですか。どういうことですか。
〇岡田中央卸売市場長 まず質問の前に、委員から誤解があるようでございますのでいいますが、五百八十六億円というのは、トータル、例えば二十六万立米だとか、液状化対策をやったときのもので、今回は非常に処理土量が小さいわけでございますので、当然、歩掛費というものは高くなっているわけでございます。
例えば、やるためにはテントをつくらなきゃならない、入るためにいろいろと重機を用意しなきゃいけないということでございますので、当然、これを立米当たりの単価で割れば、どうしても高くなってくる。そういうことはあろうかというふうに思っていますので、今回の単価がそのまま来年度以降行う土壌汚染対策の単価になるというふうには我々は考えておりません。当然、規模のメリットが出てくるだろうと思っております。
それからもう一つ、微生物のお話でございますけれども、当然、微生物について行っております。昨日ご報告した中にも、実験中という形でうたってございますので、やってございます。ただ、当初の予定と比べて、少し実験の工程がおくれてございます。その工程は、実際に微生物をするにしても、掘っていかなきゃいけないわけですけれども、そのときに、中にコンクリートとか何かがあったりするもので、そこの処理に時間がかかっているということで、現在の、きのうの段階でデータをとるまでになっていないということで、これはいずれデータが出てくるものというふうに思ってございます。
〇吉田議員 中間報告であっても、微生物も含めて、その中間結果を報告するということに、そもそも仕様書ではなっているじゃありませんか。しかも、そういうことも説明できない中で、一方的に安全宣言をするということが問題であるということで私は主張しているわけです。
いずれにしても、実験結果について今いろいろいわれましたけれども、専門家による検証、客観的な評価を踏まえるということは、どうしても必要だと思うんです。大阪アメニティパーク土壌汚染対策などの際には、きちんと第三者によるクロスチェックということが行われています。こうしたことを当然行うべきだと思いますが、いかがですか。
〇岡田中央卸売市場長 また誤解がありますので、申しわけございませんが、我々、安全宣言はやっておりません。それは、中温加熱と洗浄について土壌処理をやった結果、環境基準以下に落ちましたということで、この対策の有効性が確認されましたと。確実にこれでもって土壌の汚染を除去することができます、こういうことをご説明させていただきました。我々がもし安全宣言をするというのであるならば、これは実際に土壌汚染対策をやって、確実に除去されるという二十三年度以降のことになるんだろうというふうに思ってございますので、それはご理解をいただければというふうに思います。
〇吉田議員 微生物処理について答えませんでしたけれども、そういうことをいうんだったら、確実に汚染物質を無害化できることが実証されたというふうに昨日発表したのは極めて不適切ですよ。
〇吉田議員 さらに、こうした問題だけではなく、そもそも前提となる汚染対策には重大な欠陥があります。その一つは、いわゆる有楽町層については不透層であるということをもって、下の土壌汚染については何ら調査もせず、対策もとっていないということです。私たちは、この問題については繰り返し、「ゆりかもめ」を初めとする構造物がそもそも何本も通っており、この有楽町層が不透水層とはいい切れないということで指摘をしてまいりました。
さらに、最近、重要な問題になってきたのが、この土地の中に数多くのくいが埋設をされているという事実であります。このくいが何本、果たして入っているのか。しかも、そのくいは、不透水層というふうにいってきた有楽町層を突き抜けているという長さのものが相当数あるということが、私たちは独自の調査で確認をすることができます。
このくいによって汚染が進行する危険性ということをどう考えているんですか。また、このくいが何本入っているというふうに皆さん方は認識しているんでしょうか。
〇岡田中央卸売市場長 くいのお話ですが、これにつきましては、既に参考人招致のときも含めましてご説明させていただいておりますし、参考人招致のときのご説明をご理解いただければわかるかと思います。
まず不透水層の問題につきましては、我々とすれば、あそこの地域については、不透水層としては敷地一面に広がっているだろうというふうに考えているということでございます。また、これにつきましては、例えば参考人の安田先生、あるいは平田先生から、参考人意見としていただいているというところでございます。
