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文書質問趣意書

2010年6月14日      
たぞえ民夫(世田谷区選出)

商店街支援の推進について

 地域経済に欠かせない商店を守り、振興することは自治体の最重要課題であり、商店、商店街は地域に欠かせない「公共財産」です。商店街振興は、まちづくりの要です。その立場から、私は、昨年9月18日に「商店会の街路灯支援について」質問しました。
 それにたいして都は、商店街の街路灯は「商店街自らが設置したもの」として、街路灯の電気代補助、点検診断事業、交換事業、街路灯の新規設置、更新工事の契約について生じている問題など、私が提案した施策のどれもこれも、「自らの責任でおこなうもの」となんら支援する一片の姿勢さえみせませんでした。私は、このような都の姿勢を見過ごすことができません。
 都の冷たさは、それにとどまるどころか、今年度から、商店街LED化事業を改悪してしまいました。これまで「特定施策推進型商店街事業」で、老朽化した街路灯電柱の交換も、電球の交換も都の補助率4/5で行っていたものを、電柱の交換を含めたLED化事業を対象外とし、電球を替えるだけ、ないしは灯具の交換程度に限定してしまったことです。

Q こうした改悪は、商店街支援に逆行するものだと思わないのですか。老朽化した電柱の交換と同時にLED化を進めようとしていた商店街が困惑することに、痛みを感じないのですか。老朽化した電柱の交換を含めたLED化については、これまで補助率4/5が、制度変更で補助率1/3になれば、商店街の負担が重くなり、商店街の人たちが困ると思わないのですか。お答えください。

A 「特定施策推進型商店街事業」においては、今年度から、補助対象をCO2削減につながるランプ交換に重点化することにより、都が進める地球温暖化対策をより一層強化することとしました。  商店街のCO2削減につながる意欲的な取組に応え、できるだけ多くのLED化の要望に対応できるよう努めており、商店街支援に逆行するものではありません。

Q 制度改悪によって、LED化が後退してCO2削減にどのように影響すると計算したのか、明らかにしてください。また、その根拠も合わせてお示しください。

A 「特定施策推進型商店街事業」においては、今年度から、補助対象をCO2削減につながるランプ交換に重点化しました。これにより、都が進める地球温暖化対策が効果的に実現されていくものと考えています。  なお、ランプ交換はCO2の削減に寄与しますが、電柱の交換についてはCO2の削減に効果はないものと考えています。

Q 制度改悪で、商店街の負担がどのようなると見積もりましたか。それによって、商店街のLED化計画が、どのように影響すると見積もりましたか。それぞれ、その根拠も合わせて明らかにしてください。

A 「特定施策推進型商店街事業」においては、今年度から、補助対象をCO2削減につながるランプ交換に重点化し、出来るだけ多くの商店街の要望に応えられるよう制度改善に努めています。  このことにより、商店街は都の進める地球温暖化対策にとって効果の高いLEDランプをこれまでと変わらない負担で導入することができ、商店街の電気代の軽減にもつながることから、LED化の取組も着実に進むものと考えています。

Q LED化について、老朽化した街路灯電柱の交換も、電球の交換も、都の補助率4/5とする「特定施策推進型商店街事業」の対象に復活すべきだと思いますが、どうですか。復活するつもりがないというなら、その理由を、説明してください。

A 「特定施策推進型商店街事業」においては、今年度から、補助対象をCO2削減にっながるランプ交換に重点化することにより、都が進める地球温暖化対策をより一層強化することとしました。
 したがって、街路灯電柱を本事業の補助対象とする考えはありません。

 日本共産党都議団は、商店街街路灯のLED化について4月に都内の全市町にアンケート調査をしました。その結果、すでにLED化をすすめたところは77商店街で、今年度新たに設置を希望する商店街は142を越えることがわかりました。
Q 都は、商店街街路灯のLED化を希望している商店街の数について、調査したことはありますか。それは何件でしたか。

A 「特定施策推進型商店街事業」については、これまでも、商店街の要望を聞きながら、その実態を十分に把握したうえで実施しています。  改めて、調査する必要はないと考えます。

Q 限られた予算の枠に申請希望商店街が急増しているため、「特定施策推進型商店街事業」の申請を、今年度は6月1日から4日の間に先着順という受付方法に変更しました。今後は、このような姑息な方法はやめていただきたいと思いますが、いかがですか。

A 今年度の「特定施策推進型商店街事業」の申請受付にっいては、事前に十分な周知を行い、商店街からの要望を踏まえて適切に対応しました。

Q そのためには、来年度にむけて、早い時期から、希望する商店街が、どの程度あるか調査し、それに応えるための十分な予算を確保する必要があると思いますが、いかがですか。

A これまでと同様に、商店街の要望を踏まえ、適切に対応していきます。

Q 今回のアンケート調査で、補助金の交付が工事費用支払完了後になるということも、財政力の弱い商店街がLED化に踏み切れない要因となっていることが、わかりました。改善することは、商店街振興になると思いますがいかがですか。

A 地方自治法の規定では、地方自治体の支出は、金額が確定し、履行の確認後に支払いを行うことを基本としています。  また、補助金の文出に当たって特例として前払いすると、提出書類が増加するなど、事務手続上、商店街の大きな負担になることから行っていま'せん。