それから、くいの問題でございますけれども、このくいのことにつきましては、例えば何の中に書いてあるかということになりますので、これは用地の売買契約をしたときの土地評価書の中にそういった文言が入っているわけでございまして、そうしたデータにつきましては、公文書開示請求、あるいは都議会の方からの資料の要求を求めまして、私どもはご提出をさせていただいているということでございます。
このくいの問題につきましては、我々は特段問題は−−技術会議あるいは専門家会議で検討していただいた点につきましては、土木の先生方は、あそこにはああいった建物があるわけでございますので、当然のことながら、くいが残っているということを前提に対策を考えているということになってございまして、参考人の説明のときにも、くいと周辺の土は密着しているということになってございますので、くいを使って不透水層の下に汚染が広がっている、そういった可能性は極めて考えにくいというふうなご説明をいただいているところでございます。
〇吉田議員 考えにくいというご答弁ですけれども、何本埋設されているというふうに認識されているんですか。
〇岡田中央卸売市場長 東ガスというか、もとの地権者との間で協定書を結んであったりしているわけでございまして、その中に東ガスとの調査に基づきまして、全体の長さ、埋設されているくいの長さ、これは鋼管ぐいですとか、松ぐいとか、そういったもの全体の長さがわかってございます。それを、例えば鋼管ぐいであると、平均すればどのくらいの長さがあるかということをもって割ると、新聞報道でされた一万八千本とかということになっておりますが、我々とすれば、現在として、外へ出ている数字としては、くいごとの総延長が外へ出ているというか、文書の中として開示させていただいているということでございます。
〇吉田議員 ここに今いわれた協定書がありますけれども、それは地下埋設物の処理費、幾らを、東京都が土地を購入する場合に控除するのかと。たしか約三十六億円かと思いますけれども、そういうふうに具体的に、その中には地中のくいの総延長が示されているわけですね。それをそれぞれのPC、あるいは松くい等の平均的な長さで割り返すと、約一万八千本という、これだけの大量のくいが存在しているんですよ。
しかも、そのくいによる汚染の危険性については、参考人質疑などでも答弁に立たれておりますけれども、平田先生は、これはたしか新聞のコメントですが、鋼管くいなどが朽ちて土壌汚染の通り道になる可能性はないとはいえないというふうに危険性を指摘しているんですよ。今のご答弁は考えにくいという、いわば推論にしかすぎないんですよね。安全にかかわるこういう重大な問題について、考えにくいということしかいえないというのは極めて問題だと思うんです。きちんとくいによる汚染の危険性、あるいは有楽町以下の土壌の汚染の状況について調査すべきじゃないですか。
〇岡田中央卸売市場長 お言葉を返すようで申しわけございませんが、今の先生のお話というのは、平田先生の全体の参考人招致でのご発言の一部だけをとっているというふうに私は考えてございます。
平田先生は、基本的にくいはあると。それで、そのくいは、土壌を引き締める、いわゆる液状化対策としての効果がありますと。くいを伝って、汚染が下に行くということについては基本的に考えにくい、ただ、全くそういうことがないのかといえば、これは科学者でございますので、地下の中でそんなことは一〇〇%はいえないと。ただ、そういうことがあったとしても、きちっと対策をするときに、下へ掘り込んでいくわけですので、掘っていって本当に汚染がもしあれば、それはそのときに対策をとればいい。不透水層の下まであれば、不透水層の下まで掘っていけばいい。そして、不透水層については、改めてセメントでもって不透水層をつくればいい。そういうことであるから、対策のときにやればいいということで、何ら対策を変えることはないというふうにおっしゃっておりますし、それから、安田先生については昨日おりましたけど、それは問題はないだろうというご説明をいただいているところでございます。
〇吉田議員 結局、今の答弁でも、推論にしかすぎないんですよ。しかも、一〇〇%とはいい切れないということも事実上いわれたわけですよ。それだったらきちんとした調査をすべきなんですよ。しないで、そういうことをいい続けたまま、しかも、来年度予算では移転を進めるために土地の購入費を盛り込むということはとんでもないことです。
私たちは改めて、豊洲移転のための土地購入費の削除を決断すべきだと。汚染がこれだけ指摘をされているところに移転すべきではない。削除しないならば、修正案を提出したいという意思を述べて、質問を終わります。
以上