Q 商店街街路灯のLED化支援事業は、いずれも「要領の公表から受付までの期間が短く、商店街として事業計画が立てづらい」「交付決定がおり、年度内に支払い、実績報告するというのは短すぎる」「申請事務が繁雑」などの声もあがっています。これら商店街の要望に応え、申請手続きを改善することを求めますが、どうですか。

A 今年度の「特定施策推進型商店街事業」の申請手続きについては、事前に商店街向けの説明会を実施し、商店街が充分に検討を行える期間を設けた上で受付を行っています。また、商店街は、自らの作成した計画に基づいて、年度内に無理のない形で支払や実績報告ができる手続となっています。
 さらに、申請の受付についても、必要最小限の資料の提出を求めた上で、書類の記入に当たってきめ細かくサポートする仕組みを設けるなど、十分な対応を行っています。

 LED化事業をすすめてきた自治体からは、十分な費用対効果があるので、積極的に設置できるよう都の財政支援の拡充を求める声はもとより、「ランプの低価格化、明るさの改善」「光のひろがりが少なく、専門分野の方に照度分布を確認してもらうことが必要」「施行可能業者の情報が不足している。優良な業者を選定するのに苦労している」「個々の商店会の対応というより、景観も含め、市全体の事業として取り組みたい」という声があがっています。
Q 産業技術研究所、都内中小企業への委託研究などによって、こうした商店街の要望に応えるよう求めます。答弁を。

A ランプの価格を安くしたり、性能を改善するなどの取組は、既に各企業が進めています。
 このような企業の取組に対して、都は、新製品・新技術開発に対する助成や都立産業技術研究センターで技術支援などを行っています。
 また、工事等を行う業者にっいては、一定の基準を満たしていることを要件とし、該当するものについて情報を提供しています。

 国の制度については、多くの商店街が活用できるように、改善することも必要です。 都は、街路灯の建替え事業については、国の「中小商業活力向上事業」で対応するよう地元自治体などに説明しています。しかし、この国の事業は法人化されている商店街だけが対象です。都内の商店街が法人化率2割というもとでは、極めて限定されたものになってしまいます。
 その上、この事業は、「事業の必要性を担保するアンケート調査、活性化計画が必要」など「ハードルが高い」との声が多く寄せられています。また、そもそも、この事業についての説明会が行われるわけではなく、ホームページや官報から、各商店街が独自に情報を入手して初めてわかるもので、大規模商店街は例外としても、多くの商店街にとっては説明用語も含めて不明瞭だとの意見があがっています。
Q 都は、国の事業にこうした問題があることを認識していますか。

A 国の「中小商業活力向上事業」では、地域住民に対するニーズを十分に踏まえ、計画的に進めていくことが必要となります。そのため、制度活用に当たり、事業計画を適切に策定するのは当然のことです。
 また、国では、事業開始に当たり、商店街に対し説明会等を開催するとともに、事業内容を分かりやすく解説したパンフレット等を配付しているところです。説明会を行っていない、用語が不明瞭で説明が十分行われていないといった指摘はあたりません。

Q 都として、多くの商店街が活用できるよう国に改善するよう求めるものですが、どうですか。

A 国が始めた「中小商業活力向上事業」については、内容に特段の問題はないと考えており、事業の利用が円滑に進むような対応も行われています。
 都としては、都内の多くの商店街で活用が進むよう、区市町村を通じた働きかけにも取り組んでまいります。

 次に、いわゆる「買い物難民」問題です。
 国は、5月、商店街の衰退や、大型店の撤退で、この問題が深刻化しており、全国で推計600万人いることを指摘し、移動販売や宅配サービス、商店への送迎などの支援を自治体や住民、流通業者等が連携して担うよう提言しました。
 私も、都内の少なくない地域で、こうした問題があることを聞いています。
 たとえば、私の地元の太子堂では、大型食料品店の身勝手な撤退で、買い物に困った方々の声におされて、移転先のお店まで、マイクロバスで送迎させています。
 新宿では、坂の上にある100世帯あまりの都営住宅の近くにあったスーパーが閉店、10年ほど前まではトラックでのひき売りの店も来ていましたがやめてしまい、坂の多い、遠い商店街まで買い物に行かざるをえなくなり、高齢者に大変な負担になっています。
 生鮮食品の買い物困難が高齢者の負担になると、食事の栄養バランスが偏り、健康問題にもつながっている例もあります。
Q 都は、都内の「買い物難民」の状況について、どのように認識していますか。

A 都民の買物行動において、商店街は地域の住民が便利で安心して買物ができる場所であるとともに、地域の住民にとってコミュニティの核として重要な役割を果たしています。

Q 都内の「買い物難民」の実態について、きめ細かな調査することが重要だと思いますが、いかがですか。

A 都は、これまでも地域の実態を十分に把握したうえで商店街の振興に取り組んでいます。「買い物難民」については、地域社会により身近な区市町村が、その実態を把握するなどの対応を行うことが適切であると考えます。

Q 都として、「買い物難民」への支援策について、どのような支援が考えられますか。

A 都では、既に「新・元気を出せ!商店街事業」などの様々な商店街振興策を通じて、地域の住民が便利で安心して買物ができるよう対応を進めています。

以上